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2001年7月1日


大阪精神障害者連絡会
(愛称・ぼちぼちクラブ)
代表・塚本正治

「司法精神病棟」建設をはじめ精神障害者に対する隔離・収容施策の強化に反対する声明

池田小学校事件の痛ましい結果については心よりお悔やみ申し上げるしかありません。

事件直後から報道の洪水の中、精神障害者全員が無関係にも関わらず、日々脅かされ、まるで精神障害者であることが悪い事であるかの様な裁かれる心境に追いやられました。
6月26日には「法務厚生労働両省は重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇において、各都道府県に司法精神医療審判所、特定精神病院を新設する方針を協議している」との報道がなれさました。
約300万人の精神障害者の人権に関わる問題であるにも関わらず、慎重な議論を抜きにして、政府は急激な展開を強行しようとしている事に大きな危倶の念を抱いています。

以下、今、議論となっている点についての見解を述べます。
(1)新法制定はまさに「保安処分」そのものです。「保安処分」とは精神障害者に対する予断と偏見に基づく予防拘禁の制度であり、許す事はできません。現行の医療と司法の責任を厳密に区別して対応することで問題の多くは解決可能です。
(2)起訴前鑑定は、約9割が不起訴処分となっています。検察は無罪判決で成績が下がる事を避けるためにこれを利用する事が多いのが事実です。ここを是正し責任能力のある人は処罰を受ける運用とすべきです。重大な犯罪を行った時の精神状態の診断については起訴前鑑定ではなく本鑑定で行われるべき課題です。
(3)他の疾患同様に治療優先で「公判の一時執行停止手続き」を取り入れ、状態が裁判の維持に耐えられる時に再手続きを行い、本人の事実認否や同様に関する意見表明が行われるよう配慮すべきです。
(4)措置入院の入院退院時のチェック機構に「精神医療審査会」をとの意見があります。
しかし、入院患者の人権を擁護する立場から、医療機関に対して第三者的にチェックを行う機関と、治安管理を視野に入れた退院のチェックとは、同じ名前でも仕事が異なります。似て非なる仕組みを合体させることは結局のところ、「精神医療審査会」を「治安管理の道具」にすることに他なりません。より冷静な議論が必要です。
(5)重大な事件を精神病の初発時起こす場合が多く見られます。また精神障害者が適切な治療を受ける環境がなく事件いたる事があります。そうした事実は地域で精神医療が安心してかかれる体制になっていない事に原因があります。現行の精神医療の底上げをはかり、人員のゆとりのあるチーム医療の提供こそ急務です。
日本の精神医療は隔離収容主義の下、安上がりで劣悪な医療体制の中、患者を長期間病院に押し込めてきました。さらに医師数は他科の1/3、看護数は2/3、でよいとする差別がまだ残っています。そうした本来解決すべき重大な人権侵害を改めようとせず、「触法精神障害者」問題のみ取り扱う姿勢は根本的に間違っています。大切な事は本人が苦悩の段階で安定した関係を築けなかった地域における教育・生活支援と医療体制のあり方の変革ではないでしょうか。私たち精神障書者が主張し実践してきた「ひとりぼっちをなくそう」こそ社会全体に問われているテ一マであり課題です。


2001年6月16日 ぼちぼちクラブ声明

「大阪教育大付属池田小学校事件報道による二次被害を受けている精神障害者の訴えたいこと」


池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

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