大阪府知事 太 田 房 江 様(御担当 保健衛生部 健康増進課)
2001年(平成13年)1月30日
〒530-0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号
谷山ビル9階
NPO大阪精神医療人権センター
代表理事 里 見 和 夫
要 請 書
一、大阪府精神保健審議会は、大和川病院における一連の人権侵害に関する調査報告
を踏まえたうえで、昨年(2000年)5月「入院中の精神障害者の権利に関する宣言」を
公表しました。それは、大阪府下の精神科医療機関においてこのような人権侵害を再
び起こさないという強い決意の表現として、精神医療の当事者とその家族の方々に伝
えられました。「宣言」はまた、精神医療福祉関係者全てに対して、精神障害者の人
権を尊重し、安心して治療を受けることができる医療環境を提供するため努力するこ
とを呼びかけたものです。
大阪楕神医療人権センターは、これまで、入院患者からの訴えに耳を傾け、これに
基づいて病院訪問を継続し、その結果をまとめる作業を進めてきましたが、この権利
宣言をより力強い支えとして、昨年(2000年)12月冊子「扉よひらけ一大阪精神病院事
情ありのまま(第2版)」を出版しました。
ところが、その後の病院訪問の過程で、残念ながら、下記の精神病院における重大
な人権侵害を疑わせる事例についての情報を得ましたので(二において詳述します)、
大阪府の早急な調査および厳正な指導ならびに即時の転院等を要すると思われる患者
につき転院先の確保と適正な冶療等を保障するための速やかな措置を要講する次第で
す。
記
真城病院(泉佐野市中庄1025)
二、真城病院における重大な人権侵害を疑わせる事例の詳細
1、入院患者 A氏(昭和11年10月5日生)について
(一)、A氏は、平成12年6月頃に入院しました。
(二)、入院時に入院形態や権利の告知を受けていません。
(三)、そもそも、A氏は、入院時に特に入院を必要とする精神症状があったとは
考えられません。
仮に、そうでなかったとしても、少くとも現在は入院の継続を必要とする精神症状
は見られません。
(四)、A氏は、本年(2001年)1月2日午後3時頃、頭や胃が痛いのでセデスを欲し
いと看護詰所に申し出たところ、宮崎看護士は、A氏の着衣を上下全て脱がせ素っ
裸にしたうえ病院内の運動場に連れ出し、ホースでA氏の頭から水をかけました
(他の患者が目撃しています)。
(五)、その何日か後、宮崎看護士は、看護詰所内においてゴミ入れでA氏の頭を
殴打し、同氏に出血を伴う傷害を負わせました(他の患者が目撃しています)。同氏の
頭頂部にはその傷跡が現在でも残っています(本年1月27日真城病院で同氏と面談した
際、里見和夫、.山本深雪が傷跡を確認)。
(六)、A氏は、上記四、五の暴行以外にもしばしぱ殴られたり、蹴られたりして
います(他の患者が目撃しています)。
(七)、A氏は、上記各暴行に脅え、早期に転院することを強く希望しています。
同氏としては、同氏の姉が入所しているケアハウス長寿苑むつおの里一一姉は、昨年
(2000年)初め頃脳出血のため、半身不随となり、現在同ケアハウスに入所中一一への
入所を強く希望しています。
(八)、上記の状況に照らしますと、A氏の身体の安全を確保し、同氏が胃潰瘍等
の内科的疾患に対する適正な治療を受けられるようにするためには、まず一日も早い
転院が不可欠です。
(九)、つきましては、A氏の転院先の確保(同氏が強く希望するむつおの里への
入所の実現)、適正な医療の保障等に関し、大阪府が保健所等との調整をはじめとす
る作業を速やかに進めて下さるよう要請します。
2、真城病院の医療・看護の劣悪な実態について
A氏や他の患者からの聞き取り等を総合しますと、真城病院の医療・看護の実態
には、多くの問題があると思われますので、早急にその実情を調査し、厳正な指導を
されるようあわせて要請します。
以上