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池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧 「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題 法務省・厚生労働省合同検討会 重大犯障害者の処遇法案〜与党・政府の動向
重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及び処遇システムの在り方などについて
法務省・厚生労働省合同検討会
関連資料
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- 2001/11/1 公明党プロジェクトチーム新たな精神障害者の触法行為に対する処遇システムについて)New!
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- 司法精神医療プロジェクト(日精協)
- 「処遇困難」試論I (立花光雄氏)
- 「重大犯罪を犯した精神障害者」問題を巡つて(岡江 晃氏)
- 刑事司法における精神障害者の現状 「生きてシャバにでたい」(塚本正治)
と き:2001年3月8日(木) 10:00〜11:45
ところ:東京保護観察所会議室(法務省1階)
議 題:重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及びシステムの在り方などについて
出 席:法務省:刑事局 河村課長、八澤局付、梶木、大橋課長
厚生労働省:精神保健福祉課 松本課長、泉、田中、吉川補佐、小柳係長
オブザーバー:長尾医師、神弁護士、池原弁護士、山上教授
意見陳述:町野教授
【意見陳述・要旨】
町野:昨日の夜、今日の会合を知った。メールで資料を送ろうかと思ったが、コンピュータの具合が悪くて直前になった。
「保安処分のための議論のための議論」、何が問題なのか、どこまで合意があり、どこまで合意がないのか、について話したい。
保安処分をめぐる議論はどちらかというと、これまでは法務省側が積極的につくろうとしたがいまは慎重になっている。精神医療の側は絶対反対が強かったが、それが積極的な賛成に変わっている。途中からの人はそうではないと思うが、ずっとこの問題をウオッチしてきた人間としては戸惑っている。かつて精神医療の状況は悪く、悪をもうひとつ持ち込むのかという議論があったが、最近はかなり開放化している。開放化に限界があるところに保安処分が必要という議論がある。
どうして、このように変わったのかについて、私は理解できない。
最初は、精神医療と保安処分の対立からはじまった。精神医療は保安の道具になってはならないと。しかし、精神医療の側に保安処分待望論がある。政治情勢の変化は別にして、筋道として、精神医療の対象ではないと放逐したいのか、しかしそんなに無責任ではないと思う。開放化が進んだ中でこの問題を1回総括していただきたい。議論を避けるわけにはいかない。
私は刑事法をやっているが、最初は医事法を勉強した。医事法は最初、患者、医療者、家族という主体が対象であり、この三者の関係がテーマだったが、これにおさまらないエイズ、臓器移植など医療の社会化が問題になった。医療の社会化の問題は、自己決定の問題や精神医療における問題があり、現在これにおさまりきれない問題がある。これを直視しないといけない。精神医療、保安処分について、社会はどう対応するのか、被害者の救済をどうするのか、考えないといけない。改正刑法草案の頃は、激しい対立があったが、現在変化してきている。
危険性に基づいて保安処分にすることが果たしてできるのか。医学と法律側のスタンスは大きく違う。法律は人を拘禁するのには根拠が要る。これは絶対正しい。精神障害者が犯罪を犯したので保安処分というのは、おかしい。
では、どのような根拠が必要か。@刑罰、
Aポリスパワー、
Bパレンス・パトリエ(その人の親代わりになって拘束する)、
この3つのうちどれかである。ABは依然と脆弱な基盤にあり必ずしも合意があるとはいえない。その点で、保安処分の議論は危ういところにある。
ドイツは保安処分を正当化するのに、新派と旧派の妥協として保安処分が成立したが理論的に詰められていない。刑罰の根拠は責任であり、保安処分の根拠は危険性である。決着しているのは、保安だけを正当化していくのでもないということ。刑罰と変わりないとレッテル詐欺といわれた。
危険性の認定が極めて重要になるが、再犯の危険性は予測できない。もしかしたら危ないと保安処分、疑わしきは保安処分、これは正当ではない。刑法では「疑わしきは被告人の利益を」というのと保安処分は逆になってしまう。保安だけを正当化するのはできない。
むしろ、医療をその人に与えないといけない、保安だけ、ポリスパワーだけではダメ。これはいまの合意点である。改正刑法草案の前に、A案とB案があった。A案は、医療的考慮をして処分は無期限であったが、B案は期限の頭打ちがあった。B案は基本的には保安処分の執行に厚生省所管の医療施設ということもあった。刑事局案で最終的な態度を明らかにしたのは、治療処分という名前になったが、厚生省所管の精神病院で、法務省の施設はつくらないとなった。精神医療の側が責任主体というのに多くの人が認めた。理屈のうえでは自分たちのことではない、責任ないとはいえない。精神医療の側にこそ問題がある。
精神医学的にみて危険性の予測はできないならば、措置入院はどうなのかという議論がある。措置入院は極めて近い医療的なものとの反論があり、どのくらいの説得力をもったか分からないが、この人間は治療を続けないと、1年、2年先に何をするか分からないというのは精神医療の問題ではないと。危険性の除去、1年、2年先のことを考えるのは精神医療であることは、外国ではそうなっている。
日本の考え方を維持するのは、それはそれでよいが、法律はポリスパワー、精神医療はパレンス・パトリエという考え方があるが、医療の側が拡がらないと、精神医療の概念をひろげないと、それによって保安処分も正当化する。山上先生は、犯罪を犯した人は別のところで処遇すると。アメリカの判例では、フィーチャー事件があった。精神障害はなくなったがまだ危険性があると拘禁するのは違法であると。しかし幼児小児性愛で危険というのは合憲であるという、精神障害もないのに異常であるというのは合憲である。日本では精神障害が基礎だが外国では必ずしもそうではない。
処遇困難と触法について。処遇困難がさかんに使われたのは道下研究、このときは保安処分というよりも精神病院ではどのような人が処遇が困難なのかと。触法は浅田が触法少年から持ってきた。
1991年の中間意見は道下研究を是認しようとした。道下研究は措置入院は10%を超える程度でほとんどが触法。触法の中でも処遇困難は10%を超える程度ぐらいと。しかし、そうであるにもかかわらず、触法イコール処遇困難に近いまとめ方をしてかなり問題を混乱させた。精神障害の類型としても違うことが分かった。
中谷は同一視するのは問題と。処遇困難と触法とは別に考えなければならない。
前者の方が大切で緊急ではないかと私は推測するが、処遇困難者の対応は、精神保健福祉法の改正や運用の仕方で対応は可能で、特殊精神病院をつくることで対応は可能と思われる。
しかし、触法の場合は別に施設が必要。触法の概念は責任無能力、その後、犯罪を行った精神障害者全てにいうようになった。おそらく、責任無能力にするのか、限定責任無能力も含めるのか、対象をどこにするのかで対応も違ってくる。
検察官が不起訴にして措置通報する、裁判で無罪で措置通報するのが対象になるが、しかしどれだけ対象となるのか、はっきりと数字はないのではないかと思う。
処遇困難者の問題ではないというのは決着している。保安処分がなくて何か問題なのか、これはわからない。
前回の報告で山上は再犯が問題としているが、坂口はそんなに深刻ではないと、それほど多くないというニュアンスだった。間違っていればあとで訂正して欲しいが、保安処分がなぜ必要なのか。一般の精神障害者といっしょに処遇できない、これは処遇困難の問題ではいえるが、そうなのか。措置を分離するだけで解決するとは限らない。犯罪者と同じところで処遇するのはできないということ、よく分からない。
再犯のおそれ、よく分からない。責任無能力のところで多いとは思わない。外国でも少ない。だいたい限定責任無能力。どの範囲の人を選ぶかで、ずいぶんと違う。司法処分にする、これは必ずしも妥当ではない。司法処分に何が期待されているのか、裁判所による決定は、適正手続きの保障には司法処分がよい。犯罪を犯したこと、再犯のおそれがあること、治療できるのか、このことを証明しないといけない。他方、行政処分であればドュープロセスが満足できないということはないのではないか。アメリカでは強制入院は司法の場で公開でやっている。公開にすることに批判がある。医療は非公開でやるべきで行政処分のほうが適切である。いまは裁判所でやることは非現実的ではないか。ただ退院の場合、医療現場だけに任すのか、スーパーバイザーが必要。
最終的には社会復帰を目指す。多くの国では建前として言われているが・・・。社会の中での医療、精神科医だけで足りない。社会治療者、ソーシャルワーカーの関与、強制を伴うので保安要員を法務省から出向させることまで必要なのか。精神に保安のことも勉強してもらうこと。強制通院、薬を飲ませること、いまのまま任意でよいのか。これらは日本でやられていない。
以上、話題提供した。【質疑応答】
河村課長:検討会は保安処分をめざすものではない。精神障害者本人も含めて不幸であり、こうしたことにどう対応するのか、という観点からの話だったと思う。資料は、手持ちのメモということで訂正する。(傍聴者には配布されないことに)
松本課長:ドイツの例をもう少し詳しく。
町野:治療処分と禁絶処分もある。責任能力があっても対象となる。中はかなり自由で、日本の精神病院よりも自由。しかし、外には警備がしっかりしている。
長尾:日本で裁判所は不可能というのは? 司法と精神保健の相乗りがあると思うが、日本は司法か精神保健か、という議論になっている。私は互いに協力できる体制が必要と思う。その両方がかみ合って処遇すべきと思う。
町野:裁判所は公開にならざるを得ない。時間もかかる。家裁のようなところでというのは非現実的という議論の経過があった。
司法と医療の断絶の問題、刑事施設に入っている者の医療が行われていないのは問題。フランスは早くから精神医療がかかわっている。そして、時々変えられるということはそのとおり。
山上:多くの国が必要に迫られて、社会の安全を考えて処分を考えている。日本でもそういうやり方ができるのではないか?
町野:必要だからということではできないのではないか。ポリスパワーだけでやってきたが予防拘禁ということで、パレンス・パトリエに変わってきた。日本には日本のやり方がある。日本の方が妥当ではないか。
山上:刑罰に代えて処分するレッテル詐欺と言ったが、重罪を犯した人も短期間で治療していく、人員も倍に増やして。日本もそういうことが必要と思わないのか、分からない。
町野:当時は閉じ込めておくだけで、いまとは違う。日本の精神医療は困っていることがある。外国のようなマンパワーがない。保安処分をつくる、それだけで大丈夫なのか。
大橋課長:刑事施設の中で精神医療をやっていないというのは事実ではない。
町野:言い過ぎた。精神科医は多くない。刑事施設の中で精神医療が阻害されていることは事実と思う。
池原:措置症状の判断基準、1年、2年ぐらいは長いが、2ヶ月ぐらいのところで考えて、基準の問題なのか。
町野:おそれだけでは足りないと考えられているからではないか。
神:府中刑務所は500人ぐらい精神の人がいる。100件ぐらい通報するが1桁しか措置にならない。外に出た段階からすぐに自由になるというのはどうかと刑務所から聞いた。が・・・。
田中補佐:措置する場合はおそれがあるとのしばりがある。
山上:一般の人と一緒にできないということを否定されたが、重大な犯罪を犯した人もドイツのようにマンパワーと施設で自由にできる。そのためにも専門施設は必要。
町野:そういう人がいることは事実たが、保安処分を持ってきても大きな問題解決にならない。
長尾:措置入院の判断基準を緩くして、という話があったが、責任が過大になりすぎるところに管理を強くすることで問題が出てくる。社会復帰に取り組み、殺人事件で問われている○○病院がある。精神医療に全て任せるというのはどうか。
通院治療の場合薬を飲まないことがあり、日本ではできない。その点については?
町野:現在の状況で、日本の精神医療で保安的なことはできない。しかし制度ができればやらざるを得ないだろう。もうひとりの決定者を加えることで、共同で。
長尾:医療が関与すれば司法は関係ない、ということもない。両方が共有すべき。
町野:そうですよ。○○病院の例もあるが、ドイツでは病院側が刑事で過失致死に問われる。司法が関与することで医療の責任が軽くなることではない。
長尾:裁判所、家裁が現実的ではないというのがわからない。
町野:最初の議論では、家裁は忙しくてできないと。非公開にすれば、それはそれでまたできなくなるのでは。
長尾:犯罪の重大さによって、公開、非公開を判断するのはどうか?
町野:刑事局案では重大な犯罪が対象。それはできるかもしれない。
田中補佐:外国での公開、非公開は?
町野:少なくとも非公開にしているというのは聞いたことがない。フィンランドでは医療委員会で非公開でやっている。
田中補佐:公開することで被告への影響は?
町野:わからない。
池原:当事者の方々から精神障害者にも裁判を受ける権利を、と聞くが?
町野:いくつかの意味がある。精神障害者に処罰される権利もないのか。有罪であれば1年ぐらいで出れるのに、入院すれば無期限に拘束される。保安処分が出てくれば後者は問題。ドイツのように、ある意味で期限をという考え方をしないといけない。
山上:数ヶ月で退院もある。社会的にみて、社会の安全からみてそういう退院がどうなのか。医療の側からは通るが社会としてどうなのか。
町野:落ち着いたので退院したということ、精神障害はなくなったのか。その時に出さないで治療すると必ずしも司法的な判断をとらないのではないか。それができなければ司法的判断を取り入れればよい。
山上:危険性の判断をもっとひろくすべきといわれるが、危険性だけで治療の根拠とするのは難しい。犯罪を犯したということで、危険性だけではないと思う。
町野:人を殺して、精神障害だから精神病院に。ただ危険性がなくなれば拘束を解く。理屈では難しいと思う。山上先生の考え、もう少し考えさせて欲しい。
田中補佐:通院時の服薬について、何かいいアイデアは?
町野:薬を飲まないと戻すぞと外国ではやっている。日本は家族しかついていない。そこは考えないと。ただあまり考えていない。
河村課長:限定責任能力、完全責任能力の場合でもというのは、どういう頭の整理なのか?
町野:刑罰では充分ではないから、刑罰も科すが、より効果のある方法でと。少年法でもそうなっていると思う。
河村:本日はこれで閉会する。次回の事務局は厚生労働省で(次回の日時は未定)。以上、ただし未定稿。
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