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「心神喪失者医療観察法案」国会情勢緊迫! 法案は廃案しかない!


平成14年10月28日


精神科七者懇談加盟団体
 日本精神神経学会
 国立精神療養所院長協議会
 全国自治体病院協議会
 日本精神科病院協会
 日本精神神経科診療所協会
 日本総合病院精神医学会 御中

謹啓
 時下ご清栄のこととお詫び申し上げます
 さて、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った時の医療及び観察等に関する法律案」が先の国会に上程された際には、わたくしども精神医学講座担当者会議は本法案に対するいくつかの疑義を表明する精神科六者懇談会の一構成メンバーとして慎重な審議を求める要望を行って参りました。しかし、その後の議論の結果、講座担当者会議は司法と医療とがよりよい制度の確立のために協力する機会を今後長期間失うことが絶対にないようにすべきであるとの結論に至りました。本法案を司法と精神医療とがともに責任をもつ新たな制度をつくる第一歩と考えて、これまで指摘されてきた本法案の問題点につき慎重に審議頂きたく、添付の文章のように要望をまとめ、関係各位にお送り申し上げているところでございます。
 引き続き七者懇で本法案ならびに今後の精神医学・医療のあり方につき議論を深めていきたいと願っていますので、宜しくお願い申し上げます。取り次ぎご報告申し上げます。


 
敬具

精神医学講座担当者会議    
代表世話人     山内 俊雄
法とシステム委員長 三國 雅彦


平成14年10月26日


関係各位


要望書

精神医学講座担当者会議    
代表世話人     山内 俊雄
法とシステム委員長 三國 雅彦

 精神医学教育・研究を中心に的に担うべき精神医学講座担当者会議がこれまで司法精神医学教育・研究の遅れや司法精神医療の諸制度の不備などを認識しながらも、適切な対応をしなかったことを率直に反省している。特に、触法精神障害者の適正な医療を担う人材の育成、司法と医療の緩和のとれた新たなる制度の構築の必要性を認識しつつも、この問題に積極的な関与をしてこなかった事実を認めざるを得ない。しかし昨年の大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件以来、講座担当者会議では種々の調査、議論を進めてきた。不幸にして心神喪失等の状態で重大な他害行為を行ってしまった患者の多くが罹患する精神障害は治療可能性の高い疾患であるにもかかわらず、司法界においては責任無能力のままであるかのような認識にとどまっていて、司法が精神医学の進歩を取り入れた法改正に応じて来なかったという現実も明らかになった。そこで、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った時の医療及び観察などに関する法律案」が先の国会に上程された際には、本法案に対するいくつかの議論を表明する精神科六者懇談会の一構成メンバーとして慎重な審議を求める要望を行ってきた。
 しかし、その後の議論の結果、本臨時国会において本法案が再度審議されるにあたり、講座担当者会議は司法と医療とがよりよい制度の確立のために協力する機会を今後長期間失うことが絶対に無いようにすべきであるとの結論に至った。本法案を司法と精神医療とがともに責任をもつ新たな制度を作る第一歩と考えている。なお、制度の確立にあたっては、これまで指摘されてきた本法案の問題点、特に以下の点について慎重に審議頂き、修正ないし付帯決議、国会での明確な答弁がなされるように強く要請するものである。

1、精神障害がもつ被疑者が拘留当初から治療を受けつつ、精神鑑定をうけることができるシステムが必要であり、検察における適正な起訴前鑑定のあり方を検討する。精神鑑定入院の規定、鑑定入院施設に関する事項を明確とするとともに、鑑定を行う精神科医の資格、身分保障に関する事項を明確にする(例えば、鑑定を行う精神科医には鑑定認定医という国家資格と法務技官ような身分保障)必要がある。

2、薬物依存や人格障害患者の精神療法、薬物療法についてはさまざまな研究が行われているが、まだ、一般的な療法としては確立していない。したがって、治療適応性を考えると、鑑定の段階での薬物依存、知的障害、人格障害等は当面本法案の対象から外す必要がある。

3、本法案の要点は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、裁判官と医師の合議体の決定による鑑定入院命令、入院・退院命令で、適切な医療を受けさせることにある。精神科医の病気の再発の予測、調査官らによるソーシャル・サポートの評価に基づく、再犯のおそれの判断も裁判所の責任で行うことを明確にする必要がある。この合議体の活動を支援し、再犯のおそれの判断を一層正確にするために裁判所調査官、臨床心理士、精神保健福祉士などの人材の確保と研修の充実が必要である。

4、検察で不起訴となった者について、本法案による鑑定が行われた結果、責任能力があると合議体が判断した場合には検察に差し戻される。また、治療後、自分の病気についての病識を深め、起こした犯罪についても認識し、謝罪することを求める事例があるので、医療から司法に戻すシステムの構築も必要となる。

5、本法案に規定された退院後の社会復帰を促進させるため、通院ケアマネージメント制度に、地域生活支援センターやグループホーム等を組み込ませた司法医療福祉システムを構築し、保護観察書と連携する。この社会復帰過程においては精神保健福祉法による入院を可能にするなど、現行の精神保健福祉法との関連性も明確にする必要がある。

6、触法精神障害者の処遇に関する実態の情報公開と、本法案の5年後の見直しの条項を入れる必要がある。

7、矯正施設内においても矯正教育だけでなく、精神科治療を要するケースが多数あり、精神科医療の充実が再犯の防止に不可欠であるので、司法の責任で行なう矯正施設内の精神科医療を明確にする必要がある。


国立精神療養所院長協議会、精神医学講座担当者会議の心神喪失者医療観察法案に関する要望書に対する批判

要望書 国立精神療養所院長協議会(2002年10月23日)

要望書 精神医学講座担当者会議 (2002年10月28日)


法務省・厚生労働省の「論点整理」2002年11月8日

法務省・厚生労働省2002年11月6日 入手

上記法務省・厚生労働省の「論点整理」を批判する!

2002年11月6日 

2002年11月7日 


「心身喪失者医療観察法案」 国会審議等

池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)


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