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<2002年7月15日大阪読売>
山口県立病院の女性患者不審死問題/厚労省が改善命令
山口県宇部市の県立精神病院「静和荘」で一昨年五月、入院中の女性(当時二十七歳)が不審死した問題に関連し、厚生労働省が精神保健福祉法に基づく九項目の改善命令を出していたことがわかった。改善命令は人権上、重大な問題がある場合に出されるもので、全国で七例目、国公立病院では二例目。他の患者の処遇に問題事例が目立つことも指摘している。
女性は九九年十月、家族の同意で強制入院し、翌年五月、閉鎖病棟の個室で死亡。主治医は明確な根拠がないのに、死因を「窒息」と死亡診断書に記載、警察には届けなかった。両親は入院から半年間、面会を拒否され、容体急変で駆けつけた時も入室を拒まれた。
改善命令は今年三月二十六日付。「死亡に至る経過に重大な問題は確認されなかった」としながら、「面会制限は短期間で足りたと思われる。主治医の認識が足りず、カルテへの記載など適正な手続きもとっていなかった」と批判した。
他の患者についても▽任意入院なのに退院に応じない▽保護室隔離や身体拘束をした理由が不明▽身体拘束中なのに一日一回しか診察がない、と問題点を列挙。食堂の配ぜんや掃除を当番で患者にさせる使役労働などにも改善を求めた。
女性の死後、父親は真相解明と医療内容の改善を要求したが、県医務課は「問題ない」と主張。同省の要請で県健康増進課が調査に入り、二月八日に面会制限などの改善を命じた。しかし同省は「県立病院を県が調べるだけでは客観性に欠ける」と同十五日に直接立ち入り調査していた。
女性の主治医だった今泉潤一副院長は「国の指摘に応えて改善している」、県医務課は「通常でない患者死亡は、今後すべて警察へ届ける」としている。<関連記事>
<2001年12月31日大阪読売>
入院女性“不審死”届けず 山口の県立精神病院 根拠なく死因「窒息」と診断
山口県宇部市の県立精神病院「静和荘」で昨年五月、入院中の女性(当時二十七歳)が個室内で急死し、主治医の副院長が明確な根拠がないのに死因を「窒息」としたうえ、医師法に基づく警察への届け出を怠っていたことがわかった。副院長は「死因の診断に自信はなく、(解剖は)しのびなかった。今考えれば届けるべきで、反省している」などと言っている。
病院の説明によると、女性は一九九九年十月、家族の同意で強制入院。最初の一か月余りは保護室に隔離され、その後は同じ閉鎖病棟内の個室にいた。
亡くなった日は午後四時半すぎ、心肺停止状態でベッドにうつぶせに倒れているのを看護婦が発見。蘇生(そせい)を試みたが回復せず、五時二十分に死亡と判断した。
女性の両親は五時前に駆けつけたが入室を拒まれ、会えたのは死後処置を終えた後の七時すぎだった。副院長は死亡診断書に直接死因を「窒息」と記載。その原因は「精神分裂病による昏迷(こんめい)状態」で「水のような吐物を吸引」とした。死因の分類欄は「不慮の外因死」にマルをつけた。
読売新聞の取材に副院長は、窒息の根拠を「(皮膚が青くなる)チアノーゼがみられた」、吐物吸引の根拠は「人工呼吸の時、肺でゴボゴボと音がしたから」と説明したが、口内にも吐いた跡はなかったという。
医師法は、異状死体を診た医師に二十四時間以内の届け出を義務づけ、怠ると罰金刑の対象。厚生労働省は「外因死やその疑いがあれば届け出対象。死因が不明確なら幅広く考えるべきだ」としている。
日本法医学会理事長の塩野寛・旭川医大教授の話「当然届けるべき異状死だ。若い人が水を飲んで死ぬとは思えないし、溺死(できし)でも肺で音はしない。死因は不可解と言うほかない」<2002年1月13日大阪読売>
女性不審死、山口の精神病院 両親の面会を半年間拒否 死亡後カルテも開示せず
山口県立精神病院「静和荘」(宇部市)で一昨年五月、入院中の女性(当時二十七歳)が不審死した問題で、女性の両親が入院から半年間も面会を拒否されていたことがわかった。家族の同意に基づく強制入院(医療保護入院)だったが、病院側は死亡後のカルテ開示も「県の方針で遺族は対象外」と拒否していた。
女性は九九年十月に入院。最初の一か月は保護室に隔離され、「動物じゃないからオリに閉じこめないで」と連日訴えていた。
両親は週一―三回、病院を訪ねて面会を希望。しかし主治医の副院長は、女性が病室に移った後も「もう少し様子を見てから」と渋り続けた。
翌年四月の初面会で女性は両親に抱きつき、手を離さなかったが、一か月後に急死した。カルテは閲覧に限って一日だけ応じた。
父親は「治療を受けさせる責任を家族に負わせながら納得できない」と閉鎖性を批判。副院長は「他の患者と接した時の病状が不安で隔離が長引いた。面会は強く禁止する気はなかったが、ずるずる遅れて反省している」と話している。
<2001年6月20日西部読売朝刊社会面>
山口県 医師会費など一部負担/99年度以前 2県立病院の415万円分
山口県が、県立病院の医師らが医師会などに支払う会費の一部を公費で負担していたことが、十九日の県議会で明らかになった。県は「個人負担が原則であり、好ましくない」として、一九九九年度までに中止したが、負担総額は、県立中央病院(山口県防府市)と県立病院静和荘(同県宇部市)で計約四百十五万円にのぼることがわかった。 水野純次議員(共産)が一般質問で取り上げた。
山口県医務課によると、県立中央病院では、九〇年度から九六年度までに約四十人の医師や歯科医師、薬剤師について、それぞれ医師会、歯科医師会、薬剤師会の会費の一部計約三百十二万円を公費から支出していた。
県立病院静和荘では、九〇〜九九年度にかけて、院長の医師会費の全額、約百三万円を支払っていた。患者の164万円を看護職員が着服 山口の県立病院懲戒免
<2000年5月2日西部読売夕刊2社面>山口県は二日、県立病院「静和荘」(宇部市東岐波)の男性看護職員(36)が入院患者からの預かり金約百六十四万円を着服したとして懲戒免職とし、長崎哲男院長(60)を管理不十分を理由に戒告としたと発表した。
県医務課によると、同病院は精神疾患の患者約二百人が入院し、ほとんどが生活必需品購入のため、一人平均約六万円を病院に預けている。看護職員は昨年四月から五十二回にわたり、八人の患者に衣類や電化製品などを買ったとするウソの物品購入伝票を作っていた。病院今年二月、領収書が添付されていないこと
に気づき、発覚した。
職員は一九八九年に採用された。着服した金は「生活費に使った」と話している。同課は「全額返済され、患者や家族の了解も得たので刑事告発は考えていない」としている。県立病院着服問題 病院、虚偽伝票見逃す/「年2回チェック」守らず
<2000年5月3日西部読売山口版>県立病院「静和荘」(宇部市東岐波)の預かり金着服問題で、病院が領収書のない虚偽の伝票を繰り返し見逃していた上、伝票チェックの規則も守っていなかったことが二日、分かった。ずさんな管理がうんだ不祥事であるにもかかわらず、県は記者会見を行わず、広報文の提供だけで済ませた。病院運営のあり方とともに県の対応のまずさが問われそうだ。
医務課によると、病院には約二百人が入院しており、約三十人の職員が患者に代わって生活必需品を購入している。職員が購入費を肩代わりした時は伝票に領収書を添え、事務局に請求することになっていた。
しかし、問題の看護士は十か月間に五十二回も領収書なしの伝票で金を引き出した。病院の規則では年に二度、事務局が伝票をチェックすることになっていたが、年度末に一度しかやっていなかった。
県医務課は「事務局が職員を信用しすぎた。年に二万五千件もの出金があり、小額の肩代わりには領収書がいらないため、虚偽の伝票を見逃していた」と説明した上、ずさんな管理を認め、その後、「担当者が毎日伝票をチェックするなど再発防止策をとった」としている。
二井知事は先月の新年度初の定例会見で、全国的に続発する公務員の不祥事への対応策として、六月議会に職員倫理条例を提案する意向を表明。情報公開についても、条例の対象に公安委員会を含めて検討していることを明らかにするなど前向きに取り組む方針を示した。
にもかかわらず今回、広報文だけで発表を済ませ、会見をしなかったことについて人事課は「過去の例に従った。今後は分からないが、今回はそれで十分と判断した」としている。
◇写真=県立病院静和荘広報体制を再検討 知事、職員不祥事公表で
<2000年5月13日西部読売山口版>二井知事は十二日の定例記者会見で、職員不祥事の公表について、広報体制のあり方を再検討することを明らかにした。
全国的に公務員の不祥事が続発したのを受け、県は懲戒処分事案を積極的に公表する姿勢を打ち出していた。ところが、県立病院「静和荘」(宇部市)の元職員による入院患者の預かり金着服問題で、資料提供にとどまり、記者会見を行わなかったため、一部マスコミから批判の声が出ていた。
知事は「(県から)十分な説明を行う必要があったと考える。適切な対応がなされるよう努力したい」との見解を示した。
<2000年3月29日西部読売山口版>県立2病院でカルテを公開 4月1日から/申し出は患者や家族らが可能
県は二十八日、県立中央病院(防府市)と県立病院静和荘(宇部市)の診療記録(カルテ)を四月一日から公開すると発表した。これまでは患者本人が診療情報の開示を希望した場合でも、口頭で説明したり、メモを渡したりするだけで、正式の記録は公開していなかった。
公開するのは同日以降のカルテや看護記録、処方せん、エックス線写真など。開示の申し出ができるのは患者本人や家族ら。「患者本人が合理的な判断ができない場合」「医療従事者と患者との信頼関係を損なうおそれがある場合」などには申し出があっても開示しない。また、当分の間、医師の判断で、カルテそのものでなく要約書の交付ができることにした。
申し出は両病院のほか県庁の医務課や情報公開センターで受け付け、原則として十日以内に回答する。コピー代金が一枚につき二十円、エックス線写真などは実費が必要。県医務課は「インフォームド・コンセント(告知と同意)の理念に基づき、患者と診療情報を共有し、相互の信頼関係を深めたい」としている。
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