「心神喪失者医療観察法案」国会情勢緊迫! 法案は廃案しかない!
心神喪失者医療観察法案に対する抗議の声明
2003年4月15日
大阪府精神障害者家族会連合会理事会
1.法案提案の動機と司法関与の間題点
そもそもこの法案は2001年6月の大阪池田小学校事件を契機に法務省刑事局から提案されたものであり、精神轄者に対して社会防衛の観点から法的規制を目的としているものであります。なぜなら対象者の処遇決定が司法と医療との合議体になっている構成であることをみれぱその目的は明白であります。心神喪失者を対象とする医療の間題であるにもかかわらず、この法案がまったく素人である司法がかかわることを見れぱ本来医療とは別の目的があることが明らかです。
この法案が成立することによって精神障害者と触法行為の結びつきを社会にことさら印象付け、精神障害者に対する「恐い人たち」であるという偏見と差別をいっそう助長し定着させるものであります。当事者およぴ家族は地域で今以上の生きずらさを抱え、いっそう目立たぬように暮らすことを余儀なくされることは間違いありません。この法案は精神障害者およぴその家族の人権を無視するものとして成立を断じて認めるわけにはいきません。2.法案の目的の間題点
法案は当初「再犯の恐れ」すなわち「触法行為の恐れのあると認められる場合」を処遇決定の根拠にしその目的を「収容と隔離」であることを前面に押し出していました。しかレ多くの指摘を受けいくつかの修正をして、「その病状の改善およぴこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを貝的とする。」と文言を変えて視点をずらそうとしております。依然として「再犯の恐れ」はこの法案の本質に生きているにもかかわらず、「社会復帰」を持出して本来の狙いを覆い隠そうとするものであります。本来刑法は「触法行為」のみを罰するものであるにもかかわらず、「再犯の恐れ」というあいまいな基準を持ってまでも「収容と隔離」の目的で刑法の枠を拡大しようとするものであります。
3.附則「精神医療の水準の向上」提起の間題点
「本制度による高度な医療水準を及ぼすことにより一般の精神医療水準の向上を図ることなど・・」という附則がつけられることになったことが何を意味するのでありましょうか。本質は「この法案の成立なくして精神医療水準の向上はない」と読み取ることが出来ます。かつてからの精神科特例を実質撤廃できず、他科医療より低い水準に置かれていること自体の改革がなされるべきであります。ところが社会防衛の視点にたったこの法案の成立との組み合わせでなければ本質的な医療改革ができないことを言っているにほかなりません。精神医療改革が刑事間題を機にしてしかなされない政治施策の貧困に私たちは同意するわけにはいきません。
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