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「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)骨子」
に対する緊急声明文

2002年2月28日

日本基督教団障害者差別問題小委員会

委員長 小宮山 剛

 政府は2002年2月14日に、「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)骨子」を公にした。それによると、「再犯のおそれ」によって治療施設への入院や通院を裁判所(1名の裁判官及び1名の精神科医)が命じ、入院期間の上限を設けないという、まさに精神障害者に対する新たな強制隔離、強制治療制度すなわち保安処分制度そのものであるといえる。
 精神障害者も国民として同様に権利を有し義務を負うものである。障害者の完全参加と平等、ノーマライゼーションを謳う国が、「精神障害者」にのみ、「再犯のおそれ」を要件に特別に予防拘禁するということは、精神障害者に対する差別であることは明らかである。
 今なお根強く残る精神障害者への誤った差別・偏見の原因は、これまで日本政府が精神医療という名の下で行ってきた強制隔離・収容を推し進めてきた施策が大きな要因である。それによって多くの精神障害者が、社会的孤立に追い込まれ、隔離と絶望と抑圧の中で人権が侵害され、命までも奪われてきたのである。このような悲劇を二度と繰り返すことのないように、遅ればせながら「精神保健福祉法」が制定され、精神障害者が地域で生活していくために必要な社会資源が少しずつ増加しているが、未だ十分であるとは言い難いのが現状である。
 精神障害者への差別・偏見を助長してきた一因である、公正で適正な裁判を受ける権利が奪われてきた中で、この制度(案)は裁判もなしに拘禁や保護観察下の強制医療を決定されることになり、冤罪のまま対象者とされ永久拘禁されるという重大な人権侵害をまねくおそれもある。
 政府は「重大な触法行為をした精神障害者に対する新たな処遇制度(案)骨子」を直ちに撤回することを、私たちは強く求めます。


池田小学校事件および特別立法に関連する声明一覧

「重大な犯罪行為をした精神障害者」問題 法務省・厚生労働省合同検討会

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