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精神医療ニュース 過去記事 2002年11月分


<2002年11月30日読売新聞>

心神喪失者の医療観察法案 強制入院の要件巡り成立難航 精神医療底上げへ論議深めよ

 重大事件を起こした精神障害者へ強制的な入院などを定める「心神喪失者医療観察法案」について、与党側から修正案が提示された。
解説部菅野良司

 殺人などの事件を起こした人が重度の精神障害者だった場合、心神喪失者や心神耗弱看として処罰されなかったり、刑が軽くなったりする。また「自傷他害のおそれ」のある精神障害者を、二人の専門医の診断を基に知事が強制的に入院、治療を受けさせる「措置入院」の制度がある。
 しかし、刑罰も受けず、入院もしなかったり、入院しても比較的短期で退院するなどという批判があり、昨年六月の「池田小学校事件」を一つの契機として、政府が新たな制度を立案した。裁判官、専門の医師各一人の合議による審判で、強制入院の必要性を判断することなどを骨子とした心神喪失者医療観察法案で、先の通常国会から継続審議となっていた。
 法案に対し「再犯の予測は誤りが多く、不当な拘束につながる」などの批判があり、現行の運用を改善し、地域の精神医療の充実を先行すべきだという意見も根強い。
 最も基本的な対立点は、強制入院の認定要件である「再び事件を起こすおそれ」を巡る解釈で、与党側が「(事件を起こすことなく)社会復帰を促進するため、医療を受けさせる必要が認められるとき」と修正する案を出したが、審議は難航している。数か月や半年という将来にわたる強制入院の必要性を、医師は予測できるのかどうか、精神医療の専門医の間でも見解が分かれている事情もある。
 課題の多い精神医療の現状で法案が目指しているのは、裁判所の関与で、司法と医療のすき間からこぼれ落ちるケースを防止することだ。
 池田小事件の被告は、事件の約二年前、職場で精神安定剤入りのお茶を飲ませるという傷害事件を起こし、逮捕された。しかし、被告は統合失調症(精神分裂病)を装い措置入院となる一方、傷害の程度が軽いことなどを理由に検察官の処分は起訴猶予。その後、被告は約四十日の入院で退院した。
 今回の法案では、場合によっては傷害を起こした精神障害者も審判の対象となり、鑑定期間(原則二か月以内)が設けられる。審判途中で、詐病が見破られることも期待できる。また、強制的な入院となった場合でも、原則的に六か月ごとに入院の必要性がチェックされ、入院する施設は、国、都道府県などが開設する医療スタッフが充実したものとなる予定だ。通院の確保も盛り込まれている。
 法案に慎重だった精神医療関係団体の中には最近になって、よりよい制度を確立する機会を逸するべきでないとの姿勢を示し、五年後の見直しなどを条件に法案を「第一歩」と評価する動きも出ている。
 一方、法案の審判制度は不幸にして事件を起こしてしまった障害者の処遇を判断するもので、精神障害者による重大事件の約七割が初犯という現状にもかかわらず、初犯を未然に防ぐ手立てにはならない。確かに、地域社会から孤立しないようなケアシステムの確立の方も急務だ。
 しかし、精神障害者に対する差別や偏見のない、しかも安全な社会を構築することは、国民全員の願いだ。与野党は法案修正も含めて論議を深め、精神医療全体の底上げに向けた「第一歩」として新制度の創設を目指すべきだ。

情報は→読売新聞


<2002年11月30日毎日新聞>

障害者基本計画 「脱施設」明記 抜本的な政策変更に 基本計画政府原案 地域の支援重視

 障害者施策の今後10年の基本方針を定める政府の「新障害者基本計画」(原案)が29日、明らかになった。地域生活の基盤整備を重点課題とし、「入所施設は真に必要なものに限定する」と明確に「脱施設化」を打ち出した。知的障害者については、多くの先進国で入所施設が解体されているが、日本では10万人以上が施設で暮らし、現在も増設されている。同計画は「障害の有無にかかわらず人格と個性を尊重し支え合う共生社会」を理念に掲げており、日本の障害者福祉も脱施設化に向けて抜本的な政策変更が進められることになる。

 同計画は「建物、情報、制度、慣行などでのバリアフリーの推進」「地域での自立生活を基本に、障害者自らがサービスを選択できる援助体制づくり」などを強調。施設サービスの再構築については「『障害者は施設』という認識を改めるため、保護者、関係者、市民の地域福祉への理解を促進する」として、

 精神障害者は、約33万人が入院しているが、「できる限り地域で生活できるようにするため、居宅支援事業の普及を図り、退院可能な人の社会復帰のために必要なサービスを整備する」とした。

 また、障害者への虐待や権利侵害の多発を受け、地域での権利擁護システムの導入を促すとともに、知的障害者や精神障害者本人の政策決定プロセスへの関与を支援することも明記した。

 「公務員など公共サービス従事者の障害者理解の促進」も盛り込み、警察、司法、交通機関、消費生活センターなど、障害者の地域生活や権利擁護にかかわる機関の理解の必要性を指摘した。

 同基本計画は12月下旬に閣議決定し、正式発表される。

情報は→毎日新聞


<2002年11月30日朝日新聞>

障害者支援費制度 施設や事業所無い自治体15%

 来春始まる「障害者支援費制度」の対象となる施設や在宅サービスを提供する事業所が一カ所もない自治体が、市区町村の約15%を占めていることが民間福祉団体の調査で分かった。同制度は、これまで行政が決めてきたサービスを障害者自身が選べるようにするため設けられたが、福祉団体は「『選べる福祉』の理念からかけ離れた実態」という。
 調査は、小規模作業所などの全国組織「きょうされん」(東京都中野区)が今年3月時点で実施、全国3234市区町村(政令指定市を除く)すべてから回答を得た。
 その結果、支援費の対象となる身体・知的障害者が生活したり働いたりする施設(合計14種類)と在宅の障害者が利用するサービスの事業所が473町村でまったくなかつた。
 また、法定の在宅サービスで地域での生活を支えるホームヘルプ、デイサービス、ショートステイに、グループホーム(精神障害者は支援費の対象外)を加えたすべての事業所があるのは32市、約1%しかなかった。

情報は→朝日新聞


<2002年11月8日読売新聞>

安心の設計 精神・知的障害者のホームヘルプ

◆見えない不自由「心でケア」 「自宅で自立」手助け

 自宅で生活する精神障害者や知的障害者の支援策として、ホームヘルプが少しずつ普及している。ホームヘルプというと、体の不自由な高齢者や身体障害者を介護するイメージが強いが、自由に体を動かせることが多い精神、知的障害者の場合、生活の中のどのような部分を支えているのだろうか。ホームヘルプを使う人たちを訪ねた。(小山 孝)

◎貴重な会話

 居間に寝ころび、この家のあるじで精神障害を持つ男性(45)がたばこを吸っている。向かいにはエプロン姿のヘルパー、向井美恵子さん(45)が座る。

 向井さんは愛知県春日井市の市社会福祉事業団から、市内に1人で暮らすこの男性宅に週2回派遣されている。

 「きょうはお祭りですね。行かないんですか」と向井さん。

 「雨だから中止かな」と男性。

 とりとめのない会話はもう30分続いている。

 何もしていないようにも見えるが、「この時間が本当に貴重」と男性は言う。

 男性は24歳で発病して以来、絶えず3人の男が交代で話しかけてくるという幻聴に悩まされている。「ヘルパーと話をしていると幻聴が消え、気が紛れる。作業所や病院のデイケアにも行くが、話のできる人があまりいなくて」と、男性はとつとつと語った。

 ひと通り話し終えると、2人で台所に立ち、夕食の準備に取りかかった。メニューはマーボーナスとカボチャの煮付けだ。男性は昨年8月からホームヘルプを利用しているが、それまでキャベツのゴマ油いためしか作れなかった。一緒に食事作りをするうちにメニューは10種類程度に増えた。今では掃除も自分からやる。

 「作業所の職員に勧められた時はあまり期待していなかったけど、やってみてよかった」。男性は生活が少しずつ変わっていることを実感している。

以下略、続きは→Yomiuri-On-Line 安心の設計


<2002年10月31日読売新聞>

統合失調症の薬 世界にまれな薬漬け

 神奈川県のCさん(55)が統合失調症になって30年。入退院を繰り返しながらもアルバイトをしたり、作業所へ通ったりしたのは35歳ぐらいまで。それ以後は家でぶらぶら。不安を感じると、「コノヤロー」と家族に大声を上げる。

 【日本独特の処方】

 薬は1日4回。表のように13種類。抗精神病薬だけで4種類で、粉薬の形で出されている。母(77)は「昔と比べると薬がどんどん増えてきました」と言い、何度も医師に「こんなに飲んでいいんですか」と尋ねたが、「Cさんには、これぐらい必要なんです」と言われ、飲ませている。

 症状を押さえ込むために、抗精神病薬の種類と量を増やす。すると筋肉のこわばり、ふるえなど副作用が増えるので、抗パーキンソン薬が出る。それにも口の渇きや便秘などの副作用があるので、下剤などその副作用止めが加わる。

 慶応大精神科医師の稲垣中(あたる)さん(35)は「多剤大量処方は世界ではまれな治療法。抗精神病薬を3剤以上使った場合の有効性は医学的に検証されたことがない」と首をかしげる。

 アメリカやイギリスでは、抗精神病薬1剤だけの処方が8割を占め、他の先進国も2剤程度までがほとんど。異常な多剤大量処方は、日本の精神科医の“発明”だ。国内では大学病院でも一般的に行われている。

 【有効性には疑問】

 山梨県立北病院副院長の藤井康男さん(49)は「どの薬がどのように作用し、どんな副作用を招いているのか。相互作用はどうか。薬が多いと医師も処方の意味を説明することはできない。症状を押さえ込もうとして、薬を上乗せしているだけ」と薬漬けの実態を批判する。

 抗精神病薬の量には目安がある。薬の強さなどを「クロルプロマジン」という薬の量で換算することが国際的に定着し、比較ができる。1日の量が1000ミリ・グラムを超えると一般的には、大量処方と考えられる。

 藤井さんは「薬は神経伝達物質のドパミンの活動を抑えるが、投与量が1000ミリ・グラムを超えると、効果は上がらず、副作用だけが増えるというのが国際的な常識」と説明する。

 Cさんの処方を見ると、クロルプロマジン換算で2700ミリ・グラム。典型的な大量処方だが、例外的な処方というわけではない。

 新薬の登場で少ない薬での治療へと国際的に向かった。だが、日本では、旧来の薬に上乗せする形になり、逆に薬漬けが深刻さを増している。藤井さんは「統合失調症治療の薬物治療は、まだ暗黒時代から抜け出していない」と苦渋をにじませる。

特集記事は→Yomiuri-On-Line>医療と介護 > 医療ルネサンス>統合失調症の薬
 ・地域の受け皿、重要に (2002.11.2)
 ・「多剤大量」見直す動き(2002.11.1)
 ・世界にまれな薬漬け  (2002.10.31)
 ・社会生活の意欲高める (2002.10.30)
 ・「定型副作用」減る新薬(2002.10.29)


<2002年11月29日毎日新聞>

「医療観察法案は差別助長」 精神障害者団体、人権救済申し立て

 重大事件を起こして無罪などになった精神障害者を特別病棟に強制入院させる「心神喪失者医療観察法案」が国会で審議される中、精神障害者らで作る二つの市民団体が29日、「法案の国会提出は精神障害者への差別をあおる人権侵犯」として、法務省人権擁護局に人権救済を申し立てる。
 この2団体は、東京都内の「NPO法人こらーる・たいとう」と「全国『精神病』者集団」。
 申立書によると、(1)小泉純一郎首相は、大阪教育大付属池田小事件(昨年6月)が、精神障害に起因するかどうか不明なのに「法の不備」を指摘する発言で差別をあおった(2)政府は精神障害者による犯罪が増えていないことを知りながら、法案を国会提出した(3)法案は「精神障害者は危険だから特別な医療を施さなければならない」との差別を、政府自らが宣言し国民に植え付ける――と主張。法案の撤回と、差別や偏見をなくす活動を求めている。
 池田小事件以降、精神障害者がアパートから退去を迫られたり、職場を解雇されるなどの事例が相次ぎ、状況を悲観して自殺した人や地域住民から入院を迫られた人もいるという。申し立て理由について、「こらーる・たいとう」の加藤真規子代表は「『問題点にもっと関心を持ってほしい』という一石を投じる思いもある」と話している。【精神医療取材班】

情報は→毎日新聞


<2002年11月28日毎日新聞>

医療観察法案、衆院審議入り 「修正案」で与野党攻防 日弁連など批判強め

 重大事件を起こし不起訴などとされた精神障害者の特別病棟への強制入院手続きを定めた「心神喪失者 医療観察法案」の修正案の審議が27日、衆院で始まった。政府・与党は臨時国会中に衆院での可決を目指しており、来月13日の会期末に向けた与野党の論戦が焦点となる。日本弁護士連合会や関係団体は「入院要件があいまいになるなど、原案以上に問題」として、廃案を求める動きを強める方針だ。
 与党の修正案では、強制入院させる要件を「再犯のおそれ」という表記から「社会に復帰することを促進するため、医療を受けさせる必要があると認められるとき」に言い換えた。27日の衆院法務委員会で、塩崎恭久議員(自民)は「入院の要件や、法律の最終目的が患者の社会復帰にある点などを明確にしたい」と修正の趣旨を説明した。
 与党側は臨時国会では衆院で可決して参院に送り、来年の通常国会で成立させる考えで「拙速な審議で強行採決した」との批判を避けるため、野党が求めている厚生労働委との連合審議や参考人招致にも応じる構えだ。
 対案を提出している民主党は「内容が不明確」との理由で法案修正協議には応じていないが、党内には「絶対反対を貫くより内容をよりよいものに修正するのが責任ある野党の役目」と妥協を模索する動きもある。
 一方、同日夜、東京都内で日弁連などが開いたシンポジウムでは批判が相次いだ。通常国会で参考人として意見陳述した伊藤哲寛・北海道立精神保健福祉センター所長は「修正案は言葉だけが変わっても社会防衛上の視点からつくられた本質は変わらない。国会はうわべの修正にとらわれず、本質的な論議をすべきだ」とけん制した。通院中の息子に夫を殺害された関西の女性は「国の無策のつけを障害者に払わせるような法案は通してはならない。被害者の妻としては何としても初犯こそ防いでほしい。そのためには患者を支えるシステムこそつくるべきだ」と訴えた。【精神医療取材班】

情報は→毎日新聞


<2002年11月28日毎日新聞>

「強制入院ではなく地域ケアで予防を」 精神病院を全廃したイタリアのノルチョ医師

 ◇精神障害者の犯罪対策「心神喪失者医療観察法案は誤り」

 精神病院を全廃したイタリアで、そのきっかけになった先進的な地域ケアに取り組むトリエステ精神保健センター副所長、ブルーノ・ノルチョ氏(57)が来日し、毎日新聞のインタビューに応じた。日本では再び重大事件を起こす恐れのある精神障害者を強制入院させる「心神喪失者医療観察法案」が審議中だが、ノルチョ氏は「精神障害者による事件は地域ケアの向上でこそ予防できる」と強調した。【精神医療取材班】
 ――日本の地域医療、福祉をどう思うか。
 患者の家族の相談先が病院になっている。その前に相談できる所があれば、入院しなくて済むケースも多いのではないか。日本社会はストレスが強い。社会のスピードについていけない弱者の存在を認め、彼らが自由に暮らせる体制を話し合って作る必要がある。
 ――地域医療の充実で病状の悪化を防ぎ、事件を防ぐことは可能か。
 トリエステでは精神障害者の犯罪率は落ちている。どんな社会であれ、地域サービスの向上が悲劇を防ぐ一助になる。
 ――イタリアではどんなケアをしているのか。
 精神病院の閉鎖を定めたバザーリア法が78年に制定され、00年には全国約50の病院が全廃された。以前は、約10万人が社会に危険であることを理由に収容されていた。
 ――転換の契機は。
 世界の脱施設化の流れを背景に、トリエステの医師バザーリアが改革に乗り出した。61年以降、家族とかかわる地域密着型の試みを始め、私を含む若い医師や看護師、ボランティアが加わった。患者が何を必要としているのかを一緒に模索した。トリエステの入院患者は約1200人(71年)から100人(78年)に減った。重症患者もリハビリで地域生活が可能となった。
 ――でも、イタリアには保安処分があるが。
 重大事件を起こし責任能力がなく、社会的に非常に危険と判断された人を収容する司法精神病院が現存する。だがトリエステで同病院に入所した患者は、71年の20人から98年にはゼロになった。手法や人権上の問題などで論議があり、いずれ閉鎖されるのは間違いない。
 ――心神喪失者医療観察法案をどう考えるか。
 国の政策としても、精神医療としても、残念ながら間違いだと思う。家族や地域でのさまざまなケアが、悲劇の予防になる。日本が最善の方向に歩むことを願う。
………………………………………………………………………………………………………
 《ノルチョ氏の活動》
 ノルチョ氏は、約30年前から精神医療改革に取り組む。人口約25万人のトリエステでは、精神病院の代わりに5カ所の精神保健センターを設け、それぞれ約40人のスタッフが地域に出向き、患者や家族に医療サービスを提供。24時間体制で対応し、病状の悪化を防いでいる。今回は、法案の廃案を求める弁護士や市民らの招きで来日。各地で講演を続けている。
情報は→毎日新聞


<2002年11月27日毎日新聞>

名古屋刑務所 副看守長を再逮捕へ 受刑者死亡事件で

 名古屋刑務所で受刑者2人が死傷した事件で、名古屋地検は27日、9月の重傷事件で、革手錠拘束など主導的な役割を果たしたとされる副看守長の前田明彦容疑者(40)らを特別公務員暴行陵虐致傷罪で起訴する見通しだ。特捜部は同日にも、5月の死亡事件も制圧行為に行き過ぎがあったとみて、前田容疑者を特別公務員暴行陵虐致死容疑で再逮捕するとみられる。両事件とも革手錠で腹部を締め過ぎたことによる暴行と判断、特別公務員暴行陵虐致死傷罪の適用に踏み切った模様だ。

 重傷事件は看守長1人、副看守長2人、看守2人の計5人が逮捕。5人は9月25日、同刑務所の保護房で、必要がないのに革手錠のベルトを男性受刑者(30)の腹に巻いて強く締めつけて圧迫するなどして腹部内出血の大けがを負わせた疑いが持たれている。

 また、5月27日、入所時の身体検査中の男性受刑者(当時49歳)を刑務官数人が制圧、革手錠で拘束して保護房に収容したが、同日夜、急性心不全で死亡した。前田容疑者が革手錠で拘束したとされ、男性の腹部に締め過ぎの跡が残っていた。 【刑務官暴行事件取材班】

情報は→Yahoo! News


<2002年11月9日毎日新聞ニュースクリッピング>

[こころの隣人たち]統合失調症を理解する/1 回復妨げる周囲の無理解 高木俊介

<みんな一緒・バリアフリー新世紀>

エミさん(40)は、時々、夫や隣近所が信じられなくなる。ふっと、皆の悪口が聞こえてくるのだ。パートの仕事が忙しいなど、疲れた時が多い。そんな時の彼女は、薬をいつもより増やす。すると数日で声が消え、追いつめられた気持ちもほどけ、もとの平穏な暮らしに戻るのだ。

短大を出て働き始めた時に発病して20年になる。発病のころは、周囲から見張られ、心の中を知られている、誰かが自分を陥れるために陰謀を巡らしていると思っていた。彼女は、自分の言うことを信じてくれない両親に激しく怒り、近所の家に抗議に行ったこともある。困り果てた両親が彼女を無理やりに病院に連れて行き、入院となった。仕方がなかったとは思うが、それは、今でも心の傷として残っている。

治療を始めてからは、薬を飲むと、不安が消え、声も聞こえなくなった。しかし、仕事に就けるようになると、もう大丈夫だと思って薬をやめてしまい、また同じ症状を繰り返した。

以下略、続きはこちらへ→Mainichi INTERACTIVE


<2002年11月23日毎日新聞>

知的障害者 脱施設でグループホームに分散 宮城県福祉事業団

 宮城県大和町の知的障害者の入所施設「船形コロニー」(入所者485人)を運営する同県福祉事業団(田島良昭理事長)は23日、同コロニーの「解体」方針を明らかにした。入所者を各家庭に戻すのでなく、10年までに全員をグループホームなどに移す計画で「脱施設」のノーマライゼーション推進を目指す。

 同事業団は県から委託を受け、同コロニーなど県内12施設を運営。うち73年設立の同コロニーについて、入所者の地域への分散化構想を打ち出した。「脱施設」が叫ばれる中、家族らとも協議を重ねてきたといい、来年、具体的な受け皿づくりのための検討委員会を設置。地域での支援態勢づくりに取り組む一方、県や市町村との協議も進める。

 受け皿として、NPO(非営利組織)や市町村の社会福祉協議会などと連携し、障害者が少人数で生活するグループホームを100カ所程度を新設。同事業団は各ホームを管理する拠点施設の機能を担う。

 厚労省の仁木壮健康局総務課長は「これからは全国的な流れになるのではないか」との見方を示し、浅野史郎・同県知事は「構想を今後よく確認するが、実現すれば(新たな障害者福祉を)宮城から発信する取り組みになり得る」と話している。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月23日朝日新聞>

知的障害者、「脱施設」へ 宮城の事業団宣言

 宮城県福祉事業団は23日、知的障害者の入所施設の「解体宣言」をする。「宮城県船形コロニー」(同県大和町)の入所者485人を、10年までに地域のグループホームなどに移行させる。世界的に「脱施設」の流れが進む中、日本は入所施設が増え続け、今も約13万人が施設で暮らす。これだけ大規模な地域移行は全国で初めて。同事業団はほかの知的障害児・者入所施設でも同様の移行を行う方針だ。

 船形コロニーは、73年設立。入所者の大半は重度の知的障害者だ。

 同事業団は来年、移行のための委員会を設置し、地域での受け皿や支援体制について検討する。約10の民間福祉団体と協力して、障害者が少人数で生活するグループホームを約100カ所増やすほか、消防や警察、医療機関と連携して緊急時に備える支援体制を整備する。費用は、来春から始まる支援費制度を利用するほか、本人の障害基礎年金などを充てる。

 田島良昭理事長は、長崎県内で障害者を支える地域ネットワークを作った実績を買われ、6年前、宮城県の浅野史郎知事に招かれた。地域移行については、就任以来、職員や親の会と話し合っており、現在、約100人が施設に籍を置いたまま、県内約20カ所の住宅で生活している。

 田島理事長は「どんなに改善しても入所施設は特別な場所。施設での生活を望む障害者はほとんどいない。社会で普通に暮らすことを進めたい」と話す。同コロニーの親の会「育成会」副会長の佐藤清さんは「地域に十分な支援体制ができるかが心配。それができるなら、地域で暮らさせてやりたい」という。

 日本では成人の知的障害者の35%が施設で暮らす。入所後、地域に出られる人は、入所者の1%にすぎない。80年代の末から、一部の施設を中心に地域への移行が始まったが、予算不足や受け入れ体制の不備からなかなか進まない。

 厚生労働省障害保健福祉部の大塚晃専門官は「地域移行は国の方針でもあり、今回の試みはその流れをより明確にするものとして評価したい」と話している。政府が現在策定中の今後5年の障害者施策の基本となる新障害者プランにも影響しそうだ。

一部略、情報は→asahi.com



<2002年11月22日河北新報>

医療観察法案廃案を 病院・地域精神医学会が声明

 精神医療や精神障害者の地域生活支援を考える「第45回日本病院・地域精神医学会総会」が21日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開幕、国会で継続審議中の「心神喪失者医療観察法案」の廃案を求める声明を採択した。

 法案については、「精神障害者の予防拘禁につながる」という当事者や医療関係者の反対を受け、「再犯のおそれ」を「同様の行為を行うことなく社会復帰を促進するために入院させる必要がある場合」に変更するなどの修正案が検討されている。

 だが、同学会は「再犯予測を求めていることに変わりはない」と批判している。

 総会には全国の精神科医師や保健福祉関係者、精神障害者ら約700人が参加。「こころに響く―実りあるネットワークをめざして」をテーマに当事者主体の医療と福祉の在り方について議論を深めた。

 自治体の実践例を話し合う分科会では、岩沼市の小野寺由紀子保健師が当事者が気軽に集まれるサロンを地域に設けた例を紹介。「住民と障害者が交流することで市民の精神障害に対する理解が深まり、当事者も少しずつ自分を取り戻している」と地域交流の重要性を強調した。

 策定中の新しい障害者プランをめぐるシンポジウムでは、厚生労働省精神保健福祉課の泉陽子課長補佐が「病院から地域へという流れを今度こそ定着させたい」と説明。さいたま市の当事者香野英勇さん(33)は「『精神障害者イコール欠けた人間』という見方そのものを変えていくことから始めてほしい」と訴えた。

 最終日の22日は午後1時から、作家井上ひさし氏の特別講演、精神障害やハンセン病の当事者らが参加するシンポジウムが行われる。ともに無料で一般公開される。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月22日信濃毎日新聞>

信大病院にストレス外来 働きざかりの悩み相談

 松本市の信大病院は二十一日、精神科神経科に「働きざかり(壮年)のストレス専門外来」を十一月から開設した、と発表した。社会的に責任が重くなり、心身の疲労を抱えやすい四十―五十代を中心とした相談窓口を設けることで、ストレス社会を生きる人々の「心のよりどころ」にする狙いだ。

 窓口は、中高年の自殺率の高さや、企業倒産、リストラの増加などを受けて設置。精神科の医師一人が兼任で担当し、中間管理職の悩みや職場不適応、家族関係などの相談を受け付けている。「ストレス」を強調することで、診療への抵抗感を減らす狙いもあり、対話を中心にした診療で悩みを解決する方法を探していく。

 診療は水曜日の午後二時―五時。完全予約制。予約は同病院精神科神経科(電話0263・37・2846)で、月・水・木・金曜日の午前十時半―午後四時に受け付ける。

情報は→信濃毎日新聞


<2002年11月21日時事通信>

精神障害者の雇用義務化を検討 バリアフリーを推進−政府計画案

 政府は21日、2012年度までの障害者施策の基本方針となる「新障害者基本計画」案をまとめた。同案は具体的な検討課題として、企業などに一定数の雇用を義務付ける「障害者雇用率制度」の対象に、新たに精神障害者を加えることや、障害者に配慮したIT(情報技術)機器の開発・普及の促進を打ち出した。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月21日毎日新聞>

心神喪失者医療観察法案 民主、社民に廃案の請願

 重大事件を起こし不起訴や無罪になった精神障害者の強制入院手続きを定めた「心神喪失者医療観察法案」に反対する緊急集会が21日夜、東京都千代田区で開かれ、参加者した約100人が国会を訪れ、民主、社民両党の衆参両院議員に「人権侵害の法律は臨時国会で廃案を」と請願した。

 集会は、政府・与党が臨時国会での衆院可決を目指して15日、修正案を野党に提示し、与野党の攻防が本格化したことを受けて開かれた。川田悦子衆院議員がHIV訴訟の経験から講演し、「日本では社会防衛のため弱者の人権が踏みにじられてきた」と批判。参加者からは「法案は言葉を修正しただけで実態は一つも変わっておらず、政府の姿勢は無責任だ」などの意見が相次いだ。 【精神医療取材班】

情報は→Yahoo! News


<2002年11月20日NHKニュース05:46>

触法精神障害者法案 成立困難
 
政府が提出している、重大事件を起こしながら精神的な障害を理由に不起訴や無罪になった人を医療機関に入院させる新たな制度を設ける法案は、民主党が直ちに修正協議には応じない方針を決め、今国会での成立は難しくなりました。

情報は→NHKニュース


<2002年11月20日毎日新聞>
心神喪失者法案 修正案に批判高まる

 重大事件を起こし不起訴などになった精神障害者の強制入院手続きを定めた「心神喪失者医療観察法案」をめぐり、政府・与党が法案成立のために示した修正案に批判が高まっている。一方、民主党は19日夜、関係役員会で「修正案は意味不明な点が多い」として、当面、修正協議には応じないことを決めた。

 同日、東京都内で開かれた超党派の国会議員と市民の集会では、入院要件である「再犯の恐れ」が修正案で削除されたことについて、「入院の要件があいまいになり、不利益処分を科す法律としては問題」などの意見が出た。また、ハンセン病熊本地裁訴訟弁護団の八尋光秀代表ら弁護士6人は連名で「実態は変わらず、修正案は奇弁」との声明を発表した。

 民主党の会合では、修正案についての評価は分かれたが、「性急に結論を出さず、十分な議論が必要」との認識で一致。党の独自案をつくる際に意見を聞いた日本弁護士連合会や当事者団体と1、2週間かけて意見交換し、方針を決める。 【精神医療取材班】

情報は→Mainichi INTERACTIVE


<2002年11月20日北海道毎日新聞>

ご飯をのどにつまらせ患者死亡、病院の注意義務違反認定  札幌地裁 北海道

 ◇賠償金支払い命じる
 入院中の女性患者(当時59歳)がご飯をのどにつまらせて死亡したのは病院側が注意義務を怠ったためとして、死亡した女性の母が「札幌循環器クリニック」(札幌市中央区)に2750万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、札幌地裁であった。
 佐藤陽一裁判官は「看護師は、女性が1人で食事をしないよう注意する義務があったのに、1人にして病室を出た」と注意義務違反を認め、1150万円の支払いを命じた。
 統合失調症で別の病院に入院していた女性は00年1月、不整脈などで同クリニックに転院。その際、同クリニックは前の病院から「食事はおかゆとし、食事を詰め込むので注意するように」と報告を受けた。だが、翌日の朝食に誤ってご飯を出してしまい、看護師が食ぜんをベッド近くの台に乗せて病室を離れている間に女性はご飯でのどを詰まらせ、意識を失い同年11月に死亡した。
 原告の弁護士は「妥当な判決。慰謝料の減額が残念」と述べた。
 また、同クリニックの若林央理事長は「全面的なミスで申し訳ない。再発防止に努めたい」と話した。

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<2002年11月18日毎日新聞>

不審死 自宅で暴れた男性死亡 警官が手錠かけ保護した後

 18日午前3時25分ごろ、群馬県高崎市の無職女性(66)方から「息子が暴れている」と110番通報があった。高崎署員6人が駆けつけ、二男の無職男性(33)を保護するため、手錠をかけるなどして押さえつけたところ、男性は意識を失い、約1時間後に収容先の病院で死亡した。同署は、同日午後に司法解剖して死因を詳しく調べる。

 同署によると、署員は同3時40分ごろ1階居間などで男性を説得したが、男性がさらに暴れだしたため、数分後に手錠をかけたり、腰縄や女性から借りたひもで足を縛るなどしたところ、同4時ごろ、男性はあおむけ状態で意識を失ったという。押さえつける際に、同署の巡査部長1人が顔を殴られて軽いけがを負った。

 男性は、母親と2人暮らしで、統合失調症などのため現在も通院中だったという。同署の高橋庄次郎副署長は「保護の方法など問題のある行為はなかった」と述べた。

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義務教育での精神疾患への正しい知識の啓発の必要性は、子どもに対してだけではないようですね(管理人A)

<2002年11月16日毎日新聞>

県内小中学校の病気休職教職員の4割が精神系疾患 県議会で明らかに 広島

 県内の小中学校で病気などで休職している教職員のうち、約4割が精神系の疾患を抱えていることが15日、分かった。県議会決算特別委員会で辻恒雄委員(共産)の質問に、県教委が明らかにした。児童・生徒と同様、教育現場で苦悩する教師の実態の一端を示している。
 県教委によると、「病休」が認められる90日間を経過し、県教職員健康審査会に「休職」を申請した教職員数は、今年度10月31日までに158人に上り、教員100人当たり1・02人という高率。福山市内では、教職員15人のうち6人が休職している中学校もあるという。
 また、昨年度1年間の休職者105人のうち、精神系の疾病と診断された人は43人で、全体の40・9%を占め、休職期間も6カ月以上の長期にわたるケースが多いという。
 県教委は、誰にも相談できずに深刻な悩みを抱えた教師が増えていることを受け、全教職員を対象に「メンタルヘルス診断」を実施しているほか、悩みごとを無料相談できる「メンタル相談電話」を設置している。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月15日時事通信>

名古屋刑務所で特別調査 森山法相

 森山真弓法相は15日の閣議後の記者会見で、名古屋刑務所での受刑者への暴行事件で刑務官5人が逮捕されたことを受け、法務省の矯正局担当の官房審議官をトップとする特別調査チームを同刑務所に派遣し、事件の原因などを調べていることを明らかにした。
 法相は「真相が明らかになった段階で、関係者に対する厳正な処分を行う」と述べるとともに、「(暴行に使われた)革手錠の運用の在り方などを含め、矯正行政の運営の在り方について幅広く検討する体制を設けることも考え、再発防止に最大の努力をしていきたい」と述べた。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月17日毎日新聞>

刑務官暴行 暴行事件後も革手錠使用 「過酷でなく適法」

 名古屋刑務所の刑務官による暴行事件について、毎日新聞は全国8カ所にある法務省矯正管区の拠点刑務所を対象にアンケートした。国連など国際社会から批判を浴びる革手錠の使用について、いずれの刑務所も「過酷なものでなく適法」などとして、事件後も使用を認めていることが分かった。一方で、事件を深刻な事態と受け止め、法律や省令、通達を厳格に守り、再発防止に努める姿勢を示した。

 【刑務官暴行事件取材班】

 調査は、札幌(札幌市)、宮城(仙台市)、府中(東京都府中市)、名古屋(愛知県三好町)、大阪(大阪府堺市)、広島(広島市)、高松(高松市)、福岡(福岡県宇美町)の8刑務所に対し14日までに実施。▽刑務官逮捕をどう受け止めるか▽革手錠の国際的批判に対する考え▽革手錠の使用基準、などを尋ねた。名古屋刑務所は捜査中を理由に回答しなかった。

 事件は、刑務官が制圧時に革手錠拘束で受刑者に重傷を負わせたとされる。国連の規約人権委員会は98年、日本の刑務所での革手錠の使用を「非人道的」と批判したが、回答ではこれら懸念を「謙虚に受け止めている」との回答が目立った。だが一方で「必要かつ合理的な範囲で使用し過酷でない」(札幌)、「事態対処のため必要な措置」(広島)などと、適正に使用すれば問題ないとの認識も示した。

 革手錠の使用基準については、各刑務所も監獄法や法務省通達に基づき適正に運用していると答えた。札幌、広島両刑務所は通達の範囲で独自の内規を定めている。

 一方、7刑務所とも事件に遺憾の意を示し、「起こること自体おかしい」(宮城)、「前例のない事態で驚いている」(高松)と述べ、宮城刑務所は逮捕直後、「同じことが起きないように」と所長が訓示した。

 また97〜01年の5年間に6刑務所で受刑者計135人が死亡したことが分かった。内訳は▽札幌10人▽宮城28人▽府中44人▽大阪25人▽広島26人▽高松2人で病死か自殺という。福岡刑務所は「回答すべき性質のものでない」と答えなかった。

     ×     ×     ×

刑務所   革手錠使用について

・札幌  必要以上に強く締め付けず、健康を害しないよう合理的な範囲で使用し、過酷なものでない。国際人権規約に違反しない

・宮城  自虐防止や、他の受刑者、刑務官に危険が及ぶと判断する場合、手錠の一つとして使う。いじめや懲罰に使ってはいけない

・府中  受刑者の逃走、暴行、自殺の恐れがあるなど合理的に必要な場合に限り使用している

・大阪  拘禁目的を達成しつつ、必要かつ合理的な範囲で使用。過酷なものでなく、国際人権規約に違反していない

・広島  監獄法令に基づいて適正に運用。事態に対処するため必要な措置

・高松  国連の指摘は承知しており、それも踏まえて現在の使用要件を定めている

・福岡  適正な受刑者処遇のため努力したい。廃止されていない以上、適法と思う

情報は→Yahoo! News


<2002年11月17日毎日新聞>

うつ症 「危険避け」「頼らぬ人」が発症しやすい 慶大調査

 危険や損害を回避したい、人に対する愛着や依存が弱い。そんな性格が、うつ症状と深く関係していることが慶応大などの研究グループの調査で分かった。性格と環境要因との相互作用でうつ症状が起きるという。うつ病の治療法にも影響を与える成果で、米国の専門誌「モレキュラー・サイカイアトリー」の最新号に掲載された。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月20日毎日新聞>
心神喪失者法案 修正案に批判高まる

 重大事件を起こし不起訴などになった精神障害者の強制入院手続きを定めた「心神喪失者医療観察法案」をめぐり、政府・与党が法案成立のために示した修正案に批判が高まっている。一方、民主党は19日夜、関係役員会で「修正案は意味不明な点が多い」として、当面、修正協議には応じないことを決めた。

 同日、東京都内で開かれた超党派の国会議員と市民の集会では、入院要件である「再犯の恐れ」が修正案で削除されたことについて、「入院の要件があいまいになり、不利益処分を科す法律としては問題」などの意見が出た。また、ハンセン病熊本地裁訴訟弁護団の八尋光秀代表ら弁護士6人は連名で「実態は変わらず、修正案は奇弁」との声明を発表した。

 民主党の会合では、修正案についての評価は分かれたが、「性急に結論を出さず、十分な議論が必要」との認識で一致。党の独自案をつくる際に意見を聞いた日本弁護士連合会や当事者団体と1、2週間かけて意見交換し、方針を決める。 【精神医療取材班】

情報は→Mainichi INTERACTIVE


<2002年11月15日時事通信>

名古屋刑務所で特別調査 森山法相

 森山真弓法相は15日の閣議後の記者会見で、名古屋刑務所での受刑者への暴行事件で刑務官5人が逮捕されたことを受け、法務省の矯正局担当の官房審議官をトップとする特別調査チームを同刑務所に派遣し、事件の原因などを調べていることを明らかにした。
 法相は「真相が明らかになった段階で、関係者に対する厳正な処分を行う」と述べるとともに、「(暴行に使われた)革手錠の運用の在り方などを含め、矯正行政の運営の在り方について幅広く検討する体制を設けることも考え、再発防止に最大の努力をしていきたい」と述べた。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月17日毎日新聞>

刑務官暴行 暴行事件後も革手錠使用 「過酷でなく適法」

 名古屋刑務所の刑務官による暴行事件について、毎日新聞は全国8カ所にある法務省矯正管区の拠点刑務所を対象にアンケートした。国連など国際社会から批判を浴びる革手錠の使用について、いずれの刑務所も「過酷なものでなく適法」などとして、事件後も使用を認めていることが分かった。一方で、事件を深刻な事態と受け止め、法律や省令、通達を厳格に守り、再発防止に努める姿勢を示した。

 【刑務官暴行事件取材班】

 調査は、札幌(札幌市)、宮城(仙台市)、府中(東京都府中市)、名古屋(愛知県三好町)、大阪(大阪府堺市)、広島(広島市)、高松(高松市)、福岡(福岡県宇美町)の8刑務所に対し14日までに実施。▽刑務官逮捕をどう受け止めるか▽革手錠の国際的批判に対する考え▽革手錠の使用基準、などを尋ねた。名古屋刑務所は捜査中を理由に回答しなかった。

 事件は、刑務官が制圧時に革手錠拘束で受刑者に重傷を負わせたとされる。国連の規約人権委員会は98年、日本の刑務所での革手錠の使用を「非人道的」と批判したが、回答ではこれら懸念を「謙虚に受け止めている」との回答が目立った。だが一方で「必要かつ合理的な範囲で使用し過酷でない」(札幌)、「事態対処のため必要な措置」(広島)などと、適正に使用すれば問題ないとの認識も示した。

 革手錠の使用基準については、各刑務所も監獄法や法務省通達に基づき適正に運用していると答えた。札幌、広島両刑務所は通達の範囲で独自の内規を定めている。

 一方、7刑務所とも事件に遺憾の意を示し、「起こること自体おかしい」(宮城)、「前例のない事態で驚いている」(高松)と述べ、宮城刑務所は逮捕直後、「同じことが起きないように」と所長が訓示した。

 また97〜01年の5年間に6刑務所で受刑者計135人が死亡したことが分かった。内訳は▽札幌10人▽宮城28人▽府中44人▽大阪25人▽広島26人▽高松2人で病死か自殺という。福岡刑務所は「回答すべき性質のものでない」と答えなかった。

     ×     ×     ×

刑務所   革手錠使用について

・札幌  必要以上に強く締め付けず、健康を害しないよう合理的な範囲で使用し、過酷なものでない。国際人権規約に違反しない

・宮城  自虐防止や、他の受刑者、刑務官に危険が及ぶと判断する場合、手錠の一つとして使う。いじめや懲罰に使ってはいけない

・府中  受刑者の逃走、暴行、自殺の恐れがあるなど合理的に必要な場合に限り使用している

・大阪  拘禁目的を達成しつつ、必要かつ合理的な範囲で使用。過酷なものでなく、国際人権規約に違反していない

・広島  監獄法令に基づいて適正に運用。事態に対処するため必要な措置

・高松  国連の指摘は承知しており、それも踏まえて現在の使用要件を定めている

・福岡  適正な受刑者処遇のため努力したい。廃止されていない以上、適法と思う

情報は→Yahoo! News


<2002年11月17日毎日新聞>

うつ症 「危険避け」「頼らぬ人」が発症しやすい 慶大調査

 危険や損害を回避したい、人に対する愛着や依存が弱い。そんな性格が、うつ症状と深く関係していることが慶応大などの研究グループの調査で分かった。性格と環境要因との相互作用でうつ症状が起きるという。うつ病の治療法にも影響を与える成果で、米国の専門誌「モレキュラー・サイカイアトリー」の最新号に掲載された。

情報は→Yahoo! News


<2002年2002年11月16日朝日新聞>

政府の心神喪失者処遇法案、今国会断念し修正

 重大な犯罪行為をしたが刑事責任能力がないとされた人に、裁判所が専門施設への入院を命令する手続きを創設する心神喪失者処遇法案について、政府・与党は15日、今国会での成立を断念した。原案に対する批判が野党や医療・法律専門家の間で強く、残された会期での収束は困難と判断した。このため自民党は同日、原案を修正して野党側に提示。修正案には、対象者による退院申立期間の制限削除などが盛り込まれ、衆院だけでも可決できないか最後の調整が続いている。

 法案では、入院命令を受けた人はその決定の3カ月後から入院治療の終了を申し立てることができるとし、通院命令を受けた人は6カ月以降に終了を申し立てられるとしていたが、修正案はこの期間制限を削除する。

 また、通院治療者の生活支援や再入院の必要性の判断にあたる精神保健観察官の名称を「社会復帰調整官」と変え、精神障害者の保健・福祉に専門知識がある人があたると明記する。

 入院を命じる要件については「入院させなければ再犯の恐れがある」としていた原案を「再び同様の行為を行うことなく社会復帰することを促進するため、入院をさせる必要がある場合」と改めた。

 野党は党内で検討したうえで修正協議に入るかどうかを決めるというが、焦点だった入院命令の要件変更について「医療面を重んじた修正」と評価する声がある一方で「表現が変わっただけで、本質的には何も変わっていない」との批判も強い。

情報は→朝日新聞


<2002年2002年11月11日朝日新聞>

500万円旧厚生省職員へ 全家連補助金流用問題 元専務理事が明かす

 全国精神障害者家族会連合会(全家連)の補助金流用問題で、元専務理事(60)が「補助金で約1400万円の裏金をつくり、一部を当時の厚生省職員に渡した」と話していることがわかり、厚生労働省で調査している。元専務理事によると、裏金はすでに明らかになった約2億3千万円の流用分とは別で、自分が管理していたという。
 元専務理事の話では、旧厚生省から全家連への一部の補助金が93年度に増額された見返りなどとして、当時の職員から同年6月と7月に各100万円、8月に50万円を要求され、それぞれ裏金から支払ったという。94年には、全家連の出版物への執筆をこの職員に依頼し、原稿料50万円を裏金から支出。また96年4月に同省の別の元職員を幹部に招いた際、着任準備費として200万円を裏金から渡したという。

情報は→朝日新聞


<2002年11月13日毎日新聞>

医療観察法案 与党に修正案の公式提示要求 民主党

 心神喪失者医療観察法案の修正問題で、民主党の精神医療プロジェクトチームと関係役員は12日、政府・与党から非公式に打診された修正案について協議し、政府・与党に公式な修正案を提示するよう求めることを決めた。「人権にかかわる問題だけに、当事者を含めた関係団体による幅広い論議が必要」との認識で一致した。

 公式提案を求めることにしたのは「自民党の理事から個人的な形で修正案が提案されており、密室での議論は問題」との理由からだ。最大の焦点だった「再犯の恐れ」が非公式の提案で削除されていることについては、「強制入院の要件がよりあいまいになり、人権侵害を招く」という意見が出た一方、文言の削除を評価する声も出た。 【精神医療取材班】

情報は→Mainichi INTERACTIVE



<2002年11月12日毎日新聞>
医療観察法案 政府・与党と野党側との水面下の折衝激しく 日弁連、密室協議と批判

 殺人や放火など重大事件を起こし、心神喪失などで不起訴や無罪になった精神障害者に、裁判所が強制入院や通院を命じる「心神喪失者医療観察法案」をめぐり、政府・与党と野党側との水面下の折衝が激しさを増している。既に政府・与党は、最大の争点の「再犯の恐れ」について2度の修正提案を行った。こうした状況について、日本弁護士連合会などからは「人権にかかわる重大な問題を密室で協議するのは国民軽視だ」との批判が起こり始めている。
 今月5日、民主党の精神医療のPT(プロジェクトチーム)役員と法務、厚生労働両省の幹部が出席した会合で、両省から「論点整理」というタイトルのペーパーが配られた。その第1項目には、強制入院や通院の条件とされている「再び対象行為を行うおそれ」が取り上げられ、「重大な他害行為を行うおそれ」に変更することが明記されていた。
 措置入院の要件である「自傷他害のおそれ」から、「自傷のおそれ」と「軽微な他害のおそれ」を除いたもので、「措置入院の判定方法と同じであることを明確にする」ための文言変更だという。
 「再犯の恐れ」は、精神医療関係者らから「再犯の恐れを確実に予測できる科学的根拠はなく、人権侵害を招く」と批判が集まっていた点だ。民主党は同日夕、関係役員会を開き対応を協議したが、「強行採決反対、慎重審議」の方針を崩さないことを確認した。
 2日後の今月7日、今度は自民党の衆院法務委理事を務める塩崎恭久氏が民主党同委筆頭理事の加藤公一氏に新たなペーパーを手渡した。政府・与党として、審議への協力を取り付けるための2度目の譲歩だった。
 自民党の試案だというその紙には、同法案42条の条文から「再び対象行為を行うおそれがあると認められる時」を削除したうえで、「同様の行為を行うことなく社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認められる時」に変更することが記されていた。
 また、法施行から5年後の見直し規定や、精神医療全体の底上げを図るとする付則を加えることも示されていた。
 民主党は12日夕、役員会を開き、修正案について改めて討議する。PTの幹部は「わが党は『政府案は人権侵害を招き、修正程度では無理』と判断して対案を提出した経緯があり、その前提を覆すような修正内容ではない」と修正協議には応じるべきではないとの姿勢を示す。しかし、精神医療の底上げを付則として加える点などにつ いて評価すべきとの声も党内にはある。
 一方、日弁連は11日、同法案対策本部(本部長・本林徹会長)の緊急声明を発表し、日本精神神経学会なども記者会見で批判の声をあげた。

 会見した同対策本部事務局次長の伊賀興一弁護士は「法案の根本にかかわる修正を政党間で協議しようという政府・与党のやり方は問題だ」と指摘した。
 同本部の声明では

と述べている。【精神医療取材班】

情報は→Yahoo! News


この記事は本当は「再犯のおそれ」の削除ではなく、単なる文言の置き換えに過ぎないので、誤解を招きます。

<2002年11月12日読売新聞>
「心神喪失者法案」修正へ、「再犯のおそれ」削除 政府与党修正へ

 政府・与党は11日、先の通常国会で継続審議となった「心神喪失者医療観察法案」で、入退院の判断基準である「再犯のおそれ」の部分を削除する方針を固めた。

 再犯のおそれについては、野党側が「医学的に予測は不可能」と強く反発していた。政府・与党はこれ以外にも、

など、野党側に配慮した修正を行いたいとしている。しかし、野党側がこれで合意するかどうかはなお不透明だ。同法案は、裁判官と精神科医が合議により、殺人など重大犯罪を犯した精神障害者の入退院などの処遇を決めるもの。昨年の池田小児童殺傷事件を機に、議論が活発化した。
情報は→読売新聞


<2002年11月9日毎日新聞>

精神障害者法案 与党が修正試案 「再犯の恐れ」で迷走 

 重大事件を起こし心神喪失で不起訴処分などになった精神障害者に、裁判所が強制入院や通院を命じる「心神喪失者医療観察法案」について、政府・与党が修正案の試案を野党側に提示していたことが9日、明らかになった。「再犯の恐れ」を入院の要件としたことに批判が集中していたため、修正試案では同文言を削除しているが、「『再犯の恐れ』をはずすなら、裁判官を関与させる必要はない」などと矛盾を指摘する声が出ている。

 同法案に反対し、独自案を提出している民主党は12日にプロジェクトチームでこの試案を討議する見通しで、その結論が焦点になってきた。

 これまでの政府案では「精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合」を入院決定の要件としていた。しかし、多くの精神科医などから「再犯のおそれを確実に判断できる科学的根拠はない」との批判が相次ぎ、先の通常国会では継続審議になった。このため、政府・与党は今月7日、非公式ながら民主党に「再犯のおそれ」の文言を削除した修正案の試案を示し、審議に協力するよう打診した。

 しかし、試案では入院の判断に裁判官を関与させる規定が残っており、日弁連の同法案対策本部事務局次長の伊賀興一弁護士は「『再犯の恐れ』を判断するために裁判官を関与させることにしたはずだ。その要件をはずすなら裁判官の関与は必要ない。それなのに裁判官の関与は残しており、修正前と実態は変わっていない」と問題点を指摘している。対策本部は11日に声明を発表する。 【精神医療取材班】

情報は→Mainichi INTERACTIVE



<2002年11月11日全家連発第163号>

全家連の補助金流用問題に関する一連の報道について(お詫び)

(財)全国精神障害者家族会連合会 理事長 古屋 治男

謹啓 時下、ますますご健勝にて精神障害者の医療の改善および福祉の向上のためご尽力のことと存じます。日頃、全家連の事業活動にご協力・ご支援をいただき、感謝いたしております。
 さて、11月7日付読売新聞朝刊にて報じられた全家連の補助金流用問題につきましては、心から反省しており、また、たいへん申し訳なく、伏してお詫び申し上げます。

 今回問題になっている「補助金流用」は、国や助成団体からいただいた補助金を、当初計画どおりに使わずに節約して使い、余った分を一般会計に繰り入れて使っていたというものです。このことは、補助金の目的外使用にあたり適正な処理といえないことは事実ですが、個人的に着服したり遊興費などに使ったわけでは決してなく、全家連の事業・活動全般に使われていたことだけは、ご理解いただければと存じます

以下略→全家連ホームページ全家連発第163号


<2002年11月13日毎日新聞>

名古屋刑務所 参院法務委員会で革手錠を“実演”

 12日開かれた参院法務委員会の人権擁護法案の審議で、名古屋刑務所の刑務官による暴行事件が取り上げられた。意見聴取のため出席した参考人や、各党委員からは「設置する人権委員会を法務省の外局とするのは適当でない」との声が出た。

 福島瑞穂委員(社民)は、委員会室に革手錠と金属製の手錠を持ち込み、実際に装着して「すごく苦しく、非人道的だ。食事やトイレも十分にできない。国連の規約人権委員会の、使用をやめるべきだとする勧告に反している」と訴えた。

 日本弁護士連合会の藤原精吾弁護士は「名古屋刑務所の件は、受刑者が弁護士会に人権救済を申し立てたのに対し、刑務所側から取り下げを迫られ、それを断ったことが原因になっている」と指摘した。また、刑務所が弁護士の調査を妨げようとする例が全国で頻発しているとして「法務省は、人権擁護活動に敵対的とさえいえる。人権委員会は内閣府に置くべきだ」と述べた。

 新潟大の山崎公士教授は「今回のような人権侵害は、いつ起きてもおかしくない。なのに現法案は、人権擁護推進審議会が昨年の答申で、差別、虐待、メディアによる人権侵害と並び4類型の一つと規定していた公権力による人権侵害を独立した類型から外し、結果的にメディアによる侵害が突出した」と指摘した。

 また、地方における人権委と地方法務局との人事交流について、藤原氏は「人権侵害をめぐって国が被告となった裁判では、地方法務局の訴務担当の検事や職員が代理業務をする。今のままでは、人権侵害訴訟の担当者が、人権委に異動してくる可能性があり不適切」と話した。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月12日毎日新聞>

名古屋刑務所 5月の死亡事故でも制圧加担 逮捕刑務官の一部

 名古屋刑務所の刑務官が受刑者に重傷を負わせた事件で、逮捕された刑務官5人の一部が、5月に同刑務所で受刑者が死亡する直前、この受刑者の制圧に加わり、革手錠を使っていたことが11日、分かった。名古屋地検特捜部は、逮捕した刑務官らから事情を聴き、制圧に行き過ぎがなかったか、捜査を進めている模様。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月12日毎日新聞>

名古屋刑務所 重傷の受刑者、ささいな理由で懲罰処分

 名古屋刑務所刑務官の暴行事件で、重傷を負った受刑者(30)が今春、ささいな理由で刑務所内の作業を怠けたことを理由に懲罰処分を受けていたことが11日、分かった。受刑者は名古屋弁護士会に人権救済を申し立てたが、刑務官は救済撤回を求める一方、半年間に革手錠で16回拘束するなど制圧行為を集中させていた。

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<2002年11月12日読売新聞>

大阪の通り魔殺人、懲役15年判決支持し控訴棄却

 大阪府守口市の路上で2000年3月、帰宅途中の会社役員大鞭輝司さん(当時58歳)が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた無職高木志朗被告(25)に対する控訴審の判決公判が12日、大阪高裁であり、那須彰裁判長は懲役15年を言い渡した1審・大阪地裁判決を支持、高木被告の控訴を棄却した。

 高木被告は一昨年3月14日夜、大鞭さんの首や胸などを包丁で刺し殺害、前日にも、小学生を殺害するため、大阪市内の市立小学校に包丁を隠し持って訪れたとして、殺人と殺人予備などの罪で起訴された。

 今年4月の1審判決は、犯行動機について、「孤独感にさいなまれた結果、1999年に京都で起きた小2男児殺害事件をまねて社会の耳目を集めようとした」と認定。弁護側は「犯行時は心神喪失か心神耗弱の状態で、公判段階で精神鑑定をしなかったのは誤り」として控訴していた。

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<2002年11月12日読売新聞>

児童虐待防止を本格検討へ

 厚生労働省は12日までに、児童虐待の予防と再発防止策を本格的に検討するため、12月初めに小児科医や児童心理学、司法の専門家らによる専門委員会を社会保障審議会児童部会(厚労相の諮問機関)内に設置する方針を決めた。

 2000年11月施行の児童虐待防止法は、虐待を受けた子供の早期発見に重点を置いているため、専門委の結論を受け、来年秋にも同法改正を目指す考えだ。

 虐待の具体的な予防策としては、保健師などが、母親が妊娠中や出産直後の家庭状況を早期に把握し、虐待の危険性のある親などの相談に応じる体制づくりを検討する。また、虐待が起きた後の子供や親の心理的なケアなどを充実し、相談窓口を児童相談所以外にも広げる考えだ。

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<2002年11月12日毎日新聞>

名古屋刑務所 「再発防止へ刑務官教育見直す」森山法相

 森山真弓法相は、12日の閣議後の会見で、名古屋刑務所の刑務官らが受刑者への暴行で逮捕されたことについて、「申し訳ない。関係者の処分をきちんとすることと、刑務官の教育を見直すことが再発防止につながると思う」と述べた。また、人権擁護法案への影響については「全く関係ないわけではない」と、懸念を表明した。

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<2002年11月10日 毎日新聞>

放火 自宅に火をつけた長男を逮捕 1人焼死 埼玉・桶川市

 10日午後3時半ごろ、埼玉県桶川市内の男性(56)方から出火、木造2階建て住宅を全焼、焼け跡の玄関付近からこの男性とみられる遺体が見つかった。無職の長男(28)が近くの交番に「自宅に灯油をまいて火をつけてきた」と出頭したため、上尾署は現住建造物等放火容疑で逮捕した。同署は遺体の身元の確認を急ぐとともに、長男から詳しく事情を聴いている。

 調べでは、男性と長男は2人暮らし。長男は同県上尾市内の病院に入院中で、9日一時帰宅し、10日午後4時に再度入院する予定だったらしい。

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<2002年11月9日毎日新聞>

池田小 事件現場の校舎を保護者や児童に公開 大阪

 児童殺傷事件のあった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の校舎改築を前に、事件の現場となった南校舎が9日、追悼を希望する保護者や児童に公開された。遺族・関係者以外に、現場が公開されたのは昨年6月の事件発生以降初めて。約100人が参加し、亡くなった8人の子どもたちに祈りをささげた。

 同小では現在、近くの仮設校舎で授業を行っているが、12月上旬にも北校舎が取り壊され、続いて南校舎の改装工事が行われる。南校舎は、「事件を風化させたくない」という遺族らの意向を受けて存続が決まり、オープンスペースにするなど大幅な改修が加えられる。04年4月には新しい校舎として利用される予定。

 保護者や児童らはこの日、花束を手に足早に正門から校舎内に入った。保護者の一人は「亡くなった子どもたちがまだいるような気がして……。最後にお別れをしたかった」と声を詰まらせた。

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<2002年11月10日毎日新聞>

名古屋刑務所 「殺されると思った」 元受刑者、実態を語る

 受刑者に重傷を負わせたとして刑務官5人が特別公務員暴行陵虐致傷容疑で逮捕された名古屋刑務所の元受刑者の男性(40歳代)が9日、毎日新聞の取材に対し、刑務官が受刑者を制圧する実態を証言した。男性は今回の事件と同様、革手錠で拘束されて保護房に収容された経験を持ち、「刑務官が私の背中に足を乗せ思いきり革手錠のベルトを締め上げた。殺されるかと思った」と憤り、事件について「実態は昔と変わっていない。世間の目の届かないところのリンチほどひきょうなことはない」と訴えた。

 男性は関西在住で、殺人未遂罪の懲役判決を受けて80年代に同刑務所に6年間服役した。

 男性は服役中、他の受刑者のけんかの仲裁に入ったことなどを理由に刑務官に制圧され、革手錠で両手を拘束され、保護房に収容されたことが3回あった。いずれも10人近い屈強な刑務官が男性を押さえつけ、腹をけったり、腕を後ろにねじ上げた。男性は「大人数の刑務官に受刑者が手を出すことはありえない。一方的に受刑者が腕をねじ上げられ、つま先立ちで抱えられるように保護房に運ばれていった」と話した。

 逃亡や暴行の恐れのある受刑者の身体拘束に使う革手錠は、受刑者の間で「革パッチン」と呼ばれ、恐れられていた。両手が腰の革ベルトについた手錠に固定されるが、ベルトを締める際に刑務官が受刑者の背中に足をかけて力いっぱい引っ張るため、息がつまり、装着するだけで苦しさを感じる。男性は革手錠装着の後遺症で今も腰が痛み、通院している。

 保護房は3畳ほどの広さで監視カメラが付けられている。床に自殺防止のラバーが敷かれているが、窓も夜具もなく、寒さで震えながら夜をすごし、食事や用便は革手錠を付けたたまま行った。両手が使えないため、犬のように食器に口を近づけて食べ、食事を残すと男性は刑務官に頭を靴で踏みつけられた。

 大人数の刑務官の制圧行為には「このままだれにも気付かれず、刑務所内で殺されてしまう」という恐怖感を常に感じ、「『おまえらは人間じゃない』とののしる若い刑務官の顔を忘れることができない」と声を詰らせた。弁護士会に人権侵害の救済を求めようとしたが、独居房に移され、暗に取り下げを求められたこともあった。男性は「刑務官も受刑者の反抗を恐れ、扱いが乱暴になるのかもしれないが、刑務所はリンチの場ではない」と強調した。 

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<2002年11月9日毎日新聞>

名古屋刑務所 弁護士会、6月に人権侵害行為を警告

 名古屋弁護士会が6月、革手錠使用は人権侵害行為にあたるとして名古屋刑務所に使用を中止するよう警告していたことが9日、わかった。同弁護士会は今回の事件が警告後の9月に起きたことを重視し、同刑務所の革手錠の使用状況を詳しく調べる方針だ。

 同弁護士会によると、6月の警告は、革手錠を装着され保護房に収容された受刑者が98年、苦痛を受けたとして同会に人権救済を申し立てたことに対するもの。調査の結果、革手錠使用は腹部に重大な衝撃を与える恐れがあることなどから戒めの目的を逸脱し、人権侵害にあたると判断。さらに、使用頻度が高いとされる点も考慮に入れ、使用をやめるよう同刑務所に警告した。

 また、同弁護士会は同刑務所に対し、00年から3件の是正勧告をしている。薬の支給を求める受刑者に謹慎の懲罰を課したり、独居房で正座やあぐらの姿勢のまま40日間反省させる非人道的な懲罰を与えたなどという判断だった。弁護士会の人権侵害に対する措置では警告が最も重く、勧告が続く。 

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<2002年11月8日時事通信>

自分に満足、日本の中学生9.4% 自信のなさ浮き彫り−国際調査

 自分に大体満足している中学生は米国で53.5%、中国で24.3%なのに日本は9.4%しかいないことが8日、財団法人日本青少年研究所などの中学生の比較調査で分かった。自分は多くの良い性質を持っていると考える割合は米国49.5%、中国14.6%なのに日本は6.6%で、日本の中学生の自信のなさが際立っている。
 調査は昨年10月から今年3月にかけて、3カ国のそれぞれ1000−1300人の中学生に聞いた。
 自分について、「人並みの能力がある」と考える割合は米国56.5%、中国49.3%に対し、日本は15.6%。「計画をやり遂げる自信がある」も米国54.2%、中国32.8%だが、日本は9.8%と低い。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月9日時事通信>

「捜査中なので」、詳細語らず=名古屋刑務所長が謝罪会見

 名古屋刑務所(愛知県三好町)の受刑者に暴行を加えたとして刑務官5人が逮捕された事件で、同刑務所の桜井智舟所長が8日夜記者会見し、「多くの人を預かっている身として深くおわびします」と謝罪した。しかし、事件の詳細については「地検が捜査中なので」とノーコメントを貫いた。
 桜井所長は事件について、「制圧行為から時間がたっていないうちの負傷だったので、事件後すぐに地検にすべて調査を委ねた」と説明。「事実関係を申し上げる立場にない」と述べた。
 事件発覚直後の10月4日の記者会見で刑務官の行為を「正当な職務行為だったと信じたい」と評価した桜井所長だったが、「評価する立場にない」とコメントを避けた。
 これからの対応について、桜井所長は「詳細を解明し、再発防止に最善の努力を尽くす」と話した。しかし、管理体制の問題を問われると「地検が捜査しているので、今の時点で述べることはできない」と話した。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月8日毎日新聞>

名古屋刑務所 刑務官5人を逮捕 受刑者への集団暴行容疑で

 名古屋刑務所(愛知県三好町)で今年5月と9月、男性受刑者2人が刑務官に制圧を受けた直後に死傷した事件で、名古屋地検は8日午後、9月の受刑者重傷が刑務官の暴行による疑いが強いと判断し、刑務官5人を特別公務員暴行陵虐致傷容疑で逮捕した。複数の刑務官が集団暴行を認める供述をしているという。同地検は5月の受刑者死亡についても捜査を進めている。

 逮捕されたのは、渡辺貴志(34)=看守長▽前田明彦(40)=副看守長▽岡本弘昌(46)=同▽小沢宏樹(27)=看守▽池田一(30)=同=の5容疑者。特捜部は刑務所など数カ所の家宅捜索を始めた。

 調べでは、5容疑者は9月25日午前8時15分ごろから同9時45分ごろにかけて、男性受刑者(30)に対し、必要ないのに革手錠で締め付け、腹を圧迫するなど暴行を加え、40日間の大けがを負わせた疑い。刑務所によると、この受刑者は面接中、興奮して詰め寄るなどしたため、革手錠で拘束のうえ保護房に収容された。その後、受刑者は腹痛を訴え、腹部内出血で緊急手術を受けた。

 同刑務所では5月、別の男性受刑者(当時49歳)が入所のための身体検査中、刑務官につかみかかるなどしたため、数人の刑務官が制圧、革手錠で両手を拘束したうえで保護房に収容。受刑者はその直後、心肺停止状態となり死亡している。刑務所から事件の通報を受けた特捜部は、刑務官らから事情聴取を進めてきた。

 名古屋刑務所はこれまで「制圧行為は正当な職務行為だった」と説明し、刑務官の暴行は否定していた。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月8日中日新聞>

刑務官数人 逮捕へ 受刑者に集団暴行容疑

 愛知県三好町の名古屋刑務所で九月下旬、男性受刑者(30)が腹に大けがをした事件で、複数の刑務官が正当な制圧行為を超えた集団暴行を加えていた疑いが強まり名古屋地検特捜部は八日、事件にかかわった刑務官数人について特別公務員暴行陵虐致傷容疑で取り調べを始めたもようだ。容疑が固まり次第、逮捕するとみられる。

 名古屋刑務所では今年、革手錠をかけて保護房に収容した回数は百四十八回に上る。

 府中刑務所(東京)の七回、大阪刑務所の二十八回に比べ突出して多く、暴力や懲罰的処遇に頼った同刑務所の管理の在り方が問われそうだ。

 関係者の話では、刑務官らは九月二十五日午前八時ごろ、名古屋刑務所に服役中の男性受刑者(恐喝罪で懲役二年四月の判決)と面接中にトラブルとなり、受刑者に集団で暴行を加えたという。

 刑務官らは暴行後、革手錠を使用して懲罰のための「保護房」に収容した。

 受刑者が腹痛を訴えたため、医師が診察したところ腹部内出血があり、外部の病院で手術を受けた。

 これに先立つ今年四月、この受刑者は名古屋弁護士会に対し「刑務所内で懲罰を受けたのは不当だ」と人権救済を申し立てていた。

 弁護士会は予備調査の上、九月二十七日に人権擁護委員が面接調査を予定していたが、同二十五日に受刑者が入院したため調査が延期となっていた。

 刑務官は九月二十五日の面接の際、受刑者に対し人権救済申し立てを取り下げるよう求めていたという。

 地検は刑務所からの通報を受けて捜査。受刑者が暴れたときなどに行う「制圧行為」に当たるかどうかなどについて関係者から事情を聴き慎重に調べてきたが、正当な制圧行為の範囲を超えていたと判断したとみられる。

情報は→中日新聞


<2002年11月9日毎日新聞>

名古屋刑務所 法務省が会見、陳謝 日弁連は「極めて遺憾」

 5人の刑務官らが逮捕されたのを受け、法務省では保坂洋彦矯正局総務課長らが会見し「被害者や国民の皆様におわびしたい」と陳謝した。しかし、事件の詳細については「捜査中でもあるし、調査だけでは各自の関与は明確でない」として説明せず、調査が不十分だったことを認めた。

 名古屋刑務所では、00年に32件、昨年58件だった革手錠の使用回数が、今年は9月末で158件と急増。革手錠については、99年に適正使用の通達が出され、全国的には減少傾向にあった。保坂課長らは「昨年、監査した際は十分に気づかず、監査能力が足りなかったと言われればその通り」と、対応が後手に回ったことを認めた。

 また、97年以後、今年までの間に全国の刑務所などで、刑務官らによる受刑者への暴力で停職処分を含み計32人を懲戒処分にしたことを明らかにし、暴力事件が今回に限らないことを認めた。先月31日の参院法務委員会で、99年から今年9月までに、名古屋刑務所のケースを含め、保護房に入れられた計5人が死亡し、3人が入院したことが明らかになったが、それらのケースについてプライバシーを理由に説明を避けた。

 劣悪な環境の保護房や、拘束具の革手錠の使用については、かねてから人権団体から批判の声が出ていた。この日の会見では、革手錠の使用要件は「逃走、暴行、自殺のおそれがある場合」としており、名古屋のケースは暴行のおそれがあったため要件は満たしていたが、使用の仕方に問題があったとの見方を示した。 【伊藤正志】

     ×     ×     ×

 日本弁護士連合会は8日、被害を受けた受刑者(30)が名古屋弁護士会に人権救済を申し立てたことに対し、刑務所側が撤回を働き掛けていたことを明らかにした。撤回を巡るやり取りの直後に集団暴行を受けて負傷した疑いが強いといい、日弁連は「弁護士会の人権救済制度をないがしろにする行為で、極めて遺憾だ」と批判している。

 先月、受刑者が名古屋弁護士会に送った手紙で判明したという。日弁連によると、受刑者は今年4月、刑務所内の処遇に不満を持ち、人権救済を申し立てたが、刑務官らは複数回にわたって撤回を働きかけたという。

 手紙には「一度は苦しさから逃れるために撤回を約束したが、改めて断ったところ、保護房に入れられた上、革手錠で腹部を強く圧迫されて負傷した」という趣旨の記載がある。また、事件2日後の9月27日には、名古屋弁護士会による受刑者本人への事情聴取が予定されており、「面会時に申し立てを取り下げさせることが刑務官の目的だった」とも書かれているという。

 また、事件に関して日弁連は8日、「革手錠の頻繁な使用が懸念されている中で事件が起きたことを真摯(しんし)に反省し、十分な再発防止策を講じるよう強く要望する」とする本林徹会長の声明を発表した。 【森本英彦】

情報は→Yahoo! News


<2002年11月9日時事通信>

「保護房8回、革手錠16回」 暴行受けた受刑者、弁護士会に手紙

 名古屋刑務所の刑務官5人が受刑者(30)に集団で暴行し、逮捕された事件で、この受刑者が「保護房に8回収容され、革手錠は16回掛けられた。精神的ショックで拒食状態になった」などと記した手紙を、名古屋弁護士会に出していたことが8日、分かった。東京・霞が関の弁護士会館で行われた会見で、同会人権擁護委員長の松本篤周弁護士が手紙の一部を明らかにした。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月9日毎日新聞>

名古屋刑務所 幹部に認識の甘さ 人権擁護法案審議に影響も

 名古屋刑務所の保護房で受刑者が重傷を負った事件は8日、刑務官5人が特別公務員暴行陵虐致傷容疑で名古屋地検に逮捕される異例の事態に発展した。刑務所側は先月初めに発覚した後、「正当な職務行為」との姿勢を貫いてきた。しかし、監督官庁の法務省名古屋矯正管区の幹部は「信じたいと思っていたが、逮捕で考えは変わった」と認識の甘さを認めた。法務省の身内による人権をないがしろにする行為。国会で審議入りした人権擁護法案にも影響を与えそうだ。

 名古屋矯正管区は同日午後、総務担当の小林仁第1部長と警備担当の古田修一第2部長が会見し「絶対にあってはならないことで極めて遺憾」と謝罪し、関係者の厳正処分の方針を表明した。

 矯正管区は事件後に調査を行ったが、捜査に影響を与えてはいけないとして、関係した刑務官や目撃者への直接の聴取は行わず、周辺者の聞き取りなどにとどめていた。逮捕があった8日、同管区は5容疑者を名古屋地検に告発したが、「第三者の捜査機関の地検から犯罪の嫌疑が濃厚と指摘されたためだ」と歯切れが悪かった。

 法務省でも保坂洋彦矯正局総務課長らが会見し、陳謝した。しかし、事件の詳細については「調査だけでは各自の関与は明確でない」として説明せず、調査が不十分だったことを認めた。

 名古屋刑務所では、00年に32件、昨年58件だった革手錠の使用回数が、今年は9月末で158件と急増。革手錠については、99年に適正使用の通達が出され、全国的には減少傾向にあった。保坂課長らは「昨年、監査した際は十分に気づかず、監査能力が足りなかったと言われればその通り」と、対応が後手に回ったことを認めた。

 また、97年以後、今年までの間に全国の刑務所などで、刑務官らによる受刑者への暴力で停職処分を含め計32人を懲戒処分にしたことを明らかにし、暴力事件が今回に限らないことを認めた。先月31日の参院法務委員会でも、99年から今年9月までに、名古屋刑務所を含め、保護房に入れられた計5人が死亡し、3人が入院したことが明らかになっていた。

 劣悪な環境の保護房や、拘束具の革手錠の使用については、かねて人権団体から批判の声が出ていた。革手錠の使用要件は「逃走、暴行、自殺のおそれがある場合」となっており、この日の会見では、名古屋のケースは暴行のおそれがあったため要件は満たしていたが、使用の仕方に問題があったとの見方を示した。

 名古屋刑務所は1924人の定員に対し、8日現在で定員を上回る2207人の受刑者が収容されている。府中、大阪に次ぐ全国3位の規模で、受刑者の大半を累犯者が占め、過半数が暴力団関係者という。これに対し職員数は375人で、うち看守は150人。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月1日中日新聞>

保護房で5人死亡 3刑務所過去4年

 今年五月、名古屋刑務所で騒いだ受刑者が革手錠をさせられ、保護房へ収容された直後に死亡した問題に絡み、各地の刑務所で過去四年間に、計八人が保護房への収容中に死亡したり、病院に搬送されていたことが三十一日、明らかになった。福島瑞穂参院議員(社民)が法務省に要求した資料で判明した。同省は「病死または事件性がない事案で、死者のプライバシーもあり公表しなかった」としている。

 資料によると、一九九九年からの四年間で、府中刑務所で二人、横須賀で一人、名古屋で二人の計五人が保護房で死亡。いずれも四十代から五十代の男性だった。また、名古屋など三カ所で三人が保護房から病院に送られ、治療を受けていた。

 名古屋刑務所では、昨年と今年五月に四十代の男性が死亡。いずれも革手錠をしたまま、保護房に入れられていた。法務省は、昨年死亡した男性について「自傷による腹膜炎を起こして死亡」と説明している。府中と横須賀の男性は、革手錠をしていなかった。

 国連規約人権委員会は九八年、革手錠を使用している日本の刑務所について「残酷で非人間的だ」として処遇の改善を勧告。九九年以降、全国の刑務所で革手錠を使用する件数が減少したが、名古屋刑務所では逆に増加。今年九月までの使用件数は百五十八件と、より収容規模が大きい府中の七件、同程度の大阪の二十八件と比べて、突出していた。

 法務省では、名古屋刑務所の保護房で今年、死傷者が相次いだことを重視。同刑務所は十月四日に概要を発表したほか、名古屋地検に通報。同地検は特別公務員暴行陵虐罪などの疑いで捜査している。同省矯正局は「名古屋の二件以外は、死亡の日時も公表できない。九八年以前の記録は残っていない」としている。

情報は→中日新聞




<2002年11月8日読売新聞>

補助金流用の精神障害者家族連を厚労省が立ち入り検査

 厚生労働省所管の財団法人「全国精神障害者家族会連合会」(全家連、古屋治男理事長)が2001年度までの9年間に、2億3000万円を超える補助金を流用していた問題で、厚労省は8日午前、事実関係の確認のため、東京・台東区の全家連事務局に対する立ち入り検査を始めた。

 古屋理事長らから詳しく事情を聞くとともに、関係会計資料の確認を行っている。

 全家連は、事実上の傘下組織の都道府県家族会連合会(県連)が開催する「ブロック研修会」について、2001年度は、国と日本財団から計約1200万円の補助金を受給している。このうち国の補助金分の約500万円を、実際には県連側には渡さずに、事務局の人件費や借金返済に流用するなどした疑いが持たれている。

 一方、日本財団も8日までに、全家連に交付した補助金の再監査を実施する方針を決めた。再監査は、厚労省の調査が終わった後の今月11日以降になる見通し。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月5日毎日新聞>

精神障害者への理解を深めよう「こころの健康フェスティバル」 愛知県瀬戸市で

 瀬戸市西茨町の市文化センターで4日、精神障害者への理解を深めるための催し「こころの健康フェスティバルあいち」(同実行委主催、毎日新聞社など後援)が開かれた=写真。
 精神障害者の社会復帰を後押ししようと毎年開かれており、会場では病院、作業所、社会復帰施設などから出展された作品展示やふれあいコーナーなどが設けられた。
 ホールでは、北海道の社会福祉法人「浦河べてるの家」の下野勉さん(33)ら3人が、障害を乗り越えた体験談や仲間へのメッセージを披露。また、精神保健福祉事業に功労のあった13人と1団体が知事や県精神保健福祉協会などから表彰された。

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<2002年11月7日読売新聞>

重大犯罪の精神障害者「入退院」判断基準を厳格化

 政府・与党は7日までに、殺人や放火など重大犯罪を犯した精神障害者の入退院などの処遇を裁判官と精神科医の合議体で決める「心神喪失者医療観察法案」の修正案をまとめた。

〈1〉入退院の判断基準をより限定する
〈2〉見直し規定を付則に明記する
〈3〉対象者のケアを担当する精神保健観察官は保健・福祉の専門家に限定する――の3点が柱で、同法案に反対している民主党に非公式に提示した。

 入退院の判断基準について、同法案は、再犯の恐れの有無を挙げており、民主党は「医学的に再犯のおそれを判断することは不可能で、長期の強制入院につながる」と反発していた。このため、精神保健福祉法に基づく「措置入院」が「自傷他害のおそれ」を判断基準としていることを踏まえ、修正案では「重大な他害行為を行うおそれ」と明記することで、判断基準を限定する姿勢を打ち出した。

情報は→読売新聞


<2002年11月7日読売新聞>

民主「学級崩壊」? 国会欠席目立ち、緊張感欠く

 7日の民主党代議士会で、国会への欠席が目立ち緊張感を欠く同党議員の現状を嘆く声が相次いだ。

 衆院議院運営委員会理事の高木義明氏は「与党議員の欠席に、審議を止めてでも出席を求める態度で臨んでいるのに、わが軍がこれでは戦いにならない」と厳しく注文。厚生労働委員会理事の釘宮磐氏もこの日の同委出席者が自民、民主両党とも数人程度だったことを取り上げ、「緩みきった国会と言われるが、与党を堕落させたのは野党第一党の民主党がだらしないからだ」と語気を強めた。代議士会自体も、定刻に出席したのは執行部を除くとわずか3人。玉置一弥代議士会長は「出席状況も役職や委員会の選択に影響する。十分意識してほしい」と“勤務評定”まで匂わせた。

 ただ、代表選後のゴタゴタによる党の求心力低下が背景にあると見られるだけに、出席議員からは「まるで学級崩壊だ」と自嘲気味の嘆息も漏れていた。

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<2002年11月7日時事通信>

受刑者医療を「不当に制限」 宮崎刑務所に改善勧告 県弁護士会

 宮崎県弁護士会(後藤好成会長)は7日、宮崎市の宮崎刑務所に対し、受刑者への万全な検査医療体制を求める「勧告書」を出したと発表した。勧告書は、1999年7月に同刑務所から大分市の刑務所に移送され、その後死亡した糖尿病の男性受刑者=当時(63)=について、同刑務所が医療を「不当に制限していた」としている。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月7日時事通信>

統合失調症新薬で1人死亡 緊急安全性情報で注意喚起−厚生労働省

 統合失調症(精神分裂病)の新薬「フマル酸クエチアピン」(商品名セロクエル)を服用した患者13人が高血糖となり、うち1人が糖尿性こん睡を起こし死亡したことが7日、分かった。厚生労働省は同日、製造元のアストラゼネカ社(大阪市)に対し、緊急安全性情報を出し、「糖尿病患者やその既往歴のある患者への投与を禁止する」など医療機関に注意を呼び掛けるよう指示した。 

情報は→Yahoo! News


<2002年11月7日日経新聞>

統合失調症新薬、服用の患者死亡

 昨年2月に発売された統合失調症の新薬「セロクエル」を服用した患者のうち、13人に血糖値が急上昇してこん睡するなどの副作用が相次ぎ、1人が死亡したことが7日、分かった。厚生労働省は製造元のアストラゼネカ(大阪市)に対し、緊急安全性情報を出して医療機関に警告するよう指示した。

 セロクエルは「非定型」と呼ばれる統合失調症治療の新世代の薬で副作用が少ないとされ、注目を集めている。セロトニンなど脳内物質の作用を抑制する作用があり、これまで治療が難しかった慢性的に気分がふさぎ込む症状に効果が高いとされている。アストラゼネカが2000年12月に承認を受け、藤沢薬品工業が販売、売り上げを伸ばしている。

情報は→日経新聞


<2002年11月6日毎日新聞>

池田小事件 事件現場の校舎を保護者に公開へ 12月取り壊し

 昨年6月の乱入殺傷事件以降、閉鎖されている大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の本校舎のうち、事件現場となった南校舎が9日、児童の保護者らに公開される。12月上旬から校舎の改修、取り壊しが始まるため、その前に追悼などを希望する保護者らに公開することになった。

情報は→Yahoo! News


<2002年11月7日読売新聞>

全家連、補助金2億を流用

 厚生労働省所管の公益法人「財団法人・全国精神障害者家族会連合会」(全家連、東京都)が2001年度までの9年間にわたり、国、日本財団などから受給した補助金のうち計2億3000万円超を、本来の補助金交付目的とは異なる借金返済や常勤役職員の人件費などに流用していたことがわかった。

 流用の事実を隠ぺいするため、実在しない収入源をねつ造するなどして決算書を偽装していた。補助金適正化法に抵触する恐れもあり、同省も調査に乗り出した。

 複数の全家連関係者によると、流用した補助金は、▽県連を地域ごとに8ブロックに分けて開催した「ブロック研修会」の開催費(国の精神障害者小規模作業所等運営助成事業)▽総合相談開催時に相談員に支払う謝礼金(日本財団の精神障害者福祉の普及啓発事業)▽研究会議の報告書の印刷費(日本自転車振興会の在宅精神障害者の指導事業)などに交付されたもの。

 全家連は、これらの補助金事業を巡り、カラ出張を行ったり、架空の支出を計上したりして余剰資金をねん出。全家連所有の精神保健福祉施設「ハートピアきつれ川」(栃木県喜連川町)建設に伴う借入金の返済や、常勤の役員、事務職員の給与や旅費など、いずれも交付目的とは異なる経費に充当していた。

 一方、全家連では、こうした目的外の流用の事実が発覚しないよう、事実上の傘下組織である各都道府県家族会連合会(県連)から、実際には徴収していない「活動資金分担金」を集めたように装って収入に組み入れ、最終的には支出総額と収入総額のつじつまを合わせていた。県連側は、こうした隠ぺい工作に名前が使われていることを知らなかった。

 架空の分担金が決算書の中に登場するのは1993年度から。毎年度2100万―3000万円を計上しており、2001年度までの総額は2億3600万円に上っていた。

 補助金の流用について関係者は、「全家連は研修や調査研究など、次々と事業を拡大してきたが、事業の拡大によって職員も増やさなければならなくなる。しかし、補助金では常勤役職員の給与や旅費などの人件費は出ないから、補助金の一部を流用するしかなかった」と証言している。

 また、96年にオープンした「ハートピアきつれ川」も補助金を受けているが民間金融機関などからの借り入れなどにかかわる返済が毎年4000万円余に上り、収支悪化を招いたことも、流用をやめられなかった理由の1つとしている。

 補助金の目的外流用について全家連の桶谷肇事務局長は、「会計を操作して流用してきたことは事実だが、いずれも全家連の事業に使っており、裏金的な使い方は一切行っていない。2001年度決算からは、適正な会計に戻そうと努力している」と話している。

 ◆全国精神障害者家族会連合会◆

 精神障害者の医療や福祉の充実、精神障害に対する偏見の是正などを目的に1965年に設立された。67年から財団法人。精神障害者本人や家族、家族会は直接の会員とはなっていないが、全国に約1600ある精神障害者の家族会(会員計約12万人)を事実上、取りまとめており、精神障害関連の中核団体の1つ。精神保健福祉法に基づき厚生労働相が指定する国内唯一の「精神障害者社会復帰促進センター」でもある。職員は常勤、非常勤合わせて48人。

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<2002年11月7日毎日新聞>

補助金流用 精神障害者家族会連合会が2億3600万円

 厚生労働省所管の公益法人「全国精神障害者家族会連合会」(全家連、東京都)が昨年度までの9年間で、国などから事業開催のために受給した補助金計約2億3600万円を、人件費や借金返済などの目的外の経費に不正に流用していたことが7日分かった。全家連は流用の事実を認めており、厚生労働省は補助金適正化法に違反する可能性もあるとして事実関係を調査する。

 全家連によると、流用したのは研修会や相談会、研究会の事業費として国や日本財団から交付された補助金。カラ出張などで架空の支出を計上して余剰金をねん出し、役員や職員の給与や旅費、施設建設に伴う借入金の返済などに充てていた。

 流用額は年間2000万〜3000万円に上っていたが、不正が発覚しないよう傘下組織の都道府県家族会連合会から「活動資金分担金」を集めたように装い、架空の収入を計上して決算書を偽造していた。

 全家連は「流用は事実だが全家連のために使っており、私的流用はない。内部の指摘を受けて昨年度から会計の改善に取り組んでいる」と説明している。

 全家連は全国各地の約1600の精神障害者の家族会から構成される連合組織で、会員は約12万人。 

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<2002年11月2日読売新聞>

「特別支援学校」の創設提案 複数の障害持つ子に

 文部科学省の「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」(座長=小林登・東京大名誉教授)は2日までに、盲、ろう、養護などの障害別の学校に加え、新たに「特別支援学校」(仮称)を設けるよう提案する中間報告をまとめた。

 特別支援学校は、複数の障害を持つ子を教育支援したり、障害を持つ児童生徒が通う小中学校や親からの相談に応じたりする機能を担うとしている。

 このほか、中間報告では、小中学校で6%程度在籍していることがわかった学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの児童生徒に対する特別支援体制の確立も目指すように求めている。

 これら提案を受け、文科省は、障害の種類や程度による画一的な従来の教育から、1人1人のニーズを重視した教育に転換を図る。

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