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重大な触法行為をした精神障害者の処遇に関する法律案(仮称)

関連した与党・政府の動向

更新2002年4月26日


池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題 法務省・厚生労働省合同検討会

重大犯障害者の処遇法案〜与党・政府の動向

精神医療ニュースへ


心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)(更新020324)


<2002年3月20日毎日新聞>

心神喪失者法案 障害者9団体が反対署名提出

 重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった場合の処遇を定めた政府の「心神喪失者医療観察法案」に反対して国会前で座り込みをしている東京や大阪の障害者9団体が19日、厚生労働省に新たに5701人分の反対署名を提出し、法案の撤回を求めた。

 すでに1万382人分の署名を提出しているが、この日は「隔離医療の被害は同じ」と運動に賛同した全国ハンセン病療養所入所者協議会などが集めた署名を追加した。

 メンバーは「日本精神神経学会も『再犯の恐れの予測は困難』と法案に反対しており、本当に再犯の予測が可能と考えているのか」などと法案の問題点をただした。

 応対した松本義幸・精神保健福祉課長は「一定の範囲では予測は可能だが、過去に重大犯罪を起こしたことのない対象者の場合は難しいとの専門家の指摘もある」と話し、予測が容易ではないことを認めた。 【精神医療取材班】

情報は→Yahoo! News


3月18日、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」国会に上程。


<2002年3月14日毎日新聞>

心神喪失者医療観察法案 15日閣議決定

 政府は15日、重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった場合の処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」を閣議決定する。地裁に新たに裁判官と医師1人ずつで構成する合議体を設け、対象者に再犯のおそれがあるか否かを審判で判断し、入院や通院を決定する。これに対し、民主党のプロジェクトチームは14日、精神保健福祉法の改正を柱とした法案を提出する方向で検討することを決めた。他の野党にも政府案に反対する動きが出ている。

 法律案が対象とする重大犯罪行為は、殺人、放火、強盗、強制わいせつ、傷害。不起訴や無罪などになったケースについて、検察官の申し立てを受けた合議体が、入院、通院、いずれの措置もとらない――を判断する。入院の場合、半年ごとの再審査で退院の可否を決める。通院期間は3年間で、2年を超えない範囲で延長できる。

 大阪府池田市の学校乱入殺傷事件(01年6月)をきっかけに、医師の判断だけで患者の入退院が決められる現行の措置入院制度に対する批判が高まり、新法で司法判断を加えることにした。

 しかし、犯罪予防のため患者を拘禁し、強制的に治療を受けさせる「保安処分」論争が再燃することも予想される。政府は、精神保健福祉士らが審判で意見を述べる▽対象者は弁護士を選任でき、抗告権もある▽保護観察所に精神保健観察官を置くなど医療の充実にも留意している――などを挙げて、保安処分色の一掃を図っている。

 ◇重大犯罪で心身喪失などを理由に不起訴や無罪となった場合の処遇を定めた「心神喪失者医療観察法案」は、対象者が再び重大事件を起こす可能性を裁判官と精神科医が判定することが柱だ。しかし、医療現場などから「再犯の恐れを予測することは困難」との批判が強い。

 従来の起訴前の鑑定が事件当時の責任能力の判断材料になっていたのとは異なり、新法案で裁判官の入院命令により行われる鑑定で精神科医は将来の予測を求められる。

 法務省は「重大事件に絞っており、精神保健福祉法が措置入院の要件とする『自傷他害の恐れ』より範囲は狭い」と説明するが、「『自傷他害の恐れ』が現在の病状などに引きつけた判断であるのに対し、法案は過去から将来まで幅のある判断になる」ことも認めている。

 日本精神神経学会は「事件には人間関係などさまざまな要素がある。病気が再発したから再び事件を起こすとはいえない。病状の予測はできても、事件を起こすかどうかは判断できない」と指摘し、入院が際限なく延長される恐れを懸念する。

 民主党のほか、社民党なども政府案に反対する方針だ。国会審議についても、与党側が法務委員会での単独審議としているのに対し、民主党は「司法と精神医療の両方にまたがる問題」として、法務、厚生労働両委員会による合同審議を主張しており、与野党の対決は必至の状況だ。 【精神医療取材班】

情報は→Mainichi INTERACTIVE


新法骨子関連 2002年2月14日
・自由民主党 触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム第11回会合 <議事次第>
・重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)の骨子
・精神障害者の保健・医療・福祉の総合計画(仮称)に盛り込むことを検討中の主な内容
触法処遇制度(案)骨子【図】


<2002年2月3日朝日新聞>

重罪犯した精神障害者の入院期限設けず 政府案

 重大な犯罪行為をしながら刑事責任能力がなく罪に問えない精神障害者について、政府が導入しようとしている処遇システムの全容が明らかになった。治療施設への入院や通院を命じる要件として「再犯のおそれ」を明記したうえで、入院期間には上限を設けず、6カ月ごとに裁判所がその必要性をチェックし延長する。不服申し立て制度を整備するなどして手続きの透明性を図るとはいえ、極めて長期の入院に道を開くことになるため、今後議論を呼ぶのは必至だ。

 政府案によると、触法精神障害者の処遇を決める審判は、裁判官と精神科医各1人で構成する合議体で行う。別の精神科医に鑑定を依頼し、その結果などに基づいて「再犯のおそれ」があると判断すれば入院や通院を命じる。合議体は、精神障害者の保健・福祉に通じた精神保健福祉士を参与員として関与させ、意見を聞くことができる。

 入院・通院の治療は厚生労働省が指定する特別の施設で行う。その管理者は「再犯のおそれ」がないと判断した場合は直ちに退院許可を、あると認める場合は6カ月ごとに裁判所に入院継続の許可を、それぞれ申し立てなければならない。

 治安保持を優先しすぎるとされた74年の改正刑法草案でも、収容期間は原則最長7年と定めていた。今回の政府案は「十分な治療をして本人の社会復帰を図る」ことを目的としており、上限規定を設けるのはなじまないとしている。かわりに精神障害者側に弁護士の選任権や入院・延長決定に対する抗告権などを認めて、権利の保護を図る方針だ。

 一方、通院治療命令を受けた人の生活指導や経過観察は、全国の保護観察所が担当する。通院期間の上限は延長も含め5年程度になりそうだ。通院者に「再犯のおそれ」が認められた場合は、保護観察所長が裁判所に入院の申し立てをし、改めて処遇が決定される。

 また、精神障害者の生活支援について知識や経験がある人を新たに「精神保健観察官」に任命し、保護観察所に配置することも固まった。

「社会への危険性」根拠に触法精神障害者入院の上限なし(30面の解説)

《解説》 触法精神障害者の処遇について、入院や退院を命じる要件に「再犯のおそれ」を掲げることに対しては、政府内でも保安処分論争の再燃につながるのではないかとの懸念があった。「再犯の可能性の有無を判断するのは困難」との指摘は専門家の間でも強く、運用が「疑わしきは収容」に流れかねないからだ。
 とはいえ、「治療の必要性」などとすれぱ、逆に対象が広がりすぎる懸念が生まれる。結局、人の自由を拘束する重い手続きの根拠となり得るのは「社会への危険性」しかないという考えに落ち着いた。
 類似の制度をもつドイツでは、入院処分を受けた精神障害者について、入院先以外の医師による定期的な鑑定や裁判官の面接を義務づけている。多くの異なった目でチェックすることによって判断の客観性を担保し、処遇が不当に長引くのを防ぐのが狙いとされる。 幅広い理解を得るにはこうした方法も参考にしながら議論をさらに詰め、理念とする「治療と本人の社会復帰」を実現できる仕組みにしていくことが欠かせない。

情報は→asahi.com


<2002年1月27日読売新聞>

「触法障害者」ケアに精神保健観察官新設へ

 殺人や放火などの重大犯罪を起こした精神障害者が心神喪失を理由に無罪・不起訴になった場合の処遇見直し問題で、法務省は26日、処遇決定後の投薬治療などアフターケアを指導する「精神保健観察官」(仮称)を新設し、全国50か所の保護観察所に配置する方針を固めた。現行の保護観察官と別枠で、精神障害者の社会復帰を支援する精神保健福祉士(PSW)の有資格者の中から採用する。通常国会に提出する触法精神障害者処遇法案(仮称)に盛り込むため、近く与党や厚生労働省など関係機関と折衝に入る。

 現行の措置入院制度には通院治療中や退院後の人の犯罪の再発を防止するための手だてはない。法務省としては、犯罪や非行を犯した人の更生を支援している保護観察所を事後のケア指導の中核機関と位置づけて検討している。

 精神保健観察官は、地裁で治療の処遇が決定した人を対象に、治療施設や保健所、ボランティア団体などと連携・協力し、投薬治療の継続や退院後の社会復帰を支援するコーディネーターの役割を担う。

 法務省は当初、各観察所に配置されている保護観察官(約600人)の活用を検討した。が、与党内から「処遇対象者のケアは治療行為の延長で、従来の犯罪更生の仕組みを準用するのでは不十分」(公明党議員)といった指摘が出たため、犯罪の再発防止と社会復帰に向け、専門知識を持つ精神保健福祉士の活用が適切と判断した。

 触法精神障害者の処遇を巡る論議は、昨年6月の大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件を契機に高まった。

処遇判定については、裁判官と精神科医各1人で構成する合議体が行い、必要に応じて精神保健福祉士らが参与員として意見を述べる仕組みが固まっている。

 ◆「保安処分」イメージ和らげたい狙い◆

 法務省が触法精神障害者の社会的ケアのため、精神保健観察官を新設する方針を固めたのは、精神医療の専門性を重視するとともに、「犯罪者に対する保安処分」というイメージを和らげたいという狙いがある。現行の保護観察官は、犯罪者や非行少年が更生に努めるのを援助し、犯罪の予防活動を行っている。心理学や社会学、教育学の専門家が配置されているが、精神医療に関する知識はほとんど持ち合わせていないのが実情だ。

 精神障害者の保健や福祉に関する専門的知識を持つ精神保健福祉士は、98年4月に施行された精神保健福祉士法で創設された国家資格。昨年末現在の有資格者は約9000人で女性が7割を占めている。

 犯罪防止のためにこの精神保健福祉士をどう生かすか。保護観察に初めて精神医療の分野が持ち込まれることになるだけに、慎重な検討が必要だ。(政治部 川崎英輝)

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<2002年1月26日毎日新聞>

触法精神障害者 入退院専門家ら判定参加 「参与員」モデルに

 重大犯罪で不起訴や無罪になった精神障害者の処遇問題で、政府は25日、家庭裁判所の家事審判などで市民代表らが裁判官に意見を述べる「参与員制度」をモデルに、精神保健福祉士らが入退院の判定に加わる新制度を採用する方針を固めた。最終的な処分は、裁判官と精神科医が合議で決める方向だが、精神保健福祉士らが意見を述べる制度にすることで、保安処分の色彩を薄くする狙いがある。法務省が法案としてまとめ、3月中旬にも国会に提出する。

 「重大な触法行為をした精神障害者の処遇に関する法律案」(仮称)に盛り込む新制度では、全国50地裁に処遇判定機関を新設し、心神喪失で無罪や不起訴になった精神障害者の入退院や通院の要否を決定する。

 その際、精神保健福祉士や、事件によっては保護司、心理学者ら数人が判定に加わり、裁判官と精神科医に対し処分内容について意見を述べる機会を保障する方向だ。この意見を参考に裁判官と精神科医が「患者の治療の必要性や、その程度」について合議し、専門治療施設への入退院を決める。

 参与員制度は、国民各層から選ばれた参与員が未成年者の養子縁組などの家事審判事件に立ち会って意見を述べる制度で48年に始まった。今回の精神保健福祉士らの役割は、新法の中で精神保健参与員(仮称)などの名称で盛り込む方向だ。

 また、合議に当たる裁判官と精神科医は1人ずつで、患者が決定に不服の場合の高裁抗告審は裁判官だけで行う。

 自民党は当初、裁判官が単独で処分決定する案を検討していたが、与党のプロジェクトチームは昨年11月「決定方法は政府の判断に委ねる」としていた。
情報は→Yahoo! News


重大な触法行為をした精神障害者の処遇に関する法律案(仮称)の概要

2002年1月18日

法務省取りまとめ 次期国会提出予定

心神喪失者の状態で重大な触法行為をした精神障害者について、社会復帰をはかるとともに同様の行為を防ぐための治療及び社会における適切な処遇が確保される体制を整備するための措置を講ずる。

1 背景
 平成13年6月に発生したいわゆる大阪池田小等無差別殺傷事件を契機に与党3党が設置したプロジェクトチームにおいて、同年11月、重大な犯罪に当たる行為をした精神障害者の処遇に問題について、このような精神障害者の入/通院の要否、通院の可否等を決定する新たな判定機関を地方裁判所に設け、処遇の決定のための手続を創設すること、退院後のアフターケアのための体制を確立すること等を内容する報告書が取りまとめられたところである。また、その席上において、座長より、このような新たな処遇制度を整備するため、政府において、早急に必要な法案を国会に提出するべきであるとの意見が述べられた。
 
2 概要
(1)心神喪失又は心神耗弱の状態で殺人、放火等の重大犯罪にあたる違法な行為をした精神障害者で、不起訴処分となり、又は無罪等の判決が確定したものについて、検察官が、地方裁判所に対し、審判の開始を申し立てるものとする。
(2)審判は、裁判官のほか、精神科医が関与して行うものとする。
(3)地方裁判所は、対象者について、入/通院の要否、退院の可否、処遇の終了等を決定するものとする。
(4)入院治療決定を受けた者は、専門治療施設において、その病状等の応じた適切な医療、社会適応訓練等を受けるものとする。
(5)通院治療を受けた者及び専門治療施設から退院したものは、専門治療施設による適切な医療を受けるとともに、継続的な治療を確保するための保護観察書による観察等に服するものとする。
※ 本法案は法務省と共管

3 施行期日 検討中


精神医療 重大犯罪の精神障害者に対応 新プラン策定へ

毎日新聞2001年12月4日>

 政府・与党は3日、重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する法整備にあわせ、「21世紀の精神医療ビジョン」をまとめ、それに基づく5カ年計画(ダイヤモンド・プラン=仮称)を策定する方針を固めた。病院の治療内容に関する情報公開と、それに対する外部評価制度の導入、医師・精神保健福祉士ら専門スタッフの養成システムの確立など、精神医療・福祉の充実が狙いで、2002年度中の策定を目指す。

 政府・与党は来年の通常国会に、責任能力が問えずに無罪になった場合、現行の「措置入院」制度に代え、全国50地裁に入退院を決定する新たな判定機関を設置することを柱にした「新法」案を提出する。

 しかし、精神障害者の家族などには、処遇システムの整備よりもむしろ十分な治療、社会復帰に向けた体制づくりを求める声が強く、総合的な対策を盛り込んだプランの策定が不可欠と判断した。

 プランには

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精障者犯罪防止で提言 沖縄県精保医療福祉協

<琉球新報2001年12月22日>

 県精神保健医療福祉連絡協議会(小椋力会長)は21日、精神障害者による事件・事故の防止などを目指した「精神保健・医療・福祉を推進するための提言」を発表した。精神科救急医療システムの充実や精神障害者が安心して生活できるよう地域の生活支援を提起したほか、司法にも責任能力について慎重な判断を求めた。提言を基に、精神障害者による重大犯罪防止のための対策マニュアルを作成する。
 県内で7、8の両月、精神障害者による殺傷事件が相次いだことから、同協会は8月7日、「重大犯罪の防止に関する実行委員会」を設置した。法制度の見直しなど国レベルの取り組みとは別に、県内で何ができるか検討を重ね、委員長の石垣一彦国立療養所琉球病院院長が中心となって提言をまとめた。
 提言は

(1)精神保健、医療、福祉の連携
(2)相談窓口の増設
(3)県立精神保健福祉センターなどでつくる連絡調整会議の充実強化
(4)保健所などへの精神科常勤医師の配置-なども盛り込んだ。

今後、検討を要する重要な問題として、治療中断者への対策や措置入院者の措置解除の判断、医療機関の危機管理などを挙げている。
 提言をまとめた石垣委員長は県庁で会見し、精神障害者が事件を起こした場合の安易な簡易精神鑑定を批判し、「1、2時間で責任能力や病状について十分な診断はできない。司法当局にもっと慎重な判断をお願いしたい」と述べた。
 小椋会長(琉大医学部教授)は「家族だけでなく地域が障害者の生活を支えていくことが必要。精神保健と医療福祉を充実させていくことが、事件の防止につながる」と強調した。


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触法精神障害者の処遇、医師含む「専門参審制」で判定

<読売新聞2001年12月6日>

 殺人などの重大犯罪事件を起こした触法精神障害者が心神喪失を理由に無罪・不起訴になった場合の処遇見直し問題で、法務省は6日、全国の地裁に新設する処遇判定機関を裁判官と精神科医らの合議制とする方針を固めた。医師が裁判官と一緒に事実認定・審理を行い、裁判官並みの評決権を持つことは、職業裁判官以外の専門家が司法判断に関与する「専門参審制」が日本の裁判所で初めて導入されることを意味する。同省は判定機関のメンバー構成比や判定基準などの詳細を詰めたうえで、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 触法精神障害者の処遇を巡る論議は、6月の大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件をきっかけに高まった。現行の措置入院制度はもっぱら医師の判断にゆだねられ、鑑定の信頼性も検証できないのが実情だ。このため、被害の再発防止の観点から、処遇決定にあたって裁判官の関与を求める声が出ていた。

 法務省内の検討では、処遇判定機関は裁判官と精神科医の数人で構成し、必要に応じて精神保健福祉士ら精神医療分野の専門家がオブザーバー参加して意見を述べる。精神科医は医学的観点から処遇対象者の病状と必要な治療措置について、また裁判官は法律的・社会的観点から「処遇対象者が将来問題行動を起こす可能性」についてそれぞれ判断し、合議のうえで強制的な入院・通院の可否の結論を下す。責任能力が十分あると判定すれば、検察官に差し戻し起訴されるケースもある。裁判官と医師の意見が食い違った場合は、多数決か、処遇対象者に不利な決定とならない仕組みを検討している。

 与党が先月12日に決定した見直し案では、精神障害者が心神喪失などで不起訴処分となった場合、

 しかし、判定機関の評決方法については、裁判官と医療関係者の合議制とするか、専門家で作る第三者機関の意見を聞いて裁判官が単独決定するかで意見が分かれ、結論を政府の検討にゆだねていた。法務省が医師を含めた合議制とする方針を固めたのは、専門性を重視したためだ。

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精神障害者新法 差別解消を条文化 政府・与党方針

<毎日新聞2001年11月16日>

 政府・与党は15日、来年の通常国会に政府が提出する「重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する新法」案に、精神障害者に対する差別・偏見の解消を条文化する方針を固めた。今回の法整備がかえって差別・偏見を助長するとの指摘を重視、政府の姿勢を明記することで国民の理解を求めることにした。

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心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム報告書
   2001年11月12日 与党3党プロジェクトチーム


触法精神障害者 判定機関への不服申し立て認める 新法与党案

毎日新聞2001年11月6日>

 政府・与党が来年の通常国会に提出する「重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する新法」の自民、公明、保守の与党3党案が5日、明らかになった。全国の地方裁判所に裁判官、精神科医、精神福祉士らによる「判定機関」を設置、責任能力が問えずに無罪か不起訴になった精神障害者の入退院を判断するが、精神障害者、犯罪被害者の双方に新機関の決定に対する不服申し立ての権利を与えた。与党3党は今月中旬まで詰めの議論を行ったうえで成案をまとめ、法務、厚生労働両省が法案化に乗り出す。

 判定機関については、両省が中心となって今年6月下旬にまとめた政府・与党試案では、裁判官がトップになるものの、構成するメンバーが合議で決定する仕組みになっていた。しかし、自民党のプロジェクトチーム座長の熊代昭彦衆院議員が、裁判官が判定機関(裁判官はメンバー外)の意見を聴取したうえで、単独で決定を下す案を提示し、与党内の調整は難航している。

 与党案は、判定機関の「具体的な構成、合議・表決のあり方」について凍結したうえで、ほかの部分について言及。

(1)判定機関の決定に対する不服申し立て
(2)精神障害者の弁護人が不在の場合は判定機関が選定する
(3)精神障害者、犯罪被害者双方の関係者の判定手続きの傍聴――などを定めた。

 このほか、司法精神医学研究・研修体制の整備や、精神障害者の社会復帰支援策も盛り込んだ。

 与党3党は6日にプロジェクトチームの会合を開くなど、今月中旬までの成案取りまとめを目指すが、判定機関の性格については法案化作業を行う法務、厚生労働両省の判断にゆだねる可能性もある。

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公明党プロジェクトチーム案

2001年11月1日


新たな精神障害者の触法行為に対する処遇システムについて


公明党触法精神障害者の判定・処遇に関するプロジェクトチーム

池田小学校事件などを契機として重大犯罪を犯した精神障害者に対する処遇のあり方に対する見直しを求める声が高まった。一方で精神障害者に対する偏見と差別が未だに強いことを指摘する意見、また精神障害者に対する医療福祉のさらなる充実が必要であるという指摘がある。
公明党は精神障害者の医療福祉の充実を図り、差別と偏見を解消するため、また、そうした偏見と差別の一因ともなっている重大な触法行為に対する処遇システムの見直しのため以下の提案を行う。

以下略→こちらへ


無罪・不起訴の触法精神障害者に治療措置制度創設へ

読売新聞2001年10月30日>

 殺人や放火などの重大犯罪事件を起こした精神障害者が心神喪失を理由に無罪・不起訴になった場合の処遇見直し問題で、自民党のプロジェクトチーム(座長・熊代昭彦衆院議員)は30日、全国の地裁内の判定機関が精神病院への入退院や通院を決定する「治療措置制度」(仮称)を新規立法で創設することを決めた。退院後や通院中は、現行の保護観察所に生活指導を行わせることでも一致した。

 判定機関は、精神科医や精神保健福祉士ら専門家数人で構成するが、決定方法を巡っては、判定機関に裁判官も加えた合議制とするか、判定機関の意見に基づいて裁判官が単独決定する方式をとるかで意見が分かれ、結論を持ち越した。与党内調整を経て、9日に最終決定する。

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地裁に入退院判定機関を設置=触法精神障害者の処遇で新制度−自民党

<時事通信2001年10月30日>

 自民党は30日、「心神喪失者の触法・精神医療に関するプロジェクトチーム」(熊代昭彦座長)を開き、重大犯罪を起こしながら、心神喪失などを理由に不起訴となる触法精神障害者に対して、新たに導入する処遇制度の概要を固めた。

−ことが柱。政府・与党は11月中に最終案を固め、来年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。
 新制度の概要は熊代氏が座長案として提示した。ただ、「(治療措置の)決定は裁判官と専門家の合議体で行うべきだ」などの異論が出たため、来週に再度会合を開き、裁判官主体で決定するか裁判官と専門家の合議制とするかで調整する。 

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精神障害者犯罪 新法の座長案提示 自民党プロジェクトチーム

毎日新聞2001年10月30日>

 重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇問題を検討している自民党のプロジェクトチーム(PT)は30日、党本部で会合を開き、座長の熊代昭彦衆院議員が新たなシステムを定める新法の座長案を提示した。これをもとにPTとしての案をまとめる予定だったが、意見がまとまらず、結論は11月6日の次回会合に持ち越した。

情報はこちら→Yahoo! News


重罪の精神障害者処遇、医師ら交えた司法判断提案へ

朝日新聞2001年10月27日>

 重大な罪を犯しながら責任能力が問えずに無罪や不起訴になった精神障害者について、政府と与党が検討している新たな処遇システムの概要が26日までに固まった。裁判官や医師、精神保健福祉士らが話し合って入・通院の要否や退院を判定する機関を、全国の地方裁判所に設ける。退院後の生活を見守り支援するため、地域の保護観察所や保健所を活用する構想も盛り込まれている。こうした考えをもとに細部を調整し、政府は来年の通常国会に新制度導入に必要な法律を提案する。

 入退院の判断に司法を関与させることは、これまでの論議で固まっていたが、裁判官だけに任せるのではなく、医療・福祉専門家と共同作業で決定を下す審判方式を採る方向となった。メンバーの構成比や評決方法はさらに協議して詰める。

 判定機関は、検察官の申し立てを受け、対象者の精神状態や生活環境を調べて、入院や通院などの処遇を決める。精神障害が原因で再び犯罪行為をする恐れがあるかどうかが焦点になる。

 対象者は弁護士を付き添わせることができ、いない場合は刑事裁判の国選弁護人のように、判定機関の側で選任する。決定に対する不服や退院の許可を申し立てられるようにする一方で、犯罪の被害者や遺族が審判を傍聴することも認め、双方が納得できる手続きにしたい考えだ。

 さらに与党は、触法精神障害者が適切な治療を受けられる場として、既存の国公立の病院などを基盤に、人員配置や設備を充実させた専門治療施設を設けることを検討している。

 ケア態勢の一端を担う保護観察所はこれまで、非行を働いた少年や、刑期を終えた成人らの生活指導に携わってきた。こうしたノウハウを生かすほか、治療施設や保健所と連携して、患者が地域で生活していくのを手助けするのが狙いという。

 諸外国と比べて見劣りがする司法精神医学の研究体制の整備や、精神医療総体を充実させるための基本計画の策定などが必要だともしている。

 入退院の手続きに裁判所がかかわることについては、治療よりも治安を優先する「保安処分」になりかねないとの指摘が、公明党議員を含め根強くある。構想をまとめた側は、今回の内容であればそうした懸念はあたらないとみており、来月中に与党内で最終案を決定したい考えだ。

情報はこちら→朝日新聞朝刊第1面トップ記事

参考  自民党「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」

次回会議10月30日(火)   午前11時半 本部707室
議題:自民党心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム案の検討


自民党プロジェクトチームはヒアリングを終了

 自民党「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム 」 (座長:熊代昭彦)は10月5日、関係団体の5回のヒアリングを終了。
 10月中に自民党プロジェクトチームとしての意見集約を行うという。
 プロジェクトチーム案では、精神障害の有無に関わらず、「重大犯罪=起訴」とする起訴法定主義が盛り込まれる可能性がある。そうなると、今までも各団体から批判が出ていた起訴便宜主義との位置づけが焦点になる。
 その案を受けて与党3党「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」が開かれる。

自民党「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム 」 議題

 7月10日 プロジェクトチーム検討項目及び今後の運営
 8月 3 日 ヒアリング
  1 触法心神喪失者対策の経緯について法務省、厚生労働省より
  2 プロジェクトチーム検討項目
 9月 7 日 「触法心神喪失者等の責任能力判断」
   講師 専修大学法学部教授 岩井宜子氏(刑事政策,刑法;精神障害者の犯罪対策,刑罰論)
      東京都立大学法学部教授  前田雅英氏(刑法 責任能力判断 著作『条解精神保健法』)
 9月14日 ヒアリング
元京都地検検事正 古川元晴氏
元札幌高裁長官  吉丸  真氏
 9月21日 ヒアリング
読売新聞社編集委員 久保 潔氏 
弁護士 岡村 勲氏 (犯罪被害者の会 代表幹事 犯罪被害で家族を失っている)
被害者関係者から  
 9月28日 ヒアリング
  日本医師会常任理事 西島英利氏
 10月5日 ヒアリング
  日本精神病院協会.全家連・PSW協会・日弁連

以上の情報はメディファクスと自民党のホームページ「自民党政調会の議題と各省検討事項」などをまとめたものです。
ほぼ予定どうりの進行のようです。法案の骨子が姿を現すのは11〜12月で1月通常国会で特別立法案が上程されるのでしょうか。この情報では「審判所」や「特別病棟」などについてはどう扱われたか不明です。10月5日のヒアリングは詰め込みすぎ、やっつけみたいですね。充分な論議を尽くす姿勢とはとはほど遠く、司法的観点が前面に立っていて、治安的に取り扱われていることがありありとうかがわれます。医療的な問題はまるで付け足し。しかも、医師は「審判所」や「特別病棟」を待望している日精協の意見しか聞いていません。自治体病院関連の団体や精神神経学会の意見、また当事者の意見は聞きたくないようです。

9月28日、日本精神病院協会の第68回定期代議員会と第81回定期総会が開かれています。
その決定事項については資料が配布され始めているようです。


「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」

◆自由民主党プロジェクトチーム◆
<衆議院>
熊代 昭彦 議員(座長・元厚生省援護局長)
  mailto:kumashiro@sam.hi-ho.ne.jp
  mailto:kumashiro@msj.biglobe.ne.jp
  http://www.sam.hi-ho.ne.jp/kumashiro/

保岡 興治 議員(元法務大臣・有力メンバー)
  mailto:g04640@shugiin.go.jp
  http://www.yasuoka.org/

津島 雄二 議員(元厚生大臣)
  mailto:g02875@shugiin.go.jp
  http://www.jimin.or.jp/jimin/giindata/tsushima-yu.html

長勢 甚遠 議員(元労働省官僚)
  FAX 03-3592-9048
  http://www.n-jinen.com/ ホームページに「御意見コーナー」あり

塩崎 泰久 議員(自民党厚生労働部会長代理)
  FAX 03-3508-3619
  mailto:shiozaki@y-shiozaki.or.jp
  http://www.y-shiozaki.or.jp/

八代 英太 議員(車イス議員・東京自民党幹事長)
  mailto:e-yashiro@nna.so-net.ne.jp
  mailto:g04602@shugiin.go.jp
  http://www.kitanet.ne.jp/~m-araki/Yashiro/BBSあり

石破 茂 議員(元防衛庁副長官)
  mailto:g00505@shugiin.go.jp
  http://www.ishiba.com/

<参議院>
佐々木 知子 議員 (元検事)
  FAX03-3597-0002
  mailto:tomoko_sasaki01@sangiin.go.jp
  http://www2.tky.3web.ne.jp/~tomokos/profile.html

◆与党3党プロジェクトチーム◆
  持永 和見 議員(衆・自民党)
  FAX 03-3592-2692
  http://www.jimin.or.jp/jimin/giindata/mochinaga-ka.html

山本 幸三 議員(衆・自民党)
  FAX03-3595-4487
  mailto:e-yashiro@nna.so-net.ne.jp
  http://www.jimin.or.jp/jimin/giindata/yamamoto-kou.html

佐藤 剛男 議員(衆・自民党)
  mailto:g02097@shugiin.go.jp
  http://www.nhb.nttls.co.jp/tatsuo-s/

漆原 良夫 議員(衆・公明党)
  mailto:info@urusan.net
  http://urusan.net/

山下 栄一 議員( 参・公明党)
  FAX 03-5512-2622

福島 豊 議員(衆・公明党)
  mailto:fuku21yu@mbox2.inet-osaka.or.jp
  http://home.inet-osaka.or.jp/~fuku21yu/

小池 百合子 議員(衆・保守党)
  FAX 03-3503-6775
  mailto:koike@yuriko.or.jp
  http://www.yuriko.or.jp/

松浪 健四郎 議員(衆・保守党)
  FAX 03-3508-3525
  mailto:kenshirou@kenshirou.ne.jp
  http://www.kenshirou.com/NNtop.html


触法精神障害者 裁判官に入退院決定権 処遇法案の原案判明 地裁に第三者機関

産経新聞2001年10月25日>

 今年六月に起きた大阪の校内児童殺傷事件をきっかけに、政府・与党が立法作業を急いでいる「心神喪失等の状態で重大な触法行為をした者の処遇に関する法律」(仮称)原案の全容が二十四日、明らかになった。重大な犯罪を行った触法精神障害者の入退院の是非を判断するため、裁判官や精神科医、福祉関係者らで構成する新たな第三者機関を地方裁判所に創設し、裁判官に入退院の最終的な決定権を与えるのが特徴。政府は与党内調整を経て来年の通常国会に法案を提出する方針だ。

 政府・与党が触法精神障害者の処遇問題で、人権上の観点から反対論が強かった裁判官への入退院決定権付与に踏み切るのは、精神保健福祉法で規定されている現行の措置入院制度の行き詰まりが背景にある。

 精神科医が医学的な診察で将来の再犯を予見し、触法精神障害者の入退院を判断する現行制度では医師に負担がかかりすぎ、精神医学界から改善を求める声が強まっていた。さらに「刑事手続きに準じた司法判断を加える仕組みにしなければ、被害者や国民の理解を得られない」(自民党筋)との判断もある。

 新設される第三者機関では、殺人や放火などの重大な犯罪行為を起こした精神障害者を医学、司法、社会福祉の立場から審査。そのうえで、

(1)自宅療養

(2)特別の精神病棟での治療や矯正

(3)一般病棟での治療・矯正−のいずれの措置をとるか、裁判官が専門家の意見と事件の証拠審査に基づいて最終決定する。

 従来は重大事件を犯しても責任能力がないために無罪判決を受けたり、不起訴処分となったりした精神障害者に適切な治療を強制的に実施できるようにするほか、第三者への被害を未然に防止することが狙いだ。

 法案原案はこのほか、

(1)治療に必要な施設や、通院治療による社会復帰を支援するための仕組みを整備する

(2)治療、社会適応訓練の専門家育成を推進するため、精神医療・福祉の充実強化を図る「総合プラン」を策定する−ことなどが盛り込まれている。

         ◇

触法精神障害者の処遇に関する法律案原案の骨子

 一、触法精神障害者の入退院決定に司法的判断・国民の視点も加えるため、裁判官、精神科医、精神障害者医療・保健従事者、有識者が判断する機関を設置

 一、触法精神障害者が退院しても通院治療が必要と認められる場合、通院治療を受けさせる仕組みを設ける。精神医療や更生保護の関係者を活用、社会復帰を支援する体制を整備

 一、精神医療・福祉の充実を図る総合プランを策定


情報はこちら→産経新聞朝刊より


厚生労働両省の第6回合同検討会

精神障害者処遇:簡易鑑定の課題を指摘 東京地検の嘱託医

毎日新聞2001年9月11日>

 重大事件を起こした精神障害者の処遇に関する法務、厚生労働両省の第6回合同検討会が11日、法務省で開かれ、東京地検の嘱託医を務める米元利彰医師が簡易鑑定や措置入院の現状と課題について報告した。

 米元医師は簡易鑑定について「やらなければいけないことや書類の書式など、都道府県でばらつきがある」と指摘し、

▽鑑定方法の統一

▽鑑定専門家の養成

▽誤診を防ぐために複数の医師による鑑定

――などの改善の余地があるとした。

 また、同地検本庁の精神診断室が鑑定したケースで、検察が不起訴処分にした後、精神保健福祉法に基づき東京都知事に通報したが、都が「措置入院の診察の必要なし」と判断した事例が、昨年度だけで20件以上あったことを明らかにした。米元医師は「都は『診察の必要なし』と判断した根拠を明らかにしていない。せめて文書で残すべきだ」と注文した。 【精神医療取材班】

情報はこちら→Mainichi INTERACTIVE


触法精神障害者に「審判所」

読売新聞2001年8月29日>

 政府は28日、重大な事件を起こし、不起訴や無罪などになった精神障害者の処遇について、全国に50か所あるすべての地方裁判所に、入退院を判断する第三者機関として「審判所」を併設する方針を固めた。大阪府池田市の児童殺傷事件を受けた触法精神障害者の処遇見直し策の柱となるもので、政府は審判所併設に必要な新法を来年の通常国会に提出する。

 今後、与党3党と第三者機関のあり方などを調整、具体的な入退院の判断基準を策定する。

 審判所は、北海道内の4地裁と、46都府県に1か所ずつある地裁に設置する。心神喪失のために不起訴や無罪となった精神障害者について、地裁の裁判官のほか、精神科医といった医療関係者、精神保健福祉の専門家らが協議し、精神病院への入退院について決定する。

 政府は当初、全国10か所程度の地裁に併設することを検討していたが、全国的にきめ細かく対応する必要があると判断し、併設個所を拡大することにした。

 触法精神障害者の処遇見直しをめぐっては、厚生労働省が特別病棟の導入について検討しており、来年度からモデルとなる病棟整備を進める方針だ。


情報はこちら→Yomiuri-On-Line


精神科医を海外派遣 厚労省、触法障害者治療の向上へ

asahi.com2001年8月24日>

 重大な事件を起こした精神障害者の処遇で、治療にあたる精神科医の専門性を磨くため、厚生労働省は来年度、国立病院などの医師を海外の専門機関に派遣することを決めた。政府与党は来年の通常国会に、新しい処遇システムに関する法案を提出する方向で準備中だが、触法精神障害者に対する治療法を身につけた専門医は不足しているのが現実。国内では教育体制が不十分なため、人材養成を急ぐことにした。

・派遣先には海外の専門病院や医科大学などを想定。

・臨床精神科医10〜20人 程度を選考、半年から1年ほどの研修期間で、臨床的な治療技法を学んでもらう。厚労省は必要な経費を来年度予算の概算要求に盛り込む。

・政府与党の間では触法精神障害者を治療する専門病院・病棟が必要という点でおおむね合意ができ、裁判所が関与した処遇システムを新設する方向で議論が進行中。

・しかし、医療・司法関係者の多くは、こうした患者に対する治療技法が国内ではまだ確立していないとみている。

・全国の医大や医学部には司法精神医学の講座が一つもない。

・体系的な教育プログラムは乏しい。

・一方、司法が関与した処遇システムを持つ諸外国には、専門病院が研究機関を併設するなどして研修を行っている例もある。

・ 新しい処遇システムの骨格は固まっていない。研修生には当面、国内の精神医療の底上げ役になることが期待されている。帰国後は医師教育や臨床現場などで経験を生かしてもらう構想。

一部略、情報はこちらから→asahi.com home > 社会 > 速報


措置入院に「審査会」 日弁連が提言へ 裁判官関与には反対

毎日新聞2001年8月20日>

 重大犯罪を犯した精神障害者の処遇について、日本弁護士連合会の刑事法制委員会は19日、不起訴や無罪になった精神障害者を強制入院・退院させる判断を行う「措置入院審査会」(仮称)の設置を提言することを決めた。一方、政府や与党で検討されている裁判官の関与については、反対していくという。

情報はこちら→Yahoo! News


日精協が「司法精神医療裁判所」新設などの立法措置提案 
   

8月2日、日本精神病院協会は会見をおこない、「重大な犯罪を起こした精神障害者」関して、「司法精神医療裁判所(仮称)」「司法精神医療病棟(仮称)」の新設などを柱とした新たな立法措置を求めることを理事会で決定したと発表したようだ。仙波会長は立法化を積極的に求めていく姿勢を示したと伝えられる。

触法患者の処遇に医療と司法、双方が関わるシステムの構築を求め、日精協では、近く、厚生労働省や法務省など関係官庁のほか、攻府・与党などに提案する方針という。

 新たな法制度の柱は、
(1) 司法精神医療裁判所(仮称)の新設
(2) 司法精神医療病棟(仮称)の新設
(3) 退院後の保護観察制度の導入
(4) 司法精神医療研究所(仮称)の設立

現行の精神保健福祉法では解釈できないため、新たな立法措置を求める。

(1) 司法精神医療裁判所(仮称)

犯罪の種類や程度、犯罪歴に加え医療的判断も含めて司法判断を行う機関。不起訴や無罪が確定した触法患者について、検察官が裁判を申し立てたのを受け、入退院の決定や治療施設の指定、入院治療の必要性、退院後の治療や保護観察の決定・解除を行う。裁判官のほか精神科医などが評議に加わる。裁判所が所管し、評議員は最高裁判所長官が任命。精神保健福祉法に基づいて設置されている精神医療審査会とは別に、都道府県に設置する。

(2) 司法精神医療病棟(仮称)

同裁判所(仮称)の判断を受けて専門的な入院治療を行う。
原則、国立病院に併設し、現在の「任意入院」や「措置入院」とは別の「司法入院(仮称)」の形態で入院させる。
10〜30床程度の小規模な病棟を想定。日精協では「あくまで社会復帰を目的とするための施設」(仙波会長)で、収容施設にならない位置づけとしている。

(3) 退院後の保護観察制度の導入

現行では医師が患者に通院を強制することはできないため、退院後の通院の義務づけや保護観察制度の導入も求める。この決定や解除にも司法精神医療裁判所(仮称)が関わる。

(4) 司法精神医療研究所(仮称)の設立

こうした精神障害者の治療や社会復帰に関する研究を進めたり、専門家を育成するための研修を行う司法精神医療研究所(仮称)の設立も求めた。


第4回目与党プロジェクトチーム会合  「心身喪失者等の触法」重大犯罪について  


8月7日のメディファックスは以下のことを伝えたようです。


・8月6日、与党3党の「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジエクトチーム」

(佐藤剛男座長)4回目の会合が開かれた。

・「心身喪失者等の触法」に係る対象者については、
「心神耗弱者を含み、殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ、傷害など」
の重大犯罪を犯した者に限るとすることを確認した。

・与党3党プロジエクトチームは各党プロジエクトチームとの意見調整を行い、
 10月中には結論を取りまとめる方針。
・今後検討する項目は、
(1)現在の検察による起訴・不起訴の鑑定方法
(2)不起訴後の措置入院等の措置方法
(3)第3者機関による退院、入院、服薬等の司法判断
(4)触法心神喪失者等が入所する専門医療施設とこれにかかる人員対置、診療報酬等
(5)退院(退所)後の継続的治療
(6)司法精神医学の研修、研究のあり方
・文部科学省から司法精神医学の講座が国公立大学に
 1校も整備されていない現状に関するヒアリングを受けた。

メディファックスについてはこちらへ→http://www.jiho.co.jp/news/mf.html


触法精神障害者の処遇判断へ地裁に新組織 政府案

朝日新聞2001年8月7日>

・7日の閣議後の記者会見で坂口力厚生労働相が政府案の概要を明らかにした。
・全国の主要な地裁10カ所前後に置く構想。
・裁判官のほか精神医療や福祉の専門家も参加。

・事件を起こした精神障害者を治療・矯正するのに、
 (1)特別の精神病棟(2)一般の精神病棟(3)自宅で通院のどれが適当なのかを判断する。
・退院が適当かどうかも協議。
・新たな組織で司法が主体となる考えを明確にした。

以上要約です。詳しくは→http://www.asahi.com/politics/update/0807/008.html


触法精神障害者処遇 検討項目まとめ 自民チーム 不起訴でも裁判所判断

産經新聞朝刊2001年8月4日>

 自民党の「心神喪失者などの触法および精神医療に関するプロジェクトチーム」(熊代昭彦座長)は三日、会合を開き、殺人など重大な罪を犯した触法精神障害者の処遇についての検討項目をまとめた。

触法精神障害者の約九割が不起訴や起訴猶予となって裁判所の判断を受けていないと指摘。

(1)心神喪失などの理由だけで不起訴や起訴猶予になった場合はすべて起訴し、裁判所の判断を仰ぐ
(2)心神喪失だけの理由で無罪とされた場合は、それに代わる刑法上の措置を定める
(3)入院措置の受け入れ病院の環境を整備する

との観点から議論を進めていくことを提案、了承された。

 現行の「措置入院」制度は、担当医が医学上の診断だけで触法精神障害者の将来を予見し、入退院を判断するため、見直しを求める声が強まっていることを踏まえたもの。

次回会合予定:九月七日に刑法学者や医療関係者らから意見を聞く。

「法案提出は来年の通常国会になる」(幹部)との見方が強いが、有力メンバーの保岡興治元法相は「秋の臨時国会での法案提出を目指すべきだ」と主張している。

一部省略、詳しくはこちらへ→Sankei-politics http://sankei.pmall.ne.jp/sankei/P/online/paper/today/politics/04pol009.htm


2001年8月4日のメディファックス情報によると以下のように伝えられています。


・自民党の「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」は触法心神喪失者の問題以外にも精神科診療報酬のあり方も検討テーマに話し合い、精神障害者医療の充実強化も示された。

・精神障害者医療ではケア体制や診療報酬のあり方なども触法間題の根本的な解決のために必要だとして、今後の検討テーマに予定。

・民間病院では重大な問題を引き起こした精神障害者の取り扱いに限界があるので、「むしろ公的医療機関(国公立)にしかるべき体制を整備すべき」との見解も示された。触法問題は診療報酬の改定と絡むことから「(触法問題の)焦点は年末の予算編成になる」と座長は述べた。

・民間病院では重大な問題を引き起こした精神障害者の取り扱いに限界があるとの認織も示され、「むしろ公的医療機関(国公立)にしかるべき体制を整備すべき」との見解も示された。

・結論は10月中にも取りまとめる方針で、その後、与党内での調整を経て、法案を議員立法か政府提案で来年の通常国会に提出したい考えを示している。
・今後、精神障害者医療の充実強化対策についても併せて検討する方向(治療方法の研究・入院環境・退院後医療の改善・専門スタッフの養成・診療報酬のあり方)

・精神障害者医療の充実強化の検討こそが心神喪失者の触法問題を根本的に解決するとの観点から盛り込まれた。
・そのほか、精神障害者医療(司法精神医療の間違い?)を学べる大学講座が日本にひとつもない現状も問題提起され、今後、文部科学省を交えた検討を行うことを全会一致で了承した。


関連記事

精神障害者:司法精神医学講座を設置へ 国立大で専門家を養成

<毎日新聞2001年8月4日>

重大犯罪を行った精神障害者(触法精神障害者)の処遇システムの検討を進めている政府は3日、司法と精神医療が連携した「司法精神医療」の専門家を養成するため、国立大学に司法精神医学講座を設置する方針を固めた。

国内では司法精神医療の人材を養成する場がほとんどないため、、専門家不足の解消を図る。

 政府・与党の試案では、処遇システム作りの一環として、専門医学・医療の立場から精神障害と犯罪との関係や効果的な治療法などを幅広く研究する司法精神医療研究施設の設置案が浮上している。しかし、研究を進める上で専門家や専門医の養成は不可欠なため、今後、国立大学を持つ文部科学省で設置時期や、設置の範囲などについて具体的に検討しながら、対応していく方針だ。

一部略、詳しくはこちらへ→Mainichi Interactive司法精神医学講座


第5回「法務省・厚生労働省合同検討会」(議事メモ)

と き:2001年7月18日(水) 10:00_12:10
ところ:厚生労働省共用第7会議室(本館5階)
議 題:重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及びシステムの在り方などについて
出 席:法務省 三浦課長、白木・加藤局付、梶木・大橋課長、島倉企画官
厚生労働省 松本課長、坂本室長、泉・岩田・井上・護摩所補佐
オブザーバー:長尾院長、山上教授、町野教授、神弁護士、池原弁護士

(1) 意見陳述:埼玉県立精神保健総合センター 吉川和男医長

(2) 意見陳述:岡山県立岡山病院 中島豊爾院長

(3)【資料】:「刑事司法と精神医療をむすぶ新たなシステムの提案」

      (埼玉県立精神保健総合センター 吉川和男)

(4)【資料】:第五回 法務省・厚生労働省合同検討会」

     (岡山県立岡山病院 中島豊爾)


殺人など6罪で措置入院に裁判官関与…政府指針案

読売新聞夕刊7月25日

 政府は25日、精神障害者が殺人など6つの重大な事件を起こして不起訴や無罪になった場合、精神病院への入退院の判断に裁判官を関与させることを柱とする措置入院制度の改正指針案をまとめた。大阪府池田市の児童殺傷事件の反省を踏まえたもので、参院選後に与党と協議したうえで、来年の通常国会にも法案を提出する方針だ。

 指針案は、法務、厚生労働両省が内閣府などと協議してまとめた。これまで明確でなかった措置入院の対象犯罪について、▽殺人▽放火▽強盗▽婦女暴行(強姦(ごうかん))▽強制わいせつ▽傷害――の6罪を具体的に挙げている。

 そのうえで、これらの犯罪を起こした精神障害者に関しては、医師だけの判断で入退院を決めている現行の措置入院制度を改め、司法の判断を加えた審判機関が決めるべきだとしている。ただ、傷害罪については、軽いけがをさせる程度のケースもあるため、重傷を負わせたり、犯罪を何度も繰り返したりした場合に限る方向で調整する。

 入退院を判定する機関(審判機関)については、〈1〉家庭裁判所の機能を拡充して対応する〈2〉新たな行政委員会組織を設置する――などを検討している。措置入院の是非を判断する場合、裁判官に精神科医、精神保健福祉士らも加わる見通しだ。ただ、弁護士、検察官の意見をとり入れるかどうかに関しては、賛否両論があり、なお調整中だ。

 審判機関が決定するのは、精神障害者の入院のほか、入院後の社会復帰、在宅通院、訪問看護などの措置となる。

以下略 詳しくはこちら→Yomiuri-On-Linehttp://www.yomiuri.co.jp/01/20010725i403.htm


事件起こした精神障害者、治療判断に審査会案 日本弁護士連合会

朝日新聞2001年7月21日

 重大な事件を起こした精神障害者の処遇について、日本弁護士連合会の精神医療問題 小委員会は20日、捜査段階で不起訴処分になったり裁判で無罪になったりした精神障害者の治療期間や方針を判断する審査会を設置する独自の素案を固めた。精神科医だけでなく、事件にかかわった検察官と弁護士からも意見を聞いて、適切な治療方針を立て ることを目指す。裁判官の関与を軸に検討されている政府内の議論に影響を与えそう だ。

 現行制度では、事件後「精神障害のため責任能力がない」と判断されると、2人以上の精神科医の診察をもとに都道府県知事が精神病院に強制入院させることができる。素案ではこの流れは基本的に変えず、医師だけに任せていた判断を、看護婦やソーシャルワーカーも加わる審査会に担わせる。

 さらに、検察官や弁護士からの意見や資料提出を受けて、精神科医が事件当時の状況などを参考に判断を下せるというメリットもある。

 審査会は、精神病院の一般の入院患者からの退院や処遇改善の請求を審査する現行の「精神医療審査会」とは別組織とし、都道府県ごとに設ける。

 また、現行制度では勾留(こうりゅう)中に治療が中断するため、精神鑑定に影響が及びかねないと指摘。勾留中も主治医が拘置所を往診できる規定を加えることを提案している。

 小委員会の伊賀興一委員長は、「責任能力がないと判断した以上、その人物の行為は罪に問えない。裁判でない以上は強制入院を判断する機関に裁判官がいるのは矛盾だ」と述べ、裁判官の関与を模索する政府部内での論議を批判した。

詳しくはこちらへ→http://www.asahi.com/national/update/0721/002.html


参院選:精神障害者の「保安処分の立法化」27% 候補者調査

毎日新聞2001年7月20日

 毎日新聞の参院選候補者アンケート調査(回答率94・6%)で、大阪府池田市での児童殺傷事件をきっかけに起きた重大犯罪行為をした精神障害者の処遇問題について聞いたところ、「治療・保安処分の立法化」との回答は27%にとどまった。最も多かったのは「退院後のサポート体制充実」で41%だった。

 その他の回答は「長期的な検討が必要」13%、「学校や公共施設の警備強化」5%、その他の意見や無回答14%だった。

 候補者の党派別では「治療・保安処分の立法化」は、保守が80%で、最も高かった。次いで自由61%、公明50%の順。自民は26%、民主は10%だった。共産候補者の71%は「医療と法制の両面から検討すべきだ」との意見を記した。

以下略詳しくはこちら→http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200107/20/20010721k0000m010108000c.html


犯罪犯した精神障害者の処遇で与党3党「プロジェクトチーム」が初会合  法整備含め検討


 6月26日、与党3党による「心神喪失者等の触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム」(座長佐藤剛男:自民党)の第1回会合が開かれた。法律の整備を含めた検討を開始し、参院選前までに一定の方向を示すという。

(1)国民の意見を反映する仕租み:入退院には精神科医以外に、

 裁判官などの法律家や障害者保護に関わる民間人などの意見を反映。

(2)アフターケアの充実:精神科専門のソーシャルワーカーや保護観察官などによる指導

(3)精神医療の基盤の充実

・7月6日の第2回会合では厚生労働省と法務省からヒアリングを予定。

・7月9日の第3回会合では、日本医師会、日精協、全家連、日弁連などからも意見を聴取する方針。
自民党は政調に同問題に関する「プロジェクトチーム」を設置し、今週29日から具体的方策についての検討に着手。

佐藤座長は、私見として「特別法的なものを検討することになる」という。


司法精神医療研を新設 新法試案審判所が入院判断

重大犯罪行為の精神障害者処遇

毎日新聞2001年6月29日東京朝刊

 重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇問題で、政府・与党が犯罪の再発防 止、精神障害者の人権擁護の観点から制定を目指している新法の試案が28 日、明らかになった。精神病院への強制入院、退院の判断などに司法関係者らが関与する「準司法手続き」を採用するほか、専門家の育成、治療法の研究・ 開発のための「司法精神医療研究所」を新設する。政府・与党は年内にも法案づくりに着手する方針だ。

 日本では、重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する専門家がひと握りの精神科医に限られているのが実情。治療法も薬物投与が中心で、個別患者によって異なる症状に十分対応できていないとの指摘もある。このため政府・ 与党は、司法精神医療研究所設置を盛り込んだ。

 試案の対象犯罪は、殺人、放火、傷害、傷害致死、強姦(ごうかん)、強盗の六つ。これらの犯罪行為をした精神障害者が不起訴や無罪となった場合、裁判官(OBを含む)をトップに精神科医、弁護士、心理カウンセラーらで構成する新設の「司法精神医療審判所」(仮称)が、専門治療施設である司法精神病棟への強制入院について決定する。

 強制入院の必要がないと判断された場合は、訓練命令、服薬命令に基づき、社会復帰訓練施設に入所する。また、強制入院後、審判所が治療が進んだと判断すれば、司法精神病棟からの退院の決定を下し、訓練施設に移す仕組みになっている。

 審判所の審査は、精神障害者、犯罪被害者双方の関係者が傍聴できるようになる見通し。訓練施設は「通院型」が想定されており、精神科医、精神保健福祉士、保護観察官が協力して支援する体制を整えるなどアフターケアを充実させる。

 司法精神病棟の名称は、法務、厚生労働両省で「特定精神病院」案が出ているが、政府・与党に「イメージが悪い」との異論があり、今後の検討課題になりそうだ。

関連記事→司法精神医療審判所を 坂口厚労相 <2001年6月29日朝日新聞>

無罪・不起訴の精神障害者、治療研究へ専門施設 <2001年6月29日読売>

これは保安処分そのものではありませんか


治安問題推進本部を新設 政府 触法精神障害者対策も

産経新聞 夕刊 2001年6月27日>

 犯罪が増え、大阪の校内児童殺傷事件や電車内での傷害致死事件など、身近で安全なはずの場所で重大犯罪が繰り返される危機的な状況にあるとして、政府は二十七日までに内閣に官房長官を本部長とする「治安問題連絡推進本部」を新設し、効果的な犯罪対策を進める方針を固めた。

 法務省と警察庁中心の本部体制などを詰め、二十九日に閣議決定する。年間の犯罪通報件数が三百万件に迫る中、とりわけ外国人、少年、ハイテク、触法精神障害者の各犯罪対策が課題となる。

詳しくは→産経新聞6月27日の夕刊をクリック

・推進本部は「国民にとって真に安心して生活できる社会の実現が危ぶまれる実情」との認識を基礎に新設。

・メンバー:官房長官、政務の官房副長官二人、国家公安委員長、内閣府副大臣、法務、外務、財務、文部科学、厚生労働、経済産業、国土交通各副大臣と警察庁次長の計十三人。

 犯罪対策:

(1)警察の摘発率を上げる

(2)刑罰の在り方を見直す

(3)犯罪の悪質・巧妙化に対抗する新しい法律を制定する−などを検討。

 ▽外国人犯罪を防ぐための不法入国対策▽非行につながる少年の問題行動への学校、地域も含めた対策

 ▽国際組織犯罪の批准と国内法整備▽ハイテク捜査の強化

 ▽重大事件を起こした精神障害者の処遇見直し−など、対策が急務。

 犯罪白書:平成十一年の

通報件数:約二百九十万四千件(交通事故の業務上過失致死傷事件を除くと、約二百十六万五千件)

摘発件数:約百四十六万九千件(同約七十三万千件)。

 摘発率は50・6%(同33・8%)にとどまっている。

 殺人、強盗、放火、婦女暴行などの重要犯罪は七年以降、年々増加。昨年は前年より三千件近く増えて約一万八千件。

精神障害者の容疑者:放火の14・4%、殺人の9・4%。

外国人犯罪:(昨年約三万件)十年前の約三倍。(十一年の統計)


入退院は司法判断 触法精神障害者  政府・自民「特別裁判所」を検討

産経新聞 朝刊 2001年6月27日>

 政府・自民党は二十六日、大阪の校内児童殺傷事件を受け、重大な罪を犯した触法精神障害者の再犯防止のため、入退院の決定権を裁判所に付与する制度を新設する方針を固めた。これまで責任能力なしとして不起訴や無罪となった精神障害者の入退院の可否を事実上、精神科医にゆだねていたが、裁判所が責任をもつことで、より公正な処置を期待できるとしている。政府・自民党は特別立法による新たな「特別裁判所」(仮称)の設置を念頭に議論を重ね、来年の通常国会での法 案提出を目指す。

詳しくはこちらへ→産経新聞

・「特別裁判所」設置案が浮上したのは、重大事件を起こした触法精神障害者に対する従来の「措置入院」制度では、医療関係者が責任を負っていることの限界が明白になったと判断。

・特別立法で対応するのは、刑法改正よりも迅速に対応できるため。

・政府・自民党は裁判所が強制的な治療措置に対する最終的な責任を負うことにより再犯防止に効果があるとみている。

・同時に医療的な判断だけに限らず、裁判の仕組みの中で入退院を決めるため、「人権侵害の恐れを排除できる」としている。

・軽い事件に関しては従来通り、精神保健福祉法に基づく「措置入院制度」で治療と社会復帰を図る。

・英国やドイツでは「司法精神医療制度」の柱として触法精神障害者の処遇に関する裁判所の権限が確立されており、制度導入前に懸念されていた触法精神障害者の人権も「裁判所の判断で保護されている」(厚生労働省幹部)という。

・自民党内には、なお刑法改正を模索する動きもあるが、「人権保護の立場から強い批判を招く可能性があり、被害者の立場を考えた措置は結局、何もできないことになる」(閣僚経験者)との判断が強い。

・公明党内では精神保健福祉法の延長線上で入退院の措置に裁判官を加えた「第三者機関」を設置するための特別立法制定を主張しており、与党内調整が難航する可能性もある。


法務・厚労省 特定精神病院を検討 重大犯罪は強制入院

毎日新聞2001年6月16日>

 大阪府池田市の学校乱入殺傷事件を受けて、法務、厚生労働両省は15日、重大な犯罪行為をした精神障害者を強制入院させる専門治療施設「特定精神病院」(仮称)の設置に向け、検討を始めた。刑法改正ではなく、新法で対応する、方向で協議を進める。医師に法曹関係者、有識者を加えた判定機関が入退院を判断する新た方式が想定されている。新施設は「刑務所に限りなく近いもの」(厚労省幹部)となるため、日本弁護士連合会や人権擁護団体の反発も予想され、論議を呼ぶことは必至だ。

・両省で「20床程度の専門病棟を各地に新設し医療スタッフや保安要員を常駐させる」と具体案。

・現行法では、心神喪失などで刑事責任が問えない場合、刑罰の対象とならない。不起訴・無罪になった時は精神保健福祉法に基づき「自傷他害の恐れがある」と2人以上の指定医が判断した場合、措置入院となる。措置解除の判断は事実上1人の指定医が担う。

・1月から両省で合同検討会を設け、こうした問題について検討してきた。池田市の事件を契機に、結論が早まる可能性が出てきた。

・与党3党もプロジェクトチームの設置を決めた。

・政府・与党内には「重大犯罪の場合は心神喪失でも刑事責任を問えるようにすべきだ」と刑法改正を求める意見もある。

・厚労省幹部は「そもそも司法判断の結果、措置入院になった人を一般の病院が引き取るのは非常に無理がある」と強調。

詳しくはこちら→Mainichi INTERACTIVE Yahoo! News


司法精神医療審判所  各都道府県に設置へ 法務、厚労省方針

毎日新聞2001年6月27日>

 法務、厚生労働両省は26日、重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇問題で、強制入院と退院を判断する新たな組織「司法精神医療審判所」(仮称)を各都道府県に設置する方針を固めた。審判所が早期の社会復帰が可能と判断した場合の「受け皿」の新設についても協議を進め、来年の通常国会に特別法案を提出する。

骨子

・「司法精神医療審判所」(案):裁判官・精神科医・弁護士・心理カウンセラーで構成。殺人、放火、強盗などをおこした精神障害者が不起訴あるいは、裁判で無罪となった場合、審判を行って強制入院や退院処遇について協議する。

・「特定精神病院」(仮称):重大な犯罪行為をした精神障害者を強制入院させる専門治療施設の設置を盛り込む。

・保安処分の色彩を濃くしないよう、両省は社会復帰を支援する施設の新設を検討。審判所が入所命令を出した精神障害者や、専門治療施設で治療が進んだ者などが入る。

詳しくは毎日新聞ニュースセレクション


6月12日、触法精神障害者問題厚生労働省・法務省の第4回合同検討会

(1) 議事メモ

 第4回の合同検討会の議事メモを作成しました。
当日、事件の後だけに傍聴希望者が入れないという殺到ぶりでした。30分前に行き並びましたが、あと5分遅ければアウトだったかもしれません。
あくまでも「メモ」であること、正確さに欠ける点などあること、ご承知おきください。

(2) 提出資料  


日精協 池田小学校児童殺傷事件に対する声明

 <2001年6月21日>

社団法人 日本精神病院協会  会 長  仙 波  恒 雄

司法が関与を 精神病院協会が声明

 民間の精神病院でつくる「日本精神病院協会」(仙波恒雄会長、1215病院)は21日、乱入殺傷事件に関連し、重大犯罪を犯した精神障害者の処遇について精神医療に司法が関与する体制の確立を求める声明を発表した 


参考 : 重大犯罪を犯した精神障害者の処遇のあり方についての提言

 <2001年3月23日>

  社団法人日本精神病院協会
会 長 仙 波 恒 雄


不起訴・無罪の精神障害者 入退院 裁判官も判断 医師らと審査機関

 特別立法秋にも提出 法務省固める

<読売新聞 2001年6月24日>

 法務省は二十三日、大阪の児童殺傷事件を受け、事件を起こした精神障害者が責任能力なしとして不起訴や無罪となった場合、精神病院への入退院を強制するかどうかの判断に裁判官が参加する仕組みを導入する方針を固めた。もっぱら精神科医に判断をゆだねている現在の制度を抜本的に見直し、法律の専門家の視点から、被害の再発防止と精神障害者の人権確保を図るのが狙いだ。早ければ今秋の臨時国会中に新制度を含む特別立法を提出する。

 法務省の構想では、心神喪失を理由として不起訴や無罪となった精神障害者について、いわゆる措置入退院させるかどうかを判断する審査機関を創設する。裁判官一−二人を参加させるが、裁判所からは独立した機関とし、医師や社会福祉士も加わって協議し、入退院を決定する。審査機関は、検察官からの通報により審査を開始する。
 検察官ではなく裁判官を参加させるのは、「検察官は刑事訴追を職務としており、措置入退院については審査を要請する立場だ」(法務省幹部)からだ。入退院は合議で決定するが、メンバー間で意見が食い違った際の決議方法が今後の検討課題となりそうだ。
 現行の精神保健福祉法の規定では、事件を起こし、「自傷・他害」の危険がある精神障害者は措置入院させる仕組みとなっているが、入院は医師二人以上の、退院(措置入院解除)については医師一人の判断にゆだねている。このため、「医師だけで将来の危険まで判断の責任を負うのは限界がある」との指摘があった。
 また、入院とはいえ、人の身体を拘束することになるだけに、犯罪の危険を見きわめ、被害者側の感情や精神障害者の人権にも配慮できる司法関係者の意見が不可欠との声も強かった。審査機関に裁判官を参加させる構想はこうした点に配慮したものだ。
 特別立法にはほかに、

(1)精神科医の診療報酬を充実させるなど精神医療への予算拡大

(2)重大な犯罪を繰り返す精神障害者を扱う専門施設の新設

−−も盛り込む方向で調整を進めている。
 法務省は、厚生労働省とともに行っている精神障害者への対応に関する検討会の中で、近くこうした考えを提示する方針だ。


詳しくはこちら→Yomiuri-On-Line


触法精神障害者の処遇  新法制定で一致  厚労相・法相

                         <朝日新聞2001年6月21日>

 重大な事件を起こした精神障害者の処遇について、坂口力厚労相と森山真弓法相が、新たな法律を制定する方向で基本的に一致した。先週末に国会内で協議した。事件を起こした精神障害者の処遇については、厚労省「刑法改正で対応を」、法務省が「精神保健福祉法の改正を」と互いに責任を押し付け合う状態が続いてきたが、政
治主導で一歩を踏み出した格好だ。処遇など具体的な内容は今後の課題だが、早ければ秋の臨時国会にも法案を提出する予定。
 新法の具体的な枠組みが検討されるが、「自傷他害のおそれ」のある精神障害者が精神科医の判断で強制入院する措置入院の制度は精神保健福祉法を根拠にしている。新法では、この入退院について新たな手続きを定めることや、処遇内容についても専門治療施設や退院後の医療の継続などが課題になる見込みだ。
 現行制度の問題点について両省とも、「入退院の判断を医師だけに任せる仕組みには無理な面がある」という点で一致しており、何らかの形で司法関係者などの判断も加える方法を検討することになりそうだ。
 これまで厚労省内には、治療を目的とした精神保健福祉法に、犯罪予防を目的とした強制入院の規定を盛り込むのはふさわしくないとの考え方が根強かった。
 一方の法務省は、過去の刑法改正の議論の際に、再び事件を起こすおそれのある精神障害者を裁判所の判断で入院させる「保安処分」を打ち出したが、強い批判を浴びた経緯があり、刑法改正には及び腰だった。


6月12日、触法精神障害者問題厚生労働省・法務省の第4回合同検討会

日弁連サイド「保安処分」に慎重意見      

「重大な罪を犯した精神障害者の処遇システムを検討する」厚生労働省・法務省の第4回合同検討会

<2001年6月12日>    

 意見陳述:日本弁護士連合会 神洋明弁護士、池原毅和弁護士

 神洋明弁護士:裁判所の決定で精神障害者を治療施設などに収容する「保安処分」に慎重姿勢を示した。精神障害者の犯罪が最近とくに堵加している状況はない。刑法改正で保安処分を導入することは人権保障上デメリットが大きいと強調。ひいては精神障害者そのものを犯罪予備軍として敵視することになりかねないとも指摘した。

 池原毅和弁護士:将来の「自傷他害の恐れ」を見据えた措置入院決定など、現行の措置制度や医療体制の改善が優先されるべきだと主張。

 措置入院制度の拡充が先決だとし、「措置入院の自傷他害の可能性をあまりに厳格に限定し、現時点での危険性しかみていないが、もう少し俯瞰して半年くらいの長さで自傷他害の可能性をみたほうがいいのではないか」と問題提起した。
 措置解除で重大な罪を犯した精神障害者が社会に戻ってしまう点には、「措置入院 →医療保護入院 →任意入院 →退院」という形で段階的に退院に向かうシステムを提唱した。

 日弁連の刑事法制委員会は現在、触法精神障害者対策を主要テーマに据えており、精神保健福祉法小委員会では7月末、同問題を集中審議する合宿を開く予定。

関連記事

Mainichi INTERACTIVE6月16日新法で「特定精神病院」を検討 、法務、厚生労働両省


精神障害者による犯罪への対応でプロジェクトチーム 与党3党が設置へ

<2001年6月12日>

 自民、公明、保守の与党3党は12日の政策責任者会議で、大阪教育大附属池田小学校での児童殺傷事件について協議し、犯罪を犯した精神障害者への対応などを議論するためのプロジェクトチームを与党内に設置する方針を確認した。
今後は、各党レベルで今回の事件を踏まえた刑法、精神保健福祉法上の具体的な問題点を整理したうえで、今国会中にも設置するプロジェクトチームで改めて協議をスタートさせる見通し。
 小泉純一郎首相が前向きな発言をしている刑法の早期改正については、精神障害者に対する人権上の問題なども含め、各党代表者から慎重な意見が相次いだ。

 一方、坂口力厚生労働相は同日の閣議後の会見で、今後の対応を協議するにあたり、精神障害者人権の問題と、国民の安全確保の両面から議論する重要性を強題した。ただ、犯罪を犯した精神障害者の処遇をめぐっては「議論がたくさんされるわりには前に進んでこなかったことも事実」と検討作業が難航している現状を説明。そのうえで「大変難しい、重い課題ではあるが、ここはやはり一歩前に進まなければならない」と述べ、何らかの対応策を必要になるとの見方を示した。


第3回「法務省・厚生労働省合同検討会」議事メモが入手できました。

     詳しくはこちらへ→第3回「法務省・厚生労働省合同検討会」(議事メモ)


4月19日「重大な罪を犯した精神障害者の処遇問題」を検討する法務省・厚生労働省の合同検討会

日精協長尾卓夫理事:触法精神障害者処遇で司法制度と精神医療の相互補完訴え
熊本県立こころの医療センターの花輪昭太郎院長:国公立病院と民間病院のマンパワー増強を求める

 4月19日「重大な罪を犯した精神障害者の処遇問題」を検討する法務省・厚生労働省の合同検討会が開かれた。意見聴取として日本精神病院協会の長尾卓夫理事、熊本県立こころの医療センターの花輪昭太郎院長。

詳しくはこちらへ→触法精神障害者問題(1)


第2回「法務省・厚生労働省合同検討会」(議事メモ)

と き:2001年3月8日(木) 10:00〜11:45
ところ:東京保護観察所会議室(法務省1階)
議 題:重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及びシステムの在り方などについて
出 席:法務省:刑事局 河村課長、八澤局付、梶木、大橋課長
厚生労働省:精神保健福祉課 松本課長、泉、田中、吉川補佐、小柳係長
オブザーバー:長尾医師、神弁護士、池原弁護士、山上教授
意見陳述:町野教授       これは、公式の議事録でなく傍聴者のメモです。


 「保安処分のための議論のための議論」、何が問題なのか、どこまで合意があり、どこまで合意がないのか、について話したい。
 保安処分をめぐる議論はどちらかというと、これまでは法務省側が積極的につくろうとしたがいまは慎重になっている。精神医療の側は絶対反対が強かったが、それが積極的な賛成に変わっている。途中からの人はそうではないと思うが、ずっとこの問題をウオッチしてきた人間としては戸惑っている。かつて精神医療の状況は悪く、悪をもうひとつ持ち込むのかという議論があったが、最近はかなり開放化している。開放化に限界があるところに保安処分が必要という議論がある。
 どうして、このように変わったのかについて、私は理解できない。
最初は、精神医療と保安処分の対立からはじまった。精神医療は保安の道具になってはならないと。しかし、精神医療の側に保安処分待望論がある。政治情勢の変化は別にして、筋道として、精神医療の対象ではないと放逐したいのか、しかしそんなに無責任ではないと思う。開放化が進んだ中でこの問題を1回総括していただきたい。

以下、続きはこちらへ→第2回「法務省・厚生労働省合同検討会」(議事メモ)

参考:第1回「法務省・厚生労働省合同検討会」(議事メモ)山上氏の資料要点


触法精神障害者の入院処遇実態で初の全国調査に着手  厚労省研究班

 厚生労働省研究班「触法行為を繰り返す治療困難者が入院する施設の設備構造、人員配置、治療内容に関する研究」(分担研究者代表=山上皓・東京医科歯科大学難治疾患研究所教授)は罪を犯し、措置入院となった精神障害者の入院処遇実態を調べる初の全国調査に着手したらしい。すでに複数の病院から回答が寄せられ、今夏をめどに調査結果をまとめようだ。

  詳しくはこちら


触法精神障害者の入院処遇実態で初の全国調査に着手 2001年3月2日 

厚労省研究班

 厚生労働省研究班「触法行為を繰り返す治療困難者が入院する施設の設備構造、人員配置、治療内容に関する研究」(分担研究者代表=山上皓・東京医科歯科大学難治疾患研究所教授)は罪を犯し、措置入院となった精神障害者の入院処遇実態を調べる初の全国調査に着手した。すでに複数の病院から回答が寄せられ、今夏をめどに調査結果をまとめる。日本には罪を犯した精神障害者を診る専門病棟はなく、他の患者の動揺や安全性を考え、長期隔離や過剰拘禁、未治癒での早期退院をもたらすなどの弊害が指摘されている。長年タブー視されてきたこの問題に厚労省と法務省は1月、初の合同検討会を立ち上げたところ。調査にあたる山上教授は「調査結果を国民のコンセンサス確立に役立てて、(公的な専門病棟を整えて)精神病院の機能分担を図り、触法精神障害者の適切な処遇と再犯防止につなげて、精神障害者への社会の偏見をなくしたい」と調査の意義を語っている。


 日本では罪を犯した精神障害者の約9割が責任能力がないとして不起訴となる。その後は措置入院となって医療に処遇が委ねられるケースが大半。イギリスなどの先進諸国は裁判所が触法精神障害者の入退院の決定に関与し、公的な専門施設で処遇している。日本でも公立病院が中心となってこうした精神障害者を受け入れる地域も出始めているが、精神医療の開放化の流れが進むなか、国による公的専門施設の整備を求める声は強い。


 今回の研究では、日本精神病院協会、全国自治体病院協議会精神科部会の協力のもと、全国約1200の精神病院を対象に、触法精神障害者の処遇実態調査を実施。責任能力がないとして不起訴または無罪となった措置入院者について、1998年〜2000年の3年間の治療実態を分析する。調査項目は罪を犯すまでの通院・入院歴、隔離・拘束の有無や頻度、退院時の病状、退院後の処遇、入院時に起こした問題行動や問題行動への対処―など詳細にわたっており、山上教授は病院での処遇実態を明らかにしたうえで、触法精神障害者とその他の精神障害者双方にとって最良な精神医療システムの確立につなげたいとしている。


星野朋市参議院議員〔保守党)が2月7日の参議院本会議で触法障害者への保安処分発言<傍聴メモより>

○星野朋市議員の質問

 私は、自由民主党・保守党を代表して、森内閣総理大臣の施政方針演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。

(中略)

 第二は、精神障害者から国民の生命を守る体制を整えることであります。

 凶悪犯罪を起こした者は精神鑑定が行われ、精神に異常があったとして罪一等が減じられるのが通例であります。しかし、これらの者が釈放後再び犯罪を犯す例が多々見られます。責任能力なしと判断され、犯罪を起こすおそれのある者を再び社会にそのまま放置することはまことに危険であり、国民は安心して生活できません。これらの者を野放しすることなく、社会的な保護、監督のもとに置く体制を整えるべきであります。

○森喜朗内閣総理大臣の答弁

(前略)

 精神障害等を原因とする犯罪への対策についての御質問をいただきました。

 責任の程度に応じて刑事上の処分が行われるべきであるのは当然なことでありますが、このような犯罪の発生は、その被害者にとっても、また精神障害によって加害者になった者にとっても極めて不幸な事態であります。重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇のあり方につきましては、現在、法務省と厚生労働省の合同検討会などにおきまして幅広い観点から今検討を進めているところであります。



1/29 「重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及ぴ処遇システムの在り方などについて」

第一回法務省・厚生労働省合同検討会ひらかれる  

議事メモ

2001.1.29第1回合同会議の山上氏の資料要点

山上皓委員が「国公立精神病院に、20〜30床程度の専門病棟を併設」を提案
 厚生労働省と法務省は29日、殺人や放火など重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇方法を検討する初の合同検討会を開いてたようだ。委員の山上皓・東京医科歯科大学教授(犯罪精神医学研究分野)らから日本の精神医療の現状について説明があった。

 山上教授は触法精神障害者に適切な医療を提供するだけでなく、他の入院患者の安全性を確保するためにも、触法精神障害者の公的な専門治療施設が不可欠と強調。「日本でも現実を直視し、医療の現場を徹底的に調査して、現状に即した対策をとることが望まれる」と述べ、各都道府県に少なくとも1ヶ所、国公立精神病院に20〜30床の専門病棟を併設するよう提案したようす。
 犯罪を犯した精神障害者の8〜9割は責任能力がないのを理由に不起訴となっている。司法の手を離れれば、措置入院となって医療現場にその処遇が委ねられるケースが多い。イギリスではすでに1800年代前半に触法精神障害者の保護を目的とした法令ができるなど、欧米諸国の対応は進んでおり、触法精神障害者の入退院の決定には裁判所が必ず関与して、公的な専門治療施設で処遇している。
 山上教授は触法精神障害者を一般精神医療現場でみると、他の入院患者の安全性が脅かされるだけでなく、触法精神障害者を不当に拘束する人権上の問題も発生しやすいと指摘。触法精神障害者のうち、専門施設による治療が必要なのは年間で200人程度(2〜3割)だとし、各都道府県の国公立精神病院に、20〜30床程度の専門病棟を併設するのが現実的だと提案した。また都立松沢病院副院長の坂口正道委員は、措置解除の判断を指定医だけに委ねずに、自治体などと協議する場を定期的に設ける必要性を説いた。

精神障害者の重大犯処遇や医療福祉「在り方検」 厚生労働省 月内にも初会合

 週間福祉新聞2001年1月22日第2042号

 厚生労働省は、法務省と共同し、重大犯罪を犯した精神障害者に対する処遇や犯罪予防のための医療・福祉のあり方を考える検討会を立ち上げることを明らかにした。「未治療」または「治療を敬遠・中断した」、「回復し一度は退院したものの日常生活を支える福祉的支援が不足していた」など、適切な医療・福祉環境があれぱ犯罪を防止できたと見られる不幸なケースは多く、いかに医療体制や地域の受け皿をシステムとして構築し改善するかを議論するもの。さらには、加害者本人が「償いたい」「裁いてほしい」と希望するケースなどにも踏み込む方針で、第一回検討会が今月下旬にも開かれる予定だ。

 両省は、「精神障害者の犯罪報道は増えたが、犯罪件数自体が最近特に増加したわけではない」との認識を示した上で、一時的な妄想などから罪のない第三者を殺害してしまった、放火してしまった、などの例を始め、これらの重大犯罪は加害者・被害者本人だけでなく両者の家族や関係者にとっても極めて不幸な事態であるとし、未然防止と再犯防止に取り組むとしている。


 精神障害者の社会的入院は退院した後、地域で生活していくだけの医療・福祉的受け皿や資源が不足しているためだとかねてから指摘されているが、合わせて精神医療を偏見・抵抗なく地域で受けたり通院・入院したりする環境整備の遅れも指摘されている。「適切な医療と福祉の専門施設や質の高い支援スタッフ数が十分であれは、犯罪に至らずに済んだはずなのに」と悔やまれるケースが依然あることから、検討会の立ち上げに際して両省は「精神障害者による犯罪の実情及び精神障害者に対する医療の実情を把握し、早期に適切な医療を受けるための方策、治療を継続するための方策などを考慮する」とし、「重大な犯罪を犯した精神障害者に対する処遇決定やそのシステムのあり方についても様々な角度から論議する」と検討の意義を示している。また、医療・福祉分野だけでなく司法分野にも議論がまたがるため、検討委員は医療関係者、法律家、有識者などで構成し、被害者や患者の関係者も参加する方向だ。


 検討会の第一の目的は精神障害に起因する不幸な結未を実質的に減らすために何ができるかを見出すことだが、被害者側から「殺人を犯したにもかかわらず刑を受けず、精神病院からいつの間にか退院しているのは納得できない」などと憤りの声が上がる一方で、犯罪を犯してしまった精神障害者自身が「罪を犯してしまったのは事実だから人として裁いてほしい。償いたい」などと悩むケースもある。そこで、イギリス、カナダ、オランダなど、この分野に経験を持つ国の例も参考にしながら「入退院の手続きと退院後のシステム」「施設の配置必要数と構造」「人材の養成」「医師・看護婦・心理職・PSWなど専門スタッフの研修施設、研修内容・期間」などの課題を順次整理していく。


 検討会は今月下旬にも第一回目を行った後、月一〜二回のペースで密度高く開催する予定で、議論には精神病院入院体険者や関心を持つ市民の出席も求める意向だ。


第1回法務省厚生労働省合同検討会

重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及ぴ処遇システムの在り方などについて
議事メモ

出 席:法務省:古田刑事局長、河村課長、八澤局付、梶木、大橋課長、石毛企画官、池田係長

厚生労働省:今田障害福祉部長、松本精神保健福祉課長、泉、田中、吉川補佐

オブザーバー:長尾(日精協)、町野朔、神弁護士、池原弁護士

意見陳述:山上教授、坂口松沢病院副院長


「心神喪失者等医療観察法」TOP

■「心神喪失者医療観察法案を巡る関係団体の動向」声明・見解一覧表(2002年10月まで)

■「心身喪失者医療観察法案」 国会審議等

■心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律

■「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題 法務省・厚生労働省合同検討会

■重大犯障害者の処遇法案〜与党・政府の動向

■「隔離新法」 国会上程反対 国会議事堂前抗議行動


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2002/07/10 06:01:20;51460;f6876db868v;RETR;ok;/htdocs/archive/folder1/shokuhou/seihu_yotou.html