人事評価を府、新年度から本格導入
組合の反対押し切り 府県レベル近畿で最後 A−E5ランク <読売新聞2001年(平成13年)2月7日>
府職員の勤務実態などを各部局長らが評価し、給与や昇級に反映させる「人事評価制度」を昨年六月から試験的に行っている府は、来年度から本格的に実施することを決めた。民間企業では当たり前のように実施され、近畿地方の各府県もすでに導入している制度だが、府は職員組合の反発などで導入を見送ってきた経緯がある。しかし、府は試験結果では適正に運用されていると判断できる上、「公務員もあり方を問われる時代。意識改革が必要だ」として「判断基準があいまい」などとする組合の反対を押し切る構えだ。
試験実施は、知事部局の約一万六千人を対象に昨年七月から四か月間行った。事前に示した評価基準に従い、部局長らが面接などでA−Eの五段階で各職員をランクづけした。
50.9%がCランクで最も多く、次いでBランクが39.7%、Aランクが5.1%、Dランク4%。勤務実態に問題があるEランクの職員は0.3%いた。
こうした結果を基に、総務部は「評価に偏りがなく、制度が適正に運用されている」とし、来年度から本格実施することにした。
評価結果は、▽給与▽昇級▽表彰▽研修−−などに活用していく方針だが、職員側からは「評価結果を本人に開示すべきだ」「導入すると上司の顔色ばかりうかがう職員が増える」といった意見も寄せられており、評価結果の活用範囲などを今後検討する。
一方、府職員労働組合側は、組合員二千百六十九人を対象に、同制度導入についてのアンケートを実施。「評価制度は不要」が40%、「実施方法を再検討すべき」が45%を占めたとして「導入反対」を府側に示している。
五段階制度を導入 府職員人事評価
新年度に本格実施へ<朝日新聞2001年(平成13年)2月8日>
府は、職員の仕事ぶりを五段階で評価する新しい人事評価制度を新年度から本格的に導入する。四カ月間試行した結果、部局間で評価の分布に大きな偏りがなく、信頼性が高いと判断した。将来的に、職員の給与や人事に評価を反映させることも検討する。
新制度では、仕事の成果▽企画力・計画性▽判断力・決断力▽勤務態度など十項目前後について、A−Eの五段階で評価したうえで、さらに五段階で総合評価する。直属の上司が一次評価、課長などの所属長が二次評価し、職員が目標などを記した書類をもとに面談もする。府警職員や教員をのぞく全職員が対象になる。
府はこれまで、人事担当部が各所属長らから職員の評価を聴いて勤務評定をしていた。新制度では、評価の基準や方法が明確で、透明性が高まるという。昨年七月から十月まで試行したところ、二次評価まで受けた一万五千八百六十二人のうち、三九・七%が「B」、五〇・九%が「C」、最も低い「E」は全体の○・三%だった。
府人事室は「職員の勤務意欲を向上させるため、結果を人事や給与に反映させていく方法を考えていきたい」としている。
赤字再建団体 大阪府、転落のおそれ
試算発表 2007年度、800億円 <朝日新聞2001年2月7日>
全国最悪の財政危機に陥っている大阪府は、今のままの状態で税収などが推移した場合、二〇〇七年度に諸施策が国の監督下に置かれる「赤字再建団体」に転落するおそれのあることがわかった。五日に府が発表した「新行財政計画」の骨子の中で、試算が明らかにされた。府が再建団体への転落の見通しを公式に示したのは初めて。今後、府は七月までに大規模プロジェクトの見直しや経費削減策などの具体策をまとめる方針で、それを実行することで転落を回避したい考えだ。
試算では今後十年間の財政見通しが示された。それによると、景気の低迷などで府税収入の伸びは二〇〇二〜四年度まではゼロ、二〇〇五年度以降は一・三%にとどまる。府職員の給与は二〇〇二年度以降、毎年○・五%ずつ伸びると想定。これに基づくと歳入は毎年二兆六千億円前後、歳出は三兆一千億円前後という赤字状態で推移し、毎年度、四千八百五十億-五千七百五十億円の財源不足が生じる。
国からの地方交付税による収入などで補てんをしても、二〇〇二〜七年度は一千億円を超える不足額が発生。これを借金返済に備えて毎年度積み立てている「減債基金」の取り崩しで補っても、基金そのものが二〇〇六年度に底をつく。その結果、二〇〇七年度の赤字は再建団体への転落ラインである約六百五十億円(大阪府の標準財政規模の五%)を超え、約八百億円に達するとしている。
赤字再建団体は、総務省が自主再建の難しい自治体を対象に、地方財政再建促進特別措置法に基づいて指定する。指定を受けると、起債や単独の事業が制限される。現在、都道府県で指定されている所はない。
ただ国が「救済措置」をとることも考えられ、実際に指定されるかどうかは、今後の経済情勢や国の政策に左右される側面もある。
太田房江・大阪府知事は「含み損を抱えている事業など、府の抱える『負の遺産』を大胆に整理し、徹底的にプロジェクトを見直したい」と話している。