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「心神喪失者処遇法案」に反対する声明

 二〇〇二年三月二十二日


部落解放同盟中央執行委員長 組坂繁之

 政府は三月十五日の閣議で「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」(心神喪失者処遇法案)を決定し、国会に提出した。同法案は、殺人など重大な犯罪を犯したが心神喪失などで刑事責任を問えない人にたいして、裁判官と医師が「再犯のおそれ」があるかないかを判断し、裁判所が入院や通院を命じ、必要な治療を受けさせる、と治療目的を前面に押し出している。しかし、この法案は、精神障害者を社会から隔離・収容し排除することで治安維持をはかる保安処分を画策するものであり、私たちは断固反対するものである。

 この法案の前提となっている「再犯のおそれ」を、医師や裁判官が判断することそのものが不可能なのであり、私たちがすでに狭山差別裁判のなかで指摘しているように、現在の司法制度のもとでは、裁判官が「再犯のおそれ」という可能性を、社会防衛や治安維持的な視点から判断を示すことは明白である。しかも入院決定が出されると、事実上、無期限に入院させることが可能となる。まさに保安処分そのものである。高松結婚差別裁判のときに、部落民であることが犯罪の理由となったのと同じように、精神障害者であることが治安維持のために社会から排除すべき対象とされているのである。このことは、有事立法化がすすむなかで、差別−−排外、管理支配体制強化の一環として、この法律が存在することを明確に示すものである。

 閉鎖病棟が半数以上を占め、地域の医療体制が整っていないという精神医療の現実、入院させているから安心という、私たちを含めた人びとがもつ意識そのものを大きく変革していくことこそが、何よりも重要なのである。

 部落解放運動がすすめている「人権のまちづくり」の一環として、地域でともに生きるという思想と、具体的体制づくりやとりくみを通じて、この法案を廃案とすることを求めるものである。



池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題 法務省・厚生労働省合同検討会

重大犯障害者の処遇法案〜与党・政府の動向

隔離新法」 国会上程反対 速報! 国会議事堂前抗議行動!

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)(更新020324)

新法骨子関連 2002年2月14日
・自由民主党 触法及び精神医療に関するプロジェクトチーム第11回会合 <議事次第>
・重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)の骨子
・精神障害者の保健・医療・福祉の総合計画(仮称)に盛り込むことを検討中の主な内容
触法処遇制度(案)骨子【図】


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