フィンランドの24時間危機サービス モバイル 精労協のページで、失業率の増大が触れられていました。コメントとして人手不足の精神医療、精神保健福祉に人手をとかかれていました。
市民ネット誕生会のときに配布していただいたのでお読みの方も多いかと存じますが、フィンランドの24時間危機サービスのモバイルは、国の失業対策事業からも金をとって運営しています。
この危機サービスは精神障害者のみを対象としているのではなく、誰でも「困った人」を対象としていること、強制医療に結び付けないサービスであることが特徴かと思います。
ご参考までにモバイルのチラシをお送りします(例によって私の訳なので日本語になっていませんが)。
モバイルは医療サービスはしないが、3人の専門家(ナース、ソーシャルワーカー、心理療法士など薬物依存や精神保健に詳しい人物)と20人の保健とソーシャルワークの教育を受けた人間で一つの危機センターを維持しています。この20人の人件費は政府の失業対策費から金を取っています。医療機関とは密接な関係はあるが本人の許可なしに精神科救急に送ることはしません。1994年から1997年の間に約20万人が利用しています。一つの危機センターで年間7200万円から9600万円の費用が掛かっています。
特別立法や特別病棟より、対象者を制限しない危機センターを実験的プロジェクトでもいいからどこかで始めてみた方がずっと生きたお金の使い方だと思うのですがねえ。全国「精神病」者集団会員長野英子
モバイル
荒れる海の安全な港
危機に陥っているとき、大きな問題であれ小さな問題であれ問題を抱えているとき、行くことのできる場所24時間開所
<モバイル 多様な側面をもつプロジェクト>
モバイルはフィンランド精神保健協会とAクリニック財団の共同のプロジェクトです。政府と地方自治体もまた参加しています。目的は自治体と地域が共同して、今日の社会の要求の変化に合わせた、弾力的な社会的サービス体制を作り上げることです。
モバイルの焦点は困窮者への救助と支援を提供することにおかれてます。現代社会における膨大な失業と社会問題の頻発は地域社会での助けを呼ぶ声を増大させています。一方公共サービスは財源の継続的な削減に直面しています。困窮者への救助の提供する事に加え、モバイルプロジェクトの平行した目的は、ソーシャルワーカーや保健介護専門家の職の創出、専門家間の共同作業の推進、そして将来のために新たな知識を生み出すことにあります。
仕事が常に発展し進化して進行していくことは、まさに出発点からプロジェクトの目的の中に掲げられています。モバイルは生き生きと変化していく、そして常に進化するプロジェクトであり、「人々のために人々によって」運営されているプロジェクトです。<誰でも支援する>
モバイルプロジェクトのもっとも目に付く部分は危機センターのネットワークです。それぞれの危機センターは3年間運営されます。その後地方自治体が、危機センターの仕事を続けたいかどうかそしていかなる形態で続けたいのかを決めます。現在フィンランドで10の地方に危機センターがあります。
地域社会のすべてのメンバーをモバイルの危機センターは受け入れます。年齢も、性別も、社会的経済的地位も関係なく受け入れられます。危機センターは人生上の問題のすべての領域に関して援助の手を差し伸べます。例えばアルコールその他薬物の乱用、失業、財政的困難あるいは精神的健康などに関するもの。問題が大きすぎるからあるいは些細なことだからといって、モバイルが誰かにドアを閉ざすことはありません。
モバイルは危機的な状況にある人々にだけ援助を提供するのではなく、その人の家族や、愛する人々に対しても援助を提供します。支援サービスはまた自治体の被雇用者、例えば警官、救急隊、保健介護従事者、ソーシャルワーカー、へも提供されますそしてまた地域の会社にも援助が提供されます。
<サービスの届く範囲>モバイルの危機センターは、援助が必要なときに人が可能な限り簡単に援助を求めることができることを目的としています。すべてのモバイルのサービスは無料で利用者は匿名で接触することも自由です。危機センターは24時間あいていますので、援助は最も必要のある時は常に準備されています。利用者の大多数は電話で私たちに接触してきます。しかし直接訪れることも平等に受け入れられますし、必要なら一晩中いることも、すべて受け入れられます。予約は一切不要です。
それぞれの危機センターは電話に備えて自由に使える自動車をもっています。我々の職員は病院やほかの施設でも利用者の相談にのりますが、そのほか利用者の求めに応じてどんな場所でも相談に応じます。喫茶店、レストラン、さらにはロックコンサートやその他の催し物の場所でも相談に応じます。
危機センターとほかの場で電話を通じて援助を提供することに加えて、モバイルは利用者を支える個人をも準備します。事故やほかの災害時の危機援助のサービスに同伴して、利用者の愛する人との相談もモバイルが提供するもう一つの支援サービスです。
<私たちは問題の背後にある個人を見ます。>
モバイル危機センターの職員はすべての人の完全な個人の人格と尊厳を尊重します。我々は問題の背後にある個人を見るよう努力します。重要なことは問題ではありません。そうではなくて我々に助けを求めに来た個人です。つまり助けられることを求めている個人です。
我々は利用者の要請と生活条件にしたがって援助と支援をします。利用者が自分の個人的な手段をすべて使って悲劇と対処できるよう、我々は最善の努力を払って利用者を励まします。
もし利用者が対処できないほど打ちのめされているような問題の場合、モバイル危機センターは、適当な公共団体、あるいはふさわしいケアや専門家に、巧みな紹介をすることで適切な援助を保障します。<専門的技術の貯え>
それぞれの危機センターには、プロジェクト中央の予算からの資金によって3人の専門家がいます。加えてプロジェクトの目的は現在職を離れている専門家に有給の職を提供することにあります。労働行政は、4週間の訓練計画に資金を提供しています。そしてその後危機センターは20人の新訓練生を雇います。今日まで、数百人の政府の失業助成金を得ている失業者が、モバイルプロジェクトを通じて意義ある仕事を見つけてきました。
モバイルには非常に広い範囲の専門家、地方自治体そして地方の公共団体、の専門的技術が貯えられています。こうした専門を超えた協力による取り組み方によってもたらされる広い範囲の経験と専門技術は、モバイルの最大の資産の一つです。ペアを組んで働くことで、モバイルの職員は自らの技能を貯え、そして利用者に全体的なケアを提供します。同時に職員は包括的な広い見通し見解をもち、可能な限り最も広い専門技術をもって援助します。我々は利用者を虫眼鏡を通して見つめることはしません。利用者がモバイルから得られるのは専門的な支援と深く包括的な本質の理解です。<将来に向けた知識>
現在の目的は、政府や地方自治体が将来利用できる社会的サービスに関する情報を生み出すことです。同じ情報はモバイルプロジェクトの成果を評価し、開発し、進化させるためにも使われます。このようにして将来地域の意志決定者は、サービスの計画そして質の向上をより容易に行うことができるようになるでしょう。モバイルの成果は様々な研究の発端にも提供されるようになるでしょう。
将来の社会的サービスの教育と開発はモバイルプロジェクトの重要な部分です。理想はモバイルのモデルを危機支援センターのネットワークにしていくことです。そのネットワークでは時間も場所もそして形態も内容も柔軟で、利用者と専門家の援助者が相互を尊重する精神をもって平等な関係で出会うことができる場所を提供するのです。そして古いインディアンのことわざ「たとえつえが折れたとしても、それにもたれることはできる」をかみしめながら。
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