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▼中医協で精神科の06年診療報酬改定提案

2005年11月16日、第72回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会が開かれました。
来春の診療報酬改定に向けた作業で、精神医療の評価に関する厚労省側からの提示内容が以下に掲載されています。当日は時間切れで、資料配布のみだったそうです。

第72回中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会資料(平成17年11月16日開催)

資料中に「別紙」という言葉が何回か出て来ます。福祉医療機構のWAM NET の以下のページには当日の資料が全て掲載されています。そのうちの資料4−1が添付ファイル、4−2が「別紙」です。

資料4−1:精神医療について
資料4−2:別紙 精神医療の診療報酬上の評価(入院・在宅支援)等資料)
▼資料4−3:精神保健医療について 2004年9月の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」資料が再掲されています

1.精神保健医療福祉の改革ビジョン(概要)
2.精神保健医療福祉の改革ビジョン
3.精神保健医療福祉の改革ビジョン(別紙)4-3-3_1.pdf(612KB) 4-3-3_2.pdf(647KB)


WAM NET には、厚労省の医療・福祉関係の審議会等で配布された資料がいち早く、数日後には掲載されます。時々御覧になることをお勧めします。


■自殺遺族を支援、初の全国組織…ノウハウや情報共有

<2005年11月19日 読売新聞>

 自殺者が増える中、遺族への支援に取り組む団体が増えている。これまで各団体が全国で個別に活動していたが、19日午後、初の全国組織「自死遺族ケア団体全国ネット」を設立した。それぞれが培ってきたノウハウや情報を共有し、支援の質の向上を図りたいという。

 年間の自殺者は昨年まで7年連続で3万人を超えた。「1人の自殺者に対し5人の親族がいるとすると、新たに100万人以上が遺族になった計算になる」

 精神科医らで運営するNPO法人「グリーフケア・サポートプラザ」(東京、会員約70人)の藤井忠幸副理事長は、自殺者遺族が一部の問題とは言えなくなっている現状を指摘する。

 家族の自殺を受け入れられず、遺族が誰にも相談できないままうつ状態に陥るなどの例は少なくない。中には精神的に追い込まれて後追い自殺する人もいる。

 こうした遺族の支援に取り組むグループは現在、全国に25団体程度あるといわれる。遺族同士が語り合える場や相談窓口を設けたり、会報誌を出したりするなど、それぞれが活動を展開している。

 支援団体には「自分の苦しい体験を、同じ境遇の人たちのために役立てたい」と遺族自身が運営にかかわっているケースが多い。だがスタッフとして相談を受けているうち、自分自身のつらい記憶がよみがえり、精神が不安定になって活動できなくなる例もある。

 大学生の娘を自殺で亡くした50代の母親は、支援団体にスタッフとして参加したが、1年で心身の疲労がピークに達し、相談者に対し「あなたは苦労が足りない」などと責め立てるようになったという。スタッフが不足し、活動停止に追い込まれた団体もある。

 一方、NPO法人「生と死を考える会」(東京)では、スタッフが定期的に語り合う場を設けたり、相談できる臨床心理士を配置したりするなど、精神的な負担を少しでも軽減しようとしている。同会では「こういった試みが他の団体の参考になれば。積極的に伝えていきたい」と話す。

 全国ネットには、設立準備を進めてきた首都圏と奈良の5団体に加え岩手や名古屋、福岡など14団体も加盟する見込みで、全体の構成員数は約700人に上ると見られる。スタッフへの合同研修の実施や自治体・医療機関との連携を進めていく方針だ。

 厚生労働省精神保健福祉課では「こうした民間の努力は高く評価したい。行政と民間がそれぞれの利点を生かしながら連携を図り、幅広い遺族ケアを目指したい」と話している。


■体内時計 朝の光で調整するメカニズム解明 神戸大教授ら

<2005年11月13日 毎日新聞>

 朝の光で全身の体内時計が調整される仕組みを、神戸大大学院医学系研究科の岡村均教授(時間医学)らがマウスの実験で突き止めた。目で光を受けると、腎臓のそばにある副腎に情報が伝わり、細胞を活性化するステロイドホルモンが分泌されるという。岡村教授は「朝の光でそう快に感じるのは、このためではないか」と話している。9日付米医学誌「セル・メタボリズム」に発表された。
 人やマウスの体には24時間周期の活動のリズムがあり、ホルモン量や体温などが変化する。このリズムをつくる体内時計が狂うと、睡眠障害や活動意欲の低下などの症状が表れ、ひどくなるとうつに陥る。通常は朝に光を浴び、体内時計と実際の時間のずれを修正しているが、全身に“朝”という情報がどのように伝わるかは不明だった。
 岡村教授らは、ステロイドホルモンの一種の副腎皮質ホルモンが24時間周期で増減することに着目。マウスに30分間光を当てると、このホルモンの量が約3倍に増えた。一方、体内時計の本体とされる脳の一部と副腎を結ぶ神経を切ると、光を当てても量は変わらず、光を受けると副腎皮質ホルモンが出て、全身の体内時計が修正されると結論づけた。
 岡村教授は「うつ病治療への応用が考えられる。また、ステロイド剤はぜんそく治療などに使われるが副作用がある。光を浴びせることで、ステロイドを効果的に使えるようになる可能性がある」と話している。【根本毅】


■治療受ける参考にして 下京の女性体験つづり 「精神病棟」を出版

<2005年11月18日 京都新聞>
入院生活の様子をつづった本「精神病棟」を手にする森川さん(京都市下京区)
 
 うつ病を患う京都市下京区の無職森川直美さん(49)がこのほど、自身の入院体験をつづった本「精神病棟」を出版した。他の患者との交流など、苦しい闘病生活の中にある明るさや楽しさを、細かく書いている。
 森川さんは1997年からうつ病の症状が現れ、翌夏から愛知県の病院で、入退院を繰り返している。
 「精神障害への偏見をなくそう」と今年2月、うつ病の女性が主人公の恋愛小説「赤い糸」を、「継待ゆきの」というペンネームで東京の出版社から発行。2作目の「精神病棟」は2003年11月末まで計5回入院した際のできごとをつづり、登場人物の名前以外はノンフィクションに仕上げたという。
 内容は、他の患者や看護師たちとテニスを楽しむ様子、悩みごとを話し合う情景などを明るく描き、「病棟には、なんとなくホッとする雰囲気があった」と書いている。また、患者について「皆、あまりにもやさしい心を持っており、何気ない人の言葉や態度に傷つき、心の病になって入院していた」と記した。
 森川さんは「精神科にかかることは恥ずかしくないこと。苦しい思いをしている人にこの本を読んでもらい、治療を受けるきっかけにしてほしい」と呼びかける。
 本はA6判、500冊を印刷。550円。問い合わせは新風舎TEL03(3746)4648。


■DVの勘違いって? 上野、信田両氏が対談

<2005年11月20日 琉球新報>
 「女性に対する暴力をなくす運動期間」(12―25日)にちなんだ講演会が19日、那覇市西の県女性総合センターてぃるるで開かれた。社会学者で東大大学院教授の上野千鶴子さんと臨床心理士で原宿カウンセリングセンター所長の信田さよ子さんがDV(ドメスティック・バイオレンス)をテーマに「殴られるほど愛されてる!?―女と男のカン違い―」と題して対談した。
 上野さんは「なぜ被害女性は逃げないのか」との問題について、女性側の社会的なステータスや自尊心とのかかわりを指摘しながら「DV被害者の(逃げられないという)マインドコントロールを解くには被害者を変えるのではなく、配偶者との関係をどう変えるかだ」と話した。
 信田さんはDV加害者教育について「男性から逃げようとする女性より、逃げられる男性の方が危機感が強い。彼らの危機のエネルギーには行き場が必要」と説明した。
 また、DV加害者教育プログラムの効果について「永久に暴力を振るわないかは分からない。妻の逃げ場所を必ず準備した上で、1日1日を過ごしていくしかない」と訴えた。信田さんは「社会学の見地をDV問題の解決にもっと取り入れたい」と話した。


【医療観察法;申立状況等】(10月末時点)
・申立件数;85件
医療観察法適用申し立てによる鑑定入院の結果
・入院決定;18件
・通院決定;3件
・不処遇決定(この法律による医療を行わない旨の決定);2件
・申立の却下;1件

2005年11月11日で全国主管課長会議で報告された。       

【11月以降、報道された鑑定入院命令と処遇】
・11月18日 岩手県 男性 殺人容疑(死亡) 不起訴
・11月15日 秋田県 男性 放火容疑 不起訴 
・11月11日 岡山県 女性 殺人未遂 不起訴→遠方につき精神保健福祉法

【指定入院医療機関の動向】
・国立病院機構東尾張病院(愛知県)
  12月1日より 入院受け入れ 2006年10月1日入院病棟完成
・独立行政法人国立病院機構「さいがた病院」(新潟県)
  11月10日  指定入院機関に

その他の資料はこちら 2005年11月11日で全国主管課長会議 厚生労働省のサイトWAM-NET で障害者自立支援法と「資料8:医療観察法の施行等について」など医療観察法の資料が掲載されています


■前九年殺人は不起訴処分
<2005年11月18日 岩手放送 IBC>

 ことし8月、盛岡市前九年で起きた殺人事件で、盛岡地方検察庁は今日、逮捕・送検されていた男性を心神喪失で刑事責任能力が問えないとして不起訴処分とした。
 この事件はことし8月5日、盛岡市前九年の民家で当時67歳の男性が胸などを刺されて殺されたもの。この事件で近くに住む無職の男性が殺人の疑いで逮捕・送検されたが、盛岡地検は「心神喪失で刑事責任能力が問えない」として、今日付けでこの男性を不起訴処分とした。そして盛岡地裁に医療観察法に基づく申立てを行ない鑑定入院の命令が出された。盛岡地検は「被害者と男性は顔見知りではなく、統合失調症による被害妄想でたまたま近くの家にいた被害者を殺害した」としている。


■放火の容疑者を不起訴処分に/秋田地検、心神喪失者観察法に基づき
<2005年11月15日 
秋田魁新報社


 湯沢市岩崎で先月24日に発生した放火事件で、秋田地検は14日、現住建造物等放火の疑いで拘留していた容疑者の男性(37)を不起訴処分とした。併せてことし7月に施行された心神喪失者等医療観察法に基づき、入院、通院など男性に必要な措置についての審判を秋田地裁に申し立てた。同法に基づく審判申し立ては本県では初めて。

 不起訴の理由について同地検は「犯行当時、男性は統合失調症にかかっており、刑事責任能力を問うことは困難と判断した」とした。

 申し立てを受けて秋田地裁は同日、審判の前提として精神鑑定のための入院命令を出し、男性を大仙市内の病院に入院させた。



■アルツハイマー病の原因物質、主要構造の解明に成功

<2005年11月16日 読売新聞

 アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質「ベータ・アミロイド」の主要構造をとらえることに、高野和文・大阪大工学研究科助教授らのグループが世界で初めて成功した。15日、大阪府内でのシンポジウムで発表した。

 高野助教授は「この主要構造が変化すると、ベータ・アミロイドが次々と線維状に固まっていき、病気を引き起こす」と推測。この変化を防ぐ化合物を見つければ、治療薬につながると期待している。

 ベータ・アミロイドは、線維状に固まりやすい性質が災いし、構造解析に適した結晶状態にするのが難しかった。高野助教授らは、線維化に関係すると見られている部分を、構造分析に適した別のたんぱく質に組み込む手法で、エックス線による解析に成功。この部分が折り畳まれて平面状になった形をしており、非常に分解されにくい構造であることが分かったという。

 ベータ・アミロイドは、正常な脳では酵素によって分解されるが、分解できなくなると、蓄積して「老人斑」という線維状物質を形成、アルツハイマー病を引き起こすと考えられている。



■患者窒息死で医師に有罪 転院搬送で口にティッシュ

<2005年11月15日 
河北新報社

 女性患者=当時(31)=を千葉の病院に転院搬送中、口にティッシュペーパーなどを詰め窒息死させたとして、業務上過失致死罪に問われた東京都杉並区のクリニック院長、宝喜正身(ほうき・まさみ)被告(44)に千葉地裁の宮本孝文(みやもと・たかふみ)裁判長は15日、禁固10月、執行猶予3年(求刑禁固10月)の判決を言い渡した。

 判決によると、宝喜被告は2001年1月、患者=杉並区=を自宅から千葉県の病院に車で搬送する際、暴れて舌をかまないようティッシュやタオルを口に詰め込んだ。女性は呼吸困難になり、搬送先病院で窒息死。搬送には職員が当たり、宝喜被告は同行しなかった。

 弁護側は「自殺防止のためやむを得ない措置」と無罪を主張したが、判決は「自ら同行するなどの医師として果たすべき注意義務を怠った」と退けた。


■放火の容疑者を不起訴処分に/秋田地検、心神喪失者観察法に基づき

<2005年11月15日 秋田魁新報

 湯沢市岩崎で先月24日に発生した放火事件で、秋田地検は14日、現住建造物等放火の疑いで拘留していた容疑者の男性(37)を不起訴処分とした。併せてことし7月に施行された心神喪失者等医療観察法に基づき、入院、通院など男性に必要な措置についての審判を秋田地裁に申し立てた。同法に基づく審判申し立ては本県では初めて。

 不起訴の理由について同地検は「犯行当時、男性は統合失調症にかかっており、刑事責任能力を問うことは困難と判断した」とした。

 申し立てを受けて秋田地裁は同日、審判の前提として精神鑑定のための入院命令を出し、男性を大仙市内の病院に入院させた。


■施設未整備で入院決定せず 岡山地裁、医療観察法で

<2005年11月11日 山陰中央新報

 殺人未遂事件で逮捕されたが不起訴となった岡山市の女性(29)について、岡山地裁が、7月施行の心神喪失者医療観察法に基づく強制的な入院治療が必要と実質的に判断しながら、施設の整備が進んでおらず遠方にしかないことを理由に適用を見送る決定をしたことが11日、分かった。
 地裁は、同法の指定入院施設は岩手県と東京都の2カ所しかないことを挙げ、外泊を通じた生活訓練などの面で「(遠方への)移送で生じる不利益、不便は甚大」と判断。その上で「女性は医師の入院指示に従うとしている」として、従来通り、精神保健福祉法に基づき、医師の診断に従って入院治療させることが最適との見解を示した。


■学生無年金訴訟、厚労省が控訴

<2005年11月9日 読売新聞>

 20歳以上で統合失調症と診断されたが国民年金に加入しておらず、障害基礎年金を受給できなかった東京都内の男性2人が、国に年金不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、厚生労働省は9日、不支給決定を取り消した東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

 判決は、「20歳前に発病したと認められれば、例外的に支給対象になる」と認めたが、厚労省は「初診日に20歳未満であることを支給条件に定めた国民年金法の拡大解釈にあたる」と控訴の理由を説明している。


■校長自殺を公務災害認定 「職務に起因」教育次長も

<2005年11月9日 共同通信>

 2003年に民間出身の広島県尾道市立高須小校長慶徳和宏さん=当時(56)=と、同市教育次長の山岡将吉さん=当時(55)=が相次いで自殺した問題で、地方公務員災害補償基金広島県支部は9日、自殺は職務に起因するとして、両遺族の請求通り公務災害に認定した。
 公務災害は民間の労災に当たる。同基金本部(東京)によると、基準が定められた1999年9月から今年3月までに、うつ病など精神疾患に起因する自殺で21件が認定されている。
 慶徳さんの遺族は県教委を通じて「請求が認められ安心した。思い出すのもつらい出来事であり、今はそっとしておいてほしい」と心境を明かし、山岡さんの遺族も同様のコメントを発表した。

【サイト管理者より】 「自殺は職務に起因する」と労災が認定されました。その職務とは何だったのでしょうか?
 当時、全国の教育委員会の方針で、卒業式で「君が代、日の丸の強制」が一気にすすめられ、それに反対抵抗した教への処分が乱発されました。自殺した校長の学校でもその処分を巡って問題となっていて、校長は悩んでいたと報じられていたと思います。自殺の背景には、教育基本法改悪、憲法改悪などの小泉政権の戦争できる国造りが、それに抵抗する良心的な教育労働者を処分・排除するうことが、教育の本筋とかけ離れた事を、職務として現場でになわされた校長と教育次長がうつ病となり、自殺に追い込まれたのだと思います。
 また、自殺者数は7年連続で3万人を越えています。交通事故死者数は約8000人で、その3倍近い人が自殺で亡くなっています。自殺については、自殺者、自殺未遂者の8〜9割が精神疾患の状態にあったという研究が報告されています。
 自殺率は東欧が1番多いのですが、いわゆる先進国では残念なことに日本が1位です。自殺者数のグラフは、失業率の推移のグラフと、驚くほどピタリと重なります。小泉政権は国民に痛みを押しつけています。その結果の1つが「先進国」最悪の自殺率です。
 元々統合失調症やうつ病であった人だけでなく、失業やリストラの圧力などでうつ病や抑うつ状態になった人が、未治療のまま医療や適切な援助を受けられずに自殺に追い込まれているのではないかと、当サイト管理者は考えています。
 自殺と失業、精神疾患との関連についてはいずれ特集コーナーを作っていこうと考えています。



第2回自立支援医療制度運営調査検討会議事録  精神通院医療における「重度かつ継続」の範囲について

                   2005年10月5日(水)17:30〜19:15
                   x場所 厚生労働省5階 専用第12会議室


(照会先)[自立支援医療制度運営調査検討会事務局
                     厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部  精神保健福祉課 医療費係 岩倉 慎
                         TEL: 03-5253-1111(内線3057)  FAX: 03-3593-2008


■さいがた病院、新病棟建設へ
<2005年11月10日 新潟日報

 上越市大潟区の独立行政法人国立病院機構「さいがた病院」(松枝啓院長)が、「心神喪失者医療観察法」の指定入院機関になったことが、10日までに分かった。同病院では現在の精神科病棟を改修、さらに新病棟を建設するなど、来春からの開設を目指す。厚生労働省や県によると、同法指定機関で既に診療を始めているのは全国で2施設しかなく、県内では同病院での開設が初めてとなる。
 同法は03年に成立し、今年7月施行。心神喪失・耗弱状態で他人への加害事件を起こし不起訴とされたり、起訴されたが無罪や執行猶予判決を受け刑罰を科せられなかった精神障害者が対象。各地裁の判断で、入院・通院による治療を強制的に受けさせ、再発防止や社会復帰訓練を行う。



◆<声明> 当事者・地方の不安や疑問に応えないままの障害者自立支援法の強行な採択に抗議します!

 2005年10月28日。私たちは、激しい怒りと憤り、そして深い悲しみのなかにいます。
 衆議院厚生労働委員会は障害者自立支援法案を強行に採択しました。この採択をもって事実上、今法案は施行されることになります。
 国会審議はつくされていません。全国津々浦々に満ちている当事者・関係者の疑問や不安になんら応えていません。わが国の社会保障の歴史に禍根を残す法律です。審議打ち切り、強行な採択は断じて許すことはできません。

 この法案の本質は、3年後の介護保険制度への一方的な統合を想定した、「応能から応益」負担への大転換。障害者の生活実態を無視して負担増を強い、これまでの障害者福祉の理念を変質させる大改悪です。「福祉は買うもの」「それが新しい福祉の考え方」(中村社会・援護局長)の発言や「限りなく応能負担に近づけた」(尾辻厚労大臣などは、「本音」と「言い訳」を象徴しています。
 生活保護水準さえも確保されていないきわめて低所得の障害者に、トイレや外出することも「益」であり、作業所に働きに通うことも「益」であるとし、「応益(定率)1割)負担」を強要します。食事等の自己負担化も深刻な影響をおよぼします。
 また、更生医療・育成医療・精神障害者の通院医療費公費負担制度を利用している人びとの医療を受ける権利も脅かされます。親の若齢家庭には、「減免もなく、多大な負担)がまるごと発生する乳幼児の問題も課題は残されたままです。
 さらに、厚労省のモデル事業ですら一次判定が実態を反映せず、二次判定での変更率)が5割を超えたという、ずさんな「障害程度区分」の問題もそのままです。いま利用してい福祉サービスすら、この判定で利用できなくなるのでは、こうした不安はますます増大しています。
 この法案は、障害者の切実な不安にほとんど応えることなく、二百数十ヵ所にも及ぶ政省令にすべてゆだねるという欠陥法案なのです。
 「障害者を排除する社会は弱くてもろい」(国連:1980年)と言われます。私たちはどんな障害があっても、どんなに障害が重くても、夢をもって、生きていてよかったと実感できる社会を願っています。障害者も高齢者も子どもたちも、みんな一緒にしあわせになりたいのです。
 
 「このままの障害者自立支援法案では納得できません!」のよびかけでつどった私たちの「2週間行動」は、日をおうごとに参加者を増やし、のべ2000名をこえる人たちが国会要請にとりくみました。今後も、大きく連帯して運動をすすめていきたいと思います。
 今日の日を忘れません!
 
 ○応益負担制度の撤廃を!
 ○障害当事者・関係者の声を反映した政省令を!
 ○実態に応じた市町村障害福祉計画の策定とその全面的な実施を!
 ○本格的な所得保障の確立、地域サービス基盤の整備を!

このままの障害者自立支援法案では納得できません!          
当事者・地方の声を国会にとどけよう!2週間行動 緊急集会 参加者一同

■よびかけ人
  西村 正樹 (DPI北海道ブロック会議議長)
  長田菜穂美(東久留米市手をつなぐ親の会会長)
  市江由紀子(これでいいのか?!障害者(児)福祉〜愛知集会実行委員長)
  池添  素(障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会事務局長)
  吉住 英和 (奈良県精神障害者家族会連合会会長)
  楠  敏雄(障害者自立支援法を考える大阪のつどいよびかけ人代表)
  大野 素子 (大阪府精神障害者家族会連合会会長)
  織田 晋平 (福岡県脊髄損傷者連合会事務局長)
■連絡先
  同事務局=京都市北区北野紅梅町85 弥生マンション らく相談室 気付


■ストレス だ液で測る装置開発 自殺予防にも効果か

<2005年11月2日 毎日新聞>

 独立行政法人・産業技術総合研究所(大阪府池田市)は2日、だ液中の成分を分析してストレスを手軽に測る装置を開発したと発表した。従来の装置に比べ測定時間が約10分と短時間で済む。簡単にストレスチェックできることで、心の病や自殺の予防、癒やし効果のある商品開発などに役立つものと期待され、1年以内の商品化を目指す。
 研究グループは、ストレスがかかると濃度が上がるホルモン物質のコルチゾールや、逆に濃度が下がる免疫たんぱくのs―IgAに注目。だ液に試薬を混ぜた液体を、名刺大のチップに載せて検出装置にかけるだけで、コルチゾールやs―IgAの濃度が測定でき、ストレスの程度が分かる仕組みだ。
 測定時間は約10分で、価格も100万円程度で済むという。現在、測定項目は2種類だけだが、将来的には20項目まで増やし、ストレスの中身も細かく知ることができるようになるという。
 これまでにもだ液でストレスを測る装置はあったが、分析時間が約3時間と長かった。
 開発した脇田慎一・ストレス計測評価研究チーム長は「ストレスが原因による自殺は大きな社会問題。装置を早く商品化し、健康管理や自殺予防に役立てたい」と話している。【河内敏康】


■精神疾患、過去最多 40人に1人の割合 沖縄県障害保健福祉課まとめ

<2005年11月3日 琉球新報>

精神障害者受療状況(各年6月現在) (沖縄県障害保健福祉課まとめ)
 
 昨年、統合失調症や気分障害(うつ、そううつ病)など精神障害で精神病院や精神科外来に通院した人の割合は、10年前の1万4568人と比べて約2倍にあたる2万8924人に上った。入院者を加えた数も昨年は3万4239人となり、過去最高を記録。県立総合精神保健福祉センターの仲本晴男所長は「2004年の通院・入院者数を見ると、40人に1人の県民が何らかの精神疾患を持っていることが分かる。だが、周囲の偏見から内科や外科への通院者も多く、実数は2倍はいると考えていい」と話している。
 県障害保健福祉課が県内の精神病院や精神科外来を持つ総合病院、診療所を対象にまとめた1987年から04年までの精神障害者受療状況の推移(隔年6月まとめ)によると、通院者は87年の1万1434人から毎年増加。04年までの18年間では約1万7500人増え、04年は2万8924人。87年の2・5倍に上った。
 入院者数は87年から04年にかけて約4600―5500人台で推移。同年の入院者を疾患別に見た場合は、統合失調症が65・2%と最も多く、アルツハイマー症痴ほうや血管性痴ほうなどの器質性精神障害が21・8%、アルコールや覚せい剤など精神作用物質に精神障害4・3%と続いた。
 入院期間は3カ月未満―6年以上までの9区分のうち、「6年以上」が3割と最も多く、年齢別では50、60代がそれぞれ2割いたことから、県障害保健福祉課は「地域の支える力が弱いことが、中高齢者の社会的入院にもつながっているようだ」と推測している。
 県立総合精神保健福祉センターの仲本所長は「失業率の高さやストレスの増加など社会の複雑化が精神疾患の増加につながっている」と分析、「精神疾患は特殊な人がかかるという誤解があるが、今や40人に1人の県民がり患している身近な病気。センターでも相談外来を行っているので利用してほしい」と話している。


■グループホーム 障害者施設内の設置に、支援者らが反発

<2005年10月29日 毎日新聞>

 厚生労働省が進める障害者福祉制度改革で、障害者が地域で暮らすための「グループホーム」を入所施設や精神病院の敷地内にも設置することが認められる可能性が出てきた。欧米で制度化されたグループホームは障害者が施設や病院を出て、街の中で暮らす有力な手段。関係団体は強く反発しており、来週にも施設内設置を認めないよう同省に要望する。
 障害者のグループホームは4〜5人ほどの利用者がそれぞれ個室を持ち、必要な支援を受けながら自分のペースで生活する。日本でも89年に制度化され、利用者から「もう施設に戻りたくない」との声が相次いでいる。
 ただ、現状は▽ホームの数が不足している▽国が推進する障害者の地域移行により、今後は入所施設や精神病院に大きな空きが出る――といった課題があり、施設の運営者側から厚労省に「一定の要件を満たせば空き施設などをグループホームに転用できる制度にしてほしい」という要望が寄せられている。同省障害保健福祉部は「専門家の意見を踏まえて検討したい」との姿勢だ。
 これに対し「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」(約1400会員)の室津滋樹代表は「入所施設の否定から生まれたのに、施設の中に作るなんてどう考えてもおかしい。こうした考えが容認されればホームの質が非常に悪化する」と心配する。
 精神障害者のグループホームの場合、既に精神病院の敷地内に設置されている例がある。しかし、厚労省社会保障審議会障害者部会の委員で、自らも精神障害者の広田和子さんは「これだけ多くの人が心の病にかかる時代なのに、今後も精神病院の中に障害者の居住の場を作ろうとする発想はあまりに安直だ」と批判している。
 知的障害者の親など約28万人で作る「全日本手をつなぐ育成会」の松友了常務理事も「施設内グループホームなど絶対認められない」と反発しており、グループホーム学会などと連名で同省に緊急要望書を出す方針だ。【須山勉】


■うつ病で自殺、労災と認定 会社が厳しい叱責で圧迫

<2005年10月27日 共同通信>

 道路舗装大手、前田道路の東予営業所(愛媛県)の所長だった男性=当時(43)=がうつ病で自殺したのは、過大な売り上げ目標を達成できず上司からどう喝的な叱責(しっせき)を受けた心理的な圧迫が原因などとして、新居浜労働基準監督署は27日までに労災と認定した。
 代理人の弁護士によると、男性は2003年4月、営業成績の著しく悪い東予営業所の所長になった。営業所を統括する四国支店(高松市)の上司は毎日早朝に「その日の工事出来高予定」を報告させ、厳しい叱責を続けた。
 さらに自殺直前の会議では、支店の上司らから「能力がない」「会社を辞めろ」「会社を辞めても楽にはならないぞ」などと約2時間にわたり、ののしられた。男性は04年8月にうつ病を発症。翌月、営業所敷地内で首つり自殺した。


■障害者自立支援法 来春施行

<2005年11月4日 朝日新聞>
ホームヘルパーの介助で風呂に入る吉田さん。入浴のサービスは週2回受けている=大分市牧3丁目で写真)


 先月31日の衆院本会議で成立し、来年4月に施行される障害者自立支援法に、在宅障害者から不安の声が上がっている。福祉サービス利用者の「応益負担」が導入され、市町村の審査会による「障害程度区分判定」でサービスの種類や利用頻度が決まることで、生活が変わるのではないか。そう心配する県内の在宅障害者を訪ねた。(岡雄一郎)

 「この生活を削られると困る」。大分市牧3丁目の自宅で暮らす吉田春美さん(52)は、口にくわえた棒で文字盤の文字を指した。気がかりなのは、在宅生活を支えるホームヘルプなどのサービスの内容を市町村の審査会が決める点だ。

 先天性脳性まひを患う吉田さんは20代の頃から運動機能が低下。97年12月には呼吸困難に陥り、人工呼吸器をつけるために気管切開の手術を受けて、声を失った。その後6年余の入院生活の間、ホームヘルプなど自宅での生活を支援する事業費の適用を市に要望し続けた。市町村がサービス内容を決める「措置費」制度だった当時、自宅で生活するには市の許可が必要だった。

 「自宅なら好きな時に食事や睡眠、外出ができる。ラジオの音や、食事を作るにおいも感じられる。人間として当たり前の生活を送りたかった」

 サービスを障害者が選べる「支援費」制度が03年に導入され、道が開けた。昨年1月に自宅に戻った。4事業所から交代で派遣され、ほぼ24時間付き添うホームヘルパーの介助で食事や入浴ができている。

 ようやく実現した「当たり前の生活」だが、法施行後は審査会に認められなければ難しくなる。「措置費の頃に逆戻りしかねない。新法は『自立支援』ではなく、施設入所者を増やすのではないか」。吉田さんは不安を隠せない。

 「生活が想像できない」。別府市の河野龍児さん(37)は、サービス利用者が原則として利用料の1割を支払う「応益負担」が不安だ。

 利用料は支援費制度の現在は、原則として行政の全額負担。ところが、同制度でサービスの利用量が急増し、行政が財政難に陥ったことから、新法に利用者の応益負担が盛り込まれた。

 18歳の時の海水浴中の事故で頸椎(けい・つい)を損傷し、首から下がほとんど動かない河野さんは、入浴やベッドへの移動などで1日4時間のホームヘルプを利用している。法施行後は月額2万4600円の自己負担が必要になる見通しだ。

 河野さんの主な月収は、勤務するNPO法人の給料と障害基礎年金、重度障害者への特別手当の計約21万7千円。そこから、約15年前に建てたバリアフリーの自宅のローン約8万円を支払い、残りで同居の母(61)との生活費を賄っている。

 「生活のためにサービスを減らすかもしれない。何のための『自立支援法』なのだろうか」。河野さんの疑問は晴れないままだ。


■大学院教授刺殺事件、逮捕の長男を不起訴処分

<2005年10月25日 朝日新聞>

 川崎市多摩区菅馬場3丁目の自宅で立教大大学院教授井上治典さん(64)が刺殺された事件で、横浜地検川崎支部は25日、殺人未遂容疑で現行犯逮捕され殺人容疑に切り替えて送検された長男(38)を不起訴処分とした。犯行当時は心神喪失状態で刑事責任は問えないと判断した。

 同時に地検川崎支部は横浜地裁川崎支部に心神喪失者等医療観察法に基づき入院などの決定を求める審判を申し立て、地裁川崎支部は同日、長男を鑑定入院させる命令を出した。


■障害者の負担1割に 自立支援法きょう成立

<2005年10月31日 東京新聞>

 障害者への福祉サービスを一元化し、費用の原則1割負担を求める障害者自立支援法が31日、衆院本会議で可決、成立する。来年4月から施行される。負担増に対する障害者や野党の反対が強く先の国会では審議が難航。衆院解散に伴い廃案となったが今国会に再提出され、先に参院を通過し衆院に送付された。
 身体、知的、精神の障害種別ごとに分かれていたサービス体系を一元化。これまで障害者に対する在宅サービスなどの「支援費制度」の対象外とされてきた精神障害者も同じ制度を利用できるようになる。
 利用料は、収入に応じた負担となっている現行制度を原則1割負担に変更。負担上限額は月額4万2百円で、低所得者には負担軽減措置を設ける。これとは別に食費、光熱水費が実費負担となる。同時に国の補助金不足などが問題となってきた障害者福祉財政を安定させるため、市町村の在宅サービスに対する国の財政負担を義務化する。
 また、現在公費補助を受けている精神障害者の通院費が現在の5%から1割(10%)に引き上げられるほか、人工透析患者など「更生医療」対象者、心臓病の障害児など「育成医療」対象者の医療費負担も原則1割に引き上げられる。
 特定非営利活動法人(NPO法人)による通所施設の運営や、障害者が一般企業などで就労するための支援事業も盛り込まれた。


■利用者の不安消えず 国は財政安定など強調
<2005年10月31日 共同通信社>

 【解説】障害者に福祉サービスの1割負担を求める障害者自立支援法が、障害者の不安を残したまま成立した。

 「障害の重い人ほど負担が重くなるのは理不尽」「障害に加えて利用料まで増やされるのは許せない」?。障害者や野党議員は、国会での審議や地方公聴会、集会などで不安や不満の声を上げた。国会前には泊まり込みで廃案を訴える障害者の姿も見られた。

 これに対し、厚生労働省は「きめ細かい低所得者対策で対応する」と負担軽減策を強調したが、不信を解消できたとはいえない。「これまで公費補助を受けていた精神障害者が、自己負担増により受診を控えるのではないか」「心臓病の子どもの負担増は少子化対策の面からも疑問」?などの懸念は残っている。

 厚労省は、法の意義として(1)障害種別ごとに分かれていた施策の一元化(2)在宅サービスに対する国の財政負担が義務化されることによる財政の安定?などを訴える。障害者の間にも、これらの点を評価する声があるのも事実だ。

 法成立後に本格化する具体的なサービス利用基準作成の作業に、障害者の声がより多く反映されることが望まれる。


■自立支援法 成立へ 障害者福祉サービス一元化

<2005年10月31日 日経新聞>

 障害者への福祉サービスの一元化や利用料の一割負担の導入などを盛り込んだ障害者自立支援法案が31日午後の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立する。先の通常国会で衆院を通過したが解散で廃案となり、政府が再提出したもので、今国会では参院先議となった。
 法案の骨格は変わってないが、施行を来年1月から4月に修正した。民主党提出の対案は否決する。
 政府提出の同法案は身体、知的障害者への施策を一元化し、就労支援を促進して障害者が自立した生活を営めるようにすることなどが目的。2003年度に福祉サービス利用の支援費制度を導入したが、利用が多いうえ収入に応じた負担としたため財政が行き詰ったことから、原則1割の自己負担を求める制度に改める。
 現行制度ではサービス内容について市町村によって格差があるため、公平なサービス提供のための対策も盛り込んだ。



■守山・東尾張病院 「触法精神障害者」12月受け入れ=愛知

<2005年10月31日 読売新聞>

◆厚労省説明会に地元反発 
 凶悪犯罪を起こしながら刑事責任が問われない精神障害者(触法精神障害者)の社会復帰を促す治療を行うため、厚生労働省が守山区の国立病院機構東尾張病院の敷地内に建設を計画している入院施設の説明会が29日あり、同省は具体的なスケジュールを初めて示し、12月1日から対象者の受け入れを始める考えを明らかにした。
 この日示されたのは、新病棟の建設と並行して既存の病棟を改修し、12月1日から受け入れを始め、来年10月1日から新病棟で対象者を受け入れるという方針。
 12月から受け入れを始めるのは、今年7月から入院対象者が出てきているためという。
 これに対し、出席した約100人の住民からは「説明が足りない」「早急すぎる。準備ができるのか」といった反対意見が相次ぎ、厚労省は早急に住民との連絡協議会をつくり、協議会の場で説明していくと答えた。
 この施設は、今年7月に施行された「心神喪失者医療観察法」に基づいて設置される。殺人などの重大な加害行為を起こしながら、責任能力が認められず、無罪や不起訴となった精神障害者(触法精神障害者)を、国が指定した期間内に専門的に治療し、社会復帰させることを目指す。
 住民は「地域への影響が懸念される」などとして、反対している。



■心神喪失者医療観察法 近畿の裁判所、適用初の見送り 施行3か月、決定17件

<2005年10月 29日  読売新聞 大阪夕刊 夕一面>

◆治療命令 慎重見極め
 心神喪失・耗弱を理由に無罪や不起訴となった触法精神障害者を強制的に入通院させる制度を定めた「心神喪失者医療観察法」で、同法適用を申し立てられた40歳代の男性について、近畿の地裁が今月、「精神状態は改善しており、強制的治療は行わない」と決定していたことが29日、わかった。同法施行の今年7月15日以来、全国で17件の決定が出されたが、適用が見送られたのは初めて。申し立て自体が却下されたケースもあり、制度改善に取り組む弁護士らは「制裁ではなく、あくまで本人の治療と社会復帰が目的であり、各地裁は慎重に判断しているようだ」と評価している。
 関係者によると、男性は、路上で女性3人に抱きつくなどして現行犯逮捕されたが、捜査段階の簡易鑑定で心神耗弱と診断され、同法施行前の6月、1人に対する強制わいせつ致傷罪に関して不起訴となった。
 男性は精神保健福祉法に基づき入院。翌7月に回復して退院したが、地検は観察法施行後の8月、処分を保留していた他の2人への強制わいせつ罪についても不起訴としたうえで、同法適用を申し立てた。
 2か月間の鑑定入院後、近畿の地裁は「男性の障害は一過性で、何らの異常所見もなく、犯行時の精神障害は、もはや認められない」と治療を命じなかった。
 また、関東の地裁では、地検が殺人未遂罪を認定したうえで、精神障害のため不起訴とした対象者について「殺意は認められず、(法の対象外の)暴行罪にとどまる」と判断し、申し立てを却下したとされる。
 同法は、医師だけの判断で入退院させる措置入院制度への不信感と再犯への不安を背景に、2003年に成立。殺人や放火、強制わいせつなどの重大犯罪を犯した触法精神障害者について、検察官が管轄の地裁に法適用を申し立て、裁判官と医師が、非公開の審判で処遇を決める。
 決定には、〈1〉指定医療機関への入院命令〈2〉同通院命令〈3〉同法に基づく治療を行わない――があり、退院や治療終了には、改めて地裁の許可が必要。決定に不服の場合、高裁に抗告することができる。同法の適用では、強制入院の決定が一般化するのではないかと懸念する声が上がっているが、最高裁によると、今月20日までに89件の適用申し立てがあり、決定による入院は13件にとどまり、治療せずと却下各1件のほか、通院も2件と判断は分かれた。
 日本弁護士連合会医療観察法対策部会事務局長の伊賀興一弁護士の話「安易な入院命令で対象者が不利益を受けることがあってはならず、個別具体的に判断した決定は評価できる。強制入院施設が全国で2か所だけなど制度の問題点は多く、改善は必要だ」

 


■「医療観察法」初の不適用、強制治療行わずと地裁決定
<2005年10月29日 読売新聞>

 心神喪失・耗弱を理由に無罪や不起訴となった触法精神障害者を強制的に入通院させる制度を定めた「心神喪失者医療観察法」で、同法適用を申し立てられた40歳代の男性について、近畿地方の地方裁判所が今月、「精神状態は改善しており、強制的治療は行わない」と決定していたことが29日、わかった。

 同法施行の今年7月15日以来、全国で17件の決定が出されたが、適用が見送られたのは初めて。制度改善に取り組む弁護士らは「制裁ではなく、あくまで本人の治療と社会復帰が目的であり、各地裁は慎重に判断しているようだ」と評価している。

 関係者によると、男性は、路上で女性3人に抱きつくなどして現行犯逮捕されたが、捜査段階の簡易鑑定で心神耗弱と診断され、同法施行前の6月、1人に対する強制わいせつ致傷罪に関して不起訴となった。

 男性は精神保健福祉法に基づき入院。翌7月に退院したが、地検は心神喪失者医療観察法施行後の8月、処分を保留していた他の2人への強制わいせつ罪についても不起訴としたうえで、同法適用を申し立てた。

 しかし、地裁は、2か月間の鑑定入院後、「男性の障害は一過性」などとして、治療を命じなかった。

 一方、関東地方では、地検が殺人未遂罪を認定したうえで、精神障害のため不起訴とした対象者について、地裁が「殺意は認められず、(同法の対象外の)暴行罪にとどまる」と判断し、申し立て自体を却下したケースもあったという。

 最高裁によると、今月20日までに89件の適用申し立てがあり、決定は、「治療せず」と「却下」各1件のほか、入院13件、通院2件。


■不起訴男性の入院決定 医療観察法を初適用
<2005年10月20日 静岡新聞>

 静岡市内で昨年11月、うなぎ店主が刺殺された事件で、静岡地裁は21日までに、殺人容疑で送検され不起訴処分となった後、心神喪失者医療観察法に基づく審判申し立てを受けていた菊川市内の無職男性について、入院の決定をした。今年7月の同法施行後、県内で同法の審判決定が下りたのは初めて。
 審判は裁判官と、精神科医が務める精神保健審判員の2人の合議体で行われ、男性の鑑定入院などを経て、9月29日に医療を受けさせるため入院させる決定を行った。
 同法の規定では入院期間は6カ月で、その後、再び審判で入院治療を継続させるか、退院・通院させるかを判断する。
 静岡地検などによると、男性は昨年11月13日夜、静岡市葵区のうなぎ店に侵入し、調理場の包丁を奪って面識のない店主=当時(81)=を店の前の路上で刺殺した。男性の言動が不審だったため、地検は約8カ月間の精神鑑定を行い、その結果「犯行当時、アルコール幻覚症で、刑事責任能力は問えない」と判断。男性を不起訴処分にした上で、8月4日、同法に基づく審判を申し立てた。


■「障害者自立支援法:これじゃ自立でけへん!
 障害者ら御堂筋で抗議デモ /大阪
<2005年10月19日 毎日新聞>
 
 ◇1割負担支援法案
 福祉サービスを利用する障害者に原則1割の自己負担を求める「障害者自立支援法」が参院で可決されたのを受け、衆院での慎重審議と応益負担撤回などを求める「10・18御堂筋・大パレード」が18日、中央区の地下鉄淀屋橋から難波駅周辺までの御堂筋で行われた。大阪、奈良、滋賀などからさまざまな障害のある人たちや支援者ら約3000人が集まり、「今の法案では自立でけへん!」などと怒りの声を
上げた。障害者自立支援法を考える大阪のつどい・実行委が主催。「障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議(障大連)」の楠敏雄議長(60)が「今日の行動をきっかけに、新たな自立の戦いにしていきたい」とあいさつした。参加者は、「ヘルパーさんとこれからもたくさんおでかけしたいです」などのメッセージを書いたゼッケンを付け、約4キロを歩いた。参加した「滋賀自立生活センター」(滋賀県草津市)の垣見節子代表は「財政難としても、他に無駄があるのに、一番弱いところから徴収するのはおかしい。障害者の実態は、ちょっとした聴き取りや数字だけでは分からない」と批判した。


■障害者自立支援法/大阪で3000人デモ
<2005年10月21日 レイバーネット>
http://www.labornetjp.org/news/2005/1129957228339staff01
18日3000人以上が大阪御堂筋を埋め尽くす!
***京都四条河原町でも100名の大規模宣伝!「小泉を倒せ!」***
障害者自立支援法案絶対反対!軍事費5兆円を全部福祉に回せ!と、みんなで言おう!

2005・10・21京都ー滋賀地域合同労働組合・労災被災労組員会
連絡先=伏見東郵便局私書箱26号 keizirou@mbox.kyoto-inet.or.jp

1、小泉首相はウソツキだ。「障害者自立支援法案」は障害者の自立を支援する法案では全くない、ウソだ。障害者とその家族を殺す。と怒りの声が爆発した!車椅子に「小泉は障害者が死んでも構わないと思っている。ゆるせない。」などと書いてデモをしている人もいた。本当にそうだと思った。 
一人で食事やトイレが困難な障害のある人には、介助が必要です。これを、「得をしている」「もうけている」などと言って、その費用を、障害者とその家族が負担せよと言う。小泉は障害者と家族から、身包みはいで行く強盗だ。の憤懣が、溢れていた!
「6万円の年金で、15000円支払うなんて、できない。」この訴えが本当に響いている。
 重度の障害で、車椅子の人が多かった。車椅子だけでなく、ベッドに横たわって、デモをする障害者もいた。
 晴れてよかった。本当に多くの人が集会とデモをした。中之島剣崎公園だけではなく、大阪市役所辺りからデモに加わる人たちも本当に多くいた。薔薇の花のきれいな公園から出たら、ドンドンデモに参加する人が増えて来た。
 障害のある子供達も、親達と共にデモをした。それもたくさんの子供達だ。耳に、補聴器をして、元気に、強く歩いていた。お母さんと手話で話しながらだ。
 丁度、御堂筋のイチョウ並木の実が落ちて頭に当ったりした。そんな季節の風情を感じさせられる中、改めて力強くみんなでデモをした。
 道程は長かった。4・5キロメートル。本当に長かった。みんなご苦労さまでした。 
 スタッフに、腕の不自由な女の人がいた、がんばっていたのを覚えている。労災で手を失った仲間が、その事が印象に残っていたと言っていた。
 精神障害者も多く来ていた。知らない人だったけど、話かけたら、自分は精神障害だと言っていた。

2、障害者雇用促進についても、全くなされてない。雇用されても、ひどい低賃金ひどい労働条件等々を会社によって強いられる。労災被災者解雇さえ横行している。小泉はこう言う会社の横暴を支持する。ひどい。『給料をあげろ』と言うプラカードを持っていた車椅子の男性もいた。

3、更に、小泉首相は、イラク戦争など侵略戦争推進に5000000000000円(5兆円)以上の軍事費を使っている。これをやめ、全部福祉に回すべきだ。憲法は、その25条、14条で、みんなが「健康で文化的な生活を営める」、「法の下に平等」と定めている。小泉は憲法を守れ!の声が大きく上がった。みんな、うなずいて、その通りだと言っていた。


■精神障害者再犯予防 入院施設増わずか2カ所
<2005年10月16日 東京新聞>

 七月に施行された心神喪失者医療観察法に基づく、罪を犯した精神障害者を入院させる施設の整備が大幅に遅れ、全国二十四カ所の増設計画のうち東京と岩手の二カ所しか完成していないことが十五日、分かった。いずれも周辺住民の反対が原因。完成予定も富山と岡山の二カ所だけで、罪を犯した精神障害者の治療や社会復帰に向けた取り組みに支障が出る事態が懸念されている。 

 心神喪失者医療観察法は、殺人や放火などの重大な罪を犯しながら、精神障害による心神喪失などにより不起訴や無罪判決などが確定した人が対象。裁判官と精神科医の合議による審判で、指定施設への入院や通院の処遇を決め、治療を受けさせた上で、再犯を予防し社会復帰を目指す。

 このための指定入院施設として、厚生労働省は法施行までに全国の国立八カ所、二百四十床の整備を終え、二〇〇七年度までの三年間で都道府県立十六カ所を含む計二十四カ所、七百床を整備する計画だった。

 しかし周辺住民の反対が相次ぎ、完成したのは東京都小平市の国立精神・神経センターの三十床など二カ所にとどまっている。

 整備計画の対象となっている千葉市の国立病院機構下総精神医療センターは、病棟設置を計画。昨年九月から地元説明会を五回開催したが「地元は総論賛成、各論反対。計画内容は分かってきたと思うが、多くの人が納得していない」(同市障害保健福祉課)という。昨年十二月の市議会に新病棟の建設反対を求める請願が提出され、継続審議中となっている。

 厚労省は計画前に、県立の精神科病院のある埼玉や神奈川などの自治体にも整備を打診したが、断られたという。

 厚労省の医療観察法医療体制整備推進室は「国の施設を中心にできる限りの努力をしていく。年間で三百人の入院治療対象者が出るとの見通しもあり、施設が足りなくなるとの指摘もあるが、七百床の整備は達成したい」と話している。

 ◆メモ <指定入院医療機関>

 地裁の審判で入院による処遇が決定されると、指定された施設への入院が義務付けられる。入院後は、半年ごとに入院を継続させるかどうか見直す。厚労省は最長1年半をめどとしているが上限の規定はない。退院後は指定された通院医療機関への通院が義務付けられる。通院の期間は原則3年以内で、最長5年。


■自殺未遂者をケア、精神科医が救急現場へ 熊本

<2005年10月13日 朝日新聞>

 救急病院で一命をとりとめた自殺未遂者たちの心のケアに、熊本県の救急と精神科の医療機関が力を合わせて乗り出す。自殺者の10倍以上と推定される自殺未遂者。心のケアの大切さは早くから指摘されながら、傷の手当てが済むと、そのまま帰宅させてしまう例は今も少なくない。精神科医が全県レベルで介入していく熊本の医師たちの取り組みは、自殺予防の先進例として注目される。

 多くの場合、自殺未遂は繰り返される。救命し、無事に退院した自殺未遂者が2度3度と搬送されてきて、やがて「既遂」となる現状への「無力感」を訴える医師は少なくない。

 悪循環を断とうと、11月をめどにスタートするのが「くまもと自殺予防医療サポートネットワーク制度」だ。

 自殺予防で長年の実績がある「熊本こころの電話」を主催する県精神保健福祉協会(三村孝一会長)が呼びかけ、県医師会や県精神科病院協会とともに運営する。

 県内にある約80の救急医療機関がネットワークに加わる。自殺を図った人が搬送されると、担当医が救命処置の後、「自殺リスク」が高く精神科医の支援が必要かどうかを判断する。

 必要な場合、家族に精神科受診の必要性を説明する。インフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)が求められ、受診を嫌がる人に無理強いしないことが基本となる。

 そのうえで、担当医はネットワークに参加している精神科医療機関に連絡する。県内の精神科医療機関は69。うち、すでに47病院・診療所が参加を表明した。

 救急側から連絡を受けた受け持ちの精神科医がただちに救急医療機関を往診し、自殺未遂者のメンタルケアにあたる。往診だけでなく、本人の希望で精神科での診療もでき、退院後のケアも継続される仕組みだ。

 10月末には救急医療機関を対象に研修会が開かれ、精神科医との意見交換も予定されている。

 自殺未遂者のケアの重要性については、厚生労働省の「自殺防止対策有識者懇談会」が02年の提言の中で、「救急医療現場と精神科医等の連携が重要」と指摘するなど自殺予防の大きな課題となってきた。

 救急―精神科の連携は進展も見せている。高次救命救急センターのある総合病院では、併設の精神科との協力が進められている。都道府県の精神保健福祉センターが中心となって、救急との連携も図られているが、まだ多くの現場で対応は遅れている。

 熊本での取り組みは、こうした連携を全県に広げようとするものだ。ネットワークの呼びかけ人で精神科医の三村孝一会長は「救急医療は自殺未遂者と精神科医の接点になる。患者の立場に立ち、自殺予防に尽くしたい」と話している。


■障害者自立支援法に反対の訴え
<2005年10月9日 朝日新聞>

 特別国会に再提出される障害者自立支援法を考える集会が8日、鹿児島市であった。同市の社会福祉法人・麦の芽福祉会の利用者や家族らが主催し、約70人の障害者や家族らが出席。「人間としての権利が弱められていく法案だ」として、今後も反対していくことを確認した。出された意見は県選出の国会議員に伝えるという。
 同法案は身体、知的、精神の各障害福祉サービスを一元化し、福祉や医療の費用は原則1割の自己負担になる。関係者からは「障害が重いほど負担が増し、サービスを利用できなくなる」などの批判の声が上がっている。
 集会では、障害者から「私たちの行き場がなくなり、生きていけない」などの声が上がった。また母親のひとりは「生みたくて障害のある子を生んだのではない。私たちに幸せに生きていく権利はないのか」と涙ながらに訴えた。


以下WAMネットのサイトに掲載中です。
第1回社会保障審議会医療観察法部会資料(平成17年9月21日開催)


■障害者自立支援 負担増を不安視  法案巡り大阪で公聴会
<2005年10月8日 朝日新聞>

 障害者自立支援法を審議している参院厚生労働委員会は7日、大阪市地方公聴会を開き、各党が推薦した公述人から意見を聞いた。公述人からは、原則1割の自己負担の導入を不安視する意見が多く出た。
 
 与党側の公述人は法案を評価したものの、中尾正俊・大阪府医師会理事(自民)は、「低所得者への配慮が必要だ」と注文をつけた。

 一方、塚本正治・大阪府精神障害者連絡会事務局長(社民)は「突然の医療費増になれば医療を中断する人も出かねない」、橋本裕子・大阪知的障害者育成吹田支部事務局長(共産)は、「安い工賃で働く障害者が、自立生活をできなくなる」と反対の意見を述べた。


■障害者自立支援法に反対の訴え
<2005年10月9日 朝日新聞>

 特別国会に再提出される障害者自立支援法を考える集会が8日、鹿児島市であった。同市の社会福祉法人・麦の芽福祉会の利用者や家族らが主催し、約70人の障害者や家族らが出席。「人間としての権利が弱められていく法案だ」として、今後も反対していくことを確認した。出された意見は県選出の国会議員に伝えるという。
 同法案は身体、知的、精神の各障害福祉サービスを一元化し、福祉や医療の費用は原則1割の自己負担になる。関係者からは「障害が重いほど負担が増し、サービスを利用できなくなる」などの批判の声が上がっている。
 集会では、障害者から「私たちの行き場がなくなり、生きていけない」などの声が上がった。また母親のひとりは「生みたくて障害のある子を生んだのではない。私たちに幸せに生きていく権利はないのか」と涙ながらに訴えた。




■障害者自立支援法公聴会報告
(サイト管理者がpdf書類をテキスト変換)
  2005年10月12日
  参議院厚生労働委員会 遠山清彦

 委員派遣について御報告申し上げます。

 派遣委員は、岸宏一委員長、武見敬三理事、円より子理事、谷博之理事、清水嘉与子委員、酉島英利委員、水落敏栄委員、朝日俊弘委員、小池晃委員、福島みずほ委員及び私、遠山清彦の十一名で、去る七日、大阪市において地方公聴会を開催し、五名の公述人から意見を聴取した後、委員からの質疑が行われました。

 まず、公述の要旨について御報告いたします。
 最初に、大阪府医師会理事の中尾正俊君からは、自立支援医療の「重度かつ継続」の対象者となる精神障害者については疾患名ではなく状態像で判断すべきであること、障害程度区分認定試行事業では精神障害者の障害程度が正確に反映されないなどの問題があつたこと、補助事業であった居宅サービスの費用を義務的経費化した点は評価できること、障害者への自立支援は障害者の特性と実態に基づく綺合的な社会的支援の視点が重要であることなどの意見が述べられました。

 次に、障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議事務局長の古田朋也君からは、ホームヘルプサービスの国庫負担標準額を先進自治体の現行の実績時間数を基に設定する必要があること、移動支援事業は個別給付に入れて義務的経費化する必要があること、補装具や地域生活支援事業の利用者負担の有無を明らかにすべきであること、現行のサービス水準が低下しないようにする必要があることなどの意見が述べられました。

 次に、社会福祉払人プロップ・ステーション理事長の竹中ナミ君からは、就労支援こそが障害者の自立の促進につながること、障害者といえども利用者負担を行う必要があること、障害者の就労の場を確保し利用者負担ができるような環境を整備する必要があること、障害者一人一人の能力が引き出されるような社会を構築していく必要があることなどの意見が述べられました。

 次に、大阪知的障書者育成会吹田支部事務局長の播本裕子君からは、障害者は障害に見合った多様な支援があつて初めて自立できること、定率負担制度については、保護者からの自立を阻害することや重い障害ほど利用料が増加するという矛盾があることから導入には反対であることなどの意見が述べられました。

 最後に、大阪精神障害者連絡会事務局長の塚本正治君からは、精神通院公費負担制度を自立支援医療に移行させることには疑問があること、精神障害者の通院医療に係る自己負担増は受診抑制を招きかねないこと、三障害統合のサービス体系を作るには障害程度区分認定についての十分な議論が必要であること、精神障害者の住宅施策を充実させる必要があることなどの意見が述べられました。

 公述人の意見に対し、委員より、定率負担制度に対する評価と導入の問題点、障害程度区分認定の在り方、障害福祉サービスの給付水準を確保する必要性、障害者に対する就労支援の在り方、重度障害者に対して十分なサービスを確保する必要性、移動支援事業の在り方、自己負担増が精神障害者の通院医療の受診抑制を招くことへの懸念等について質疑が行われました。
 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 以上で報告を終わります。


■水戸地検 土浦の陸自同僚殺人
<2005年10月8日 東京新聞>

 土浦市右籾の陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地隊員宿舎で五月、三等陸曹の男性(27)が、同僚の三等陸曹=当時(25)=を殺害したとして殺人の疑いで逮捕された事件で、水戸地検土浦支部は七日までに、「犯行当時は心神喪失だった」などとして不起訴処分とした。

 また、同支部は心神喪失者医療観察法に基づき、処遇決定を求める審判を水戸地裁土浦支部に申し立てた。


■医療観察法施行 3カ月、通院施設決まらず 埼玉県
<2005年10月7日 朝日新聞>

 重大な事件を犯したが心神喪失などで不起訴や無罪になった人の処遇を定めた心神喪失者医療観察法の施行から3カ月たった。だが県は全国で唯一、対象者が通院治療する施設を一つも決められていない。最初に打診した県立精神医療センター(伊奈町)には「増床工事中で住民理解がまだ」と拒まれ、民間病院は「公立の病院が先行すべきだ」と難色を示しているため。担当の県障害者福祉課は「病院局などと粘り強く交渉を続けたい」としているが、見通しは立っていない。

全国で唯一「ゼロ」

 医療観察法では、検察官が対象者を申し立てると、裁判官と精神科医の合議で、「入院」「通院」「治療なし」を判断する。入院、通院はともに厚労相が指定する施設で行う。入院施設は国公立病院だが、建設を巡って各地で反対運動が起き、指定は全国で2カ所にとどまる。

 一方、通院施設は民間病院も含めて「各都道府県に最低2カ所、人口100万人に2、3カ所」が目標とされる。精神医療を専門にする都道府県立病院はすべて指定候補で、全国で214カ所が指定を受けたが、県内はゼロ。

 県障害者福祉課は昨年11月、県病院局に打診をした。だが翌月に「困難だ」と回答があった。

 同局が理由とするのは、現在進めている約80床の増床工事。同センターは90年4月にオープンしたが住民への説明が足りず、反発を招いた経緯がある。同センターは8月、医療観察法についての住民説明会を開いたが、経緯の説明にとどまった。病院局は「増床も地元の理解を得てやってきた。その工事が終わらないうちに動くのは難しい」と話す。

 一方で、民間病院との交渉も難航している。県は3月ごろから民間病院で構成する県精神科病院協会と話し合ったが、同協会は「国の責任で専門的な医療をし、退院後も継続的な医療を確保するには、公立病院で先行すべきだ」と難色を示した。同課の担当者は「民間病院に強くお願いするわけにもいかない」と頭を抱える。


■不起訴の男性、医療観察法で入院決定 東京地裁
<2005年10月5日 朝日新聞>

 東京地裁の岡田雄一裁判官は、祖父母をナイフで刺殺した殺人の疑いで逮捕され、心神喪失のため起訴されなかった東京都内に住む無職の男について、7月施行の心神喪失者医療観察法に基づいて入院決定をした。同地裁では初の入院決定となる。決定は9月27日付。

 東京地検が7月28日、同地裁管内では初めてとなる審判申し立てを行い、地裁が鑑定入院命令を出していた。鑑定入院の期間は原則として2カ月間で、入院最終日の9月27日に審判が開かれた。地裁は医師による鑑定の結果などを踏まえ、「社会復帰を促すためには入院が必要」と判断した。

 今後、入院継続が不要だと診断されれば、病院の管理者が地裁に退院許可を申し立てる。


■精神科病院で拘束・隔離1万2850人…厚労省調査
<2005年10月4日 読売新聞>

 全国の精神科病院で、体を帯などで縛る「身体拘束」や、鍵のかかった部屋にいれる「隔離」を受けた患者が約1万2900人に上ることが、厚生労働省の調査でわかった。

 すべての精神科病院での人数が明らかになったのは初めて。医療現場では、やむを得ず、患者の行動を制限する場合があるが、患者の尊厳を守る観点から議論を呼びそうだ。

 調査は、全国すべての精神科病院(1662か所)を対象に、2003年6月30日時点の状況を調べた。

 入院患者数は32万9096人。このうち、身体拘束を受けたのは5109人、隔離は7741人で、合計1万2850人に上った。入院患者全体に占める割合は3・9%だった。

 精神科病院では、原則として行動制限を行わないことが、精神保健福祉法で定められている。暴れ方がひどく治療ができないケースや、自傷他害の恐れがある場合は、適切な診察や診療録への記入など一定のルールのもと、最低限の行動制限が認められている。

 しかし、厚労省(当時は厚生省)が1998年、全国18か所の国立精神病院を立ち入り調査したところ、ルール違反がすべての病院で確認されるなど、必ずしも徹底されているとはいえない。

 また、昨年11月には、身体拘束を受けていた患者4人が肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)を起こし、突然死した事例が東京都監察医務院の報告で明らかになるなど、命にかかわるケースもある。

 同省では、1999年にも、外部の研究班に委託して調査を実施。この時は、約7割の1090病院が回答、1万55人の拘束・隔離が明らかになった。

 当時の研究班のメンバーで、「メディカルケア虎ノ門」(東京)の五十嵐良雄院長は、今回の結果について、「99年当時と比べて数が大きく減っているとは思えない」とした上で、「行動制限が必要な患者が一定数いるのは事実。最小限にとどめるには、海外に比べて緩い行動制限の基準の厳格化や、それを守るための医療スタッフの増員が必要だ」と話している。

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【サイト管理者より】

表題の隔離拘束の人数を見て、あらためて、隔離拘束されている人たちの大変な数に驚きました。
呉秀三が訴えた1918年に「この国に生まれたる不幸」は未だ続いているということですね。
隔離拘束、非自発的入院の国際的基準に、はるかに立ち後れています。
医療従事者として、当事者に申し訳ないと恥じいります。
これを放置していては、誇りを持って働くことはできません。

WHOと国連原則は、NPO大阪精神医療人権センターのサイトに掲載されています。

五十嵐医師の指摘している、「行動制限の基準の厳格化や、それを守るための医療スタッフの増員」には大賛成です。

安心してかかれる精神科医療としていくために、
・諸悪の根源である精神科特例の廃止(違憲状態)
・WHO・国連原則を基準とする精神保健福祉法の改正
・入院中心から地域生活支援への転換の為の大幅な予算の投入
・情報公開、自己決定を軸とした徹底した権利擁護システムの確立
・医療観察法の廃止が必要だろうと思います。


■政治資金:日精協の政治団体が前年の10倍1600万円
<毎日新聞 2005年10月1日>

 日本精神科病院協会(鮫島健会長、日精協)の政治団体「日本精神科病院協会政治連盟」が昨年、自民党の衆院厚生労働委員会所属議員ら少なくとも15人の政治家に対し、前年の10倍以上に上る計約1600万円を、パーティー券購入や献金の形で提供していたことが、政治資金収支報告書で分かった。

 連盟は、重大犯罪を起こしながら、心神喪失などを理由に刑事責任が問えなかった精神障害者に対し、裁判所が入・退院を命じる心神喪失者医療観察法案を審議中の02年、同委の自民党筆頭理事だった長勢甚遠元副法相のほか、坂口力前厚労相、鴨下一郎、木村義雄の両元副厚労相らに、計約1900万円を献金していた。長勢氏と坂口氏が「誤解を招く」として返却し、連盟は03年に資金提供を計150万円に減額させていたが、これが復活した形だ。

 昨年の資金提供は、長勢氏(200万円)▽鴨下氏(120万円)▽木村氏(200万円)など。医療観察法の対象病棟の建設が進まず、ようやく今年7月に施行されたが、長勢氏の事務所は「長年応援していただいており、特に意図はないと思う」と話している。日精協は「医療観察法とは全く関係がない」とコメントした。

 法の対象になる患者は、これまで民間病院にも入院することがあったが、日精協は02年「退院後事件を起こせば、病院が責任を問われる。国が処遇すべきだ」と法の成立を求めていた。

 市民団体「東京精神医療人権センター」(東京都新宿区)事務局長の小林信子さんは「長年のコンスタントな献金が、ほとぼりが冷めて戻ったのではないか」と話した。【青島顕】


■医療観察法で母親審判請求 東松山の長女殺害
<2005年9月30日 WEB埼玉>

 東松山市で今年五月、小学六年の長女=当時(11)=が自宅で首を絞められて殺害された事件で、さいたま地検は二十九日、殺人容疑で逮捕された母親 (47)を心神喪失状態だったとして不起訴処分とし、心神喪失者医療観察法に基づく審判をさいたま地裁に申し立てた。さいたま地裁は同日、母親の鑑定入院を命令した。
 調べによると、母親は五月十七日午前六時半ごろ、自宅の寝室で、眠っていた長女の首を電気コードで絞めて殺害したとされる。地検は母親を鑑定留置して精神鑑定していたが、事件当時、心神喪失状態にあったと判断した。
 同法の適用は県内で四件目。


■私の視点:自立支援法 障害者の不安考慮し議論を■
<2005年9月30日 朝日新聞・朝刊 >

 「郵政」が唯一の争点になった選挙が終わった。その結果を受けて、先の国会で廃案になった障害者自立支援法案が、この特別国会に再上程されようとしている。尾辻厚生労働相は「一日も早い成立を期す」と言うが、同法案が有権者の審判を経たとは言えない。何よりも、慎重、丁寧な議論と対応を求めたい。

 同法案は、身体・知的・精神障害に対するサービスを共通にし、国の財政責任を明確にする趣旨で提案されている。だが、障害者が福祉サービスや医療を利用する際の1割の自己負担が求められ、サービス決定の仕組みも大きく変わる。そのため、「障害が重いほど負担がきつくなりサービスを利用できない」「家に閉じこもらざるを得なくなる」といった問題が指摘されてきた。

 私は、脳性マヒの障害をもって生まれ、子どもの時に施設に入っていた。寝起きからトイレまで時間が決められ、施設から一歩も出ない生活だった。だが、中学校から普通学校に通うようになり、家の近くに同年代の友達もできて、自分の世界が広がった。その経験から、障害者の自立生活運動に当事者の立場で取り組んできた。

 03年度から始まった支援費制度は、「障害者の自己決定」「施設から地域へ」という流れを促し、地域で暮らす重度障害者を増やした。私の知り合いのA君も8歳から20年間続いた施設生活にピリオドを打てた。彼は重度障害のため全面的な介護が必要だが、支援費制度で必要なサービスを得られるようになり、30代のいま、地域での生活を築き始めている。だが、同法案策定の動きの中、「また施設に戻らなければならないのか」と心配している。

 先の国会で廃案になったのも、そうした不安の声が広がったからだ。国会審議の度に、傍聴席に障害者が詰めかけ、議論を見守った。「このままの法案では自立できない」と訴えた国会請願には、1万1千人が集まった。審議予定はずれ込み、衆議院解散にともない廃案になった。全国から寄せられた声を国会は真剣に受け止めてほしい。

 先の国会審議を振り返ると、法案は一から作り直すことが求められる。あらためて検討が必要なのは「障害者が現在使っているサービスや生活が維持できる か」「生活実態にあった制度か」ということだ。

 先の法案に関しては、前提となる基礎データの不十分さも明らかになった。障害者医療の利用件数に1けた多いデータが使われていたことが、国会で指摘されたのだ。また、日本の障害者関連予算の対国内総生産(GDP)比は、経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中で最低水準との指摘もあった。しかも、ただでさえ少ないその予算の中で、障害者の地域生活支援サービスに対する予算は、施設生活のそれに比べて5分の1以下だ。

 いますぐ必要なのは、ヘルプサービスやグループホームなど障害者が地域で生活できるようにするためのサービスの基盤整備だ。社会的入院を強いられている精神障害者の退院促進のためにも、これは不可欠だ。

 元々、厚労省が同法案を急いで準備した背景には、今年度の介護保険の見直しで若年の障害者もその対象にしようという狙いがあった。だが、そうした拡大は少なくとも09年度まではないことになった。だとすれば、国会には、同法案の成立を無理に急ぐことなく、当面の基盤整備の道筋を示してほしい。障害当事者も交えた議論と検討が進められる落ち着いた環境づくりを期待したい。

 どんな障害があっても当たり前に地域で暮らせるようになってこそ、この国に生まれて良かったと思えるのではないか。議論が深められることを心より願う。

【尾上浩二:障害者インターナショナル(DPI)日本会議事務局長】


■県内初の審判で無職男性が入院 心神喪失者観察法
<2005年9月29日 WEB埼玉>

 弟をナイフで刺したとして殺人未遂容疑で逮捕された北本市の無職男性(32)について、さいたま地裁は二十八日までに、心身喪失者医療観察法に基づいて、男性を専門病棟に入院させる審判決定を出した。同法に基づく決定は県内で初めて。
 調べによると、男性は七月一日夜、自宅で弟の首や背中などを果物ナイフで刺して二週間のけがを負わせたとされる。
 さいたま地検は七月二十二日、殺人未遂ではなく傷害罪を認定したが、男性は心神喪失状態にあったと判断。不起訴処分として、医療観察法に基づく審判を同地裁に申し立てていた。同地裁は今月二十一日に審判の決定を出した。


■通院医療機関に県内4病院-心神喪失者等医療観察法
<2005.9.28 奈良新聞>

 心神喪失などの状態で重大な加害行為を行い、刑事責任を問えない人に対し、裁判所の決定で入院や通院をさせる心身喪失者等医療観察法の通院医療機関として、県内4カ所の精神科病院が国の指定を受けていたことが27日、分かった。国の要請で県が推薦し、医療機関が同意していた。
 通院の医療機関は厚生労働省近畿厚生局が指定。県内ではいずれも民間の4カ所で、奈良市六条西四丁目の五条山病院、同市西大寺赤田町の吉田病院、三郷町勢野の信貴山病院、御所市池之内の秋津鴻池病院。


■茨城県補正予算案 石綿対策に2億円
<2005年9月28日 朝日新聞>

(前略)
 県総務部は今回の補正を、県民の安全確保で緊急性の高いものなどに絞ったとしている。
 事業ごとにみると、31施設のアスベスト対策緊急修繕に2億1100万円。また、心神喪失者医療観察法に基づき、鑑定入院命令を受けた人を受け入れるための友部病院の2部屋の増改築に1800万円を計上する。


■医療観察法初適用の男性 指定病院に入院 福島地裁決定
<2005年09月27日 河北新報>

 福島地検が7月、心神喪失者医療観察法に基づき全国で初めて、福島地裁に審判を申し立てた東京都の男性(28)について、福島地裁は27日、入院の決定をした。男性は指定病院で入院治療を受け、病院が退院可能と判断した場合や半年に1度定期的に開かれる審判で、治療方針の継続や変更が決められる。
 男性は6月、東北新幹線の車内で乗客に消火器で殴りかかり、傷害の疑いで逮捕、送検されたが、同地検は「統合失調症で責任能力は低い」として起訴猶予とし釈放、福島地裁に審判を申し立てた。同地裁は男性を鑑定入院させ、精神科医を交えて審判を行った。
 同法は、重大事件を起こしても心神喪失などを理由に刑罰を科せられなかった精神障害者を、地裁の判断で強制的に治療を受けさせ、再発防止を図るのが目的。今年7月15日に施行された。


■適用申し立て40件-心神喪失者等医療観察法
<2005.9.26 奈良新聞>

 心神喪失などの状態で重大な加害行為を行い、刑事責任を問えない人を強制入院させることができる心身喪失者等医療観察法の専用病棟を大和郡山市小泉町の国立松籟荘病院(奥田純一郎院長)に計画している厚生労働者は25日、同所の松風台自治会館で、市内では七回目の住民説明会を開き、約70人が参加した。


■社保審 医療観察法部会を設置 処遇の適当性を審査 尾辻厚労相、自立支援法案成立に意欲
<週刊福祉新聞 2005年9月26日発行 NO.2263−1>

 社会保障審議会(会長=貝塚啓明・中央大教授)の第17回会合が21日に開かれ、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(医療観察法)に基づく処遇の適当性を審査する場として「医療観察法部会」を新たに設置することを決めた。また、会合の中で尾辻秀久・厚生労働大臣は、同日に開会した特別国会に障害者自立支援法案を再提出し、成立に全力を尽くす考えを示した。


■放火の女に審判申し立て 宇都宮地裁は鑑定入院命令
<2005年9月21日 下野新聞>

 自宅に放火し隣接する住宅に延焼させたとして現住建造物等放火の罪に問われ、懲役三年、保護観察付き執行猶予五年(求刑懲役六年)の刑が確定した宇都宮市の無職女性(57)について、宇都宮地検は二十一日、心神喪失者等医療観察法に基づく処遇の決定を求め、宇都宮地裁に審判を申し立てた。同地裁は同日、女性に鑑定入院命令を言い渡した。刑確定後の申し立ては県内初。
 女性は昨年一月、自宅一階北側の和室に灯油をまきマッチで火を付けて自宅を全焼させたほか、隣接する住宅二階部分約二十七平方メートルを焼いたとして、今月六日に同地裁で判決が言い渡された。


■パキシルで先天異常増加か 抗うつ剤、添付文書記載へ
<共同通信社 2005年9月29日>

 【ワシントン28日共同】日本でも販売されている抗うつ剤のパキシル(一般名・塩酸パロキセチン水和物)について、妊婦が服用した場合の胎児の先天異常の発生率が、他の抗うつ剤より高いことを示すデータが得られたとして、製造元の英グラクソ・スミスクラインが、医師に慎重な投与を求める記載を添付文書に加えることになった。米食品医薬品局(FDA)が27日発表した。

 グラクソの資料とロイター通信によると、同社が妊娠3カ月までに抗うつ剤を服用した女性約3600人の子供を調査。心臓などの先天異常発生率は約4%で、薬の種類でみるとパキシル服用者での発生率が高かった。先天異常の一般的な発生率は約3%という。

 同社は、現時点では因果関係ははっきりせず、今後さらに調査を続けるとしている。

 グラクソ日本法人によると、日本ではパキシルは2000年11月から販売され、04年の売り上げは420億円。厚生労働省は「添付文書を改訂する方向で検討する」としている。


■通院医療機関に県内4病院-心神喪失者等医療観察法
<2005.9.28 奈良新聞>

  心神喪失などの状態で重大な加害行為を行い、刑事責任を問えない人に対し、裁判所の決定で入院や通院をさせる心身喪失者等医療観察法の通院医療機関として、県内4カ所の精神科病院が国の指定を受けていたことが27日、分かった。国の要請で県が推薦し、医療機関が同意していた。

 通院の医療機関は厚生労働省近畿厚生局が指定。県内ではいずれも民間の4カ所で、奈良市六条西四丁目の五条山病院、同市西大寺赤田町の吉田病院、三郷町勢野の信貴山病院、御所市池之内の秋津鴻池病院。


■札幌地検、新法に基づき医療観察審判申し立て 道内初  
<2005/09/17 北海道新聞>


 札幌地検は十六日までに、札幌市内でそれぞれ別の傷害事件を起こした無職の男女二人について、心神喪失者医療観察法に基づく審判を札幌地裁に申し立てた。同地裁はそれぞれ鑑定入院命令を出した。同法に基づく審判申し立ては道内で初めて。
 地検によると、男性(44)は八月二十三日、札幌市内のパチンコ店で暴れ、店員に八日間のけがを、女性(61)は同二十五日、札幌市内の銀行で行員に四週間のけがを負わせ、ともに傷害の現行犯で逮捕された。
 地検は拘置中に二人の簡易鑑定を行い、いずれも犯行当時、刑事責任能力が限定される心神耗弱状態だったと判断、男性を九月十三日、女性についても同十四日、それぞれ起訴猶予処分とし医療観察審判を申し立てた。
 二人は地裁命令に基づいて、札幌市内の病院に入院している。二人の処遇は入院中の鑑定に基づき、精神科医と裁判官が合議で審判を開いて決定する。


■「心神喪失者等医療観察法」の適用申請 鑑定入院 新聞でたどれるもの (サイト管理者)

7月19日 福島       傷害(新幹線乗客 1週間のけが)
7月22日 さいたま     傷害(弟 2週間のけが)
7月25日 広島       住居侵入・傷害(知人 10日のけが)  
7月26日 大阪       現住建造物放火(自宅ほか四棟を全半焼)
7月26日 青森・弘前    傷害
7月27日 神奈川      殺人未遂(内縁の夫)
7月28日 東京       殺人(祖父母)
7月29日 千葉       殺人未遂(夫 2週間のけが)
7月29日 神奈川・川崎   傷害
7月29日 福岡       放火
8月 1日 さいたま・川越  傷害
8月 4日 静岡       殺人(店主)
8月10日 千葉       傷害(看守? 全治5日)
8月17日 岩手県・盛岡   殺人未遂(姉 1ヶ月のけが)
8月17日 栃木・宇都宮   殺人(母)
8月19日 新潟       殺人未遂(夫 1週間のけが)

(  )内は、被害者と障害の程度を、新聞記事から書き入れました。
内容不明の4件を除けば、傷害事件のほとんどは1〜2週間程度です。

以上の16件の他、大阪でもう一件あったと聞きます。
また8月22日時点で記事にならなかった分含めて
「全国で25件」の情報があると聞きましたが未確認です。


ある病院では、鑑定に差しつかえいないように、薬物を通常の半分にしていたので、
弁護士が抗議したとも聞きました。
医療者として本当うに恥ずかしいことです。
また、医療の責任と鑑定の責任をハッキリ分ける必要があると思います。
そのために、鑑定医と治療を行う主治医は分けるべきだと思います。


不安解消へ公開 心神喪失者入院施設

<2005年9月17日 岩手日報>

花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院(澁谷治男院長)の敷地内に建設されていた心神喪失者等医療観察法(今年7月施行)に基づく入院医療施設がほぼ完成し、16日 ...


■東北初 強制入院病棟が完成 国立花巻病院
<2005年09月16日 河北新聞>

病棟内のスタッフステーション。急性期の患者病室などをカメラで監視する(写真)

 心神喪失者医療観察法に基づき、殺人など重大な罪を犯して不起訴処分などになった精神障害者を強制入院させる専用病棟が、国立病院機構花巻病院(岩手県花巻市)に完成し、16日、施設が公開された。10月1日から入院患者を受け入れる。同病棟の開設は東北初。全国では国立精神・神経センター武蔵病院(東京)に次いで2番目。

 病棟は病院敷地内の北側に建設された。敷地面積6000平方メートル、延べ床面積2400平方メートル。病室は全個室で計30床。重症患者を入院させる保護室や準保護室のほか、作業室や体育館などを備える。

 入院期間は通常、計18カ月(急性期3カ月、回復期9カ月、社会復帰期6カ月)。精神科医3人と看護師43人のほか、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士計53人が治療や社会復帰支援などに当たる。

 病棟には警備員や看護師ら最低6人が常駐する態勢を敷く。生体認証によるドア開閉システムを導入したほか、病棟周辺に二重のフェンス(高さ3メートル)や監視カメラなどを設置。入院直後の患者が生活する急性期の病室(6室)にもそれぞれ、監視カメラを設けた。

 病院によると、10月1日時点での患者受け入れは未定だが、北海道を含む東日本の患者受け入れを見込み、11月末には満床になる見通しという。渋谷治男院長は「地域住民と連絡を密にして理解を得る。患者の人権にも配慮し、事故などを起こさず運営していきたい」と話している。

 心神喪失者医療観察法は今年7月15日施行された。裁判所が入通院を決定し、入院後は病院管理者が申し立てる入院継続の確認や退院許可を裁判所で審査する。専用病棟は全国に24カ所整備する計画だが、弁護士や医療関係者の間には「精神障害者の予防拘禁につながる」などとして法律自体への反対が根強く、整備は進んでいない。


■医療観察法で沖縄県内初の審判申し立て
<2005年9/16 那覇 >
 那覇地検は15日、母親を殺害したとして殺人容疑で送検された長男(38)を不起訴処分とし、重大な罪を犯した精神障害者に治療を受けさせる心神喪失者医療観察法に基づく審判を那覇地裁に申し立てた。7月の同法施行後、県内での審判申し立ては初めて。

 男はことし5月29日、平良市の自宅で家族を包丁で刺し、母親=当時(63)=を死亡させた。殺人と姉に対する殺人未遂の疑いで逮捕、送検され、地検が男を鑑定留置し、刑事責任を問えるかどうかを調べていた。地検は心神喪失のため刑事責任を問えないと判断、「医療観察法の要件を満たしている」として審判を地裁に申し立てた。
 地裁は男を再び鑑定入院させた後、審判を開く。審判は裁判官一人と精神科医一人の合議制で、指定医療機関への入院や通院などの措置を決定する。対象者には付添人(弁護士)が就き、鑑定入院命令や治療決定などに対し取り消しや不服を申し立てることができる。
 同法は2001年6月、大阪教育大付属池田小学校で起きた児童殺傷事件で入通院歴のある男が逮捕されたのを機会に、退院後の通院などの措置が未整備だった措置入院制度の抜本的見直しを求める声を受け、03年7月に成立。殺人や放火などの加害者で、心神喪失や心神耗弱を理由に不起訴や刑が軽減された人が対象となる。
 一方、日弁連や人権団体などからは「対象者が必要以上に長期間入院させられる恐れがあり、人権侵害に当たる」などの批判が挙がっている。


■医療観察法を論議-大和郡山でシンポジウム
<2005.9.13 奈良新聞>

 心神喪失などの状態で重大な加害行為を行い、刑事責任を問えない人を強制入院させることができる新制度をテーマに、シンポジウム「どうなる?心身喪失者等医療観察法」(精神障害者の社会参加をすすめる会「ハートフルこおりやま」主催)がこのほど、大和郡山市北郡山町の市やまと郡山城ホールで開かれ、約 200人が参加。法令の問題点などを探った。


■医療観察で審判申し立てへ 宇都宮地検
< 2005年9月6日 下野新聞>


(全文は探せませんでした)
 …減軽判決を受け、宇都宮地検は二週間後の判決確定後、心神喪失者等医療観察法に基づく処遇の決定を求め、女性の審判を同地裁に申し立てる方針。申し立てがされれば…


■はい!センセイ:’05衆院選/2 障害者自立支援法
<毎日新聞 2005年9月3日>

 ◇負担増の前に、働く場所を増やして−−所得保障の実現、問いたい
 国会では「郵政民営化」以外の法案も審議されていたが、解散に伴い廃案になったものもある。その数、実に61。仕切り直しとなり、新しい議員と政権で改めて論議される。その賛否や考え方も、投票の基準の一つになる。
   ◇   ◇
 「一瞬喜んだけど、勝利感はないですね」。東京都東村山市の知的障害者授産施設「あきつの園」で木工の仕事をしている山田憲二郎さん(47)は「障害者自立支援法」の廃案を、こう振り返った。身体、知的、精神の障害者施策を一元化し、ホームヘルプなどのサービスを受ける障害者にも、費用の1割負担を課す内容の法案だ。
 03年に福祉の現場を施設から地域社会に移す中で、サービスは自治体側が枠を決める「措置制度」から、障害者が自分で選ぶ「支援費制度」に変わった。費用は障害者の収入に応じた負担で、低所得者が多いため約95%が無料。初年度から128億円の赤字になり、政府は介護保険との統合を念頭に「1割負担」を盛り込んだ。しかし低所得者が多い障害者に定率の負担を課すと、重度の人ほど負担が重くなる矛盾があり、当事者や家族らは反対している。
 山田さんもその一人。東村山市の自宅で年金暮らしの母親(76)と2人暮らし。工賃(約2万円)と障害基礎年金(2級、月額約6万6000円)が主な収入源だ。東京都知的障害者育成会の本人部会「ゆうあい会」の会員約200人の代表として、集会などで、政府に定率負担の再考を訴える。
 「とりわけ、グループホームで暮らす仲間のことが心配。年金は6万〜7万円で、作業所や授産施設の工賃は1万〜2万円。グループホームは家賃や光熱費だけで7万〜9万円かかり、この上どうやって利用料を払うのか。国にお金がないのは分かるが、障害者にもお金を払う余裕がないことを分かって」と話す。
 障害者の年金や収入の水準は、生活保護を下回るケースも少なくない。法案では所得に応じて負担の上限を設けたが、それでも数万円の負担増になるケースがあり、低所得者の負担軽減と所得保障が法案審議で争点となった。所得保障をめぐっては、小泉純一郎首相も「大変重要な課題。今後とも検討する」と述べたが、民主党は所得保障制度の確立や低所得者の負担軽減策の拡充が実現するまで定率負担の導入凍結を主張。与野党対立の構図になっている。
 「障害者自立支援法で就労支援が強く打ち出されたのはいいこと。だが、今すぐ定率負担を導入するとグループホームや作業所の利用料が発生する。払えないため実家に帰ったり作業所をやめたりすれば、逆に自立の機会をそぐことになりかねない」。東京都世田谷区の住宅街にある区立知的障害者就労支援センター「すきっぷ」の宮武秀信施設長(56)は、法案の評価に頭を悩ます。
 すきっぷは98年に開所した。就労希望の知的障害者が2年間の訓練で働く力を身につけ、一般企業などに就職するための授産型就労支援センターだ。これまでユニクロやスターバックスなどに約130人が就職。就労率は95%に上り、全国から見学者が後を絶たない。
 養護学校を出ても7割は就職できず、作業所や授産施設に通っているが、就労できれば収入は10万円前後になり、障害基礎年金と合わせ自立した生活が可能になる。就業拡大は何よりの所得保障。宮武施設長は「まずはこうした就業訓練の場を市町村ごとに整備するのが大切だ」と考える。
 立教大の高橋紘士教授は「これまで障害基礎年金の水準や所得保障のあり方について、きちんとした議論が行われておらず、今回、この問題が焦点になったのは意味があった」と指摘する。そのうえで「無料のサービスはモラルハザードを起こす可能性もある。1割負担を原則として、障害者の個々の状況に対応できる所得保障の仕組みを整備していくのが現実的ではないか」と話す。
 山田さんは「地域で自立した生活を送るため、所得の保障をどう実現するのか、候補者に問いたい」と話している。【有田浩子】


■薬物依存者の家族ケアへ 厚労省が新事業
<共同通信社 2005年8月26日>

 厚生労働省は25日、薬物依存症の患者を抱える家族への支援を重点に置いた事業に、新たに乗り出すことを決めた。対策に必要な経費として、2006年度予算の概算要求に盛り込む。

 患者本人は「犯罪にかかわっている」という認識から、依存症に苦しんでいても行政の相談窓口を敬遠する傾向がある。一方で家族は、身内かわいさから薬物の購入費用を負担して多額の借金を抱えたり、どう接していいか分からずに精神的に苦しんだりしており、家族へのケアが急務になっていた。

 家族への支援はこれまで、各地の保健所や精神保健福祉センターに相談窓口を設置し、医師や保健師が必要に応じてカウンセリングをしていた。マニュアルを作っている保健所もあったが、対応は各地で異なっていた。

 厚労省は、カウンセリングの担当者に対し、科学的な根拠に基づいた対応方法をまとめた統一的なハンドブックの作成や、家族が依存症患者にどう接すればいいかを分かりやすく説明するため冊子を配布し、各地で講習会を開く方針。


■母親刺殺男性 医療観察法を県内初適用
<2005年8月17日 東京新聞>
 鹿沼市で先月、母親=当時(60)=を刺殺したとして殺人容疑で逮捕された男性(26)について、宇都宮地検は十六日、「犯行当時は心神喪失状態にあって、刑事責任を問えない」として、この男性を不起訴処分にした上で、心神喪失者等医療観察法を適用、宇都宮地裁に審判申し立てを行った。これに基づき同地裁は同日、鑑定入院命令を出した。

 同法は、殺人や強盗、傷害など、重大事件を犯した触法精神障害者の治療と社会復帰を目的として、今年七月十五日に施行されており、今回の適用は県内初。

 地裁は今後、男性の鑑定結果などを調査、裁判官と精神科医が合議し、入院や通院など男性の処遇を審判する。

 同地検は、男性に対する取り調べや簡易鑑定、男性の病歴などから今回の申し立てをしたと説明している。

 事件では、先月二十五日、鹿沼市の母親宅で、男性がサバイバルナイフで母親の胸を刺して殺害したとされる。 (杉藤 貴浩)


■ 医療観察法の審判申し立てへ 宇都宮地検
<2005年8月16日 下野新聞>

 鹿沼市の無職女性(60)が七月、自宅で刺殺された事件で、宇都宮地検は十五日までに、殺人容疑で逮捕された女性の三男(26)の刑事責任能力が低いと判断、十六日にも不起訴処分で釈放、心神喪失者等医療観察法に基づき宇都宮地裁に処遇の決定を求める審判を申し立てる方針を固めた。同法は殺人、放火などの重罪を犯しながら、心神喪失または心神耗弱を理由に不起訴処分とされたケースなどが対象となる。検察官の申し立てを受け、裁判所が入院命令などを決定する。七月十五日の施行後、審判の申し立ては県内で初めて。

 鹿沼署などの調べによると、同市内の病院で入院治療中だった三男は七月二十五日、病院を外出して自宅に戻り、母親の胸を刃物で突き刺し殺害したとして同二十六日に逮捕された。

 取り調べの状況や簡易鑑定の結果、同地検は三男が心神喪失または心神耗弱の状態で刑事責任能力が低いと判断。起訴しても公判維持できないことが予想されることなどから、拘置期限の十六日に三男を不起訴(起訴猶予)処分とし、同地裁へ審判を申し立てる方針を決めた。


■宇治小乱入事件:被告に懲役3年判決 被害児の親「軽すぎる」
<2005年8月9日 毎日新聞>

 ◇検察「対応は上級庁と相談」
 宇治市立宇治小で03年12月18日に起きた乱入事件は8日、1年(当時)の男児2人の頭に包丁で切りつけたとして殺人未遂などの罪に問われた白井信之被告(47)に京都地裁(氷室眞裁判長)が懲役3年(求刑同10年)の実刑判決を言い渡し、一つの区切りを迎えた。
 白井被告はTシャツにズボン姿で入廷。裁判長が「判決を言い渡します」と言うと、消え入りそうな声で「はい」と答えた。判決朗読中は終始うつむき、無表情。弁護団に数度、視線を向けたほかは、目を閉じていた。
 閉廷後、白井被告の弁護人は記者会見し、「殺意が認定されたのは残念だが、刑事責任能力では心神耗弱とされ、主張がある程度理解された。控訴するかは、被告と相談して決める」と話した。
 一方、京都地検の高田明夫次席検事は「心神耗弱を認定し、求刑から大幅に下げる量刑には不満が残る。今後の対応は上級庁と相談して決める」と述べ、被害男児の1人の両親は「判決は、子どもが受けた傷と比べると軽すぎる。検察庁は控訴して責任を再度追及してほしい」と話した。
 中山研一・京都大名誉教授(刑法)は判決について「重度の統合失調症とした精神鑑定結果を考慮する一方、被害感情や社会的影響など現代の風潮も無視できず、判断に苦慮しただろう」と分析。「無罪か執行猶予として心神喪失者医療観察法による入・通院措置へ導く選択もあったが、検察側はその申し立てをせずむしろ控訴するだろう。現行法上、刑罰か医療かの選択は、一義的に検察に委ねられているのが実情」とも指摘した。
 一方、事件について府内の精神保健福祉関係者は「マイナスの影響ばかり」と話す。共同作業所に通う精神障害者が他人の目をこわがったり、ケア施設新設への地域の反対が強まるなど、差別や偏見が強まったという。
 知事が任命する精神保健福祉相談員の人数は据え置かれたまま。府内の精神障害者は約4万人と推計されるが、府精神・社会参加室によると、社会復帰を支援する授産施設と小規模通所授産施設、共同作業所の受け入れ人数は計約1100人にとどまり、需要を満たすにはほど遠いのが実情だ。【鶴谷真、八田浩輔、小川信、太田裕之】


■殺人未遂で入院患者逮捕
<共同通信社 2005年8月8日>

 札幌・豊平署は7日、殺人未遂の現行犯で札幌市清田区真栄の「さっぽろ香雪病院」精神科に入院中の男(51)=同区=を逮捕した。

 調べでは、男は同日午前9時50分ごろ、病院内で、精神科に入院中の男性患者(44)=同区=の胸などを包丁(刃渡り約14センチ)で刺した疑い。男性は重体という。

 同署は、男の責任能力の有無などを慎重に調べている。


■17歳少年に検察官送致の決定 教職員殺傷事件
<2005年8月5日 朝日新聞>

 大阪府寝屋川市の市立中央小学校で2月、教職員3人が包丁で殺傷された事件で、大阪家裁(高橋文仲裁判長)は4日、殺人、殺人未遂などの非行事実で大阪地検から送致された卒業生の少年(17)の審判を開き、検察官送致(逆送)にする決定をした。対人関係をうまく築けない広汎(こうはん)性発達障害があり、「人を刺す」ことの重大さを十分に理解しにくい症状などがあったとしたが、「行動制御能力はあった」と指摘。「事件の重大さを考えれば、背景などを公開法廷で被害者らに明らかにする必要がある」と判断した。大阪地検は10日以内に少年を起訴するとみられ、少年は大阪地裁で刑事裁判を受けることになる。

 家裁の認定事実によると、少年は2月14日午後3時ごろ、同小学校に侵入し、鴨崎満明教諭(当時52)を包丁で刺し殺し、2階の職員室でも女性の教職員2人に大けがをさせたとされる。

 決定はまず「発達障害が事件に直接結びついたわけではない」と前置きしたうえで、少年は幼少期から発達障害により対人関係がうまくいかず、被害感情を強めて他者への攻撃を空想しがちだったと指摘。人を刺すことで周囲がどう感じるかも十分に理解できにくい状態にあったことなども明らかにした。

 早期に医療的支援があれば事件は起きなかったとして「少年や保護者に同情すべき点がある」とした。一方で、障害は軽度で、事件時の行動について一貫した供述をするなど十分な行動制御能力があったと認めた。

 そのうえで、刺し身包丁を突き刺す練習をしてから事件に及ぶなどの凶悪性や、被害者らの被害感情の激しさなどを考えあわせ、「なぜ凶行を着想したかは刑事手続きの中で解明されるべきだ」と結論づけた。刑事裁判で少年刑務所に収容されることになった場合は、「障害を踏まえた適切な処遇を要望したい」との意見も付けた。

 「役割放棄」家裁を批判 付添人の弁護士

 少年の付添人を務めた岩佐嘉彦弁護士らは4日午後、大阪市北区の大阪司法記者クラブで会見し、「少年の更生を図り、再犯を防止するという家庭裁判所の役割を放棄した」と批判した。

 決定の言い渡し後、少年は今後の刑事裁判について「マスコミや被害者も来られるのですか」と質問したという。

 少年は「反省するにはどうしたらよいのか」と悩み、「被害者の写真を差し入れて欲しい」と望んだという。動機は「分からないけど、突然思いついた」などと話しているという。


■情状鑑定に犯罪精神医2人 女児誘拐殺害で奈良地裁
<2005年8月1日 共同通信>

 奈良市で昨年11月、小学1年の女児=当時(7つ)=が誘拐、殺害された事件の公判で、元新聞販売店員小林薫被告(36)に対する専門家の「情状鑑定」について、奈良地裁は1日、東京医科歯科大難治疾患研究所の山上皓教授(犯罪精神医学)と小畠秀吾助教授(同)の2人を鑑定人とすることを決めた。
 鑑定事項は(1)被告の性格とその形成原因(2)被告の小児性愛的傾向、犯罪傾向の有無と原因(3)犯行時と前後の心理状態−としている。
 小林被告の弁護人によると、山上教授らは8月17日に鑑定人として宣誓した後、面接などにより約3カ月間、鑑定に当たるという。


■医療観察法:千葉地検松戸支部が県内初の適用 逮捕の女性、地裁が鑑定入院命令
<2005年7月30日 毎日新聞>

 千葉地検松戸支部は29日、殺人未遂容疑で逮捕された野田市の無職の女性(61)を不起訴処分(起訴猶予)とした上で、心神喪失者医療観察法に基づき、千葉地裁松戸支部に審判を申し立てた。同日、同支部は鑑定入院命令を出した。同法の適用は県内で初めて。
 地検などによると、女性は7月10日午前、自宅で夫(66)の首などを果物ナイフ(刃渡り12センチ)で突き刺し、2週間の重傷を負わせたとして殺人未遂容疑で逮捕された。地検は捜査段階で傷害事件と認定したものの、簡易精神診断を行った結果「心神耗弱」と認められたため、不起訴処分とする一方、同法の適用を決めた。今後、精神科医と裁判官の合議制で審判を行う。
 同法では殺人などの重大事件を起こしながら心神喪失などを理由に刑事責任が問えなかった容疑者・被告に対し、再犯を防ぐため検察官から審判申し立てを受けた裁判官が入院・通院を命じることができる。
 01年6月の大阪教育大付属池田小学校の乱入殺傷事件を契機に法整備され、今月15日に施行された。【神澤龍二】



■入院女性患者が首絞められ重体 江別市立病院」
<2005年7月29日 北海道新聞>

【江別】二十九日午前零時三十五分ごろ、江別市若草町の江別市立病院(宮本宏院長)から、女性入院患者が別の入院患者の首を絞めたと、江別署に通報があった。同署は殺人未遂の疑いで、女性入院患者(四十四)=江別市=から事情を聴いている。首を絞められた女性入院患者(四十九)=は意識不明の重体。
 調べでは、二十八日午後十時五十分ごろ、精神病患者が入院している「南一病棟」の病室で、女性患者がぐったりしているのを看護師が発見。廊下を挟んで向かいの個室に入院していた別の女性が「自分が首を絞めた」などと話したことから、同署に通報した。通報まで時間がかかったことについて、病院側は「女性の治療に専念していた」と説明している。
 同署は二人の間にトラブルなどがなかったか調べている。同病院によると、二人は顔を知っている程度で、親しくはなかった。二十八日夜は三人の看護師が一時間おきに巡回したが、変わった様子はなかったという。
 同病院には八つの病棟があり、このうち二棟が精神病棟で、八十八人が入院していた。宮本院長は「捜査中なので何も話せない」としている。


■高次脳機能障害に診断基準 精神障害とし社会復帰支援
<共同通信社 2005年7月29日>

 厚生労働省は28日、交通事故の後遺症などで記憶力や思考力が落ちる「高次脳機能障害」に新たに診断基準を設け精神障害の認定を容易にし、国会審議中の障害者自立支援法案に盛り込まれた福祉サービスを利用できるようにする方針を決めた。地域に支援コーディネーターなどを置き、診断からリハビリ、社会復帰につながる支援体制を整備する方針。法案が成立すれば来年1月から利用が可能になる。

 高次脳機能障害は、新しいことを覚えられない、会話がかみ合わない、などの症状があるが、外見からは分かりにくく、多くの人は支援を受けていない。救急医療の進歩で一命を取り留める人の増加に伴い、増えており、厚労省は全国で30万人に上ると推計している。

 診断基準は(1)記憶障害、社会的行動障害などで日常生活や社会生活に制約がある(2)脳の器質的病変が認められる(3)先天性疾患、進行性疾患などは除外-などを満たした場合とし、脳の損傷などによる「器質的精神障害」に分類する。

 現在でも精神障害の認定を受けることは可能だが、その数は少ない。精神障害者は現在の支援費制度での福祉サービスを受けられないことなどが影響しているとみられる。

 自立支援法案では、精神障害者も身体、知的障害者と同じサービスが受けられるようになる。


■心理職法案:今国会提出を断念 超党派議員連盟
<2005.7.29 毎日新聞>

 心理カウンセラーの国家資格化を目指した「臨床心理士及び医療心理師法案」について、超党派の二つの議員連盟は、今国会への提出を断念した。日本医師会や日本精神神経学会などが反対しているためで、二つの議連が次期国会に向けて再調整を図る。法案は、心のケアにあたるカウンセラーについて、医療現場に限定した「医療心理師」と、医療に限定せず学校などでも活動する「臨床心理士」の二つの国家資格を創設する内容だ。しかし、医療現場で二つの資格が混在することについて、カウンセラーとともに働く医師らから「臨床心理士の活動範囲があいまいで、現場が混乱する恐れがある」との反発が出ていた。【青島顕】


■祖父母刺殺の男性、地検が医療観察法で審判申し立て
<2005年7月28日 日経新聞>

 祖父母を刺殺したとして、殺人容疑で逮捕された東京都中央区の無職男性(30)について、東京地検は28日、「刑事責任能力はない」として不起訴処分にするとともに、心神喪失者医療観察法に基づく審判を東京地裁に申し立てた。今月施行された同法に基づく審判は東京では初めて。

 申し立てを受けて同地裁は同日、鑑定入院命令を出した。今後、審判で男性の鑑定を行い、3カ月以内に適切な医療措置を決定する。

 調べによると、男性は3月13日午前、中央区の祖父母宅を訪問。祖父(当時81)と祖母(同82)の首をカッターナイフなどで突き刺し、殺害した。


■祖父母刺殺容疑の男、心神喪失者観察法で審判申し立て
<2005年7月28日 読売新聞>

 祖父母を刺殺したとして今年3月、殺人容疑などで逮捕された東京都中央区の無職男(30)について、東京地検は28日、心神喪失を理由に不起訴処分とし、心神喪失者医療観察法に基づいて、男の処遇を決めるための審判を東京地裁に申し立てた。

 同地裁は同日、男に精神鑑定を行うための入院を命じた。

 調べによると、男は今年3月13日、同区内の祖父(当時81歳)と祖母(同82歳)の自宅を訪れ、包丁で首を刺すなどして2人を殺害。同日、警視庁築地署に自首して逮捕され、精神鑑定などを受けていた。




■心神喪失者:認定後に審判を申し立て 東京地検
<毎日新聞 2005年7月28日>

 東京地検は28日、祖父母を殺害したとして殺人容疑で逮捕された無職男性(30)について、「心神喪失者」と認定し不起訴処分としたうえで、心神喪失者医療観察法に基づく審判を東京地裁に申し立てた。今月15日の法施行後、東京地裁への申し立ては初めて。
 男性は今年3月、東京都内で祖父と祖母を包丁で刺殺し自首、警視庁に逮捕された。申し立てを受け、裁判官と医師の合議体が審判で再犯の可能性などを判断し、入院か通院措置かなどを決める。
 同法施行後、既にさいたま地検や大阪地検が審判を申し立てている。【木戸哲】



■心神喪失者医療観察法:殺人未遂で起訴猶予女性、鑑定入院の命令 神奈川県内初
<2005年7月28日 毎日新聞>

 ◇内縁の夫殺人未遂、心神喪失者
 横浜地検は27日、横浜市内の自宅で内縁の夫(45)を包丁で刺そうとして殺人未遂容疑で県警に逮捕された女性(46)について、心神耗弱を認め起訴猶予処分として釈放、心神喪失者医療観察法に基づく審判を横浜地裁に申し立てた。同地裁は即日、女性に鑑定入院命令を出した。同法が適用されたのは県内で初めて。
 同法は今月15日に施行された。殺人、放火などの重大事件を起こしたが、心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった被疑者・被告に対し、再犯を防ぐため、検察官から審判申し立てを受けた裁判官が審判で入院または通院を命じることができる。【伊藤直孝】




■30歳男の医療観察申し立て=祖父母刺殺、心神喪失で不起訴−東京地検
<2005年7月28日 時事通信>

 祖父母を刺殺したとして、殺人容疑で逮捕された東京都中央区の無職男(30)について、東京地検は28日、心神喪失を理由に不起訴処分とし、心神喪失者医療観察法に基づく審判を東京地裁に申し立てた。同地裁は申し立てを受け、精神鑑定のための入院を命じた。
 調べなどによると、男は3月13日午前、同区の祖父母宅を訪れ、包丁で2人の首を刺すなどして殺害。警視庁築地署に自首してきたところを逮捕された。 


■心理職法案の提出見送り
<共同通信社 2005年7月28日>

 心理カウンセラーの国家資格化を目指す厚生労働系と文教系の超党派議員は28日までに、今国会への法案提出を見送ることを決めた。日本医師会や日本精神神経科診療所協会などが法案の修正を求めているためで、調整を続け次期国会への提出を目指す。

 心理カウンセラーはうつ病や自殺の増加でニーズが高まり、厚労系議員が医療現場に限定した「医療心理師」(仮称)の国家資格化を、文教系議員が幅広い分野で活動している民間資格「臨床心理士」の国家資格化をそれぞれ目指したが、法案の一本化で合意した。


■「心理」資格創設 法案提出を断念 超党派議連
<2005年7月28日 読売新聞>

 病院や学校などで心のケアを行う専門職の国家資格創設を目指す、超党派の二つの議員連盟は27日、今国会への法案提出を断念した。日本精神科病院協会や日本医師会などが、現段階での法制化に反対したためで、次期国会に向け、再度調整を図る方針だ。
 提出予定だった「臨床心理士及び医療心理師法案」は、医療分野に活動を限る「医療心理師」と、医療のほか学校や企業などあらゆる分野で活動できる「臨床心理士」の、二つの国家資格を設けている。
 これに対し、日本精神科病院協会は、医療分野で二つの資格が混在することは、「現場を混乱させる可能性がある」と指摘。日本精神神経学会も「当事者に不利益をもたらすことが危惧される」と懸念を表明した。



■医療観察法審判 大阪地検が申請 放火で不起訴の女性
<2005年7月27日 朝日新聞>

 自宅に放火したとして現住建造物等放火容疑で送検されていた大阪市の無職女性(54)について、大阪地検は26日、犯行時は心神喪失状態だったとして不起訴処分にするとともに、心神喪失者医療観察法に基づいて治療の措置を決めるための審判を大阪地裁に申し立てた。同地裁は同日、鑑定のための入院命令を出し、女性は大阪府内の医療機関に移された。同法に基づく審判の申し立ては、福島、さいたま地検に続いて全国3例目。
 女性は今月5日、大阪市内の自宅1階で、座布団などに灯油をまいて火を付け、自宅や隣家計4棟を燃やしたとされる。


■障害者自立支援法案:低所得者の負担分軽減 厚労省方針
<2005年7月27日 毎日新聞>

 身体、知的、精神の障害別施策を一元化し、障害者本人に原則1割のサービス料を求める障害者自立支援法案について、厚生労働省は低所得者の負担上限額を事実上、現行案の半額に引き下げる減免措置を、新たに導入する方針を決めた。社会福祉法人のデイサービスやホームヘルプサービスなどが対象で、負担上限額の半額を超える部分を、サービスを提供する社会福祉法人と国などが負担する。同法案は衆院で可決し、参院で審議中だが、障害者の負担増に批判が強く、厚労省は軽減策を検討していた。

 1カ月の負担上限額は収入に応じて、(1)一般4万200円(2)低所得者2(年収約300万円以下)2万4600円(3)低所得者1(同80万円以下)1万5000円の3段階。今回の減免は低所得者1、2のうち、預貯金が一定額(350万円前後で検討中)以下の人などについて、社会福祉法人が負担上限額の半額を超える部分を本人に代わって負担した場合、国と都道府県、市町村がその負担分の半額以上を助成する内容。

 例えば、低所得者1の人が負担上限の1万5000円分のサービス量を使ったとしても、障害者本人の負担は7500円で、残りの7500円のうち、半額以上を公費で賄い、残金を社会福祉法人が支払う。法人が減免するかどうかは法人ごとの判断に任されるが、厚労省は「低所得者でも十分なサービスを受けられるように協力を依頼する」として、強く導入を働きかける方針。

 地域にサービスを提供する社会福祉法人がなければ、NPO法人などが減免をした場合でも、同様に公費で助成する考えだ。【玉木達也】


■医療観察法を初適用 地検、傷害男性の処遇審判を申し立て 広島
<2005年7月26日 読売新聞>

 広島市内で、女性が自宅で男性に殴られ軽傷を負った事件があり、地検は25日、傷害と住居侵入容疑で逮捕された無職男性(35)を「犯行時、心神喪失状態にあった」として不起訴処分にした上で、心神喪失者医療観察法に基づき、男性の処遇決定を求める審判を地裁に申し立てた。地裁は同日、鑑定入院の措置を取った。15日に施行された同法に基づいて、審判申し立てが行われたのは県内初。
 地検などによると、無職男性は7月初旬、広島市内の知人女性宅に押し入り、女性を殴ったりけったりして約10日間のけがを負わせた。地検は簡易鑑定や取り調べの結果などから、「刑事責任能力は問えず、再犯のおそれも高い」として、申し立てを決めた。
 同法は、2001年6月の大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件を機に成立。殺人などの重大犯罪を起こしながら、責任能力が認められず、無罪や不起訴処分などとされた精神障害者(触法精神障害者)を専門的に治療し、社会復帰させることを目指している。


■警備は厳重、治療も配慮 医療観察法入院病棟を公開

<共同通信社 2005年7月26日>

 心神喪失者医療観察法に基づき、重大事件を起こしながら心神喪失などを理由に刑罰を科されなかった精神障害者が入院する国立精神・神経センター武蔵病院(東京都小平市)の施設が25日、報道陣に公開された。

 病院関係者は「警備は厳重だが刑務所ではないので、治療効果を上げるためにも快適に過ごせるよう設備に力を入れた」と説明した。

 入院施設は全国に24カ所程度必要だが各地で住民の反発が強く、武蔵病院の入院病棟は唯一完成した施設。

 公開された病棟は住民の不安に配慮し、敷地を高さ3.6メートルと2メートルの二重フェンスで覆い、フェンス間に赤外線センサーを通したほか、入り口を二重扉にし、警備員を24時間常駐させた。

 病棟は鉄筋平屋建てで、床面積は2400平方メートル。30室の病室が十字型に並び、中央部を室内広場にした。

 病室は病状に応じて、急性期、回復期、社会復帰期の3種類に分かれ、すべて10平方メートル以上の個室。急性期の病室は天井を高くし、衝撃吸収性のある壁を使用したが、社会復帰期の病室はシャワーやテレビ、洗面所付きで、部屋の鍵や空調は自分で管理するなど、ビジネスホテルのような構造になっている。


■埼玉地裁が鑑定入院命令  心神喪失で不起訴  北本の弟殺人未遂
 
<2005年7月23日 埼玉新聞
 
 弟をナイフで刺したとして殺人未遂容疑で逮捕された北本市の無職男性(31)について、さいたま地検は二十二日、心神喪失状態だったとして不起訴処分とし、心身喪失者医療観察法に基づく審判を、さいたま地裁に申し立てた。さいたま地裁は同日、男性の鑑定入院を命令した。男性は精神鑑定を受けて、地裁の審判で入院や通院などを決める。七月に改正された同法を適用した申し立てで、全国では福島地検に次いで二例目。
 調べによると、男性は七月一日夜、自宅で弟の首や背中などを果物ナイフで刺して二週間のけがを負わせたとされる。
 地検は殺人未遂ではなく傷害罪を認定したが、男性は簡易鑑定の結果、事件当時、心神喪失状態にあったと判断した。
 これまでの同法では、心神喪失や心神耗弱の状態で重大な他害行為を行い、不起訴や無罪判決が出た場合、医師が最長六カ月間の措置入院させるべきか判断し、都道府県が決定していた。
 法改正後は、不起訴か無罪判決が出た場合、検察は原則として裁判所に審判を申し立て、裁判所は医師と合議で強制入院か強制通院かを判断する。
 同法は大阪の池田小児童殺傷事件を契機に改正された。


■電気治療で患者死亡 病院側と遺族が和解
<2005年7月23日 朝日新聞 山梨>

 上野原市の精神病院、財団法人・三生会病院(山崎達二院長)で03年4月、同市内の男性患者(当時51)が電気けいれん療法を受けた直後に死亡したのは病院側の過失だったとして、遺族が約4千万円の損害賠償の支払いを求めて東京地裁に起こした訴訟は22日までに、同病院が遺族側に1千万円を払うなどの条件で和解した。
 
 訴状などによると、男性は長年、統合失調症で同病院を受診。03年4月24日、母親と弟が男性を連れて行った際、副院長が電気けいれん療法を実施した。診察室で数秒間の通電が行われた後、男性は心肺停止の状態に陥り、死亡。死因は急性心筋梗塞(こう・そく)と診断された。

 原告側は「病院側は本人や家族への説明責任が不十分だった」などと主張していた。原告の代理人によると、和解条項は「病院側が和解金1千万円を支払う」「男性の死に哀悼の意を表す」の2点。同病院は「和解を機に、再発防止に努めたい」と話した。


■患者の覚せい剤使用、医師通報は正当…最高裁が初判断
<2005年7月21日 読売新聞>

 覚せい剤の反応が出た尿を医師が警察に引き渡したのは、医師に課せられた守秘義務に違反するかどうかが争われた裁判で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は、「必要な治療や検査の過程で採取した尿から違法な薬物を検出した場合、捜査機関に通報するのは正当な行為であり、守秘義務に違反しない」との初判断を示した。

 そのうえで、覚せい剤取締法違反(使用)の罪について無罪を主張した女性被告(26)の上告を棄却する決定をした。決定は19日付。懲役2年とした1、2審判決が確定する。

 決定によると、女性被告は2003年4月、腰に刺し傷を負って東京都内の病院に搬送された。医師は、腎臓からの出血の有無を調べようと採尿し、さらに薬物の影響を確かめるため尿を検査したところ、覚せい剤の反応があったことから警察に通報。

 被告側は、刑法が定める守秘義務に違反して捜査機関に渡った尿を証拠採用したのは違法だとして、無罪を主張していた。


■心身喪失者観察法を初適用 新幹線車内で客殴った男に
<2005年7月20日 福島民報>

 福島地検は十九日、東北新幹線の車内で男性を消火器で殴ったとして福島署が傷害容疑で逮捕した東京都杉並区の男(二八)について、今月十五日に施行された「心身喪失者等医療観察法」に基づく審判を福島地裁に申し立てた。同地検によると同法適用は全国初。男は県内の病院に鑑定入院した。
 同法は、精神障害者の円滑な社会復帰と再犯防止を目的に施行された。殺人や傷害などの重大な事件を起こし、心神耗弱などで不起訴処分となった場合、検察官が裁判所に審判を申し立てる。鑑定入院後、裁判官と精神科医が合議して通院か入院かなどの適切な処遇を決定し、専門的な医療を行う。同法が適用されると司法が入退院などの決定に関与できる。
 男は六月二十八日に逮捕された。福島地検は男が見ず知らずの男性を突然殴ったとなどから簡易鑑定した掛果、統合失調症と分かった。十九日に「責任能力は低い」として起訴猶予処分で釈放、審判申し立てを決めた。
 心神喪失者等医療観察法は、大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件で、入通院歴がある男が逮捕されたことをきっかけに、入退院の判断が実質的に医師に任されるなどしていた措置入院制度の抜本的な見直しを目的に、二〇〇二年三月、法案が閣議決定された。
 重大事件を起こしながら心神喪失などを理由に刑罰を科されなかった精神障害者を、地裁の判断で入院、通院による治療を強制的に受けさせ、再発を防止することが目的。


■医療観察法初申し立て 福島地検 傷害男を鑑定入院 新幹線で乗客にけが 心神耗弱状態と猶予
<2005年7月20日 福島民友>

 福島地検は十九日、東北新幹線内で消火器を振り回したとして傷害容疑で逮捕、送検されていた東京都の無職男(二八)を「心神耗弱状態にある」として起訴猶予処分で釈放、十五日に施行されたばかりの心神喪失者医療観察法を全国で初適用し、同法に基づき福島地裁に十九日付で審判を申し立て、男を鑑定入院措置とした。今後は、裁判官と精神科医による審判を経て、入院の継続か通院かを決める。男は面識のない乗客をいきなり殴りつけるなどした。同法は、大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件を教訓に整備された。

 同地検によると、男は六月下旬、新白河−郡山駅間を走行中の東北新幹線車両内で、乗客の会社員男性(三三)に備え付けの消火器などを使って暴行し、約一週間のけがを負わせたとして、傷害容疑で逮捕された。
 男は面識のない男性をいきなり殴りつけていることから、同地検は「重大な他害行為」として申し立てを決めた。同地検によると、簡易鑑定を実施したところ統合失調症と診断されたという。通院歴はなかったが「心神喪失者ではないものの責任能力の有無は低い」と判断した。
 男は今後、少なくとも二カ月間鑑定入院し、福島地裁が審判を開く。男の社会復帰を念頭に置いて、入院か通院かなどを決める。同地検によると、入院できる病院は県内四カ所という。
 一方で、指定医療機関の整備が遅れ、医療現場に混乱と対象者に適切な治療ができないとして、日本弁護士会連合会は「手厚い精神医療には程遠く、対象者の人権に重大な影響を及ぼす」として反対声明を出している。

強制的治療で再発防止
 心神喪失者医療観察法は殺人や放火など「重大な他害行為」を起こしながら、心神喪失などを理由に処罰されなかった精神障害者を地裁の判断で入院、通院による治療を強制的に受けさせ再発を防止する制度。
 入退院の判断が実賓的に医師に任されるなどしていた措置入院制度を抜本的に見直した。これまでは、心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合、多くは都道府県知事の行政処令として精神保健福祉法に基づいて措置入院させていた。



■触法精神障害者 入退難しい判断
<2005.7.17 読売新聞スキャナー>

【「医療観察法」施行 指針なお未完成 「再犯の恐れ」長期拘禁の懸念】
 殺人などの重大な罪を犯しながら心神喪失を理由に不起訴や無罪となった触法精神障害者を、必要に応じて専門病棟に強制入院させ、手厚い治療に取り組む新制度を定めた「心神喪失者医療観察法」が今月15日に施行された。再犯の恐れに対する社会の不安の高まりを背景に、裁判官が加わる審判で障害者の処遇を決めるのが特徴だが、入退院の判断の難しさや、病棟の建設の遅れなど、課題山積のスタートとなった。(社会部 田中史生、木下敦子)

【基 準】
 「新制度は混乱を招く」−−。先月24日、日本精神神経学会の法関連問題委員会は、医療観察法の施行凍結を求める声明を発表した。批判の対象になったのは、入退院を決める審判で用いられる判断基準だ。
 新制度では、裁判官と医師が2人一組で審判を行い、別の医師の鑑定意見書を基に入院期間などを判断する。その際の指針が、厚生労働省の研究班が作成した「鑑定ガイドライン」だが、施行された今も、完成版はできていない。
 すでに示されている試案では、「再犯防止のため、長期的なリスクアセスメント(危険性の事前評価)を重視する」として、過去の捜査記録や生活歴を判断材料に挙げている。
 しかし、同委員会の富由三樹生委員長(多摩あおば病院長)は「誤って再犯の恐れがあると判断され、長期入院となるケースが必ず出る」と危惧する。日本弁護士連合会も、同様の意見書を厚労省に提出した。「社会復帰のための医療」を掲げる新制度が、「治安のための長期拘禁」につながるのではないかという根強い疑念が、こうした反発につながっている。これに対し、ガイドラインの研究班長の松下正明・東京都立松沢病院長は「多額の公費を投じる専門病棟を導入したことが、新制度の最大の意義。手厚い治療でむしろ早期に退院できる」と反論する。だが、試案の表現は、反発に配慮して改められる見通しだ。

【裁判官の役割】
 新制度のポイントとなる裁判官の役割も、当初の構想に比べて変化した。
 もともと、医療観察法制定の背景には、医師だけで入退院を判断する措置入院制度への不信感があった。2001年の大阪教育大付属池田小事件で、宅間守・元死刑囚が犯行前に措置入院を短期で解除されていたことが判明。小泉首相は、裁判官を関与させる新制度の実現を促した。再犯の可能性を考慮しながら量刑を判断している刑事裁判官の経験を生かせるという期待もあった。
 ところが、02年に国会で審議入りした法案が、「再犯の恐れ」を入院の要件としたことに、医学会や精神障害者の家族会が懸念を表明した。結局、本人のために必要性があれば入院させるという表現に変え、03年7月に成立。裁判官の役割はあいまいになった。
 今年2月以降、各地の地裁で、裁判官と精神科医が審判の進め方を話し合つた。準備会合では、医師がまず結論を出し、裁判官はその判断過程が合理的かどうかをチェックするという判断手順が確認された。
 「成立した法律は治療を目的にしているのだから、『人を殺しているのに通院では危険』などと(医療の専門家でない)我々がロを挟むべきではない」。東京地裁のある裁判官は、そう鋭明する一方で、「実際の審判でどうするかは手探り」とも話している。

【専門病棟 既存施設 代用も検討 住民反発で建設難航】
 対象者の治療を担当するのは厚生労働省だが、専門の入院病棟は、地元住民の反対でほとんど建設されていないのが現状だ。厚労省は早くも医療観察法の改正を検討している。
 厚労省は、原則として対象者を−年半で社会復帰させることを目指している。30床の入院病棟に専属の医師4人、看護師40人以上を配置するなど、一般的な精神科治療に比べて3倍以上の手厚い体制を整え、法施行から3年間で全国計24か所(国立8か所、都道府県立16か所)の病棟を新しく建設するつもりだった。
 精神医療で実績のある国立病院を次々に<建設内定地>としていったが、地元住民からは、「警備面が心配」「どうしてうちの町なのか」という不満が噴出。多いところでは20回近く地元説明会を開いたが理解を得られず、反対署名運動なども展開された。
 都道府県による病棟整備も進まず、結局、法施行に間に合ったのは国立精神・神経センター武蔵病院(東京都小平市)1か所だけ。かろうじて国立病院機構花巻病院(岩手県)が年内に、同北陸病院(富山県)も来年初めには完成しそうだが、その後のめどは立っていない。3か所合わせても90床しかなく、年間約300人(法務省)と言われる対象者にはとても足りない。
 こうした事態に、厚労省は法改正の方向で、与野党と協議を進めている。当初は新設する予定だった入院病棟を、都道府県立病院の既存の施設でも代用できるようにする「苦肉の策」でしのぐ方針で、秋の梅時国会で成立させたい考えだ。
 「施設がないので治療ができない、とは絶対に言えない」。担当者らは危機感を強めているが、本来求められるべき「医療の質」以前の問題で奔走するという状況になっている。

【障害者への理解促す機会】
 凶悪犯でも、捜査段階の簡易鑑定に基づき心神喪失と認定されれば不起訴とされる。措置入院後も、病院が手を焼けばすぐに退院する−。こうした現状は、刑事司法と医療の双方が責任を回避してきた結果だ。必要な医療を受けられなかったための再犯は後を絶たず、精神障告者全体への偏見も助長してきた。
 裁判官と医師が協力する新制度は、数々の問題を抱えての出発とはいえ、ルールを明確にし、障害者に対する社会の正しい理解を促す絶好の機会だ。審判の実態など情報公開を怠らなければ、入院病棟の周辺住民の理解や、制度の改善への道は開けるはずだ。(田中)

【措置入院】
 自分を傷つけたり他人に害を及ぼしたりする恐れのある精神障害者を、都道府県知事が強制入院させる制度。入退院の判断は、知事が指定した医師が行う。罪を犯していない場合も対象となり、医療観察法施行後も存続する。


■医療観察法きょう施行、病棟開設1カ所だけ 各地で反対運動
<朝日新聞】2005年07月15日>

 重大な罪を犯しながら心神喪失などで不起訴や無罪になった人について、入院治療など