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救急医療:救急医療体制の問題点<毎日新聞2001年8月30日>
重症の患者ほど一刻も早い治療が必要な救急医療。しかし、現在の体制では転送に時間を要したり、転送を巡る判断ミスの危険性があるといわれる。救急医療体制の問題点を探った。
【医療問題取材班】
(中略)
現在の救急医療体制では患者の重症度に従い、初期、2次、3次救急病院と振り分ける。最初に運ばれた病院で対応できなければ、高次の病院に転送する。女性が最初に運ばれたのは2次、転送先は3次だった。
しかし、厚生省(現厚生労働省)研究班の調査では、心筋こうそくで2次に運ばれた患者の死亡率は、3次に運ばれた患者の3倍に達する。2次が、3次へ転送の必要な病気であることを見抜けず患者が死亡する例も起きている。
(中略)
昨年9月、大阪で開かれた日本心臓病学会。心筋こうそくなどの循環器病を対象とする救急医療のシンポジウムで、会場の医師が発言した。そして、こう付け加えた。
「循環器病だけを診る救急というのはない。救急病院は全天候型でないといけない」
救急隊が初期、2次、3次救急病院と振り分けるが、急病ではすべての患者が典型的な初期症状を示すとは限らず、初期症状だけで患者を完全に振り分けるのは不可能だ。
大阪府三島救命救急センターの森田大所長は、3次に初期救急施設を併設してすべての救急患者を受け入れる体制を提案する。予想される多数の患者は併設の初期施設で重症度を医師が見極め、重症患者は3次で治療、軽症患者は2次に転送する方法だ。
救急隊は病院選択が不要で、応急処置と搬送に専念できる。現在とは逆に、転送するのは軽症の患者で、重症の患者ほど早く治療が始まる。
一部略、詳しくはこちら→Mainichi INTERACTIVE
医療ミス隠しで元・都広尾病院長に有罪判決
<読売新聞2001年8月30日>
◆都、国が再発防止へマニュアル改定◆
広尾病院の点滴事故隠ぺいを機に、東京都や国は、マニュアルの改定など、再発防止に乗り出している。
一昨年8月、都は事故原因や再発防止策についてまとめた報告書を発表した。病院 側の過失を認めたうえで、危機管理体制の不十分さや警察への届け出の遅れ、遺族対応のまずさなどの問題点を指摘。昨年10月から今月にかけては、「医療事故が起きたら」「リスクマネジメント」など、項目別の新マニュアルを順次作成している。新マニュアルでは、旧マニュアルにほとんどなかった「警察への届け出」について詳述。医療事故の疑いがある場合は、過失の有無にかかわらず警察に届け出ることを求めるなど、厳しい基準を設定した。
厚生労働省も昨年8月、国立病院、国立療養所などを対象とした事故防止マニュアルの作成指針を策定。重大事故については同省に報告することなどを義務づけた。
一部略、詳しくはこちらへ→Yomiuri-On-Line
触法精神障害者に「審判所」
<読売新聞2001年8月29日>
政府は28日、重大な事件を起こし、不起訴や無罪などになった精神障害者の処遇について、全国に50か所あるすべての地方裁判所に、入退院を判断する第三者機関として「審判所」を併設する方針を固めた。大阪府池田市の児童殺傷事件を受けた触法精神障害者の処遇見直し策の柱となるもので、政府は審判所併設に必要な新法を来年の通常国会に提出する。
今後、与党3党と第三者機関のあり方などを調整、具体的な入退院の判断基準を策定する。
審判所は、北海道内の4地裁と、46都府県に1か所ずつある地裁に設置する。心神喪失のために不起訴や無罪となった精神障害者について、地裁の裁判官のほか、精神科医といった医療関係者、精神保健福祉の専門家らが協議し、精神病院への入退院について決定する。
政府は当初、全国10か所程度の地裁に併設することを検討していたが、全国的にきめ細かく対応する必要があると判断し、併設個所を拡大することにした。
触法精神障害者の処遇見直しをめぐっては、厚生労働省が特別病棟の導入について検討しており、来年度からモデルとなる病棟整備を進める方針だ。
情報はこちら→Yomiuri-On-Line
児童殺傷の宅間容疑者の鑑定期間を短縮へ=大阪地検
<時事通信2001年 8月30日>
大阪教育大付属池田小で6月に起きた児童殺傷事件で、大阪地検は29日までに、現在精神鑑定を行っている元小学校職員宅間守容疑者(37)について、鑑定の早期終了のめどが付いたことから、当初3カ月間だった鑑定留置期間を数週間程度繰り上げ、短縮する方針を決めた。
情報はこちら→Yahoo! News
警官刺殺の遠山容疑者、直前まで薬物中毒治療
<読売新聞2001年8月29日>
東京都世田谷区の路上で今月26日、警視庁世田谷署の平田隆志警部補(51)(殉職後、警視に昇任)が刺殺された事件で、撃たれて死亡した遠山義彦容疑者(54)が事件直前まで都内の精神病院で薬物中毒の治療を受けていたことが29日、関係者の話でわかった。同容疑者は最近もこの病院に通院しており、世田谷署の捜査本部で事件との関連を調べている。同容疑者は、以前は評判の美容師だったが、覚せい剤絡みの事件をきっかけに店をたたみ、数年前からほとんど仕事をしていなかった。
同容疑者は81年に覚せい剤使用の容疑で逮捕され、87年までに計4回覚せい剤絡みの事件を起こしたほか、89年には傷害致死容疑で逮捕された。
近所の人とのトラブルはなかったが、平田警部補を襲った日曜日は、様子がいつもと極端に違っていたという。朝からぶつぶつ言いながら歩きまわり、「ぶっ殺す」という独り言を繰り返す姿が目撃されていた。そして、午前10時ごろ、金物店で凶器となった輸入物の山刀を買っていた。
一部略、詳しくはこちらへ→Yomiuri-On-Line
2002年度 精神保健福祉施策関係概算要求の概要
予算増加分ダイジェスト
2001予算 2002概算要求
〈72,724〉 〈79,134〉
89,897百万円 → 100,799百万円
注:〈 〉は、精神保健福祉課所管予算分の再掲(1) 精神障害者社会復帰施設の施設・設備整備の充実 21,182百万円 → 23,489百万円
生活訓練施設(援護寮)・ショートステイ施設・福祉ホーム・入所授産施設・通所授産施設・福祉工場・地域生活支援センター・地域生活援助事業(グループホーム)・社会適応訓練事業
(2)精神障害者社会復帰施設運営費の改善
・直接処遇職員等の増員配置の充実等
指導員、事務員 各1名(生活訓練施設(一般型)、通・入所授産施設)(3)精神障害者小規模通所授産施設運営費の助成 190百万円 → 418百万円
小規模作業所から小規模通所授産施設への移行を促進し、運営の安定化を図る。
・補助対象箇所数 46箇所 → 86箇所新規(4)精神障害者社会復帰サービスニーズ等調査の実施 0百万円 →94百万円
精神障害者の社会復帰に向けた各種サービス・ニーズ等を調査・分析し、今後の精神保健福祉施策のあり方を検討するうえでの基礎資料とする。(実施主体:精神障害者社会復帰促進センター)2.よりよい精神医療等の確保 56,295百万円 → 60,051百万円
(1)精神医療費の公費負担 46,480百万円 → 49,608百万円
措置入院費、通院医療費、医療保護入院費に係る公費負担に要する経費。
(2)精神科救急医療システム整備事業 1,292百万円 → 1,987百万円
精神障害者の緊急時における輸送体制の整備、輪番制等による緊急時における保護・治療を行う救急医療のシステム体制の整備等を推進するとともに、平成14年度より、精神科救急情報センターに24時間体制の医療相談窓口を整備し、患者・家族からの医療相談に応じ、必要に応じて、精神科救急医療施設への移送等に円滑につなげる体制の充実を図る。新規(3)精神科急性期医療等専門家養成研修事業(構造改革特別要求)
0百万円 → 123百万円
国立医療機関等の精神科医等を海外の司法精神医療施設に派遣し、急性期医療や触法精神障害者の医療について研修を行い、専門医等の養成を行う。3.地域精神保健福祉施策の推進 6,350百万円 → 7,120百万円
(6) 「障害者の明るいくらし」促進事業、障害者生活訓練・コミュニケーション
支援等事業及び市町村障害者社会参加促進事業(3障害メニュー事業)5,021百万円 → 5,491百万円障害者の社会参加を促進するために、障害者の権利擁護に係る相談等を行う「障害者110番」運営事業等のメニューの中から事業を選択して実施。
4.雇用対策との連携
(1)障害者就業・生活支援センター(仮称)による就業・生活支援の一体的推進
32百万円 → 555百万円
障害者に対する就労面及び生活面での支援を充実するため、地域における保健福祉及び雇用機関の連携の拠点として、「障害者就業・生活支援センター(仮称)」を設置する。5.研究の推進 5,177百万円 → 8,496百万円
精神疾患の疫学調査、原因の究明及び治療法の開発等を対象とした精神・神経疾患研究、障害保健福祉総合研究等の推進。
全文はこちらへ→2002年度 精神保健福祉施策関係概算要求の概要
多動性障害、全国調査へ 厚労省研究班、来月から
<朝日新聞2001年8月25日>
先生の話が聞けない、授業中に歩き回る、急にカッとなる。子どもたちのなかに目立ってきた「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」について、厚生労働省の研究班が、9月から初めての全国調査に乗り出す。小中学生3千人を対象に学校を通じて子どもの目立つ行動を分析、診断や治療の指針づくりに生かす。調査結果は、来年3月に報告書にまとめ公開する。
(中略)
<ADHD> 行動をコントロールする脳の機能に問題があり起こるとされ、欧米の研究では、学齢期の3〜5%が発症するといわれる。大半は思春期をすぎると症状が消えるが、その症状から、学校にうまくなじめないケースもある。日本では90年代ごろから知られるようになった。
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インシュリン注入器に欠陥 2万3000本を自主回収<朝日新聞2001年8月25日>
医療用具輸入販売会社ノボノルディスクファーマ(本社・東京都)は25日、糖尿病患者が自分で使うインシュリン注射器に欠陥が見つかり、出荷した2万3543本の回収・交換を始めたと発表した。設定した量を注入しきれず血糖値が上がる恐れがあるという。
欠陥があったのは、「ノボペン300」という製品の、銀色のロット番号JW40091、JW40092と青色のJW40148、緑色のJW40149の4種。デンマークの親会社で製造し、99年9月から12月にかけて輸入し、福島県郡山市の工場から出荷した。
ピストン棒先端に付いた円盤状の部品に押されたゴムが薬液を押して注入する仕組み。しかしこの部品が約1%の確率で外れてゴムを押す力が弱くなり、患者が必要量が注入される前に注射針を抜く恐れのあることが分かった。
(中略)
製品交換に関する問い合わせは同社の「ノボケア相談室」(フリーダイヤル0120・180・363)
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香りの「いやし効果」を実証 資生堂、 国際学会で発表
<朝日新聞2001年8月25日>
香料の成分にはストレスを抑える効果がある。資生堂は、26日からニュージーランドで開かれる国際生理学会議でこんな実験結果を発表する。脳波や心拍数といった間接的な指標ではなく、「ストレスホルモン」そのものの分泌量の変化で、香りの「いやし効果」を初めて確認したという。
ストレスにさらされるとコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌され、免疫機能に影響を与えることが知られている。
同社ライフサイエンス研究センターの土屋徹・副主幹研究員らは、のべ60人の女子大生に、実際とは違う色名が記入されたカードの色名を答えさせてストレスを与えるテストを60分間行った。
被験者の鼻の下に綿を張り付け、一部のバラに含まれ商品化もされている香料成分を含ませた場合と、含ませない場合に ついて、テスト前とテスト終了30分後の血中コルチゾール濃度を比べた。
香りなしでは血中濃度は平均35%増加、香りがある場合は増加しなかった。だ液でもほぼ同様の結果だった。
土屋さんは「コルチゾール濃度はストレスの最も一般的な指標なので、香料成分の吸入でストレスが緩和されたと考えられる」と話している。
鼻に噴霧するエイズワクチン マウス実験に成功 鹿児島大
<朝日新聞2001年8月18日>
鼻孔に噴霧してエイズウイルス(HIV)の感染を防ぐワクチン開発が進んでいる。鹿児島大の研究グループがマウスで実験し、HIVを抑える抗体を粘膜内に作ることに成功した。秋には京都大と共同でサルを使った感染予防実験を始める予定だ。
鹿児島大医学部の馬場昌範教授は同大工学部の明石満教授と協力し、ウイルスを吸着する直径400ナノメートルナノは10億分の1)の超微粒子をつくった。感染力をなくす処理をしたHIVをその微粒子にくっつけ、雌マウスの鼻に注入した。その結果、膣(ちつ)の粘膜にHIVの増殖を抑える抗体ができた。
(中略)
マウスはエイズにかからないので、本当に予防できるかは確かめられない。サルで成功すれば、HIVの変異などへの対応も工夫した上で、人間で感染予防が可能かどうかの試験に取り組む。
情報はこちら→asahi.com home > 生活 > 医療・健康
関連 →南日本新聞 超微粒子でエイズ抗体
精神科救急の普及とともに、HIV感染者の入院もみられるようになってきました。ワクチン開発に期待します。
<Mainichi INTERACTIVE2001年8月24日>
知的障害者や精神障害者の雇用を支援する目的で厚生労働省は24日、事業主に雇われた障害者が仕事をスムーズにこなせるよう指導する「ジョブコーチ」(職場適応援助者)を全国47都道府県に配置する方針を決めた。現状では雇い主と障害者のコミュニケーションがはかどらず、離職してしまう例が多い。ジョブコーチを職場に派遣して両者に適切なアドバイスを与え、障害者の職場定着を図るのが狙いだ。
ジョブコーチには、障害者の就労支援に関わった企業退職者やボランティア経験者などをあて、同省の外郭団体「日本障害者雇用促進協会」都道府県支部の非常勤職員として採用する。支部で研修を受けてもらったうえで派遣する。現在は実験的に10都府県に50人を配置している。来年度からは全国に配置し、概算要求に20億円を盛り込んだ。人数は各都道府県で5人前後ずつを見込む。
ジョブコーチは就職が決まった障害者からの依頼で最初の数カ月間、毎日のように一緒に職場へ行き、マンツーマンで仕事を指導する。それに並行して雇い主や同僚に障害について説明し、理解を深めてもらう。
以下略→Mainichi INTERACTIVEニュースセレクション
関連に下の記事
「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」報告
<厚生労働省報道発表 資料 2001年8月23日>
1 背景と現状
(1) 精神障害者については、近年、その社会参加が進む中で、就職を希望する者が大きく増加している。全国の公共職業安定所における精神障害者である有効求職者の数も平成12年度末現在で9,342人と5年前の約2.6倍となっており、これらの精神障害者の雇用・就労機会の拡大が喫緊の課題となっている。
(2) 一方、平成10年度障害者雇用実態調査によれば、比較的規模の大きい企業を中心に、採用後に精神障害を有するようになった者が多く在職しており、そのような精神障害者の円滑な職場復帰とその後の雇用の安定を図ることも重要な課題となっている。
(3) このような状況の中、障害者雇用対策基本方針(平成10年労働省告示第41号)においても、精神障害者のうち、その症状が安定し就労が可能な者については、職業リハビリテーション措置の的確な実施に努めるとともに、各種助成措置の活用を図りつつ、雇用の促進及び継続を図ることとされているところである。
2 「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」における検討
労働省(当時)では、1を踏まえ、平成11年7月から、「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」(座長 岡上和雄 精神障害者リハビリテーション学会長)を開催し、今後の精神障害者の雇用支援施策の在り方について検討を行ってきたところであるが、この度、その結果が取りまとめられた。その骨子は、以下のとおりである。
厚生労働省としては、この報告書を踏まえ、今後、所要の措置を講じ、精神障害者の雇用支援施策の一層の推進を図っていく考えである。厚生労働省職業安定局 高齢・障害者雇用対策部 障害者雇用対策課
電話番号 03-5253-1111(内線 5854) 夜間直通 03-3595-1173
以下 精神障害者に対する雇用支援施策の充実強化についてIV 雇用義務制度についてより要約 問題点も多く指摘されています
51 精神障害者に雇用義務制度を適用するためには解決すべき課題がいくつか残されている。
(1)精神障害者の場合は、知的障害者を雇用義務制度の対象とした時とは異なり、企業の中に採用後精神障害者が既に多数存在し、企業はその雇用管理に負担を感じているため、たとえ精神障害者に雇用義務制度を適用したとしても、そうした採用後精神障害者の問題が解決されない限り精神障害者の新規雇い入れは進まないのではないかということ、
(2)そもそも精神障害者の雇用を促進するためには、企業の中に精神障害者の雇用管理のノウハウが蓄積される必要があること、
(3)採用後精神障害者の中にも、自らの障害を認識できていない者や障害を隠したいと思っている者も相当数存在すると考えられるため、適正なガイドラインにより障害者本人の同意を得るというプロセスを経ない安易な方法で雇用義務制度を適用すると、本人の意思に反して適用されるという「掘り起こし」の問題が起きるのではないか。52 精神障害者に雇用義務制度を適用すべきだが
大企業を中心に多くの企業においては採用後精神障害者を算定することで法定雇用率のかなりの部分が達成されてしまい、新規雇用につながらないのではないか。53 採用後精神障害者の把握・確認に当たっては、まず、本人のプライバシーを守り、その不利益とならないシステムを構築することが必要。
雇用義務制度を適正に運用するためには、事業主等の理解を得る努力をう。
障害者のプライバシーや利益に留意して、本人を含めた関係者の同意の下で調査研究を行い、採用後精神障害者の実態を明らかにすることが必要ではないかという強い意見もあった。54 精神障害者も雇用義務制度の対象とする方向で取り組むことが適当。
そのために雇用支援施策の積極的な展開と拡充を図り、その実績を周知することにより、当事者を含む関係者の理解を十分得るとともに、対象とする精神障害者の把握・確認方法の確立や採用後精神障害者の実態把握等制度適用に必要な準備を的確に講じるべきであり、関係機関・組織の十分な連携の下に、そうした取組を始めるべきである。(雇用義務化の問題は今後、「障害者雇用問題検討会」に検討が引き継がれること、そして雇用施策については来年度の概算要求に反映させていく努力を厚生労働省が行っていくと伝えられています。注-サイト管理人)詳しくは→厚生労働省発表「精神障害者に対する雇用支援施策の充実強化について」
<毎日新聞2001年08月23日 >
重大事件を起こした精神障害者について政府・与党が検討している新法に反対する市民集会が23日、東京都内で開かれ、精神障害者や弁護士、国会議員ら約50人が参加した。精神障害者からは「普通の精神障害者は、大阪・池田の児童殺傷事件で社会の偏見にさらされているのに、誰も守ってくれない。そうした精神医療の貧困さを問題にせず、当事者の話も聞かずに新法をつくる動きを許してはいけない」などの声が相次いだ。
精神医療に詳しい池原毅和弁護士は「法務省統計でも、精神障害者の再犯率は一般の受刑者より大幅に低い。過去10年間に殺人を犯した精神障害者の8〜9割は前科・前歴がなく、政府が再犯を意識してつくる新法はほとんど意味がない」と指摘。そのうえで「新法で特別なルートをつくれば、それだけで『精神障害者は危ない』という偏見を国民に植え付ける結果になってしまう」と批判した。 【精神医療取材班】
情報はこちら→Mainichi INTERACTIVE
<asahi.com2001年8月24日>
重大な事件を起こした精神障害者の処遇で、治療にあたる精神科医の専門性を磨くため、厚生労働省は来年度、国立病院などの医師を海外の専門機関に派遣することを決めた。政府与党は来年の通常国会に、新しい処遇システムに関する法案を提出する方向で準備中だが、触法精神障害者に対する治療法を身につけた専門医は不足しているのが現実。国内では教育体制が不十分なため、人材養成を急ぐことにした。
- ・派遣先には海外の専門病院や医科大学などを想定。
- ・臨床精神科医10〜20人 程度を選考、半年から1年ほどの研修期間で、臨床的な治療技法を学んでもらう。厚労省は必要な経費を来年度予算の概算要求に盛り込む。
- ・政府与党の間では触法精神障害者を治療する専門病院・病棟が必要という点でおおむね合意ができ、裁判所が関与した処遇システムを新設する方向で議論が進行中。
- ・しかし、医療・司法関係者の多くは、こうした患者に対する治療技法が国内ではまだ確立していないとみている。
- ・全国の医大や医学部には司法精神医学の講座が一つもない。
- ・体系的な教育プログラムは乏しい。
- ・一方、司法が関与した処遇システムを持つ諸外国には、専門病院が研究機関を併設するなどして研修を行っている例もある。
- ・ 新しい処遇システムの骨格は固まっていない。研修生には当面、国内の精神医療の底上げ役になることが期待されている。帰国後は医師教育や臨床現場などで経験を生かしてもらう構想。
一部略、情報はこちらから→asahi.com home > 社会 > 速報
<Yomiuri-On-Line2001年8月23日>
厚生労働省の「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」(座長・岡上和雄精神障害者リハビリテーション学会長)は23日、企業に対し、全社員の一定割合以上の精神障害者の雇用を義務付けることを柱とした報告書をまとめた。
報告書は、障害者雇用促進法に基づき、企業に身体・知的障害者に限って全社員数の1・8%以上の雇用を義務付けている現行制度について、「精神障害者も対象とする方向で取り組むことが適当だ」と明記した。また、<1>精神障害者の職場への適応や、就職を支援する「ジョブコーチ」制度を全国で実施<2>精神障害者を短期間試用できる「障害者雇用機会創出事業」の拡充――なども盛り込んだ。
精神障害者の求職者は2000年度末で約9300人と、5年前の2・6倍に増えている。同研究会は99年7月から雇用と就労機会の拡大策を検討していた。
情報はこちら→Yomiuri-On-Line
関連:厚生労働省 <報道発表資料 2001年8月23日>
- 「精神障害者に対する雇用支援施策の充実強化について」
- 「精神障害者の雇用の促進等に関する研究会」報告
障害や病気がある人を一括りにした見方で、その排除を法律に明記してきた欠格条項は、1999年の政府方針「障害者に係る欠格条項の見直しについて」によって、2002年度末を期限に見直し作業が始まりました。
・・・障害者団体・関係団体をはじめとする活動の盛り上がりと世論の力があって、百年以上続いてきた差別偏見にもとづく法令の一部が変わりつつあるところです。やっと、”あかずの門”の重いカンヌキがはずれ、細いながらも道ができました。多くの人が門を通り、ともに歩き固めることで、メインストリートになります。「必要な支援を、個々人が権利として得て、学び、仕事をもち、働き続ける」ことができる道をつけましょう。・・・
今国会に至る山場で行動されてきた方々においでいただき、障害や立場の違いをこえて率直に話しあおうと、この企画を開催します。シンポジウムでは、今国会までの経過と成立法令に対する評価とともに、法令の実際運用の問題、教育や雇用における支援技術の開発と普及など、当面の課題とこれからの取組について議論します。ぜひご参加ください。
詳しくはこちら→http://www.butaman.ne.jp/~sakaue/restrict/010908BILL.htm
集会の案内
〜精神科医として法律家として市民として何ができるだろう〜
当協議会では、メンタルケアに関わる喫緊のテーマを取り上げて、幅広い方々の参加のもとで、カンファランスを行ってきております。前々回は「精神科におけるカルテ開示」を、そして前回は「精神障害者ケアマネジメント」を取り上げました。ここでの討議は、その後に、決して小さくはない影響を巻き起こしてきております。
来る9月30日に第4回カンファランスを開催します。今回は大阪の「池田小学校児童殺傷事件」を取り上げます。とても重いテーマですが避けて通れないことであり、意を決して取り組むことにしました。
池田小学校児童殺傷事件のような悲惨な事件を防止するためにはどうすれば良いか、精神科の診療所の医療、保健、福祉だけでなく、司法など、関連した業務に携わっておられる方々も交えて討議を行ってみたいと思います。
精神科の医療、保健、福祉の従事者に限定せず、関連を持っておられる各方面の方々に広く参加を呼びかけます。
<2001年8月22日>
全国「精神病」者集団会員 長野英子特別立法に反対する声明を出しましたが、与党および自民党のプロジェクトチームの議員に送ったところ、その一員である保岡氏より8月20日に電話がありました。
完璧にメモをとってはいませんしテープで録音したわけではないので、私の思い違いもあるかもしれません。それを前提での報告ですが、この間の「触法精神障害者対策」の本質がとてもよく出ている話だと思いますので報告させていただきます。
声明を読んだが問題であると思ったの説明したい、とのことで20分あまりも説明なさいましたが、彼が法相在任時代からこの問題で法務省厚生労働省が対立しているのを何とか連携させたいと、精神科医、弁護士、家族会、精神障害者当事者、犯罪被害者等の話を聞き勉強した。その上で法務省と厚生労働省のこの問題に関する合同検討会を発足させ主意書も自分が書いたとのこと。
彼が強調していたのは、
「精神医療全体の改善底上げとこの問題は車の両輪」
ここがまさに問題点だと私は考えます。昨年合同検討会の主意書を読んで私は震え上がりました。私の立場であれを読むと精神医療、保健、福祉、総体を「犯罪防止」に向け動員して行こうとしているとしか読めないのです。以下略、こちらへ →池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧
精神分裂病という病名は、精神の分裂という人格を否定するかのような響きがあり、偏見を助長しやすいと精神神経学会でも病名の呼称変更が検討されていました。「精神分裂病の呼称変更」について3つに絞られてきているようです。
日本精神神経学会 会員 各位
精神分裂病の呼称変更委員会
委員長 佐藤 光源
事務局長金 吉晴謹啓
先生方には日頃より当委員会の活動にご高配を賜りまして、有り難うございます。
当委員会では「精神分裂病」という用語の変更に取り組んで参りましたが、幸いに多くの皆様のご賛同を頂き、具体的な変更病名の決定作業に入っております。そこでこれまでの議論を検討の結果、視点の違う以下の3つを候補としてあげることになりました。
これらの候補につきまして、評議員全員に記名式のアンケートを行い、その意見を集約することといたしました。今回、その経緯をご報告申し上げるとともに、会員の皆様からの自由なご意見も受け付けたいと思います。
それとは別に、公聴会を通じての有識者からの意見、一般市民からの意見なども参考とする予定です。いうまでもなく、新病名は多数決などの単純な手続きで選ぶべきことは適当ではなく、寄せられた意見を踏まえた上で、年内に委員会として新病名を理事会に提案する予定としております。
会員の皆様には、引き続き、ご理解とご指導をお願い申し上げる次第です。疾名の候補
a.スキゾフレニア
b.クレペリン・ブロイラー症候群
C.統合失調症(付:反応)各候補の解説
a.スキゾフレニア
b.クレペリン・ブロイラー症候群ある疾患を命名するためには、概ね以下のような原則が考えられる。
- 1.原因 一酸化炭素中毒
2.中心症状・所見 白血病、
3.疾患のメカニズム 自己免疫疾患
4.侵される機能・臓器 感情障害、獲得性免疫不全
5.地名など ロッキー熱
6.人名 ハンセン病
7.記号 O157
上記について、
α その疾患の特徴を表し(記号の場合を除く)
β 他の疾患と区別できる
ような病名が求められる。疾患としてのschizophreniaには、1-3に関する定説がないので、これらに従った命名は出来ない。また4については、中枢神経の未知の変化のために思考、感情などの広汎な精神機能が侵されると考えられるが、そうした疾愚は多数あり、これに従った命名をすると、他の精神疾患との区別を表現できない。
したがって「地名・人名などへの置き換え」もしくは「記号化」が適当である。
その立場から、人名としてはKraepelin-Bleuler Syndromeが考えられる。また記号に代わるものとしては、原語の読みをカタカナ表記として、日本語としては意味を持たないスキゾフレニアとすることが考えられる。
Kraepelin-Bleuler Syndromeについては、上記の命名の原則に従っており、また病名を人名化することについてはハンセン病の前例もあり、受け入れられやすい。しかしながら、この疾患概念に功績のあった人名としてSchneiderもあり、人名の選択に議論の余地を残す。また、原語そのものの変更となってしまう。
スキゾフレニアについては、日本語として意味を持たないカタカナ表記にしたものであって、症状や原因などについての議論から中立的な用語となる。欧米圏の一般市民にとってもschizophreniaというラテン語は、直ちには意味の分からない記号のようなものである。欠点は、日本語としての意味がないので、その意味を問われた場合に「連想機能の分裂」という説明をせざるを得ず、そこでの説明が不適切だと、精神分裂病と同様の意味を持ってしまうおそれがある。c.統合失調症
schizoという原語の意味を「分裂」とは別の日本語に翻訳し、できるだけ中立的な語感を持つ語を採用して「統合失調」とした。−phreniaについては、従来の訳語でも「精神」の省略を認めているように省略可能であり、「精神」とつけることが人格全体の障害をあらわすようにとれるため、あえて省略した。「失調」は主にはataxiaの訳語として用いられているが、それ以外の用例も多く、他の医学用語と矛盾しない。語尾に「病」と「症」のどちらを採用するかということに関しては、schizophreniaの異種性を示唆する現代精神医学の多くの知見と、BleulerのGruppeder Schizophrenienという当初の構想を尊重して「症」とした。
これまでの「精神分裂病」のイメージを打ち消すためには、何らかの意味を伝える用語を作る方が有効と考えられる。意味を表現する用語のなかでは、この提案は基本的に翻訳の変更なので技術的な抵抗は少ない。他方で、病名が疾患の本質を表しているかのような含意が生じることは避けられない。ただし「精神の分裂」と比較すると「統合の失調」には、決定論的傾向や、病者の人格に対する否定的な響きは少ないと考えられる。付:統合失調反応について
「統合失調症」という翻訳に加え、従来の予後不良のイメージを払拭し、多くの症状が可逆的でエピソード的なものであるということを強調するために「統合失調反応」という呼称も提案された。この場合、翻訳としては原語にない概念を付加することになる。ただし、臨床上はこれまでの「分裂病反応」という言い回しがあったように、このような使用法も認める余地はあるものと思われる。ご意見は下記宛にお送り下さい。
〒113-O033 東京都文京区本郷5-25-18ウィングビル52内
日本精神神経学会事務局気付
精神分裂病の呼称変更委員会宛
FAX:03-3814-2992
E-mail:info@jspn.or.jp
明日の集会のご案内(も一度ご紹介)
意外な人物が顔を出すかも 行ける人はぜひ参加してね
日本は世界一の精神病床大国で35万人が入院しており、そのうち50%の人々が5年以上の長期入院となっています。こらは明らかに精神医療の構造的問題を示しているのです。この日本の現状を解決して行くためには、医療法のなかでの差別的基準をなくし、他科と同等の質を保障する精神医療を実現することが急務です。そして精神病院の情報公開や実効ある人権擁護システムの確立、安心してかかれる精神医療、地域精神保健施策等の充実を実現させなくてはなりません。
にもかかわらず、現在日本では、触法精神障害者に対して「新法」を作り、特定の精神病院を作り、そこに入院させる。退院のときに、司法を介在させることなどを盛り込もうとしている動きがあります。私たちはこのことについて「NO」といいます。
日時 8月23日(木)午後4時半から6時半
場所 衆議院第2議員会館 第1会議室
主催 NPO法人精神障害者ピアサポートセンター こらーるたとう
(TEL)03−3876−0170
共催 DPI日本会議
全国自立生活センター協議会(予定)
NPO法人ハートラインくれよんらいふ 地域福祉権利擁護事業
<毎日新聞2001年8月21日>
厚生労働省は、精神科救急医療の充実を図るため、全都道府県に24時間対応の電話相談窓口を設置する方針を固めた。自治体病院を中心に中核的な民間病院、精神保健福祉センターなどを対象に設け、患者・家族からの相談や入院先の確保などについて、医療スタッフが対応する。精神科医療では、夜間・休日の救急体制の不備が以前から大きな課題となっている。同省は、来年度からの実施を目指し、概算要求に盛り込む考えだ。
同省は精神障害者が夜間・休日など緊急時にも医療を受けられるようにするため、家族らの求めに応じて精神保健指定医・医療機関との連絡などを行う「精神科救急情報センター」制度を設けている。しかし、2月現在で、センターを設置しているのは青森、茨城、栃木、神奈川、新潟、兵庫、山口、福岡、沖縄の9県にとどまり、夜間・休日の対応も限られている。しかも、予算措置上、補助対象は精神保健福祉士1人分だけだ。
保健所や精神保健福祉センターでも患者や家族からの相談を受け付けているが、夜間・休日の対応は難しいのが現状。毎日新聞が精神障害者の家族に実施したアンケート調査でも、22%が「『空ベッドがない』と精神科救急の利用を拒否された」など緊急時にとりあってもらえなかった経験をしていた。
こうした現状に対して同省は「臨床の知識や経験が豊富な医療機関などで、適切に対処できる窓口が必要」と判断し、医療従事者ら複数スタッフが24時間常駐する窓口の設置に踏み切る方針を固めた。 【精神医療取材班】
情報はこちら→Mainichi INTERACTIVE
<毎日新聞2001年8月20日>
重大犯罪を犯した精神障害者の処遇について、日本弁護士連合会の刑事法制委員会は19日、不起訴や無罪になった精神障害者を強制入院・退院させる判断を行う「措置入院審査会」(仮称)の設置を提言することを決めた。一方、政府や与党で検討されている裁判官の関与については、反対していくという。
情報はこちら→Yahoo! News
日精協の特別立法推進路線と他の団体との対立がますます鮮明になってきています。政府の特別立法案は10月にはほぼ固まるだろうとの予測が聞かれます。それまでが焦点となりそうです。
- 2001年8月2日 重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇に関する新たな法制度について
- 会長アピール −協会誌巻頭言- 8月15日 司法精神医療に関する立法化は国民的課題
- 2001年8月17日 重大な犯罪を起こした精神障害者の新たな施策に関する声明書
- 精神科七者懇談会マイナス日精協:国立精神療養所院長協議会・精神医学講座担当者会議・全国自治体病院協議会・日本精神神経科診療所協会・日本精神神経学会・日本総合病院精神医学会
<毎日新聞2001年8月21日>
精神医療の適正化を図るため設置されている精神医療審査会の機能不全が指摘されている問題で、全国に59ある審査会の医療委員のうち65%が民間医療機関の医師で占められていることが、毎日新聞の調べで分かった。70%以上の審査会も21あり、このうち8団体は過去3年間に患者の処遇を改善したケースはゼロだった。旧厚生省の研究班も人権擁護の観点から“民間偏重”は好ましくないと指摘し、関係者からも「チェック機能に疑義を持たれる」と改善を求める声が出ている。 【精神医療取材班】
毎日新聞は全都道府県と政令指定都市に設置されている計59の精神医療審査会(医療、法律家、有識者の各委員で構成)に、今年度の医療委員の内訳を尋ねた。
山形、福島、埼玉、岐阜、鳥取、徳島、大分の各県と横浜、川崎両市の9審査会では、医療委員の中で、私立大学病院を除く民間の病院やクリニックの医師が占める割合が8割以上だった。秋田、長野、茨城、千葉、山梨、静岡、滋賀、島根、愛媛の各県と京都、神戸、広島各市は7割以上。大半が民間病院の院長・副院長だった。
医療委の中で民間出身者が7割以上を占める21審査会のうち、98〜00年度に退院請求を認めるなど患者の処遇を改善したケースが1件もなかったのは、秋田、山形、福島、茨城、滋賀、鳥取、愛媛の各県と神戸市。これらの審査会の事務局は「国の通知に従い、適正に審査している。民間の医療委員の比率が高いことと、改善がないことは無関係」と説明している。
しかし、旧厚生省の「精神医療審査会の機能評価に関する研究班」は97年、医療委員の過半数が民間病院院長で構成される審査会が多くあることについて、「患者の市民権擁護という点にかんがみ、不適切と言わざるをえない」と指摘している。
同研究班のメンバーの永野貫太郎弁護士(第二東京弁護士会)は「日本の精神病院は大半が民間病院であるため、民間病院の院長や副院長の割合が必然的に高くなっている。しかし、地元の精神病院協会の会合などで頻繁に顔を合わせている医師らがお互いの入院患者の訴えをチェックすることには、問題が多い。民間病院の出身者を少なくし、精神保健福祉士など新たな専門家を委員に加えるよう、国のマニュアルを見直すべきだ」と話している。
詳しくはこちら→Mainichi INTERACTIVE 表示されないときはこちら→Yahoo! News
<読売2001年8月21日火曜日>
21日午前7時40分ごろ、神戸市東灘区の市営住宅に住む無職女性(32)から、「母親を殺した」と110番があった。東灘署員が駆けつけたところ、女性の母親(65)が頭から血を流して死亡し、近くに凶器とみられる血の付いた金属バットがあった。同署は殺人事件として捜査。女性から事情を聴いている。
調べによると、女性は母親と2人暮らしで、精神科に入院歴があるという。
詳しくはこちら→Yomiuri-On-Line
<2001年8月20日>
全国「精神病」者集団会員 長野英子☆当事者抜きの議論は誤り
まず確認しておきたいことは、今回のいわゆる「触法精神障害者問題」が当事者抜きで議論され続けてきているということである。私自身は障害年金2級を受給中の精神障害者ではあるが、「重大な犯罪を犯した精神障害者」ではない。その意味で私も当事者ではない。いま肝心の当事者を排除した形で論議が進められ、結論さえ出されようとしている、この誤りをまず確認してほしい。
そうである以上特別立法に反対するのみならず、いかなる対案提起もなされるべきでないことを私は主張する。当事者抜きの議論は直ちに中止されるべきである。
しかしながら特別立法は私たち精神障害者全体への差別であり攻撃であるという側面があることと、沈黙のまま特別立法を認めるわけにいかないという緊急性ゆえ、非原則的ながらやむをえず以下批判点を述べる。(以下略)
- ☆保安処分としての特別立法
- ☆一生出られない特別病棟の新設
- ☆「触法精神障害者」という用語は医療の用語ではない
- ☆今なぜ「触法精神障害者」対策か?
- ☆国家の犯罪こそまず問われなければならない。
以下こちらのページへ →池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧
→声明:全国「精神病」者集団会員 長野英子
【資料】各都道府県・指定都市の移送制度の現状
1.移送制度導入状況(平成13年4月末現在)
2.移送実績(平成13年4月末現在)
■移送実績と応急入院指定病院状況(平成13年4月末現在)
精神病院の入院患者からの退院請求などを審査する全国の「精神医療審査会」で、審査の結果、入院形態や院内での処遇が改善されたケースが98〜00年度の3年間に一件もない審査会が18に上っていることが、毎日新聞の調べで分かった。一方で、74件も改善させた審査会もあった。患者の訴えが認められる機会に大きな地域格差があることについて、厚生労働省も実態調査に乗り出した。
毎日新聞が全都道府県と政令市の計59カ所に設置されている精神医療審査会に、3年間の審査実績を尋ねた。措置入院や医療保護入院となっている患者からの退院・処遇改善請求は3890件。入院患者の定期病状報告などの書類審査の件数は48万5131件。このうち何らかの改善があったのは277件だった。
審査の結果、退院が認められたり、措置入院が医療保護入院に移行するなどの改善が一件もなかったのは北海道、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、富山県、福井県、茨城県、群馬県、滋賀県、鳥取県、愛媛県、宮崎県、沖縄県と、札幌市、神戸市、北九州市。
一方、改善が最も多かったのは
審査件数一万件当たりに換算した改善数でも
改善がゼロだった審査会の事務局はいずれも「国の通知通り、適正に審査しており、ゼロだからといって活動が不十分とは考えない」と説明する。また、「退院命令などに至らなくても、審査の過程で病院を指導し、改善させているケースもある」(札幌市、新潟県)という審査会もある。
改善件数が最も多い福岡県では、93年から精神医療施設内に入院中であれば誰でも無料で弁護士にアクセスできる「当番弁護士制度」を実施している。このため、3年間の退院・処遇改善審査件数(286件)が大阪府(408件)に次いで多く、患者が権利を行使する機会が保障されていることが、審査会の活性化を促す一因になっている。
厚生労働省の精神医療審査会の適正化に関する研究班メンバーで千葉県精神科医療センターの平田豊明診療部長は「3年間で改善がゼロの審査会は活動が活発でないと言わざるを得ない。審査会は制度的な問題が多く、各審査会の機能をチェックするシステムが早急に求められる」と話している。
【精神医療取材班】
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精神病院に入院中の患者から退院請求などがあった際に入院の必要性を判断する精神医療審査会で、委員の裁判官や弁護士らが最近5年間に病院に出向いて患者に面接したのは審査件数の約1割だったことが6日、毎日新聞の調査で分かった。17県は法律家委員が一度も面接していなかった。重大犯罪を起こした精神障害者の入退院に司法が関与する新制度が検討されているが、まず現行制度下でのチェック機能強化が必要といえそうだ。
審査会は87年以降、精神保健福祉法に基づき各都道府県と政令指定都市に設置された。精神科医3人と法律家、有識者各1人で構成し、措置入院や医療保護入院した患者の退院請求を審査。不当入院と判断すれば、知事に報告し退院させる。
毎日新聞は47都道府県と12政令市の96〜00年度と01年度(4〜6月)の退院請求数と法律家委員(判事、検事、弁護士、大学教授)が病院で面接調査した件数を調べ、沖縄、福岡県を除き回答を得た。退院請求の総数は5219件で、うち法律家委員が病院で患者に直接面接したケースは647件(約12%)。一度も直接面接していないのは岩手、山形、茨城、群馬、埼玉、神奈川、新潟、富山、愛知、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、愛媛、徳島、高知、大分の各県。大部分の自治体は「要職のために多忙で、日程調整がつかない」を理由に挙げた。
厚生労働省は00年にマニュアルを改定し、精神科医以外の委員も1人以上は病院を訪ね、治療や処遇の実態をつかむよう指導している。しかし、「医師も行かず、事務局の職員が代行することもある」(岩手県)「『医師1人以上』という以前のマニュアルを続けている」(神奈川県)などの自治体もある。一方、宮崎県では51件の請求すべてに弁護士が出向き、京都市では「精神医療や人権問題に詳しい法学部教授が積極的に面接している」という。
精神医療に詳しい八尋光秀弁護士(福岡県弁護士会)は「人権にかかわる機関なのに、法律家が患者の置かれた状況も知らずに判断するのはおかしい」と批判している。
【精神医療取材班】
[毎日新聞7月7日] ( 2001-07-07-03:01 )
8月18日(土)ごご1時〜4時、森の宮(アピオ大阪)にて
「いま、精神医療と社会の関係で変革すべきは?」のタイトルで大阪精神障害者連絡会(ぼちぼちクラブ)主催(06−6973−1287)
パネルディスカッションをひらきます。
パネラー 富田三樹生さん(法と精神医療委員会)
位田 浩 さん(大阪弁護士会、 高齢者障害者総合支援センター)
山本深雪 (大阪精神医療人権センター)
コーディネィター 塚本正治 (ぼちぼちクラブ)
参加費(資料代-500円、非会員のみ)8月19日(日)ごご1時〜4時、森の宮、アピオ大阪(06−6941-6331)にて
「権利擁護の仕組み」
NPO大阪精神医療人権センター主催 06−6313−0056 (TEL)
講師・大槻和夫さん(大阪弁護士会、ひまわり精神保健部会)
誰でも参加OK、資料代-500円
以上のお知らせ。昨日の毎日新聞・今日の読売新聞関西版にのっています。
森の宮は、大阪の北からこられる方は、JR環状線の「森の宮駅」下車、歩いて5分です。駅員さんにたずねていただいたら、教えてくれます。後日、資料の送付など欲しい方は、主催団体へご連絡下さい。
長帳場であることは、わかっているのですが、いま、いいたい事が、たくさんあり、会合への注目度も高い状況です。
地域や病棟でしんどい厳しい環境にあるからこそ、よけいに、わたしたちでできることを、発信していきたいと願っています。
無理のない範囲で、力がでるかなとおもわれる方は、ご参加下さい。交流しましょう。
NPO大阪精神医療人権センターより
平成13年8月7日に七者懇談会「法とシステム問題委員会」が行なわれ、新たな声明が公表されました。問題の整理がかなりすすみ、必要な政策の方向性が示されていると思います。
この声明が公表された直後、日精協(日本精神病院協会)が7者懇声明から抜けると表明したようです。その事情については下の記事日精協が「司法精神医療裁判所」新設などの立法措置提案をみて下さい。
2001年8月17日
重大な犯罪を起こした精神障害者の新たな施策に関する声明書 精神科七者懇談会
国立精神療養所院長協議会
会 長 白倉克之
精神医学講座担当者会議
代表世話人 山内俊雄
全国自治体病院協議会
会 長 小山田惠
日本精神神経科診療所協会
会 長 三浦勇夫
日本精神神経学会
理事長 佐藤光源
日本総合病院精神医学会
理事長 黒澤 尚本年6月8日、大阪府池田市で発生した児童殺傷事件を契機に、いわゆる「重大な犯罪を起こした精神障害者」の新たな処遇制度の導入ついての検討が急速に進んでいる。
私たちは、この問題に関連して本年6月29日に緊急声明を公表し、わが国の司法と医療の関係のあり方にかかわる制度的・構造的問題点を実証的なデータに基づいて検討する必要性を指摘したところである。新らたな処遇制度導入の最近の急速な動きを憂慮し、あらためて以下の声明を行うものである。記 1)現在進められている論議は、主として「重大な違法行為を犯し、責任能力がないために不起訴ないし無罪になった精神障害者」の処遇のあり方という 限定された問題にのみ焦点を当てて、新たな制度を導入しようとするものである。しかし、過去に重大な犯罪を起こした精神障害者がさらに精神障害による犯罪を起こすことは極めて少数を占めるにすぎない。問題の抜本的な解決は、そのようなまれな事例に対する施策のみでは得られるものではない。むしろ、以下のような対策がより重要である。
2)現在、関係者の間でもっとも問題とされているのは、罪を犯した精神障害者の大部分が不起訴処分となることによって、裁判を受けずに措置入院等となる現行の起訴便宜主義である。不起訴要件の明確化、司法精神鑑定のガイドラインの策定、司法関係者の精神医学的教育を図り、精神障害者の裁判を受ける権利にも配慮する必要がある。また、医療を提供しつつ刑事責任能力を評価する制度、被疑者の状態に応じて医療から司法へ処遇を移す弾力的な制度運用、矯正施設内での適正な精神科医療の確保などが具体化されるべきである。3)真に有効な施策を実現するためには、同時に、精神医療と司法の間に存在する制度的・構造的欠陥と運用実態の実証的な調査を、期間を限って、実施する必要がある。とりわけ、精神障害者の責任能力判定の実情、判定後の医療施設と矯正施設内での医療や処遇の実態などを、詳細に調査し公開することが求められる。
4) 精神障害による犯罪は、被害者はもちろん加害者にとっても極めて不幸な事態である。この不幸な事態は、重大な犯罪を起こした精神障害者の対応策のみによって解決されるものではない。真の解決は、誰でも、いつでも、安心して利用できる精神医療提供体制を併せて創出することによってはじめてなされる。政府は早急に精神医療改善長期計画を策定する方針を明らかにすべきである。
この件についての問い合わせは
七者懇談会幹事団体の精神病院特別部会長:伊藤哲寛(北海道立緑ケ丘病院長 電話0155-42-3377)
七者懇談会「法とシステム問題委員会」 : 森山公夫委員長(陽和病院院長 電話03-3923-0221)
ある医療情報から次のことが伝えられていました。これは「司法精神医療研を新設 新法試案審判所が入院判断」という与党3党の新法案に極めて近い内容でした。このタイアップから7者懇の声明に不参加という事態が起きているのでしょう。
8月2日、日本精神病院協会は会見をおこない、「重大な犯罪を起こした精神障害者」関して、「司法精神医療裁判所(仮称)」「司法精神医療病棟(仮称)」の新設などを柱とした新たな立法措置を求めることを理事会で決定したと発表したようだ。仙波会長は立法化を積極的に求めていく姿勢を示したと伝えられる。
触法患者の処遇に医療と司法、双方が関わるシステムの構築を求め、日精協では、近く、厚生労働省や法務省など関係官庁のほか、攻府・与党などに提案する方針という。
新たな法制度の柱は、
(1) 司法精神医療裁判所(仮称)の新設
(2) 司法精神医療病棟(仮称)の新設
(3) 退院後の保護観察制度の導入
(4) 司法精神医療研究所(仮称)の設立現行の精神保健福祉法では解釈できないため、新たな立法措置を求める。
(1) 司法精神医療裁判所(仮称)
犯罪の種類や程度、犯罪歴に加え医療的判断も含めて司法判断を行う機関。不起訴や無罪が確定した触法患者について、検察官が裁判を申し立てたのを受け、入退院の決定や治療施設の指定、入院治療の必要性、退院後の治療や保護観察の決定・解除を行う。裁判官のほか精神科医などが評議に加わる。裁判所が所管し、評議員は最高裁判所長官が任命。精神保健福祉法に基づいて設置されている精神医療審査会とは別に、都道府県に設置する。
(2) 司法精神医療病棟(仮称)
同裁判所(仮称)の判断を受けて専門的な入院治療を行う。
原則、国立病院に併設し、現在の「任意入院」や「措置入院」とは別の「司法入院(仮称)」の形態で入院させる。
10〜30床程度の小規模な病棟を想定。日精協では「あくまで社会復帰を目的とするための施設」(仙波会長)で、収容施設にならない位置づけとしている。(3) 退院後の保護観察制度の導入
現行では医師が患者に通院を強制することはできないため、退院後の通院の義務づけや保護観察制度の導入も求める。この決定や解除にも司法精神医療裁判所(仮称)が関わる。
(4) 司法精神医療研究所(仮称)の設立
こうした精神障害者の治療や社会復帰に関する研究を進めたり、専門家を育成するための研修を行う司法精神医療研究所(仮称)の設立も求めた。
<毎日新聞朝刊2001年08月17日 >
精神病院の入院患者からの退院や処遇改善の請求を審査するため、全都道府県と政令指定都市に設置される「精神医療審査会」の半数が、厚生労働省の通知を守らず、請求から審査終了までに平均1カ月以上かけていることが、毎日新聞の調査で分かった。国は審査会を「人権擁護の礎」としているが、体制の不備で訴えが「たなざらし」となり、不当な入院・拘束を防ぐ機能が十分発揮されていない実態が明らかになった。厚労省も近く現状把握に乗り出す。
精神保健福祉法に基づく同省の部長通知(審査会運営マニュアル)は「知事(政令市市長)は請求を受理してからおおむね1カ月、やむを得ない事情がある場合もおおむね3カ月以内に、請求者に対し、審査結果・理由の要旨を通知するよう努める」と定めている。「3カ月」は例外的なケースに限定されている。
しかし、全47都道府県、12政令市に対し、00年度1年間で請求を受理し審査結果を通知するまでに費やした日数の平均を尋ねたところ、1カ月(31日)以内でマニュアルを順守していたのは29審査会にとどまっていた。
最長は大阪府の93日で、三重(82日)▽埼玉(66日)▽東京、愛知(55日)がワースト5位に並び、9位までが50日以上を要していた。全体の平均(35・2日)も規定をオーバーしていた。
各審査会は委員5人で構成する合議体を1〜4設けているが、昨年度1年間に一つの合議体を毎月1回の割合で開催した審査会は19にとどまった。滋賀では年3回、秋田、長野、三重、和歌山は4回しか開催せず、滋賀、長野、和歌山では、退院が認められたり入院が強制から任意に変わるなどの改善が図られた昨年度のケースはゼロだった。
旧総務庁は95年12月、「隔月で審査しているために審査開始まで2カ月を要しているものもある」と指摘し、迅速化を勧告。厚労省も昨年春、委員定数をなくし合議体を増やせるようマニュアルを改定したが、その後に委員数を増やしたのは19、このうち合議体そのものを増やしたのは10審査会だけだった。
山崎俊雄・全国精神医療審査会連絡協議会長(東京・山崎病院理事長)の話 審査会が機能を十分発揮すれば、精神医療の質は向上する。政府・与党は重大事件を起こした精神障害者を対象にした新法を検討しているが、医療や施策の基礎ができていない上に新たな制度を作って乗せても、成果が上がるとは思えない。 【精神医療取材班】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
半数の精神医療審査会が国の通知を守らず審査を長期化させている問題で、審査会の事務局を担当する各自治体は機能不全を放置したままの弁解として財政事情などを挙げ、審査業務の“押し付け合い”も起きている。その一方で、待たされる患者は精神状態を悪化させるなど深刻な事態に追い込まれている。看護助手らにリンチを受けた患者が死亡した宇都宮病院事件(84年)を教訓にして設けられた同審査会の現状は、精神医療の貧困さを象徴している。
マニュアルを超えた審査日数を費やしている各審査会の担当者は「委員の日程調整が難しい」「財政難で、委員や合議体の数を増やせない」などの理由を挙げている。さらに複数の審査会は「『やむを得ない場合は3カ月以内』とも書いてある」と抗弁するが、厚生労働省は「『3カ月』は、家族が遠方にいて意見書を取るのに時間がかかるなど、極めて例外的な場合で、平均が3カ月では話にならない。看過できない実態だ。よく調査し、適正さを欠く自治体があれば改善を指導する」と話す。
審査件数が突出して多い東京都と大阪府は今年度、合議体をそれぞれ一つずつ増やして四つにしたが、それでも対応しきれないという。東京都の担当者は「上に『もっと増やすべきだ』と訴えているが、財政難でとても望めない」と嘆く。
しかし、広島県と広島市は昨年度、合議体を一つずつ増やして県内の総数は八つとなり、政令市が二つある福岡県内と並び全国で最も多い。広島市の担当者は「委員5人の報酬が増え運営費が45万円アップしただけで、要は姿勢の問題。合議体の数を増やすことが不当な医療への抑止力になるはず」と指摘、広島県も「運営費は約80万円増えたが、きちんとした審査のためには合議体増が不可欠。厳しい予算の中、財政当局も理解してくれた」と話している。
精神科病床の約98%が大阪市以外にある大阪府は、審査件数の「格差」をめぐり、府と市の押し付け合いが露呈している。合議体数は府が4、市は2だが、昨年度の府の審査件数は市の75倍に上る。「市外に入院していても大阪市在住の患者は市の審査会でも審査できるようにしてはどうか」と今年度から協議を始めた。府の担当者は「厚労省も『話し合いがつけばいい』と認めてくれている。請求の3割は市内在住者からで、うちが合議体や委員を増やすのは予算上、難しい」。一方、市側は「正式な話にはなっていない」と態度を硬くしている。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 強制入院を続ける患者にとって、審査会への期待と、現状への絶望感は大きい。97年に福岡県で警察官を殺害した男性は、6年半の措置入院中に何度も退院請求をしたが認められず、絶望的な精神状態から「強い警察官を殺せば苦痛を軽減できる」と信じ込んで犯行に至った。刑事弁護を担当した八尋光秀弁護士は「重症患者が退院請求をするというのは、社会復帰への大きな一歩。その芽を摘み取ってしまっているのが、今の審査会」と指摘する。
審査請求のサポートを続ける大阪精神医療人権センターの山本深雪事務局長は「時間がかかりすぎるため、病院内のプレッシャーに耐えかねて請求を取り下げたり、退院のめどが立たずに自殺しようとした患者もいる。財政難を言い訳にする行政には、審査会に人の命がかかっているという自覚がない」と話している。
【精神医療取材班】
大阪府は、「予算がないためできない」「委員数は20人に増やしたが、申請件数が全国で一番多いから、(一人の申請につき)平均90日かかる」といいます。今年4月の精神保健福祉法の改定までは精神医療審査会は5人以上15人までとの制限がありました。大阪府は、人権センターの病院訪問や医療人権部会で採択された、入院中の精神障害者の権利に関する宣言などにつながる取り組みなどの成果もあり、退院請求、処遇改善請求が日本で一番多くなっています。ところが、他の都道府県では、退院請求自体がほとんどゼロに近いところもあります。これは、審査会の活動の不活発だけでなく、病棟内に、審査会への請求権などが表示されているのか、入院時に権利告知がされているのか事態が疑問です。全国精労協の厚生労働省交渉では、閉鎖病棟に公衆電話が設置されていない病棟がいまだ、6%もある(関西は0%)こと自体が、精神保健法違反であると追求しています。全国精労協では秋に中間交渉をもって追求していく事を検討しています。
Yomiuri-On-Line 特集 児童殺傷事件 連載
<2001年8月6〜10日 読売朝刊2社面>
大阪教育大付属池田小の児童八人が刺殺された事件で、宅間守容疑者(37)は刑事責任能力を調べるため鑑定留置されている。社会の「安全神話」を揺るがした事件は、刑事司法と精神医療のほころびを露呈させた。政府も措置入院制度の改正指針案をまとめるなど、法制度の見直しが進められている。触法精神障害者をめぐる「法」と「医」のはざまを検証する。
1.起訴便宜主義 <2001/08/6>
- 精神障害“密室の処分”
六月八日午前十時二十分。男は東門に車を乗り付けると、緑色のビニール袋を提げ、校舎に向かって歩き出した。すぐに小さな制服姿の子供たちの姿が、教室の窓越しに見えた。「低学年だな、と思って教室に入ると、たまたま正面に立っていた女の子が、キョトンとした表情で私を見上げていた。袋から包丁を出し、右手に構えた」(宅間容疑者の供述)凶刃はそんな幼い命を次々に襲った。当初、意味不明の供述をした宅間容疑者は、調べに対し「罪を免れるために重い精神障害を装った」と認めた。
一九九九年三月、小学校の技能員だった宅間容疑者は、精神安定剤入りの茶を四人の教諭に飲ませ、傷害容疑で逮捕された。
神戸地検伊丹支部は簡易鑑定をしたが、その診断結果は「情緒不安定」。本来、起訴できる症状だが、宅間容疑者に精神分裂病の診断歴もあったことから、鑑定医は迷った末に刑事責任能力について判定を「保留」としたという。検察は、不起訴を決め、宅間容疑者に措置入院のための診断を受けさせた結果、今度は「精神分裂病の疑い」とされ、入院した。検察幹部は「公判維持が難しいと判断したため」としか明かさない。一方で、「公判で、弁護側から犯行時の精神状態が追及されると思うと、判定が『保留』では起訴にちゅうちょする」と漏らす検察官もいる。
検察官は、犯罪が明白でも様々な事情を考慮して起訴しないことが許される「起訴便宜主義」を採る。起訴、不起訴の判断は、検察官の裁量に任されている。
そして、刑法三九条。心神喪失者は刑罰を免れ、心神耗弱者は刑が減軽される。犯罪白書によると、九九年までの五年間に、心神喪失か心神耗弱と判断されて不起訴処分となった者は三千二百四十人に上る。だが、心神喪失を理由に一審判決で無罪となったのはわずか十二人だけだ。犯行の動機や状況を細部まで詰め、有罪率99%を誇る「精密司法」の裏側には、「無罪の可能性のある事件」は起訴を見送った事情が隠されている。
不起訴になった宅間容疑者は以降、「何をやっても無罪」とうそぶき始める。通院先の医師は「事件後、病気を言い訳に使うようになった。罪を不問とされたことで、反社会的行動をエスカレートさせたのではないか」と、捜査員に説明したという。
- 検察判断「安易」と批判も
「安易」と批判されがちな精神障害者に対する刑事処分の判断は、時として、検察官の「二重基準」として弁護士や精神科医からも批判を浴びる。「起訴前に『心神喪失』と診断されたら不起訴。公判中にそう鑑定されたら無罪にならないよう徹底的に争う」「同じ容疑者であっても、軽い罪なら不起訴、重罪は起訴」
全国二百十七万人とされる精神障害者。健常者と比べ触法比率は半分以下、ほとんどは犯罪と無関係だ。
「たとえ罪を犯しても、心神喪失とされるのは全人格を否定されたに等しい。犯罪は起 訴すべき」と、大阪精神医療人権センターの山本深雪事務局長は訴える。検察の不起訴処分は、「裁判を受ける権利」すら奪うことにもつながる。
元福岡高検検事長の細谷明氏も「治安への不安が広がるなか、労力と時間をかけて判決を仰ぐ方が、被告の自覚、反省を促し、裁判自体が再犯抑止効果を持つのではないか。精密司法だからこそ、精神障害者の刑事責任能力についても、より精密な判断が求められている」と話す。
<密室>での起訴便宜主義にも、厳しい視線が注がれ始めている。
2.簡易鑑定 <2001/08/7>
- はらむ誤診の恐れ
- 1容疑者に平均2時間
- 医師の能力問われる
3.措置入院 <2001/08/8>
- 再犯防止 医師に重圧
- 重大事件の患者対応も悩み
4.地域ケア <2001/08/9>
- 退院後 孤立防ぐ機関を
- 病院・保健所はスタッフ不足
5.処遇論議 <2001/08/10>
- 入退院 司法関与の流れ
記事の全文はこちらから→http://osaka.yomiuri.co.jp/in_event/ind_jidou.htm
日本は世界一の精神病床大国で35万人が入院しており、そのうち50%の人々が5年以上の長期入院となっています。こらは明らかに精神医療の構造的問題を示しているのです。この日本の現状を解決して行くためには、医療法のなかでの差別的基準をなくし、他科と同等の質を保障する精神医療を実現することが急務です。そして精神病院の情報公開や実効ある人権擁護システムの確立、安心してかかれる精神医療、地域精神保健施策等の充実を実現させなくてはなりません。
にもかかわらず、現在日本では、触法精神障害者に対して「新法」を作り、特定の精神病院を作り、そこに入院させる。退院のときに、司法を介在させることなどを盛り込もうとしている動きがあります。私たちはこのことについて「NO」といいます。
日時 8月23日(木)午後4時半から6時半
場所 衆議院第2議員会館 第1会議室
主催 NPO法人精神障害者ピアサポートセンター こらーるたとう
(TEL)03−3876−0170
共催 DPI日本会議
全国自立生活センター協議会(予定)
NPO法人ハートラインくれよんらいふ 地域福祉権利擁護事業
<2001年8月9日 読売朝刊2社面>日本の精神医療は、他の医療に比べ貧しいと言われてきた。根底には慢性的なスタッフ不足がある。医療法の定める精神病院の最低基準は、入院患者四十八人に医師一人以上。一般病院(患者十六人に医師一人以上)の三倍の負担だ。看護職員の負担も約一・五倍。患者一人の治療に投入される医療費も一般の六割しかない。
「深夜まで体力勝負の勤務。毎日が綱渡りですよ」。県立岡山病院(岡山市)の中島豊爾院長は悲鳴を上げる。入院患者は「措置入院」の九人を含め約二百人。夜間・休日は県内の精神科救急患者の八割を引き受け、外来は一日平均約二百人に上る。これに対し医師は精神科七人、内科一人。地域の基幹を担う同病院でさえ、外来患者を含めると最低基準を割っている。「重大事件を起こした患者でも、薬で急性症状は収まる。あとは休息と、不安や混乱の引き金を探って心をいやすことだが、時間が取れない」と中島院長。
同病院では二十年以上前から、単身患者の退院先の確保を進めてきた。過去のトラブルが原因で家族のもとへ戻れない人も多い。今では民間アパートに百二人、病院家族会が運営するグループホーム(共同住居)に十三人が住む。
外来やデイケアに来ない人がいれば、必ず様子を確認する。「死にたい」といった電話が入ると、親しいスタッフが夜中でも自宅から飛んでいく。こうした活動に診療点数はつかないし、力を注ぐほど院内の体制は揺らぐ。それでも手を抜かないのは、自殺や他害行為の最大の原因が「孤立」にあると考えるからだ。◎
西日本にある精神障害者のための地域生活支援センター。男性(56)は仲間のたまり場に毎日顔を出す。若いころ、妄想から身近な人を死なせた。心神喪失で不起訴となり、措置入院は約二十年に及んだ。妄想や幻聴はとうに消え、「自由がほしい」と訴えた。
ただ、病気の自覚が乏しい。数年前に退院する際、主治医は定期的な外来受診とセンターに通うことの二つの約束を求めた。センターで話し相手ができた男性の症状は安定し、通院を欠かすこともない。
「病気でも突然、事件を起こすことはない。ストレスや生活上の困難が高じて服薬中断や病状悪化を招く。眠れない、イライラするなど調子が悪そうだと周囲の人から連絡が入る。いつも顔色を見て支えてくれる人の存在が何よりも大切だ」と主治医。
◎
宅間守容疑者(37)は過去、精神科病院やカウンセリング機関に「性格を直したい」と何度も助けを求めていた。しかし外来受診は断続的。だれとも信頼関係を築けないまま孤立を深め、自暴自棄の凶行に及んだ。 地域ケアを担う機関としては保健所がある。だが、精神保健相談員や保健婦は数が少なく、他の業務との掛け持ちも多い。
「それに保健所は夕方五時を過ぎると動かない。結局、つながりから漏れた人を含めて責任を持つ機関がどこにもない」と、東京精神医療人権センターの小林信子さんは指摘する。
「二十四時間の相談窓口、仲間づくりの場、そして孤立する人が出ないよう、ソーシャルワーカーやボランティアを中心に積極的に動くスタッフを備えた新たな組織が、地域ごとに必要だ」
<2001年8月3日 東京読売夕刊>
◆「長期」改善へ受け皿を
患者本人の同意がなくても強制的に精神病院に入院させる「措置入院」。精神医療の中で、措置入院はどう位置づけられるべきなのか、幸子さん(21)と健一さん(17)が学んだ。
《この人に聞きました》
浅井 邦彦氏 医療法人静和会浅井病院理事長、日本精神神経学会理事。旧厚生省の「精神科医療における行動制限の最小化に関する研究」の主任研究員を務めた。60歳。幸子 措置入院の措置って、行政が行う処分のことですよね。
浅井 「自傷他害のおそれ」、つまり、自分を傷つけたり、他人の生命や財産などに害を与えたりする「おそれ」が明らかな患者さんを、都道府 県知事の命令で入院させるものです。精神保健福祉法に基づくものですが、患者さんが必要な治療を受けて社会復帰するのを支援する、と 度の趣旨を忘れてはいけません。
(中略)
幸子 症状が改善すれば退院できますね。
浅井 「自傷他害のおそれ」がなくなれば、ただちに措置を解除しなくてはいけません。急性症状はきちんと治療すれば、大体3か月で治まります。指定医である主治医が病状や日ごろの様子から判断します。
(以下略)
詳しくは→Yomiuri-On-Line か・ら・だ/け・あ 安心の設計
○与党プロジェクトチーム- 持永和見議員(衆・自民)、山本幸三議員(衆・自民)、佐藤剛男(衆・自民)、漆原良夫議員(衆・公明)、山下栄一議員(参・公明)、福島豊議員(衆・公明)、小池百合子議員(衆・保守)、松浪健四郎(衆・保守)
- ○自由民主党プロジェクトチーム
- (衆議院)熊代昭彦議員、津島雄二議員、長勢甚遠議員、保岡興治議員、塩崎泰久議員、八代英太議員、石破茂議員(参議院)佐々木知子議員
参照→日本障害者協議会JD →地域医療の充実などを求め、与党及び自民党PTに緊急要望行う
<2001年8月13日→9月12日改訂>
先日、<毎日新聞2001年8月11日>で紹介しましたが、その後管理人Aのもとに、数人の精神医療関係者やマスコミ関係者から情報が寄せられました。その内容を紹介します。
<宗教団体によって結成された「市民の人権擁護の会」>
「市民の人権擁護の会」Citizens Commission of Human Rightsはチャーチオブサイエントロジーというアメリカの新興宗教団体によって結成された組織です。
チャーチオブサイエントロジー、「市民の人権擁護の会」の本部はロサンジェルスにあります。<サイエントロジーという宗教団体について>
サイエントロジーという宗教団体については上のリンクを参照して下さい。
以前よせられた情報から「イギリスでは”気”をはかる器具を販売」「また精神医療ユーザーに、財産や土地を強制的に寄進させるなどの問題でよく新聞に取り上げられていたといいます」とこのページで紹介していました。サイエントロジー広報担当および、「市民の人権擁護の会」代表世話役より同時に反論がありました。管理人Aはその新聞を読んでいたわけではないので直接確認できません。以下サイエントロジーより「正確でない記載に対する正確な情報をファックスにて送付させていただきます」と送られてきた文章を紹介します。『サイエントロジーでは、Eメーター(Erectro-psycho-meter)と呼ばれる用具を、サイエントロジーの宗教サービスにおいて、宗教サービスを受ける人の解決されなければならない領域を突き止めるのを助けるために用います。これはサイエントロジーの宗教サービスを提供するために、トレーニングを受けた聖職者によってのみ用いられるものです。サイエントロジーの宗教サービスを提供したいと望む人にはかかせない道具であり、当然そういう方に販売します。Eメーターは宗教サービスの中で用いられるものであり、精神治療とは何ら関係のないものです。』
『市民の人権擁護の会とサイエントロジーは、それぞれ目的も違い、別組織として活動しているため、精神医療ユーザーとの関連性もとくにありません。というもの、むしろ精神医療を受けた人はサイエントロジーのサービスを受けることは容易ではなく、トレーニングを受けたサイエントロジーのケース監督者の判断で、本人が望んだとしてもサービスを受けられない場合がしばしばあるのです。サイエントロジーにおいて寄付金はサービス提供との交換で行われます。サイエントロジーのサービスを受ける際に交わす登録契約の一部として、これについてうたっている箇所がありますので添付します。その内容に該当する場合は、容易にサービスが受けられないことを意味します。』
<精神科ユーザー運動や精神医療人権センターとの違い>
「市民の人権擁護の会」のホームページには、チャーチオブサイエントロジーとサズ(反精神医学の医師)により結成されたと書かれています。明確に精神医療を否定し、薬物療法を全く否定している団体です。反精神医学といっても「ユーザー・サバイバー運動とはまったく質の違うもの」と「精神病」者集団の方から指摘を受けています。例えば、ヒットラーは精神病院入院歴がありそこで治療を受けたので、その治療が原因であのような虐殺を行った、などと主張していたことがあるといいます。日本では「市民の人権擁護の会」は、精神医療での人権侵害を調査・公表し行政交渉をしたり、議員に面会するなどロビー活動をしている様です。
患者の権利擁護を目的としていますが、チャーチオブサイエントロジーの後援を受けて活動しています。
名前は似ていますが、大阪や東京など各地の「精神医療人権センター」の様なものとは性格は違います。Citizens Commission of Human Rightsのホームページ→http://www.cchr.org/lndex.htm
<毎日新聞2001年08月12日>
大阪府守口市の京阪病院が強制入院(医療保護入院)した患者にうつ病新薬の臨床試験(治験)を続けていた問題で、治験を依頼した塩野義製薬(大阪市中央区)は11日までに、「この強制入院は治療目的でなく、患者さんの安全確保が目的。治験中止は必要ない」との見解を示した。医療保護入院の目的を「医療及び保護のため」と定める精神保健福祉法に抵触しかねない見解で、専門家からは「治療でない入院などない。治療せずに治験を続けたのは患者の人権侵害だ」などの批判が出ている。
治験は製薬会社の責任で実施される。同製薬はこの新薬の有効性や安全性を調べるため97年7月、全国の大学病院や精神病院など約300施設に依頼し、約900例を目標に最終段階の治験を始めた。今年3月に終了し、厚生労働省へ製造承認申請する準備をしている。
(中略)
薬事法で順守を義務づけた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP)は、被験者に適切な医療を提供する▽製薬会社は治験が適正に行われているかチェックする――ことなどを求めている。この新薬の治験計画書は、重い有害事象(好ましくない医療上のあらゆるできごと)で投与継続が困難▽そう状態に変わった場合――などを治験中止基準としていた。
今回の女性患者の場合、強制入院したことは有害事象にあたる可能性がある。強制入院後も3日間は治療をしないまま治験を続けており、GCPの「被験者に適切な医療を提供する」という項目に抵触する恐れがある。
同製薬は「医療保護入院は患者にとっても利益がある。有害事象かどうかの判断に、入院したかどうかは関係ない。強いそうの症状もあったが、元々の症状が推移したと判断した。GCPには違反していない」と話す。
京阪病院は「強制入院となった段階で治験を中止すべきだった。人道上、問題だったかもしれない」と話している。 【医療問題取材班】
詳しくはこちら→Mainichi INTERACTIVE
実際紙面に載った記事と少しニュアンスの違いがあるようです
<毎日新聞2001年8月11日>
精神保健分野の問題に取り組む「市民の人権擁護の会日本支部」は、12日から「精神医療被害ホットライン」を開設する。同会は精神病院内で死亡した患者について経過を調査したり、患者の訴えを受けて、病院を指導するよう行政に働きかけたりしている。お盆には患者を一時的に退院させる病院が多いことから企画した。
関連→「市民の人権擁護の会」がポスターhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~heart-n/dousin-3.htm
事件が投げた大きな波紋 精神障害の関係団体にhttp://www.kyodo.co.jp/kyodonews/2001/osaka/news/20010609-11.html
この団体に関しては、こちらを御覧下さい→<精神110番>ホットラインの 市民の人権擁護の会 について
<毎日新聞2001年8月9日>
大阪府守口市の京阪病院が、強制入院(医療保護入院)させた50歳代の女性患者のそう状態への治療をせず、うつ病新薬の臨床試験(治験)を続けた問題で、大阪府は9日、精神保健福祉法違反の疑いがあるとして病院から事情を聴くことを決めた。
(中略)
精神保健福祉法は医療保護入院の条件として、「医療及び保護のため入院の必要がある時」としている。府精神保健福祉課は「治療をしていなかったのが事実なら問題であり、病院から事実関係を確認する。治験のあり方については、厚生労働省と連絡をとり今後の対応を決める」と話している。
詳しくはこちらへ→Mainichi INTERACTIVE2000年に抗うつ薬の治験参加者を公募しており2月11日に打ちきったと八千代病院精神科医のサイトに出ていました
下に関連記事↓
<毎日新聞2001年8月9日>
大阪府守口市の京阪病院が昨年1月、患者の50歳代女性に実施したうつ病新薬の臨床試験(治験)で、うつ状態にそう状態が加わって症状が悪化し、強制入院(医療保護入院)させた後まで、そう状態への治療をせず治験を続けていたことが8日、毎日新聞の調べで分かった。京阪病院は「治験を続けたのは人道上問題だったかもしれない」と話している。厚生労働省は「病院の詳しい判断内容を確認する必要がある」と、事情を聴く方針。
同病院は99年10月、塩野義製薬(本社・大阪市中央区)と、00年3月までに12例の治験を行う契約を結んだ。期間は1人4週間で、治験は3人に実施し、女性はその1人。そう状態とうつ状態が交互に表れる症状で同病院に入退院を繰り返し、治験前はうつ状態のため通院していた。
治験は主治医の副院長が女性から文書で同意を得て、昨年1月14日に始めた。ところが、外出して深夜にうろつくなど、そう状態を示す症状も表れたため、同24日に女性の夫の同意を得て医療保護入院させ、保護室に収容した。
しかし、副院長は入院後も治験を続行。期間半ばの同27日に治験を中止するまで、そう状態への治療薬を投与しなかった。女性は昨年3月まで入院した。
以下略 詳しくは→Mainichi INTERACTIVE
<2001年8月6日>
私たち、DPI(障害者インターナショナル)日本会議は、障害者の完全参加と平等、人権確立を目指して活動している国際組織で、国連経済社会理事会、WHO、ILOなどの国連諸機関での諮問団体として位置づけられており、国連総会のオブザーバー資格をもつ団体としてさまざまな活動を展開しております。
(中略)
私たちは、先日の新聞報道により、7月26日に開催された貴教育委員会において、都立養護学校の歴史と公民の授業で、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史及び公民の教科書(扶桑社)が、採用される教科書の候補にあがっていることを知り、驚きとともに強い反対の意思を表明します。
「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書は、検定による修正後も内外から多くの基本的な誤りが指摘されており、その内容も、「韓国併合」をはじめとしたアジアへの侵略・植民地支配を正当化するなど「自国の誇り」を強 調するあまり、「他国」からの視点が欠落し、植民地支配によって深刻な被害を受けた側の人々に対する明確な謝罪と戦後補償などを日本政府として今もっておこなわないことに象徴されるように、人権をないがしろにすることをますます助長するものであるといえます。
「他国」の人々に対する加害事実に鈍感な国は、国内における歴史的、社会的差別や偏見によって人権を侵害されている障害者、在日外国人、女性、「同和」地区そして社会的マイノリティの人々に対しても、その<痛み>を理解することができなくなってしまいます。また、「つくる会」の公民教科書(扶桑社)は、憲法9条「改正」論を展開し、核廃絶論に疑義をはさむなど、好戦的な記述が目立ち、また、「公=国家」への帰属を強調し、人権・個人の権利の制限まで説いており、平和・人権といった普遍的理念が尊重されていないなど、共生の未来を担う次世代の子どもたちを育てる教材としてバランスを欠いた教科書であることは明らかです。
以下略 全文はこちらへ→歴史教科書採択に反対する要望書(DPI)
日本精神神経学会理事会御中
平成13年7月20日
精神科医療懇話会
大阪児童殺傷事件に関連して特別立法の動きが報じられる中、日本精神神経学会(以下「学会」)がどのような方向性を提示するのか、会員として重大な関心を持ちながら平成13年6月25日付の「理事会見解」を拝読しました。この「理事会見解」は、緊急見解の性格を帯びたものと理解しており、今後これを発展させた見解が作られるものと推察します。いずれにせよ、今後提示される新たな見解の骨格は、この「理事会見解」に示されていると理解しました。
私たちは、6月27日付「池田小学校事件および特別立法に対する緊急声明」の中で精神科医療懇話会としての問題意識を明らかにしました。その後の事態の推移を踏まえ、学会理事会にいくつかの点について回答を求めると同時に再び私たちの見解を明らかにします。
第1章 学会理事会への要請
池田小事件以後、政府与党からは触法行為を犯した精神障害者の再犯防止を目的としての特別立法の方向が打ち出されている。その力点は触法行為を犯した精神障害者の入退院とそのフォローアップに司法を関与させることに置かれている。また、それと連動して関係団体からの意見表明や関係団体への意見聴取が相次いでいる。それらの動きの一環として、学会理事会は声明を発表した。また6月29日の精神科七者懇談会(以下「七者懇」)において、学会も同意した形で七者懇声明が発表されている。我々は、この間の学会理事会の動向に率直に危惧を表明する。その理由は端的に、医療の守備範囲であるものをこえて、再犯防止という刑事政策に関して学会が不用意に発言し、起訴便宜主義とその元での起訴前簡易鑑定・措置入院の関係など問題の多い司法・医療の現状を各界に検討させる機会をもてないまま、新施策への是非検討や対案作成をすることで、結局は医療が刑事政策の肩代わりを自ら引き受ける役を担ってしまうおそれがあるからである。以下の続きはこちらへ→理事会見解に対する声明
8月7日のメディファックスは以下のことを伝えたようです。
・8月6日、与党3党の「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジエクトチーム」- (佐藤剛男座長)4回目の会合が開かれた。
- ・「心身喪失者等の触法」に係る対象者については、
「心神耗弱者を含み、殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害など」
の重大犯罪を犯した者に限るとすることを確認した。- ・与党3党プロジエクトチームは各党プロジエクトチームとの意見調整を行い、
10月中には結論を取りまとめる方針。
・今後検討する項目は、
(1)現在の検察による起訴・不起訴の鑑定方法
(2)不起訴後の措置入院等の措置方法
(3)第3者機関による退院、入院、服薬等の司法判断
(4)触法心神喪失者等が入所する専門医療施設とこれにかかる人員対置、診療報酬等
(5)退院(退所)後の継続的治療
(6)司法精神医学の研修、研究のあり方
・文部科学省から司法精神医学の講座が国公立大学に
1校も整備されていない現状に関するヒアリングを受けた。- メディファックスについてはこちらへ→http://www.jiho.co.jp/news/mf.html
<1996年の山上皓らの系統的調査データ(犯罪学雑誌)や 2000年度厚生科学研究事業(分担研究者・中谷陽二−筑波大学社会医学系教授)の、「触法精神障害者に関する臨床精神医学的研究」レポートでは、重大犯罪は〔殺人・放火・強盗・強姦,強制わいせつ〕に絞られていました。傷害も含むとなるとその範囲がいくらでも広げられるおそれもあります>
<朝日新聞2001年8月7日>
・7日の閣議後の記者会見で坂口力厚生労働相が政府案の概要を明らかにした。
・全国の主要な地裁10カ所前後に置く構想。
・裁判官のほか精神医療や福祉の専門家も参加。・事件を起こした精神障害者を治療・矯正するのに、
(1)特別の精神病棟(2)一般の精神病棟(3)自宅で通院のどれが適当なのかを判断する。
・退院が適当かどうかも協議。
・新たな組織で司法が主体となる考えを明確にした。以上要約です。詳しくは→http://www.asahi.com/politics/update/0807/008.html
<産經新聞朝刊2001年8月4日>
自民党の「心神喪失者などの触法および精神医療に関するプロジェクトチーム」(熊代昭彦座長)は三日、会合を開き、殺人など重大な罪を犯した触法精神障害者の処遇についての検討項目をまとめた。
触法精神障害者の約九割が不起訴や起訴猶予となって裁判所の判断を受けていないと指摘。
との観点から議論を進めていくことを提案、了承された。
現行の「措置入院」制度は、担当医が医学上の診断だけで触法精神障害者の将来を予見し、入退院を判断するため、見直しを求める声が強まっていることを踏まえたもの。
次回会合予定:九月七日に刑法学者や医療関係者らから意見を聞く。
「法案提出は来年の通常国会になる」(幹部)との見方が強いが、有力メンバーの保岡興治元法相は「秋の臨時国会での法案提出を目指すべきだ」と主張している。
一部省略、詳しくはこちらへ→Sankei-politics http://sankei.pmall.ne.jp/sankei/P/online/paper/today/politics/04pol009.htm
2001年8月4日のメディファックス情報によると以下のように伝えられています。
・自民党の「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」は触法心神喪失者の問題以外にも精神科診療報酬のあり方も検討テーマに話し合い、精神障害者医療の充実強化も示された。・精神障害者医療ではケア体制や診療報酬のあり方なども触法間題の根本的な解決のために必要だとして、今後の検討テーマに予定。
・民間病院では重大な問題を引き起こした精神障害者の取り扱いに限界があるので、「むしろ公的医療機関(国公立)にしかるべき体制を整備すべき」との見解も示された。触法問題は診療報酬の改定と絡むことから「(触法問題の)焦点は年末の予算編成になる」と座長は述べた。
・民間病院では重大な問題を引き起こした精神障害者の取り扱いに限界があるとの認織も示され、「むしろ公的医療機関(国公立)にしかるべき体制を整備すべき」との見解も示された。
・結論は10月中にも取りまとめる方針で、その後、与党内での調整を経て、法案を議員立法か政府提案で来年の通常国会に提出したい考えを示している。
・今後、精神障害者医療の充実強化対策についても併せて検討する方向(治療方法の研究・入院環境・退院後医療の改善・専門スタッフの養成・診療報酬のあり方)・精神障害者医療の充実強化の検討こそが心神喪失者の触法問題を根本的に解決するとの観点から盛り込まれた。
・そのほか、精神障害者医療(司法精神医療の間違い?)を学べる大学講座が日本にひとつもない現状も問題提起され、今後、文部科学省を交えた検討を行うことを全会一致で了承した。
関連記事
<毎日新聞2001年8月4日>
重大犯罪を行った精神障害者(触法精神障害者)の処遇システムの検討を進めている政府は3日、司法と精神医療が連携した「司法精神医療」の専門家を養成するため、国立大学に司法精神医学講座を設置する方針を固めた。
国内では司法精神医療の人材を養成する場がほとんどないため、、専門家不足の解消を図る。
政府・与党の試案では、処遇システム作りの一環として、専門医学・医療の立場から精神障害と犯罪との関係や効果的な治療法などを幅広く研究する司法精神医療研究施設の設置案が浮上している。しかし、研究を進める上で専門家や専門医の養成は不可欠なため、今後、国立大学を持つ文部科学省で設置時期や、設置の範囲などについて具体的に検討しながら、対応していく方針だ。
一部略、詳しくはこちらへ→Mainichi Interactive司法精神医学講座http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200108/04/20010804k0000m040185000c.html
禁煙を手助けするニコチンガム「ニコレット」が9月10日から、全国の薬局・薬店で、処方せんが不要な一般医薬品(大衆薬)として販売される。米製薬会社ファルマシアが製造し、武田薬品工業が独占販売する。国内で禁煙補助剤が大衆薬として発売されるのは初めて。
ニコレットは、48個入り3950円と96個入り6900円。1個に2ミリグラムのニコチンを含む。たばこを吸いたいと思った時、1回1個を30〜60分かけてゆっくりかむと、禁煙時のいらいらなどを緩和する。1日の使用量は最大24個、通常4〜12個で始め、少しずつ減らして3カ月をめどに使用をやめる。
以下略詳しくは→http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20010802k0000m020059000c.html
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