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「心神喪失者医療観察法案」強行採決弾劾! 法案は廃案しかない!

注:すぐ下の文は日精協とともに法案成立を強く推進してきた日本医師会西島英利常任理事のものです。

1948年、宮崎県生まれ。1977年、日本医科大学医学部卒業。現在、医療法人小倉蒲生病院(精神・神経科)院長。1998年から日本医師会常任理事。製薬協のサイトに略歴紹介、写真あり。→こちら



JMA PRESS NETWORK 社説(日本医師会発行)

心神喪失者等医療観察法案−今後の展望と残された課題


2003年6月6日

 「心神喪失者等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」(心神喪失者等医療観察法案)が6日、参議院本会議を通過した。公布日を2002年から2003年に修正したため、衆議院に戻したうえで、正式に成立することになる。この法案について日本医師会は触法精神障害者問題検討委員会をプロジェクトとして立ち上げ、与党プロジェクトに考え方を提示。その内容がほぼそのまま法案に反映されることとなった。
 基本的な考え方として、

(1)触法精神障害者(重大な犯罪を起こした精神障害者)への治療とケアの充実を図ることが必要ではあるが、その際には医療と司法の守備範囲を明確にしなければならない

(2)触法精神障害者を処遇するには、十分なマンパワ−が必要である

(3)国公立病院がその役割を担うべきである

(4)処遇費用については診療報酬ではなく公費負担とすべきである−とした。
 法案の審議過程で一部医療関係者の反対意見にひきずられた形で医療関係諸団体が組織としての議論もせぬまま法案の反対声明に名を連ねたのは残念といわざるを得ない。現行の触法精神障害者の処遇には種々の問題点がある。

(1)措置入院は「精神障害による自傷他害のおそれ」を基準として一律に適用される治療形態であり、重大な違法行為を行った事実や他害の危険性が高度であることを基準とする特別な手続きや治療方式が定められていない

(2)触法精神障害者の圧倒的多数が検察官により不起訴とされている。責任能力を有し、本来は刑事罰に適するものが措置患者とされ、医療現場がその対応に苦慮するという事態が生じている

(3)捜査、取り調べの段階にある精神障害者の医療施設における治療は制度的に保証されていないうえ、訴訟能力を回復させるための治療システムが設けられていない

(4)司法精神医学・医療の研究と実務を行う体制が整備されていない−などが最大の問題である。
 心神喪失者等医療観察法案の目的は精神障害と密接に関連して、他人の生命、身体、人身の自由、重要な財産に対し高度の危険性を有し、医学的治療によって精神障害および危険性の改善あるいは悪化の予防が期待される者に対して、必要な治療を行うことであり、対象となる精神障害者の人権に十分配慮するのは当然のことである。
 処遇の要否は、地方裁判所の審判で裁判官と精神保健審判員(精神科医)の合議で決定することになっている。安易な入院医療の処遇決定は戒めなければならない。そのため精神保健審判員は、精神保健指定医で、かつ措置観察の経験があり、司法精神医学研修を受講していることを要件とするべきである。裁判官に対しても精神医学等の基礎知識の研修が必要と考える。
 今後の課題のひとつとして、地域社会における処遇があげられる。保護観察所における社会復帰調整官の役割は重責である。なによりも社会復帰調整官をささえる地域ケア体制づくりが急務であるといえる。まずは、地域住民の理解を得るために、啓発活動を推進することが必要であろう。
 この法律はあくまで再犯の予防策であり、触法精神障害者の多数が初犯者であることを考慮すると、医療全般、とくに初期治療の整備がもっとも重要である。すなわち、地域におけるプライマリ・ケア、相談サ−ビス、救急医療、移送制度保健医療機関と警察との連携などについて多角的な整備、マンパワ−の充実を図っていくべきであろう。
(日本医師会常任理事 西島英利)


触法精神障害者問題検討委員会(プロジェクト)
委 員 名 簿
委 員 長 中谷 陽二 筑波大学社会医学系精神衛生学教授
委  員 五十嵐 禎人 (財)東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所主任研究員
委  員 風祭  元 帝京大学名誉教授
委  員 畔柳 達雄 弁護士・日本医師会 参与
委  員 津久江一郎 瀬野川病院長・日本精神病院協会副会長
委  員 長尾 卓夫 高岡病院長・日本精神病院協会理事
委  員 松岡  浩 弁護士・清和大学法学部教授
委  員 守屋 裕文 埼玉県立精神保健総合センター診療局長


日医ニュース 第978号(平成14年6月5日)より

日医・日精協共同記者会見開く 法案の早期成立を要望

 西島英利常任理事,仙波恒雄日精協会長・長尾卓夫同副会長は,五月十四日,厚生労働省で記者会見し,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」の今国会成立を強く訴えた.
 西島常任理事は,まず,「日医は,重大な犯罪を犯した精神障害者に対する法整備の必要性を以前から主張してきていたが,関係団体の思惑もあり先送りされていた.ところが,昨年六月に起きた児童殺傷事件を契機として,政府も本格的に法整備に向けた動きを始めたことから,日医でも,昨年の八月,『触法精神障害者問題検討委員会(プロジェクト)』を発足させ,本年二月に中間報告を取りまとめたところである」とこれまでの経緯を説明.本法案に対しては,「さまざまな課題は残されているが,本法案が今国会で成立し,患者さんが安心して医療を受けられる環境整備が進むことを強く望んでいる」と述べた.
 また,再犯のおそれを精神科医が予測できないという理由で,一部の団体が本法案の成立に反対していることに関しては,「医師に求められているものは,(1)対象者が精神障害者であるか否か(2)今後対象者が治療を受けなければ,どのような症状が続き,あるいは発現するか(3)人の生命,身体等に危険を生じさせる行動を含む問題行動に出ることがあり得るか―についての判断である.このような判断は現代の医学により十分に可能であり,現状においても行われている」と反論した.
(後略)

情報はこちら→日本医師会のサイト


日医ニュース 第959号(平成13年8月20日)より

第1回触法精神障害者問題検討委員会(プロジェクト)医療と司法のかかわりについて検討

 第一回触法精神障害者問題検討委員会(プロジェクト)が,八月三日,日医会館で開催された.
 冒頭,坪井栄孝会長は,「今年六月八日に池田市で起きた小学生の殺傷事件を契機として,触法精神障害者の問題が社会問題になっていることを受けて,この会議を開くことになった.触法精神障害者の治療,処遇について,医師会には意見を申し述べていく責務があると思っている.国民生活の安全を保持するためにも,ここでまとめられた議論を政府に提言していきたいと考えている」と述べた.
(中略)
 担当の西島英利常任理事は,「二年前,衆議院に参考人として呼ばれ,精神保健福祉法の改正にあたって意見陳述を行っている.そのときは,三年をめどに触法精神障害者に関する課題の決着を図る予定だった.今年の一月には法務省,厚生労働省で検討会が始まり,事件後の七月六日には日医が与党三党に呼ばれ,触法精神障害者問題について意見陳述を行った.そこで,医師は精神障害者の病状に対する責任はもてるが,こうした社会的防衛の役割を負うことはむずかしいと話した」と経緯を説明した.

(後略)

情報はこちら→日本医師会のサイト


日医ニュース 第906号(平成11年6月5日)より

西島英利常任理事 衆議院厚生委員会で意見陳述

(前略)
 つづいて,今後の見直し(精神保健福祉法)にあたり,検討すべき事項について,次のような意見陳述を行った.
(1)精神障害者の定義については,現代社会ではうつ病,自殺,精神症状を有する老人痴呆などが増加しており,その変化に対応可能な例示への見直しが必要である.
(2)長期入院が必ずしも社会的入院であるとはかぎらず,長期入院はすなわち悪ではない.むしろ,入院歴5年以上の患者は中等度以上の医療必要群が多く,これらの患者の対策が重要である.
(3)任意入院における閉鎖処遇の問題は,基本的には開放的な処遇がなされるよう積極的に努力すべきであるが,一部重度の患者の入院により,開放的処遇ではあっても,建築構造上,閉鎖病棟となっている場合もある.今後,開放処遇を推進するためには,病床の機能分化が必要であり,少病床でも運営ができるよう,財政面も含めた環境整備の支援策が必要である.
(4)重大な犯罪を繰り返す精神障害者は,民間病院では対応困難であり,公的病院の責任であることを明確にして,患者のQOLの面からもその施設設備,職員配置の早急な検討が必要である.また,厚生省だけではなく,警察庁,法務省などを含めた幅広い検討が重要である.
(5)公的病院は,民間病院で対応が困難な患者を積極的に受け入れる等,民間病院との機能分化を図るべきである.

(後略)
情報はこちら→日本医師会のサイト


 1999年末〜2000年にかけて、医療法の精神科特例について、公衆衛生審議会・精神保健福祉部会に西島常任理事は日本医師会として出席している。
 医療法上、病床が区分されると医療計画の必要病床数も別々に算定され、政省令による区分よりも厳しくなる。日本医師会西島常任理事は医療法での病床区分に強く反対した。この審議で精神病床の機能区分は見送られることになり、精神科特例は残された。大学病院、総合病院は他科と同様の医師16:1、看護師3:1。

 医師配置基準48対1、看護職員6対1とされている精神科の特例措置は、「精神病床以外の一般の病床と同等の水準となるよう定めるべき」と段階的な廃止を提言はされたが、具体的メドは示されなかった。 

 経過措置として2006年まで精神科は6:1でよく、その後も「当分の間」(期間のメドなし。霞ヶ関では無期限とも読み替えられるという)5:1で看護補助者とあわせて4:1でよいとされた。医師の48:1については手付かず。これによって、他科との格差はさらに開いている。


「心身喪失者医療観察法案」 国会審議等

池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)


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