• 精神病院で患者虐待  真冬にホースで水  クラブで殴り負傷

     泉佐野 府、立ち入り調査へ  <読売新聞夕刊2001年(平成13年)2月9日>
     大阪府泉佐野市中庄、医療法人清楓会の精神病院「真城(しんじょう)病院」(塩
    沼真一院長、百六十六床)で、一部の看護士が、入院中の男性患者を真冬に全裸にし
    て水を浴びせたり、ゴルフクラブで殴って負傷させたりしていたことが、NPO大阪精
    神医療人権センターの調査でわかった。府は九日午後、立ち入り調査する。病院側は
    「事実関係は調査中だが、看護職員の姿勢に確かに問題があった。抜本改革したい」
    としている。
     人権センターによると、男性患者(64)は夜中に鎮痛剤を何回も求めたことから、今
    年一月二日、看護士に衣服を脱がされ、院内の運動場で頭からホースで水をかけられ
    た。数日後にはごみ箱で頭を殴られ、出血した。複数の患者が目撃。この患者は「こ
    わい。別の施設へ移りたい」と話している。
     別の男性患者(29)は昨年八月、院内のロビーで、男性看護部長にゴルフクラブで頭
    を殴られ出血した。この様子も別の患者が見ており、「指示に従わず、二階へ上がろ
    うとしたので殴られた」と読売新聞記者に証言した。
     看護部長は昨年十一月、うつ病で入院中の女性(37)に対し「あんなヤブ医者に診て
    もらって」と主治医を侮辱。女性はショックで病状が悪化した。退院後、女性の夫が
    「病気を治すために入院したのに」と抗議。看護部長は暴言を認め、一月に辞表を出
    した。
     人権センターの聞き取りでは「詰め所の言うことを聞かないと頭をかち割られる」
    「任意入院なのに外出できない」などの声があった。クラブで殴られた患者は「(病
    院側が管理する)小遣いを出してほしいと頼んだら『拘束するぞ』と脅された。『死
    んでしまえ』と言われたこともある」と訴えたという。同センターの山本深雪事務局
    長は「大部屋に三十二人も詰め込むなど、療養環境にも問題がある」としている。
     塩沼院長は「患者の行動に問題があっても暴力や虐待は絶対にいけない。看護部長
    は仕事熱心だが、以前から言葉遣いが悪かった。申し訳ない」と話した。
     南川雅信事務長は「看護士は暴力を否定しているが、患者への態度にまさかと思う
    点がいろいろ出てきた。外部の人も含めた委員会を作り、人権重視の病院にしたい」としている。

  • NPO大阪精神医療人権センターより 大阪府への要望書
  • ※以下の要望者が大阪府に提出されました。
     2月7日に真城病院の理事から大阪精神医療人権センターに中間報告が行われ、本
    日、大阪府が調査に入り、マスコミも動き出しました。看護部長「池野」の暴力行為
    です。
     池野看護部長は、昨年12月14日から自宅謹慎となっており、2月に理事会で懲
    戒処分も検討されています。とかげのしっぽ切りで終わらせようとしているようで
    す。
     平均在院日数は355日であり、グループホームを利用した再入院制度で意図的に
    運用しているようです。
     32人部屋については、大阪府からの指導は一度もないと言い訳をしているようで
    す。

    大阪府知事 太 田 房 江 様(御担当 保健衛生部 健康増進課)
                          2001年(平成13年)1月30日
    〒530-0047          
    大阪市北区西天満5丁目9番5号 
    谷山ビル9階    
    NPO大阪精神医療人権センター 
    代表理事 里 見 和 夫


    要 請 書
               
    一、大阪府精神保健審議会は、大和川病院における一連の人権侵害に関する調査報告
    を踏まえたうえで、昨年(2000年)5月「入院中の精神障害者の権利に関する宣言」を
    公表しました。それは、大阪府下の精神科医療機関においてこのような人権侵害を再
    び起こさないという強い決意の表現として、精神医療の当事者とその家族の方々に伝
    えられました。「宣言」はまた、精神医療福祉関係者全てに対して、精神障害者の人
    権を尊重し、安心して治療を受けることができる医療環境を提供するため努力するこ
    とを呼びかけたものです。
     大阪楕神医療人権センターは、これまで、入院患者からの訴えに耳を傾け、これに
    基づいて病院訪問を継続し、その結果をまとめる作業を進めてきましたが、この権利
    宣言をより力強い支えとして、昨年(2000年)12月冊子「扉よひらけ一大阪精神病院事
    情ありのまま(第2版)」を出版しました。
     ところが、その後の病院訪問の過程で、残念ながら、下記の精神病院における重大
    な人権侵害を疑わせる事例についての情報を得ましたので(二において詳述します)、
    大阪府の早急な調査および厳正な指導ならびに即時の転院等を要すると思われる患者
    につき転院先の確保と適正な冶療等を保障するための速やかな措置を要講する次第で
    す。
                         記
    真城病院(泉佐野市中庄1025)

    二、真城病院における重大な人権侵害を疑わせる事例の詳細
     1、入院患者  A氏(昭和11年10月5日生)について
      (一)、A氏は、平成12年6月頃に入院しました。
      (二)、入院時に入院形態や権利の告知を受けていません。
      (三)、そもそも、A氏は、入院時に特に入院を必要とする精神症状があったとは
    考えられません。
     仮に、そうでなかったとしても、少くとも現在は入院の継続を必要とする精神症状
    は見られません。
      (四)、A氏は、本年(2001年)1月2日午後3時頃、頭や胃が痛いのでセデスを欲し
    いと看護詰所に申し出たところ、宮崎看護士は、A氏の着衣を上下全て脱がせ素っ
    裸にしたうえ病院内の運動場に連れ出し、ホースでA氏の頭から水をかけました
    (他の患者が目撃しています)。
      (五)、その何日か後、宮崎看護士は、看護詰所内においてゴミ入れでA氏の頭を
    殴打し、同氏に出血を伴う傷害を負わせました(他の患者が目撃しています)。同氏の
    頭頂部にはその傷跡が現在でも残っています(本年1月27日真城病院で同氏と面談した
    際、里見和夫、.山本深雪が傷跡を確認)。
      (六)、A氏は、上記四、五の暴行以外にもしばしぱ殴られたり、蹴られたりして
    います(他の患者が目撃しています)。
      (七)、A氏は、上記各暴行に脅え、早期に転院することを強く希望しています。
    同氏としては、同氏の姉が入所しているケアハウス長寿苑むつおの里一一姉は、昨年
    (2000年)初め頃脳出血のため、半身不随となり、現在同ケアハウスに入所中一一への
    入所を強く希望しています。
      (八)、上記の状況に照らしますと、A氏の身体の安全を確保し、同氏が胃潰瘍等
    の内科的疾患に対する適正な治療を受けられるようにするためには、まず一日も早い
    転院が不可欠です。
      (九)、つきましては、A氏の転院先の確保(同氏が強く希望するむつおの里への
    入所の実現)、適正な医療の保障等に関し、大阪府が保健所等との調整をはじめとす
    る作業を速やかに進めて下さるよう要請します。
    2、真城病院の医療・看護の劣悪な実態について
     A氏や他の患者からの聞き取り等を総合しますと、真城病院の医療・看護の実態
    には、多くの問題があると思われますので、早急にその実情を調査し、厳正な指導を
    されるようあわせて要請します。
                                 以上

  • 真城病院
    97%が閉鎖処遇・32人室・ボットントイレ・トイレに鍵がない・夕食が4時30分位・
    洗濯代は1ケ月5,000円・1時間に1本づつの時間タバコ制・看護基準(精神その他一種)
    1999/6行政資料
     病床数148常勤医師5非常勤医師7常勤指定医3非常勤指定医3
     常勤PSW2非常勤臨床心理1
     常勤看護婦16非常勤看護婦0常勤准看護婦19常勤准看護婦2常勤看護補助5
     看護基準(精神その他一種)、3ヶ月未満在院率16%、5年以上入院率34%
    2000年8月3旧訪問
    住所 泉佐野市中庄1025 電話 0724-63-3377
     JR阪和線熊取駅より徒歩10分、竹やぶ丘陵の中にある。許可ベッド150床、一般病
    床15、開放5床が2階の院長室近くにあり特別室的存在。ほかのベッドは、鉄扉の中に
    あり、病棟外へ単独で出ている人は8人(1階)。昨年と変わっていない。今年4月の法
    改正の影響が感じられない。
     PSWは2名いるが、いずれも兼任で、1名は事務長、1名は看護師。
     昨年と変わった点は、1階女性の部屋にカーテンが(廊下、室内、窓際)ついたこ
    と。大きな 宿題だった32人部屋の改善はない。病室で知的障害なのか言葉を話せな
    い人が他の力の強そうな人の肩もみを順にしていたのが印象に残る。看護スタッフは
    病室の中にはいない。ボットントイレといい、32人部屋(まるで野戦病院の様にベッ
    ドがぎっしり)といい療養環境としては劣悪であるといえる。廊下の亀裂もそのまま
    だ。
     木曜日は、売店の日。自分で外のスーパーへ行ける少数者を除き、ほとんど自分で
    歩けるのに売店の前で行列。10個程のスーパーのカゴから、患者が自分で選び、レジ
    の看護スタッフに渡す。「ラーメン類は3個まで」とのルールで4個買っていた人は1
    個あきらめるしかない。その人たちの話では、「夕食が4時30分位。晩8時の睡眠薬ま
    でおきていると腹がへって仕方ない。せめて6時頃の夕食にして欲しい。」という。
     外勤の方は4名。病院の方針が「職場復帰まで応援する」とのことで、徒歩10分の
    「山下染色」の雑用係を朝9時〜夕4時。ここはアパートを所有しており、アパート退
    院した6名の退院者が今利用している。そこから警備会社等の仕事にいく。
     洗濯代は1ケ月5,000円。病院の機械で60人分を洗う。ホールの大きなテーブルの上
    におかれた洗濯物から,一人一人が自分の名前のある分を探していた。男性の中に
    「下着がない」と最後まで困っている姿。若い女性は「下着だけは自分で洗い,自分
    のバケツに干しておく、運動場に干しておくとなくなる。」と言っていた。
     自分で買い物や売店にもいけない人用のタバコは「マイルドセブン」の詰所管理で
    1時間に1本づつの時間タバコ制。
     ロッカーは、10個あるが2個しか使用していない。小遣いは毎日、午後1時に200円
    支給の人が多い。これは、ジュース代金とのこと。外出できる人は別に金が事務所か
    ら手渡し。お金のある人(年金受給者)は個人通帳があり、手持ち金のみ事務所で記
    入。こづかい管理代金はとらず。ロッカー代金は、2階の新しい部分のみ1050円/月。
     ある女性は、「2年間、運動場にでられていない。出たいと思う時には勝手にはで
    られへん。表へいきたいけどあかんと言われる。病院は私がどっかに行くと思うて、
    出さん。私は腹がたつと心臓に好くないので文句は言わない」と。
     看護同伴外出先は図書館、サティ、ジャスコ。2階の「単独外出の可能な人」は黄
    色い名札がかかっており、3人のみ「医師の許可と家族の了承があれぱ外出可」と看
    護婦。60名中、35人が年1回は外泊ができているとのこと。全く身寄りなしの人は受
    け入れていないとのこと。
     ホールで毛糸のあみ物を作っていた人たち(放送で集まってくる)には、慰労会と称
    して食事会に外に連れていく。編み物(1個100円)の売上金一食事会費用一材料費用=
    レク費用としてため、春と秋の季節のバスレクにあてる。
    保険別             住所地別
     生活保護15.3%         泉佐野市 60人(内、病院を住所地28人)
     健康保険 8.7%         和歌山市 32人
     国民保険67.2%         大阪市 7人
     老人保険 8.8%         以外の府下34人
         100.0%             133人
     今後の課題として約束したこと
    ○ 個別開放処遇をもっと増やすこと。
     「現在は、主治医の判断で行動制限をすることで入院時本人の承諾を得ている。1
    週間以内にもう一度、医師が判断をする。こうした告知文は、入院時セットでつくっ
    てある。入院する以上、ある一定程度の観察期間がないとうちでは対応できない。そ
    れが、ずるずると延長されている現状については反省する必要があると思う。」と。
    ○ ハード面の改築今年4月、土地を購入。境界線の確定に後1年かかる。建設会社か
    ら各種プランを持ってこられるので思案中と。
    ○ 患者、家族向けに『病院のルール』(行動制限など)を明らかにする案内パンフが
    ないため、患者は現場の職員の言いなりになるしかない。
    ○7月任意入院ではいり、8月医療保護入院に形態変更になった時、医師の説明がな
    かったという人がいた。説明の徹底を。
    ○ 解消すべき事態
     2階の20号,21号室に外から鍵がかかっている時間帯がある。
     1階16号室一病室内に汚物オムツ,リネン,等他の部屋の分もおいてある。
    ○ トイレに鍵がないため、ノックをして入ると他の人が入っていることあり。上に
    鍵をつけて外からも外せる等の工夫を。
    ○ 「家族の了解」を外出許可の条件としているのは、おかしい。山の中に「一生、
    預かって欲しい」という家族の素朴な要望をそのままに引き受けているようで時代に
    取り残されている。病院として、家族の悩みにも応じながら患者の社会復帰をすすめ
    るためのコメディカル部門を強化して頂きたい。
    平成11年の平均在院日数355日
    任意入院であっても、病院の設備上、閉鎖病棟を利用していただくことになる。
    (146/150=約97%)ので、出来る範囲の開放処遇を心がけている。

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