全国精労協Home>資料庫>精神疾患と労働災害

精神障害と労働災害 関連 LINK含む


<2002年3月22日神戸地裁判決>

H14. 3.22 神戸地方裁判所 平成12年(行ウ)第22号 公務外認定処分取消請求事件 

 消防署職員が発症した精神疾患と公務及び同精神疾患と同人の自殺との間に相当因果関係が認められるとして、公務外認定処分を取り消した事例【公務災害】

一部紹介

本件うつ病の発症と公務との相当因果関係(うつ病の公務起因性)

現代の精神医学では,精神障害の発病は,単一の病因によるものではなく,素因,環境因(身体因,心因)の複数の病因が関与し,多元的原因で発病するものであって,その成因を前記の3つに必ずしも截然と分類することはできないし,これを3つに分類することは実際的でもないと考えられていること,そして,精神障害の成因については,「ストレス−脆弱性」理論(環境からくるストレスと個体側の反応性,脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まるという考え方で,ストレスが非常に強ければ,個体側の脆弱性が小さくても精神障害が起こるし,逆に脆弱性が大きければ,ストレスが小さくても破綻が生ずるとされる。)によって理解することが多くの人に受け入れられていること,したがって上記3つの分類に依拠する行政実務のあり方の見直しが必要であり,専門検討会報告書(甲26)においても,上記の医学的見地に立って,ほとんどの精神障害がその原因として心理的社会的原因が無視できないことから,器質性(外因性)精神障害は別として,業務による疾病と取り扱われ得るのはいわゆる心因性(反応性)精神障害に限るとする従前の行政実務における取扱いはこれを修正する必要があるとの見解を示していることが認められる。

以上のとおり,Bは,本件過重な公務によりうつ病に罹患し,その自殺念慮によって自殺したものといえるから,公務起因性を認めるのが相当であり,これを否定した本件処分は違法である。

 うつ病の発症とその後の自殺について、職場での上司からのストレスおよび過酷な業務状況と関連があるとして、労災としての認定をした画期的判決だと思います。下の精神障害等の労災認定に係る専門検討会報告の趣旨が、判決に反映しています。


<1999年7月30日労働省労働基準局補償課職業病認定対策室>

精神障害等の労災認定に係る専門検討会報告について

1 業務による心理的負荷を原因として精神障害を発病し、あるいは自殺したとして労災請求が行われる事案が近年増加している。
  労働省ではこのような現状を踏まえ、労災請求事案の処理を直接行う全国の労働基準監督署が精神障害等の労災請求事案を迅速・適正に処理するための判断のよりどころとなる一定の指針を策定するため、平成10年2月から精神医学等の専門家9名で構成される「精神障害等の労災認定に係る専門検討会」(座長:原田憲一 元東京大学教授)を開催して、精神障害等の労災認定について、精神医学等の専門的見地からの検討を行ってきたところであるが、その検討結果が取りまとめられた。

2 労働省としては、この検討結果を踏まえ、精神障害等に係る業務上外の判断のための指針を示した通達を発出する等所要の措置を講ずることとしている。

精神障害等の労災認定に係る専門検討会報告の概要あり


精神障害等の労災認定

財団法人 労災年金福祉協会のページへ

上記報告の趣旨と労災認定内容を分かりやすく説明しています。


<1999年8月1日毎日新聞社説>

過労自殺――もっとゆとりのある社会に

ようやく、というべきであろう。 仕事上の過労やストレスが心の病を生み、自ら命を絶つ、という過労自殺についての新たな労災認定基準が、この9月からスタートする。 労働省の「精神障害等の労災認定専門検討会」(座長=原田憲一・元東大教授)で、これまでの基準を根本的に見直す報告書が、30日まとめられたのに基づくものだ。 「報告書」を読むと、これまでの労働省の認定基準がいかに実態からかけ離れていたのか、行政の対応の鈍さを改めて感じる。

以下続きは→Mainichi INTERACTIVE


<1999年9月14日毎日新聞>

過労自殺 労災認定の道が広がりそう  新認定基準指針 労働省

会社嫌い・出社拒否

仕事で苦しみ抜いて自ら命を絶つ「過労自殺」に労災認定の道が広がりそうだ。労働省は14日、新たな認定基準の指針を全国の労働 基準局長に通達した。これまで「心神喪失」だけだった条件を精神障害症状全体に緩め、発病前6カ月のストレスの強度を類別評価表で 判断する。追い込まれた“企業戦士”らの苦悩をどこまで映し出せるか。

以下続きは→Mainichi INTERACTIVE


<1999年8月4日労働省審議会議事録>

第351回 労働者災害補償保険審議会

専門検討会の報告概要についての説明  労働基準局労災管理課



精神医療ニュースへ

全国精神医療労働組合協議会

事務局 : 〒604-8854 京都市中京区壬生仙念町30-2

ラボール京都4F 京都民間医労連気付

Tel/Fax: 075-811-5672

E-mail zenkoku@seirokyo.com

全国精労協ホームページ