6月28日衆議院第二議院会館での「検証 刑法改正保安処分」緊急集会用のメッセ−ジ
2001年6月28日
池田小学校事件をきっかけに山本深雪(NPO大阪精神医療人権センター事務局長)
TEL 06−6313−0056
FAX 06−6313−0058池田小学校事件の痛ましい結果については心よりお悔やみ申し上げる以外ありません。
事件直後から報道の洪水の中、精神障害者全員が無関係にも関わらず、日々脅かされ、まるで精神障害者であることが悪い事であるかの様な裁かれる心境に追いやられました。
6月26日には「法務厚生労働両省は重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇について、各都道府県に司法精神医療審判所、特定精神病院を新設する方針を協議している」との報道がなされました。
約300万人の精神障害者の人権に関わる問題であるにもかかわらず、慎重な論議を抜きにして、政府は急激な展開を強行しようとしている事に大きな危惧の念を抱いています。以下、今、議論となっている点についての見解を述べます。
(1)新法制定はまさに保安処分そのものです。現行で医療と司法の責任を厳密に区別して対応することで問題の多くは解決可能です。
(2)起訴前鑑定は、約9割が不起訴処分となっています。検察は無罪判決で成績が下がる事を避けるためにこれを利用する事が多いのが実情です。ここを是正し責任能力のある人は処罰を受ける運用とすべきです。重大な犯罪を行った時の精神状態の診断については起訴前鑑定ではなく本鑑定で行われるべき課題です。
(3)他の疾患同様に治療優先で公判の一時執行停止手続きを取り入れ状態が裁判の維持に耐えられる時に再開手続きを行い、本人の事実認否や同機に関する意見表明が行われるよう配慮すべきです。
(4)措置入院の入院退院時のチェック機構に精神医療審査会をとの意見があります。
しかし、入院患者の人権を擁護する立場から医療機関に対して第三者的にチェックを行う機関と、社会治安を視野に入れた退院のチェックとは、同じ名前でも仕事が異なります。似て非なる仕組みを合体させることは結局のところ、精神医療審査会を社会治安の道具にすることに他なりません。より冷静な議論が必要です。
(5)重大な事件を精神病の初発時に起こす場合が多くみられます。また精神障害者が適切な治療を受ける環境がなく事件にいたる事があります。そうした問題は地域で精神医療が安心してかかれる体制になっていない事態が問題です。現行の精神医療の質の底上げをはかり、人員のゆとりのあるチ−ム医療の提供こそ急務です。日本の精神医療は隔離収容主義の下安上がりで劣悪な医療体制に患者を長期間押し込めてきました。さらに医師は他科の1/3、看護は2/3でよいとする差別がまだ残っています。そうした本来解決すべき重大な人権侵害を改めようとせず、「触法精神障害者」問題のみを取り扱う姿勢は根本的に間違っています。大切な事は本人が苦悩の段階で安定した関係を築けなかった地域における教育と医療体制のありかたの変革です。
以 上
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