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精神医療ニュース 過去記事 精神医療ニュース 過去記事 2002年9月分
<2002年9月28日琉球新報>
眼球運動治療でPTSDを緩和 震災ストレスなどに効果
事件・事故や災害による外傷的体験をきっかけに、恐怖感や不安感にさいなまれ続けるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療法として、EMDRと呼ばれる治療法が国内外で注目を集めている。阪神大震災の被災者などの治療に効果を上げた経験をもつ琉球大学教育学部の市井雅哉助教授(臨床心理士)が、文部科学省の助成を受け、その効果を実証する3年間の治療研究に入っている。同助教授は「EMDRは患者の苦しみを早く解放できる」と話し、県内のPTSDに悩む患者を募っている。
EMDRは「眼球運動による脱感作と再処理法」という英文の頭文字を並べた治療法で、1987年に米国の女性心理学者のフランシーン・シャピロ氏が見つけた。
心に宿る恐怖や不安のきっかけとなった出来事を思い出させながら、治療者が目の前で左右に揺らす指先を目で追い、患者が瞳を規則的に動かす治療法で、シャピロ氏がベトナム戦争の復員兵やレイプ被害者などの治療で劇的な効果を上げ、全米で注目された。世界で2万人以上の専門家が治療法の訓練を受けている。
今回の研究には、那覇市の長田クリニックの長田清院長が協力する。
市井助教授は、トラウマ(心的外傷)の内容をつぶさに語らせて慣らさせることで症状を軽減させる従来の治療法と比べ、患者のストレスが大幅に少ない-などの特徴を挙げ、「臨床で接したケースでは、確実に症状の改善がみられる。多くの人を募り、薬物療法との比較なども行い、治療法の実効性を確実なものとしたい」と話している。
連絡先は琉球大学教育学部の市井研究室098(895)8423。長田クリニック098(833)7878。情報は→Yahoo! News
<2002年9月27日毎日新聞>エクスタシー パーキンソン症候群のリスク増大 米の大学発表
【ワシントン斗ケ沢秀俊】若者のパーティードラッグとして米国で流行している幻覚剤「エクスタシー」が感情や運動をつかさどる脳神経細胞を損傷するとの動物実験結果を、米ジョンズ・ホプキンス大の研究グループが27日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。同グループは「エクスタシーの使用は脳の機能障害であるパーキンソン症候群のリスクを増大させる」と警告している。
エクスタシーは気分を高揚させる働きがあり、若者がダンスパーティーなどで使用している。一晩に数回服用することが多いという。米麻薬取締局は麻薬に指定して一般の使用を禁止している。
同大のジョージ・リコールト博士らは実際の使用状況に合わせて、リスザルに3時間の間隔で計3錠与え、脳神経細胞への影響を調べた。その結果、神経伝達物質ドーパミンの量を調節する脳神経細胞が60〜80%減少していることが分かった。ヒヒでも同様の結果が得られたという。
この脳神経細胞は感情や認知、運動を制御する働きがあり、これが損傷すると、パーキンソン病に似た運動機能障害の症状を示すパーキンソン症候群になる恐れが高くなるとされている。
同博士は「一晩でも数回服用すれば、将来発症するリスクが高まる。エクスタシーは直接的な影響がないため安全と考える若者がいるが、従来考えられていたよりも危険だ」と話している。
エクスタシー 成分名はメチレンジオキシメタンフェタミン(略称MDMA)。気分や行動を調整する神経伝達物質セロトニンを減少させるとの報告があり、危険性が指摘される一方、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や末期がんの患者の精神安定剤として使う試みもある。日本でも合成麻薬に指定され、輸入や販売、譲渡、所持、使用などが禁止されており、不正に入手した者が摘発されたケースもある。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月26日西日本新聞>下関駅殺傷 被害者らが賠償提訴 第2陣 被告、両親らに1700万円
山口県下関市のJR下関駅で十五人が死傷した無差別殺傷事件で負傷した被害者ら五人が二十六日午前、殺人罪などに問われ、山口地裁下関支部で死刑を言い渡された元運送業上部(うわべ)康明被告(38)と両親らに総額千七百万円の損害賠償を求める訴訟を同支部に起こした。
原告の代理人を務める下関事件被害者の会弁護団によると、原告は事件でいずれも軽傷を負った被害者四人と、事件現場に居合わせて心的外傷後ストレス傷害(PTSD)と診断された目撃者の一人。訴訟相手は五人のうち二人が被告と両親、三人が被告と両親に加え、JR西日本を含めている。
同事件では、昨年九月、遺族と重傷を負った被害者計四人が上部被告、両親、JR西日本に総額一億八千五百万円の損害賠償を求め同支部に提訴しており、今回が第二陣の提訴。刑事裁判では、上部被告は二十五日に一審判決を不服として広島高裁に控訴している。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月27日毎日新聞>禁煙治療 15歳以下の専門外来 静岡県立こども病院
静岡県立こども病院(静岡市漆山、横田道夫院長)は10月から、15歳以下の患者に禁煙治療をする専門外来「卒煙外来」を開設する。同病院によると、15歳以下を対象とした禁煙専門外来は全国初。
全国的に禁煙外来を開設する病院が増え、未成年者の受診も多いことから開設する。医師のカウンセリングやニコチンパッチなどの禁煙補助薬で治療する。保険適用外で、全額自己負担。
病院によると、全国の男子高校生の半数以上が喫煙経験があり、毎日吸う常習者も年々増加しているという。
同病院内分泌代謝科の加治正行医師は「体のできていない子供は大人と違い2〜3週間でニコチン依存症になり、常習喫煙者になると大人以上にたばこをやめられなくなる。治療という形で手助けしたい」と話している。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月26日毎日新聞>下関駅通り魔 被害者ら5人が損害賠償提訴 山口地裁下関支部
15人が死傷した山口県下関市のJR下関駅通り魔事件(99年9月)の被害者ら5人が26日、上部康明被告(38)とその両親らを相手に、総額1700万円の損害賠償を求める訴えを山口地裁下関支部に起こした。今回提訴したのは、軽傷の4人と現場に居合わせてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した1人。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月26日時事通信>「重い人格障害、治療困難」 鑑定医が証言 大阪児童殺傷事件公判
大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件で、殺人罪などに問われた宅間守被告(38)の公判が26日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)であった。前回に続き、起訴前に同被告を鑑定した精神科医が証人として出廷し、弁護側の反対尋問に「宅間被告の人格障害は非常に重く、極めて珍しい。治療は困難」と述べた。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月26日毎日新聞>池田小事件 弁護側が宅間被告の再度の精神鑑定申請 大阪地裁
大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件で殺人罪などに問われている宅間守被告(38)に対する第15回公判が26日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。弁護側は公判に先立ち、宅間被告に対する再度の精神鑑定と心理鑑定を同地裁に申請した。次回公判(10月10日)までに実施するかどうかが決められる予定。
宅間被告は過去に「統合失調症(精神分裂病)」や「抑うつ状態」などの診断を受けていることから、検察側は起訴前の昨年、約2カ月にわたって精神鑑定を実施。「深刻な精神障害には至っておらず、事件当時完全な責任能力があった」として宅間被告を起訴した。
弁護側は「宅間被告の極端な性格のゆがみなどについて、より慎重な判断を求め、悲惨な事件の動機解明に役立てたい」と再鑑定を申請した。
また、この日の公判では前回(9月12日)に引き続き、宅間被告の起訴前鑑定を担当した精神科医が出廷。宅間被告の社会性の発達程度について「9歳から幼児レベル。欲望のままに衝動が出る。犯行の際には衝動性が最高潮に達していたのではないか」と述べた。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月26日読売新聞>池田小殺傷事件の公判、遺族を検察側証人に採用
大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件で、殺人罪などに問われた無職宅間守被告(38)に対する第15回公判が26日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれ、宅間被告の精神鑑定を担当した精神科医に対する弁護側の尋問などが行われた。また、公判の中で同地裁は、犠牲者の児童4人の両親計8人を検察側証人として採用することを決めた。来月10日の次回公判から2回にわたり、初めて証言する。
公判では、弁護側の尋問に対し、担当した精神科医は、「犯行当時の被告の社会的発達の程度は2、3歳児なみに退行しており、欲望を全然押さえられない状態にあった」と証言。心理テストの結果として、宅間被告の性格を「本能に対する理性と感情の働きかけが非常に弱く、外部から刺激が加わると自我が肥大化し、幼児化する非常に珍しいタイプ」と指摘した。
情報は→読売新聞
<2002年9月26日読売新聞>
宅間公判、弁護側が再精神鑑定を申請
大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件で、殺人罪などに問われた無職宅間守被告(38)に対する第15回公判が26日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。宅間被告の精神鑑定を担当した精神科医が、前回に引き続き証人として出廷。弁護側の尋問に対し、医師は「犯行当時の被告の社会的発達の程度は2、3歳児なみに退行しており、欲望を全然押さえられない状態にあった」と話した。
医師は、心理テストの結果として、宅間被告の性格を「本能に対する理性と感情の働きかけが非常に弱く、外部から刺激が加わると自我が肥大化し、幼児化する非常に珍しいタイプ」と指摘。「幼稚園の子供がおねだりするように、規則の中に収まりきれない」と述べた。
一方、弁護側は、宅間被告の再精神鑑定を申請した。
情報は→Yomiuri-On-Line
<2002年9月26日毎日新聞>
児童殺傷事件 遺族8人が検察側証人に 大阪地裁で次回から
大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)への乱入殺傷事件で、殺人などの罪に問われている宅間守被告(38)への第15回公判は、26日午後も大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれ、検察側証人として遺族の尋問を行うことを決めた。遺族が一連の公判で証言するのは初めて。
亡くなった4児童の父母8人が心情などを述べる予定。次回(10月10日)と次々回(同24日)の公判で尋問を行う。
この日の公判には、宅間被告の起訴前鑑定を担当した精神科医が出廷。医師は、人格障害を持った人の事件について「警察と病院のどちらからも放り出される人が多く、責任の所在がはっきりしない。難しい問題だ」とした。その上で、今回の事件に関しては「事件は予測できないもので、本人に責任を負ってもらうしかない」と述べた。
情報は→毎日新聞
<2002年9月20日読売新聞>
やさしい社会保障 精神病院の社会的入院 「退院後」の支援必要
*この人に聞きました
川副 泰成 氏 千葉県旭市の国保旭中央病院神経精神科部長。全国自治体病院協議会の精神病院特別部会委員も務める。著書に「精神保健福祉法―その理念と実務」(共著)。47歳。全国各地の精神病院で、退院後の生活の、場がないために入院を続ける「社会的入院」の問題が深刻になっている。幸子さん(21)と健一さん(17)が現状と課題を学んだ。
健一 社会的入院をしているのは、どんな人ですか。
川副 精神病の症状が落ち着き、入院の必要がないのに、退院後に暮らす場が確保できない人たちです。中には長い入院で意欲が減退し、周囲との意思疎通が難しくなる人もいますが、何らかの支援があれば地域での生活は可能です。それなのに、必要な福祉サービスなどが足りないんです。
幸子 全国でどのぐらいの人数ですか。
川副 精神病院の入院患者は全国に約三十三万人いて厚生労働省はこのうち二割強に当たる約七万人が社会的入院だとしています。ただ、研究者の間では十万人前後という見方が有力です。十年以上にわたって入院している患者が全体の四分の一以上を占め、高齢化が目立っています。
健一 精神病はなかなか退院できないんですか。
川副 決してそんなことはありません。治療技術が進み、最近では入院患者の約半数が二、三か月で退院しています。入院期間が長い人と短い人の二極化が進んでいます。
幸子どうして社会的入院が多いのですか。
川副 過去の精神医療が患者を入院させることばかり考え、退院後についてあまり考慮していなかったことが影響しています。国や医療関係者の間では戦前から、精神病の人は病院に隔離した方が社会にとっても本人にとっても良いことだという考え方が一般的でした。一九五八年には当時の厚生省が、精神病院のベッド数を増やすため、他の診療科に比べて医師や看護師が少なくても構わないという通知を出しました。
健一 でも、それでは良い治療はできませんよね。
川副 精神病の治療には、患者との十分な人間的かかわりが必要です。病院の人手が足りなければ、鍵のかかった病棟に入れざるを得ないということにもなります。症状の激しい時期に手厚い治療を受ければ回復も早まりますが、治療が不十分だと入院が長期化するケースも多いのです。
幸子 入院が長引くと、患者はどうなるんですか。
川副 社会から切り離された環境で暮らすうち、炊事のしかたや交通機関の利用法などを忘れてしまいます。家族も高齢化し、患者が退院しても生活を支えていくのが難しくなります。
健一 国はそんな状態を放っておいたんですか。
川副 患者の人権尊重を求める声が強まったことを背景に、国は患者を病院に隔離する従来の政策を転換してきました。現在の精神保健福祉法の前身に当たる精神保健法が八七年に成立した際、国と地方自治体が患者の社会復帰に努める義務が明記されました。
幸子 社会復帰のために、どんな支援が行われているのですか。
川副 国は五、六人で共同生活をするグループホーム、仕事のしかたを身につけるための授産施設などを増やしてきました。それでもまだ数が足りません。おとなしい人がほとんどなのに、一部で施設建設に住民の反対運動も起きています。
健一 ほかにも問題はありますか。
川副 患者の退院前から生活訓練や住居探しを行う必要があるのですが、病院がこうした支援をしても、医療保険からは報酬が十分には支払われません。このために、病院が必要な専門職を雇えないことも問題です。
幸子 今後、何が必要なのでしょうか。
川副 国は今後十年間で社会的入院を解消する目標を掲げています。そのためには地域での生活に必要な医療や福祉のサービスをさらに増やさなければなりません。多すぎる病床を減らし、その分、少しでも早く退院できる治療体制を充実させる必要もあります。(小山孝)こんな地域サービスがあったら
(全国精神障害者家族会連合会調べ。精神病院への入院が5年以上になる患者の家族による回答。1997年、複数回答)
比較的大きな生活施設……45.5%
何でも相談できる窓口……42.3%
一人暮らしを支えてくれる人……39.8%
簡単な仕事ができる場……39.5%
グループホーム……38.6%
ショートステイ施設……31.5%
生活のしかたや仕事の訓練をする場……31.0%〔図〕精神病院の社会的入院(1999年 旧厚生省調べ)
□精神病床入院患者の状況
□入院期間
□年齢構成
<2002年9月21日毎日新聞>[暮らしに支えを]精神障害のいま/5 仕事 自然な気遣い、安定の助けに /千葉
<みんな一緒、バリアフリー新世紀>
◇欠かせない職場内の相互理解
九十九里町のある段ボール工場。従業員13人の一人、杉田伸一さん(52)=仮名=は働き始めた10年近く前、倉庫の避雷針が気になって仕方なかった。「電波が飛んで来る」。杉田さんが訴えると、同僚が寄り添った。「電波は来ないよ。病気のせいじゃない? 早く終わりにして病院に行こうか」――。統合失調症の症状を周りが受け入れ、自然な気遣いをしてくれた。
杉田さんの勤務時間は、週3日は午前8時から午後5時、2日は半日で終わる。「みんなが必死で働いてると帰りづらいが、続けたら頭の中が薄くなる。必要な休みが取れ、助かります」と会社の配慮に感謝する杉田さん。工場長の小池大和さん(57)は杉田さんのことを「箱の仕切りを組む速さは誰にも負けないね」と話した。
◇ ◇ ◇
「体が悲鳴を上げる限度が分からなかった」――。上田孝さん(31)=仮名、千葉市=は、ガソリンスタンドで働いた7年前を振り返る。
一生懸命なあまり、気が抜けない。ストレスから眠れず、統合失調症で幻聴も聞こえてきた。勤め出して約半年後、職場で大げんかをしたことを機に退職し入院。体重は約10キロも落ちていた。
退院後、友人たちが車を買ったり、結婚して子どもがいるのを見ると、「やはり仕事を」と思った。5月から障害者職業総合センター(同市)で計8カ月の就労支援プログラムを受けている。
目標は1日5時間程度働ける仕事を見つけることだ。月8万円くらいの収入があれば、障害年金を加えると14万5000円になる。「最低限の額だけど2DKを借りて暮らせる」。希望の仕事は「こういう病気になったからには、福祉の仕事とか考えたい」
◇ ◇ ◇
病気を告げずにフルタイムで働く人もいれば、周りの理解や仕事時間の短縮など配慮が必要な人もいる。
国は5月、すべての障害を対象にしたジョブコーチ事業を始めた。県内には11人のジョブコーチがいて、職場にどんな障害なのか伝えたり、同僚とのコミュニケーションを取り持つ。
杉田さんを支援する地域生活支援センター「ゆりの木」(東金市)の鈴木洋子センター長も「仕事を続けるには事業所の理解が必要」とジョブコーチに期待をかける。「仕事が続かない時、事業所の側も『うちに問題があるのか』ととらえてしまう。また受け入れてくれるよう、本人はもちろん、事業所へのサポートも大切なのです」=つづく情報は→Yahoo! News
<2002年9月17日時事通信>香川県側に80万円支払い命令 警官に入院させられた女性勝訴 高松地裁
警官に手錠を掛けられ、強制的に精神病院に連れて行かれたとして、香川県宇多津町の女性(51)が県などを相手に約400万円の損害賠償を求めた訴訟で、高松地裁の窪田正彦裁判長は17日、「警官の取った医療保護手続きは違法」として、県側に約80万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
窪田裁判長は「原告は興奮して冷静さを欠いていたもので、精神錯乱とは認められない」とした上で「事前の医師の診察がないなど手続きの要件を満たしていない」と指摘。「精神錯乱で自傷他害の恐れがあり、適切に保護した。女性の兄の同意も得ていた」とする県側の主張を退けた。情報は→時事通信
<2002年9月21日朝日新聞>精神病院への立ち入り検査 結果を原則公表へ 厚労省方針
厚生労働省は、精神保健福祉法に基づいて同省が実施する精神病院への立ち入り検査の結果を、原則として公表する方針を決めた。病院の情報公開促進の一環で、患者の違法拘束や職員不足などマイナス情報も明らかにして、患者や家族の病院選びに生かせるようにするのが狙い。都道府県に対しても、同様に公表することを求める通知を出す予定だ。
立ち入り検査は、厚生労働大臣または都道府県知事が、必要だと判断したときに厚労省や都道府県が実施できる。入院患者の処遇の報告や、診療記録の提出などを求め、患者から話を聞くこともできる。
厚労省が立ち入り検査に入るのは、大半が都道府県の検査などでも改善がみられない場合で、年に数件ある。最近では、入院患者を違法に縛りつけるなどしていた埼玉県の朝倉病院、禁止する必要がないのに両親らとの面会を長期間禁じていた山口県の県立病院「静和荘」などへの検査がある。
検査結果はこれまで、問い合わせがあれば答えていたが、積極的に公表していなかった。都道府県も、事前に問題が表面化していなければ、公表していないところが多いとみられる。厚労省は、大学病院などの特定機能病院にも立ち入り検査しているが、結果は情報公開請求があれば明らかにする、としている。
精神医療には措置入院や医療保護入院といった患者自身の意思によらない入院があるうえ、閉鎖病棟などで「密室医療」に陥る危険も指摘されており、精神病院の透明性を高めることが強く求められている。このため厚労省は、結果を原則的に公表することにした。
公表にあたっては、病院名、改善を命じた事項なども明らかにする。都道府県には、立ち入り検査のほかに、すべての精神病院に年1回実施している任意の実地指導でも問題点が改善されない場合は、その内容を公表するよう求める。
情報は→asahi.com
<2002年9月21日毎日新聞>[暮らしに支えを]精神障害のいま 5 仕事 自然な気遣い、安定の助けに 千葉
<みんな一緒、バリアフリー新世紀>
◇欠かせない職場内の相互理解
九十九里町のある段ボール工場。従業員13人の一人、杉田伸一さん(52)=仮名=は働き始めた10年近く前、倉庫の避雷針が気になって仕方なかった。「電波が飛んで来る」。杉田さんが訴えると、同僚が寄り添った。「電波は来ないよ。病気のせいじゃない? 早く終わりにして病院に行こうか」――。統合失調症の症状を周りが受け入れ、自然な気遣いをしてくれた。
杉田さんの勤務時間は、週3日は午前8時から午後5時、2日は半日で終わる。「みんなが必死で働いてると帰りづらいが、続けたら頭の中が薄くなる。必要な休みが取れ、助かります」と会社の配慮に感謝する杉田さん。工場長の小池大和さん(57)は杉田さんのことを「箱の仕切りを組む速さは誰にも負けないね」と話した。
◇ ◇ ◇
「体が悲鳴を上げる限度が分からなかった」――。上田孝さん(31)=仮名、千葉市=は、ガソリンスタンドで働いた7年前を振り返る。
一生懸命なあまり、気が抜けない。ストレスから眠れず、統合失調症で幻聴も聞こえてきた。勤め出して約半年後、職場で大げんかをしたことを機に退職し入院。体重は約10キロも落ちていた。
退院後、友人たちが車を買ったり、結婚して子どもがいるのを見ると、「やはり仕事を」と思った。5月から障害者職業総合センター(同市)で計8カ月の就労支援プログラムを受けている。
目標は1日5時間程度働ける仕事を見つけることだ。月8万円くらいの収入があれば、障害年金を加えると14万5000円になる。「最低限の額だけど2DKを借りて暮らせる」。希望の仕事は「こういう病気になったからには、福祉の仕事とか考えたい」
◇ ◇ ◇
病気を告げずにフルタイムで働く人もいれば、周りの理解や仕事時間の短縮など配慮が必要な人もいる。
国は5月、すべての障害を対象にしたジョブコーチ事業を始めた。県内には11人のジョブコーチがいて、職場にどんな障害なのか伝えたり、同僚とのコミュニケーションを取り持つ。
杉田さんを支援する地域生活支援センター「ゆりの木」(東金市)の鈴木洋子センター長も「仕事を続けるには事業所の理解が必要」とジョブコーチに期待をかける。「仕事が続かない時、事業所の側も『うちに問題があるのか』ととらえてしまう。また受け入れてくれるよう、本人はもちろん、事業所へのサポートも大切なのです」情報は→Yahoo! News
<2002年9月20日毎日新聞>[暮らしに支えを]精神障害のいま 4 居場所 貴重な生活を広げる場 千葉
<みんな一緒、バリアフリー新世紀>
◇「近くに作業所があれば…」
「このままではだめ。家に閉じこもって一生が終わる……」。杉本智子さん(31)=四街道市、仮名=は、抑えようのない焦りを感じた。中学2年で発症した統合失調症が悪化し、10カ月間の入院生活を終えた97年2月のことだ。すれ違う人に笑われる気がして、外に出るのが怖かった。
閉そくから抜け出そうと、朝は買い物、夜は夕涼みと、少しでも外に出る努力を重ねた。ようやく外出に慣れ出した翌年、母(58)が加わる四街道市の家族会「ホープ」が作業所「どんぐり工房」を開設し、杉本さんは通い始めた。
「四街道は市内に病院がなく、遠い病院のデイケアに通っても続かない。近くに本人の行き場が必要だと考えた」(ホープの前波力会長)。工房では、福祉施設の会議室を借り、手工芸やハンドベルの演奏、農園で野菜作りなどをする。活動には、約20家族が入れ替わりで参加。杉本さんにとっても、家とは違うもう一つの居場所になった。友だちができ、生活が広がった。「いろんな考えの人と接して、社会に出る勉強になるかな」と杉本さんは話す。
◇ ◇ ◇
こうした作業所や授産施設は、精神障害の場合、多くが家族会によるもので、県内にわずか35カ所(4月1日現在)。浦安市から千葉市にかけての7市で約6割を占め、町村には2カ所だけと、地域的にも偏りがある。町も含めた自治体が設置している心身障害者福祉作業所とは、大きく事情が違う。
勝浦保健所管内の夷隅郡市には精神障害の施設はゼロ。地域の家族会の小川文子会長の家では、夫(76)が統合失調症の長男(45)と一緒に地図作りの基礎調査をしていたが、夫が高齢になり、けがをしても危ないと昨年末でやめた。
「あれから息子は、うちでごろごろしてしまう。作業所があれば週に1回でも行かせたい」と小川さんは願う。会も施設作りを検討しているが、場所の確保や病院との連携など、簡単には前に進まない。中心メンバーは60歳を超えている。
◇ ◇ ◇
千葉市内の「幕張もくせい舎」は精神医療や福祉の仕事をする人が集まり設立した作業所だ。「知的障害は子どものうちに分かるから活動する親も若い。精神障害は思春期や成人になってから病が分かり、親も50代、60代に……」と運営委員の一人、長島美奈さん(40)は言う。作業所などを増やすには「かかわる専門職を増やし、研修と生活保障することが大事では」。家族の負担の重さ知る長島さんの提言だ。情報は→Yahoo! News
<2002年9月21日西日本新聞>下関駅無差別殺傷 上部被告に死刑 責任能力認める 山口地裁支部判決
一九九九年九月、山口県下関市のJR下関駅で五人が死亡、十人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元運送業上部(うわべ)康明被告(38)=山口県豊浦町=の判決公判が二十日、山口地裁下関支部で開かれた。並木正男裁判長は、上部被告の刑事責任能力を全面的に認め、「計画的に確定的な殺意を持って行われた犯罪史上まれにみる冷酷な犯行。動機にも酌量の余地はなく、極刑はやむを得ない」として求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は控訴する方針。
判決理由で並木裁判長は、証拠採用した見解の異なる二つの精神鑑定書のうち「人格に偏りはあるが、著しい障害があったとはいえない」とした保崎秀夫・慶応大名誉教授(精神医学)の鑑定を採用。「犯行時、被告は自分の行動の意味を認識し、冷静に行動しており、心神喪失や心神耗弱の状態ではなかった」と判断して完全な刑事責任能力を認めた。
一方、「少なくとも心神耗弱状態」とした福島章・上智大名誉教授(精神医学、犯罪心理学)の鑑定については「被告の視線恐怖や対人恐怖の症状が、どのような経過で妄想に発展したか明らかではなく、論理に飛躍がある」として退けた。
その上で、犯行の動機について「自らの不遇を周囲に責任転嫁し、身勝手、理不尽な怒りを正当化。自殺するだけでは足りず、両親と社会に対し強烈な衝撃を与えようと、全く無関係の他人をできる限り多数殺害しようとした」と指摘。被告の言動についても「刑事責任を軽減するためとも思われる不自然な供述を繰り返し、十分に反省しているか疑問」と述べて、求刑通り死刑を選択した。
判決によると、上部被告は九九年九月二十九日午後四時二十五分ごろ、レンタカーでJR下関駅コンコースに突っ込み、歩道や構内で歩行者七人をはねた。その後、用意していた包丁を手に改札口を抜けて駅ホームに向かい、乗客ら八人を次々と刺すなどして、五人を殺害し、十人に重軽傷を負わせた。
■遺族の無念さ晴らす 田川章次・「下関事件被害者の会」弁護団長の話
証拠をひとつひとつ積み重ね、上部被告は心神耗弱状態だったとする「福島鑑定」を明確に否定した上、被害者一人ひとりの事件前の状況にも触れており、ち密で温情あふれる判決だった。判決後、遺族が思わず涙を流すなど、被害者や遺族の無念さを晴らす、いい判決だと思う。
■責任能力の判断誤り 上部康明被告の弁護人・於保(おほ)睦弁護士の話
上部被告の統合失調症の症状は今でも進行中で、(心神喪失でも心神耗弱状態でもなかったとする)判決は、責任能力の判断について明らかに誤っている。被告と時間をかけて意見を交換するが、控訴しなければ、弁護人としての義務を果たしたことにはならないと思う。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月20日読売新聞>下関駅通り魔、責任能力認め死刑判決
1999年9月、山口県下関市のJR下関駅で通行人ら5人が死亡、10人が重軽傷を負った通り魔事件で、殺人罪などに問われた同県豊浦町厚母(あつも)郷、運送業上部(うわべ)康明被告(38)に対する判決公判が20日、山口地裁下関支部であった。並木正男裁判長は、被告の完全責任能力を認めたうえで、「史上まれに見る凶悪な犯罪。計画的で冷酷、残虐な犯行で、結果は重大。極刑をもって臨むことはやむを得ない」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。
判決理由で並木裁判長は、最大の争点となった被告の刑事責任能力について、「犯行当時、被告に妄想性障害はなかった。周到、冷静かつ合理的な計画を立てて準備し、計画に沿った行動をしている」と認定した。
そのうえで、「動機や自分の行動を具体的、詳細に供述しており、記憶の欠落もほとんどなく、心神耗弱状態にはなかった」と、完全責任能力を認めた。犯行前に睡眠薬を服用していた点についても「責任能力に何ら影響を与えていない」とした。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月20日毎日新聞>下関駅通り魔事件 上部被告に死刑判決 山口地裁下関支部
5人が死亡、10人が重軽傷を負った山口県下関市のJR下関駅通り魔事件(99年9月)で、殺人罪などに問われた同県豊浦町厚母郷(あつもごう)、運送業、上部(うわべ)康明被告(38)の判決公判が20日午後、山口地裁下関支部で開かれた。並木正男裁判長は検察側の求刑通り、死刑を言い渡した。最大の争点だった被告の刑事責任能力について「完全責任能力」を認めた。
被告の刑事責任能力を巡っては、起訴前の簡易鑑定で「責任能力に欠けるところはない」とされた。しかし、公判に入って裁判所の判断で行われた2回の精神鑑定のうち、福島章・上智大名誉教授(犯罪心理学)は「善悪の判断能力や判断に従って行動する能力は著しく減退していたが、完全に喪失していたとは言えない」として、責任能力を限定的に認める「心神耗弱」を示した。
その後行われた保崎秀夫・慶応大名誉教授(精神医学)の鑑定は「著しい障害があったとまでは言えない」として、完全な責任能力を示唆した。
弁護側は「被告は犯行時に統合失調症(精神分裂病)による心神喪失か、少なくとも心神耗弱状態にあった」と主張し、無罪または刑の減軽を求めていた。
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<2002年9月20日時事通信>上部被告に死刑判決=「まれにみる凶悪犯罪」−下関駅無差別殺傷で山口地裁支部
1999年9月、山口県下関市のJR下関駅で5人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた同県豊浦町の運送業上部康明被告(38)に対する判決公判が20日、山口地裁下関支部であった。並木正男裁判長は「史上まれにみる凶悪な犯罪。動機にしんしゃくすべき事情もない」として、求刑通り死刑を言い渡した。
弁護側は「心神喪失か心神耗弱状態だった」として、死刑回避を求めたが、同裁判長は完全な刑事責任能力があったと判断した。情報は→Yahoo! News
<2002年9月19日毎日新聞>精神障害者 実名リストを配布 大分・臼杵保健所が陳謝、回収
大分県臼杵保健所の職員が18日にあった同県佐賀関町の議員研修会で、町内の精神障害者8人の実名を書いた資料のコピーを配っていた。町側の指摘で職員が陳謝しすぐに回収した。同保健所は「実名が出て大変申し訳ない」と話している。研修会では職員が「プライバシーにかかわる部分で、大変申し訳なかった」と陳謝した。
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<2002年9月18日毎日新聞>障害者差別 公営住宅に単身入居を 知的障害者らが要望
「障害者欠格条項をなくす会」など7団体が18日、国土交通省に要望書を提出した。公営住宅法施行令は、介護が常時必要な身体・精神障害者で、介護を受けられない人の単身入居を認めていない。障害者団体側は「身体障害者の単身入居は認められるようになったのに、なぜ精神障害と知的障害は除外されるのか」と訴えた。
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<2002年9月19日毎日新聞>[暮らしに支えを]精神障害のいま/3 日常生活 急がれるヘルパー研修… /千葉
◇急がれるヘルパー研修の充実−−ゆとり生む身近な支援
「動くのがつらくて買い物に行けない。食事のメニューも考えられない」。2Kのアパートで暮らす統合失調症の武藤光政さん(50)=市川市=は昨秋から調子を崩した。結婚8年目の妻香さん(30)はてんかん発作があり、武藤さんが家事をしてきた。だが、外食や弁当が増え、さらに調子が悪くなる……。「資料も整理できず」と目をやる奥の部屋は、いたるところに書類が積まれたままだ。
幸い、精神障害を対象にしたホームヘルプが4月から本格的に始まった。週1回2時間のホームヘルプの日は、2〜3日分の食事を作り置きしてもらい、トイレや風呂の掃除もお願いする。武藤さんは「これで、回復するまで生活が回ります」。
身体障害よりイメージしにくいが、精神障害でもこうした生活支援が必要だ。しかしながら、県の00、01年度のヘルパー研修は、千葉市を除く県内の79市町村で修了者はわずか151人。うち16市町村では「修了者ゼロ」。独自の研修をしている自治体もあるが、実際の体制は心もとない。
◇ ◇ ◇
雨戸が半開きで、4畳半ほどの居間は薄暗い。コタツの脇に敷いた布団に、下着姿の年配の男性が座る。「電気付けていいですか」。浅井病院(東金市)の島袋幸生看護長は声をかけ、向き合うように座った。
「体の調子はいかが」。「順調だよ」と男性はしわ深い顔に笑顔を浮かべる。島袋さんは薬を数えながら「やけに夜の分残ってますね」。ノートを開き、眠れるか、食欲はあるか聞く。「食料もちょっと見させてください」と炊飯器や冷蔵庫の中も確認し、15分程度の訪問を終えた。
訪問は1人暮らしの患者中心で、日常生活のリズムを保つのが目的。島袋さんの担当は約30人で「『寝る食う遊ぶ』を意識します。寝ないと食べられず、遊べず、ゆとりがない。生活リズムが狂えば病気の症状が出たりする。悪循環を防ぎたい」。
同病院の地域生活支援センター「ゆりの木」も、精神障害を持つ人や家族の相談を受け、生活を支援する。特に電話相談は24時間体制で「お金を使いすぎた」「夜眠れない」「休日は行き先がなく寂しい」など、件数は01年度で8550件に上る。「小さなことも1人暮らしだと相談相手がいない。そこをちょっと後押しすれば病院外で暮らせる」とゆりの木の鈴木洋子センター長。
精神障害。それは目に見えづらいが、日常生活で心身にわたる支援を必要としている。=つづく情報は→Yahoo! News
<2002年9月18日毎日新聞>[暮らしに支えを]精神障害のいま/2 生活の場 別居で家族関係安定も /千葉
◇入院患者の2割は退院可能
ご飯が炊けるにおいがアパートの1Kの部屋に広がっている。朝6時過ぎ。坂田啓さん(63)=東金市、仮名=は起き上がり、床に新聞紙を広げた。湯気の立つご飯に納豆や漬物を添え、一人きりの朝食だ。少し前かがみの肩、白髪まじりの短髪。寂しげな光景に映るかもしれないが、統合失調症の坂田さんにとっては、30年ぶりに手にした「自由」な生活だ。
4年前、30年間の入院生活に別れを告げるチャンスが来た。両親はすでに他界し、帰る家はない。医師から紹介されたのは、浅井病院(同市)の生活訓練施設。料理や掃除、洗濯などを習う3年間の「訓練期間」を終え、今年5月、アパートに移った。このアパートには世話人がいて、5〜6人が集まって暮らすグループホームの指定申請をしている。
「一人で行動でき、入院生活とは比較にならない」と顔を和ませる坂田さん。ただ、元の入院先に同じ施設があれば、もっと早く「自由」を取り戻せたはずだ。
◇ ◇ ◇
林幸夫さん(32)=仮名=は、別の理由で昨秋、生活訓練施設に来た。
22歳の時、統合失調症と診断された。「働けば?」「太るから体を動かして」――。病気で体が重いと分かってもらえず、母と言い争いの毎日。精神的に耐えられず、別居を決意した。同病院リハビリテーション部の安井利子部長は「家族が過干渉だと、薬を飲んでいても再発がある」と関係の難しさを指摘する。
月に1度、母が訪ねてくる。喫茶店で静かな時を過ごし、林さんは実感する。「距離をおけば、冷静に相手を見られる」
◇ ◇ ◇
厚生労働省などによると、全国の入院患者の2割は受け入れ条件さえ整えば退院できる「社会的入院」だ。県内では約2653人の計算。一方、生活訓練施設やグループホームなど精神障害者の生活の場は計27カ所・定員246人(4月1日現在)に過ぎない。
市民団体が99年に始めた旭市のグループホーム「にじの家」。開設から補助金交付まで約1年。運営費、家具や家電の購入費に610万円かかった。補助額は、00年度の運営費521万円に対して300万円強。人件費は出るが、家賃や家具代は自前だ。
「補助金交付を早め、額も見直して」と、運営委員会の永井久美子会長。「医療法人は資金融通できても、小さい団体には死活問題。こんな状況ではグループホームは増えないですよ」。ため息が漏れた。情報は→Yahoo! News
<2002年9月17日毎日新聞>
[暮らしに支えを]精神障害のいま/1 発病の時 4割が同意なしの入院 /千葉
◇本人も家族も傷ついて
リビングの空気は張りつめていた。今村百合さん(64)の二男卓さん(31)=いずれも仮名=を、今村さん夫妻と親せき6人がぐるりと囲む。涙で言葉に詰まる夫に代わり、今村さんの兄が思い切ったように「病院に行こう」と声をかけた。雰囲気に気圧(けお)されるように、卓さんはうつろな口調でつぶやいた。「いいよ」。卓さんの車の前後を固めるように、計9人が3台の車を連ね、病院に向かった。
10年前、卓さんが統合失調症(精神分裂病)を発病し、初めて入院した日のことだ。今村さんの日記には「兄は言った。卓の顔を忘れられない。『いいよ』と言っても心から納得してない」と記されている。「数の暴力で抑え、あの子も、私たちも傷ついた」と今村さん。今も卓さんは「何であんなに集まったんだ」と非難する。
精神病は、本人が病気だという認識を持ちにくいといわれ、家族が病院に連れていくまで苦労することが多い。県内の精神病院の入院患者は1万2160人(01年6月末現在)。本人が同意しないが医療が必要と判断された「医療保護入院」が4割を占める。
99年、医療保護と「自傷他害の恐れ」がある「措置入院」の場合、知事の責任で患者を病院に移送する制度ができた。措置の移送は県でも始まったが、医療保護の移送は県障害福祉課が「人権の問題もある」と慎重で、負担は家族にかかる。
◇ ◇ ◇
「周りの人が僕のこと、指さして笑ってる」。約10年前の春、渡辺皓寛(てるのぶ)さん(62)=四街道市=は、大学の予備校生だった二男(29)の訴えを笑い飛ばした。「おまえのことは誰も関心ないよ」。統合失調症と分かった後も「ニュースが人を惑わしてる」と妄想を語る二男を「そんなバカなことあるはずない」と言下に否定し、言い争いを繰り返した。
病院を嫌がる本人、病気を意識しながら現実を受け入れがたい家族。互いのつらさが重り合う。
県精神保健福祉センターの矢野徹センター長は「妄想や幻覚は理解できなくても、本人のつらさは理解できる。否定せず『つらそうだね、病気のせいじゃないの』と根気よく病院に行こうと説得するしかない」と話す。同時にこうも指摘する。「病名を告げられると人生が変わると思ってしまう。社会の偏見や差別も、本人や家族が病気を認めることを妨げているのでは」
◇ ◇ ◇
「精神障害」という言葉を聞いた時、ふと頭の中を怖さや不安がかすめないだろうか。精神障害を持つ人たちは全国で204万人。100人に1・6人の割合に当たる。それぞれの人生があり、居場所も必要。そこに人より多く手助けを必要としている。しかし、福祉の支援は、身体障害や知的障害に比べ遅れているのが現実だ。地域で暮らす当事者や家族の姿を報告しながら、課題を探る。【堀井恵里子】情報は→Yahoo! News
<2002年9月14日毎日新聞>宇都宮病院・集団食中毒 11施設の「衛生管理」点検 報徳会運営 /栃木
◇O157による集団食中毒 県と宇都宮市の検査
発生から約1カ月半――。医療法人報徳会宇都宮病院(宇都宮市陽南4)と隣接する老人保健施設「陽南」の病原性大腸菌O157による集団食中毒事件で13日、宇都宮市と県が合同で立ち入り検査を行った。約40人の職員が再発防止を目的に、報徳会が運営する計11施設を対象に衛生管理状況を点検した。【川端智子】
検査では、食事の管理方法や手洗いの有無といった衛生面のほか、病床数、スタッフ数などの施設運営の状況なども調べ、今月末をめどに、結果をまとめる見通し。
同種の調査では異例とも言える大人数になったのは、施設によって適用法が異なるため。宇都宮病院は医療法、陽南は介護保険法、そのほかの授産施設は精神保健法に基づいてそれぞれ検査が行われた。県は「各課の間ですりあわせが必要なため、今回の結果が出るまでには通常よりも、時間がかかると思う」と話している。
9人が死亡したO157による食中毒では最悪の事態となった今回の問題の背景に、「長期療養型」施設という特性を指摘する意見も出ている。
例えば、総合病院の自治医科大学付属病院(南河内町)は、サラダなど生野菜を提供する場合、カットした野菜を消毒液で殺菌して提供する。また肉や魚などの料理は、生ものを触るさばく担当と、揚げる焼くなどの調理担当を完全に分けて、2次感染を防ぐ工夫をしている。同病院栄養部の宮本佳代子室長は「病院は病気を治す『治療食』を提供する場所。安全管理に一番気を使っている」と話す。
宇都宮病院と陽南には高齢の患者・入所者が多く、そのほとんどは長期に及ぶ。中には十数年間おり、ここを終(つい)の住み家として最期を迎える人も少なくない。
宇都宮市内の老人保健施設は「食事は、利用者が食べることを楽しんでもらえるような、いわば『生活食』。衛生管理には十分な配慮はしているが、一般の病院のような味気ない食事というわけにはいかない」と打ち明ける。
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◇今回の集団食中毒の死亡者
死亡日 入院・入所先 死因 発症日
8月 5日 女性(98) 陽南 脳血管障害 2日
9日 女性(91) 陽南 HUS 6日
〃 女性(76) 病院 出血性腸炎 〃
〃 男性(73) 病院 急性腎不全 〃
12日 女性(81) 病院 O157 4日
15日 男性(74) 病院 HUS 3日
16日 女性(87) 病院 〃 5日
18日 女性(58) 病院 O157 4日
9月 9日 女性(76) 病院 肺炎 6日
(発症日はすべて8月。HUSは溶血性尿毒症症候群)情報は→Yahoo! News
<2002年9月12日朝日放送>池田小事件 宅間被告は統合失調症と言えず
去年6月、大阪で小学校乱入殺傷事件を起こした宅間守被告の第14回公判が大阪地裁で開かれ、起訴前に被告の精神鑑定を行った医師が、「統合失調症ではない」などと証言しました。
宅間守被告は去年6月、大教大附属池田小学校に乱入し、児童や教師ら23人を殺傷した罪などに問われています。被告人質問が終わり、今後、法廷では裁判の唯一の争点、被告の責任能力の有無をめぐり本格的な審理が進められていきます。きょうの法廷には起訴前に宅間被告の精神鑑定を行い、人格障害だと結論づけた医師が証人として出廷しました。検察はこの鑑定を元に「責任能力はある」として被告を起訴しました。医師は法廷で、「幻覚はあったが、統合失調症ととらえるのは無理があった」などとした上で「宅間被告はうつ状態だったが、犯行の直前には回復していた」などと証言しました。
情報は→Yahoo! News
<2002年09月15日福島民報>精神障害者の無年金問題 「考える会」が発足 福島
精神障害を持ちながら国の障害基礎年金を受けることのできない子どもらを抱える県北地方の家族らでつくる「精神障害者無年金問題を考える会」の設立総会は14日、福島市保健福祉センターで開かれ、行政に支援を求めていくことを申し合わせた。
無年金問題は、国民年金への学生の加入が任意だった時代に加入の手続きをしなかったため、年金を受給できないというもの。
考える会は福島市と伊達郡内の精神障害者の家族らで構成する「ひびきの会」のメンバーの呼び掛けで発足し、同会のメンバー7人のほか、この問題で悩む県北地方の5人が参加した。
当面の活動として、年金を受給できないことで困った点などをまとめ、県や市に提出することを決めた。問い合わせは「ひびきの会」事務局 電話024(531)4888へ。情報は→福島民報
<2002年9月13日全自病協>電気けいれん療法の使用に関する提言
全国自治体病院協議会
会 長 小山田 惠
精神病院特別部会
部会長 猪俣 好正
電気けいれん療法(以下、ECT)については、精神科臨床において有効性が認められているところですが、その対象、実施方法、転帰等などについての詳しい全国調査がなく、その実施状況も明らかになっていません。
当会では、ECTの実態を調査してその分析結果を公表し、実施するにあたっての指針策定に寄与することを目的に、昨年8月6日付けで会員病院を対象として調査を実施しました。調査結果は別に譲りますが、これを受けて、当会として以下のように提案します。関係方面でこの問題に関する議論が深まることを、期待する次第です。記 1.ECTの有効性は元より、安全性あるいは緊急性に関する必要条件について、個々の事例毎に詳細かつ慎重な検討が必要であること。
個々の事例がECTの適応かどうかは、担当医師が個人的に判断するのではなく、例えば外科的手術と同様に、術前検査の結果を踏まえて院内カンファレンス等で具体的に検討し、十分な医学的根拠に基づいて施行することが原則である。
2.患者本人及び保護者等に、ECTの施行前に文書で同意を得るのが原則であること。病状によって本人の判断能力が減弱している場合には、保護者等に文書で同意を得なければならないこと。
ECTの適応を絞れば絞るほど、希死念慮が著しかったり疎通性が低下していたりするなど、本人の同意が得にくい事例の比率が高まることにはやむを得ない一面がある。このうち、病状によって判断能力が減弱していると認められる場合には、保護者等に文書で同意を得ることが必須である。
3.ECTは可能な限り、修正型(無けいれん性)で施行すべきこと。
修正型電気けいれん療法(m−ECT)が従来法(有けいれん性)よりも安全性などの点で優っていることは、既に定説になっている。これには麻酔医の関与が必要であり、とりわけ単科精神病院における実施には困難がつきまとっているが、近隣の一般病院との連携を図るなど、修正型への移行を進めるべく努力が必要である。なお、無麻酔下のECTは患者の心身に与える侵襲が大きく、また以上の提案に照らしても、行なうべきではない。
4.ECTの具体的な手法について、関連学会における指針の策定が期待されるものであり、当会は調査結果の詳細を報告することで寄与していくこと。
既に日本総合病院精神医学会では『実践指針(第2次試案)』を作成しており、日本精神神経学会でも検討中と聞いている。1回毎の手技のみならず、一連のECTの回数や間隔などについて、臨床現場で有用かつ具体的な指針を確立することを求めたい。当会としては、今回の調査結果の詳細をまとめて学術雑誌等で報告し、指針の策定に寄与したい。
以下 略→電気けいれん療法に関する調査結果(概要)
<2002年9月14日朝日新聞>変わる精神医療2
どんどん増える薬の数。入院時2剤がいつの間にか7、8種類に。
脱「薬漬け」の道探る 世界に例ない処方量川崎市に住む男性(49)が3度目の入院をしたのは8年前のことだ。
「身の回りで何かえたいの知れないものが動いている」という不安感が募る。テレビから流れてくるとりとめのない言葉にも一喜一憂する。そんな日々を送っているうちに息苦しくなってきた。
開放病棟で9ヵ月過ごした。入ったばかりのころは2種類の薬で済んでいた。
ところが、体が震えていたのでそれを止める薬も飲むようになり、同じ効果がある別の薬も加わる…薬の副作用で便秘になり、下剤も処方された。
退院するころは7、8種類をへ朝、昼、晩の毎食後と就寝前に飲んでいた。
「薬が増えるのにつれ、まず活字が読めなくなった。新聞記事を読んでいても、論理の流れを追えないんです」
□□□
やがて、何をするにも意欲がわかなくなった。デイケアの単純作業をこなすのが精いっぱい。病棟に帰るとベッドに潜り込む。
リハビリ参加時に書いた自己紹介の趣味の欄には「寝ること」と記した。
退院。生活訓練施設に通ったのちアパートで生活している。再発を防ぐため薬は手放せない。だが、いまは4種類計6錠を就寝前に一度飲むだけ。ここまで減らすのに6年かかった。
医師から「精神分裂病(統合失調症)」と告げられ、薬の名前を教えてもらったのは2年前。それまでは病名も、どんな薬かも知らないで、言われるままに飲んでいた。
「入院中は早く退院したくて無理して薬を飲んだ。退院後も大量の薬を飲んでいるうちは医者に薬のことを質問する気力さえわかなかった」
抗精神病薬の便い方は日本と海外では大きく異なっている。
横浜市で8月に開かれた世界精神医学会に合わせ、全国精神障害者家族会連合会(全家連)が「多剤・大量処方から抜け出す」と題した市民公開講座を主催した。ここで、患者や家族ら450人に慶応大医学部精神・神経科の稲垣中医師が9カ国のデータを
示した。
薬が1剤という患者の割合は、
1985年以降の調査結果もあり。
一方、4剤以上処方している割合は、
(注:海外における1985年以前の抗精神病薬処方実態調査。1985年以降の調査結果もあり。
多くの専門家が、著書や論文でこの問題を指摘している。
日本精神神経学会は米精神医学会が97年に発表した「治療ガイドライン」を翻訳して出版したり、日本独自のガイドラインづくりをめざしたりするなど、標準的な治療法の普及に努めている。
日本精神神経学会の佐藤光源理事長(東北福祉大大学院教授)はこう訴える。
「精神科の薬の副作用は体に有害なだけでなく、患者の社会参加を阻むことにつながり、深刻な問題だ。薬の使用にあたって、よく『さじ加減』という言葉が使われるが、経験に頼って多剤を大量に処方するのは多くの場合、有害でしかない」統合失調症の薬
50年代にクロルプロマジン、ハロペリドールなど今も広く使われている抗精神病薬が登場し、統合失調症の薬物療法が始まった。80年代に入り、意欲の喪失、抑うつなどの陰性症状にも効果があり、副作用が起きにくい「非定型抗精神病薬」と呼ばれる薬が開発された。日本でも90年代末以降4種類の薬が発売され、薬物療法の改革に役立つのではないかと期待されている。
家族のための情報
全家連(事務局03・3845・5084)は機関誌「ぜんかれん」の5月号と9月号で多剤大量処方の特集を掲載。山梨県立北病院の藤井康男副院長が問題点と解決法を分かりやすく説いている。11月号でも薬物療法の特集を予定している。7月に星和書店から出た「分裂病治癒者のカルテ」〈西川正著、3300円)は、カルテをもとに薬物療法を具体的に紹介している。西川医師は「患者や家族に読んでもらい、相互理解に役立てて欲しい」と話している。情報は→朝日新聞
<2002年9月14日朝日新聞>麻酔なしで電気ショックの患者1割 自治体病院精神科
全国の自治体病院精神科で電気けいれん療法(ECT)を受けた患者の約1割が、麻酔なしに電気ショックをかけられていたことが分かった。全国自治体病院協議会精神病院部会(部会長=猪俣好正・宮城県立名取病院長)が13日発表した。治療法を説明されていない患者も約半数にのぼり、ずさんな治療の一端が明らかになった。
ECTは重いうつ病などへの効果が認められているが、懲罰的に用いられた過去の反省から欧米では厳格なマニュアルのもとで行われている。
全身麻酔と筋弛緩(しかん)剤を併用、全身けいれんが起こらないようにする「無けいれん法」が標準だ。
しかし、日本には治療指針はなく、部会では指針作成を関係学会などに働きかける方針だ。
部会はECTの実態を知る目的で昨夏、281の会員病院を対象にアンケート。162病院から回答を得た。
その結果、一昨年年4月からの1年間で、53病院が655人に実施。このうち5病院で67人が麻酔なしで受けていた。
静脈麻酔のみで行う「有けいれん法」で治療を受けた人は423人と約6割。欧米のように骨折などの副作用を避ける「無けいれん法」による治療は232人だった。
患者から「事前に文書で同意を得た」というケースはわずか14%。「全く説明していない」が48・8%にのぼった。
ほとんどは事前に家族の同意を得ていたが、文書によるものは6割弱にとどまった。
猪俣部会長らは「麻酔なしのECTは論外。一部とはいえ、いまだにこのような野蛮な治療がなされていることに驚いた。インフォームド・コンセントは患者と家族から文書で得ることが原則だ」と語った。
情報は→asahi.com
<2002年9月13日毎日新聞>統合失調症 「電気けいれん療法」文書同意を 協議会が提言
うつ病や統合失調症患者の頭部に電気刺激を与えて、精神症状を改善させる「電気けいれん療法」について、全国自治体病院協議会は、実態調査を公表した。文書で治療の同意を得たケースは患者本人が14.0%、保護者は57.1%といずれも低いことが分かり、協議会は文書での同意を原則とすべきだとする提言をまとめた。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月13日毎日新聞>
O157 老人保健施設を立ち入り検査 栃木県と宇都宮市
医療法人報徳会宇都宮病院と隣接する老人保健施設「陽南」で発生した病原性大腸菌O157による集団食中毒は死者が9人に上る過去最悪の事態となった。給食施設は真夏でも空調設備が不十分で、料理が常温で保管されるなど、厚労省マニュアルの違反が判明しており、栃木県と同市は13日、合同立ち入り検査に乗り出した。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月13日読売新聞>宅間被告は「3つの人格障害」…鑑定医が公判で証言
大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件で殺人罪などに問われた宅間守被告(38)に対する第14回公判は12日午後、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で、大阪地検による鑑定留置期間中に宅間被告の精神鑑定を担当した精神科医への検察側尋問が続行された。医師は犯行の背景について「宅間被告が抱えていた三つの人格障害が凝縮された結果」とし、「犯行当時、是非分別能力はあった」と証言した。
証言で医師は、宅間被告が妄想性、非社会性、情緒不安定性の人格障害の症状を呈し、社会に適応できず、生活にも行き詰まって障害が凝縮され、不特定多数の人物への恨みへと爆発したと指摘した。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月12日時事通信>「宅間被告は統合失調症でない」 児童殺傷事件で鑑定医が証言−大阪地裁
大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件で、殺人罪などに問われた宅間守被告(38)の公判が12日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)であった。起訴前に同被告を鑑定した精神科医が証人として出廷し、検察側の尋問に「(宅間被告が)統合失調症(精神分裂病)と確定できる症状はなかった」と述べた。
また、宅間被告が1999年、兵庫県伊丹市の小学校で薬物混入事件を起こした際、統合失調症と診断され措置入院になったことについて、精神科医は「本人もうそを言い、病気を装ったと認めており、結果的に詐病だったと言える」と話した。情報は→Yahoo! News
<2002年9月12日時事通信>宅間被告の再鑑定申請へ 児童殺傷事件で弁護側−大阪地裁
大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件で、殺人罪などに問われた宅間守被告(38)の公判は12日午後も、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で続けられた。公判終了後、記者会見した弁護側は26日の次回公判で、同被告の再鑑定を申請することを明らかにした。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月12日毎日新聞>児童殺傷事件 宅間被告は「統合失調症でない」 鑑定医が証言
大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件で、殺人罪などに問われている宅間守被告(38)に対する第14回公判が12日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれ、宅間被告の起訴前精神鑑定を担当した精神科医が検察側証人として出廷した。医師は「妄想などをうかがわせる症状はなく、精神分裂病(統合失調症)ではなかった」と改めて鑑定に沿った証言をした。
この日の公判で、医師は、宅間被告が過去に入通院した際に別の医師が診断した時のカルテの内容についても証言。勤務先の小学校で薬物混入事件を起こした時に精神障害を装っていたとされる点について、「結論的に詐病と判断した」などと述べた。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月7日朝日新聞>心の病、産業医ら本腰 研究会設立 職場環境学び活用
心の病を抱えるサラリーマンやOLを支援しようと、全国の精神科専門の産業医らが「勤労者精神医療研究会」(事務局・東京)を設立した。精神科医を対象に、企業の人事担当者らを講師に招いた勉強会を開き、会社員が職場でどんなことにストレスを感じているかなどを具体的に知ってもらい、治療に生かす。
うつ病などで休職した会社員が復職できるかどうかを精神科医が判定する際、職場の実態を詳しく知らないために判断が甘くなるケースがあるという。精神科医に職場環境などについて理解を深めてもらうことで、効果的な治療につなげるのが勉強会の狙いだ。
企業の人事担当者らから仕事の内容や人事制度、組織の形態、労働関係の法律について学ぶ。どんな仕事や人間関係がストレスになって心の病を発症したかなどを話し合う症例検討会も行う。
研究会の代表世話人を務める島悟・産業精神保健研究所所長(精神科医)は「産業医は内科医が多く、精神科医はまだ少数。社外の精神科医に職場の実態を知ってもらうことは大切」と話す。情報は→朝日新聞
<2002年9月7日朝日新聞>変わる精神医療1
収容主義の時代は終わった。チーム医療が社会復帰を促進する。
病床減らし質上げる 開放的な病棟実現午後3時、ストレスケア病棟のナースステーションに医師と看護師約10人が集まった。患者の治療と看護の方針を検討するカンファレンス。この日は、そう状態で入院した思春期の女性の治療を話し合った。
家族や先生、同級生らと過剰に親密になったかと思うと一転して攻撃的に。過去のいじめ体験が突然よみがえりパニツクに陥る。過呼吸、下痢といった身体症状もある。
主治医が発言した。
「彼女はそう病ではないと思う。そう状態になることで自分の心を防衛している。入院は3ヵ月か、長くても半年。あとは外来で治療しましよう」ある看護師は「どう接していいか分からなくなる時がある。振り回されるというか…」と打ち明けた。
別の看護師は「母親にベタベタしているかと思うと激しく攻撃する様子を見ていると、自分の子どもに重ね合わせて考えてしまう。親子って難しい」と話す。
人間関係や心理状態、そして薬の効果……。話し合いは約1時問続いた。
□口□
長崎市の中心部から南東に約2キロ。長い坂を上り詰めた丘の上に、西脇病院はある。3年前に新築した新館は、れんが造りの外観とフローリングや木製ドアなどふんだんに木材を使った内装で評判になった。
ホテルのような受付、大きなガラス、広い廊下と集会場(デイルーム)。病棟はとても明るく開放的だ。
「精神病院らしからぬ病院ですね」。見学者らは驚くが、院長の西脇健三郎さん(55)はそれが不満だ。
「患者が安らぎ、癒やされる治療空間を目指したのがこの新館です。これこそ精神病院らしい病院ではないですか」
57年に56床で開設した西脇病院は典型的な収容型の病院としてベッド数を増やした。西脇さんが理事長・院長職を継いだのは82年。そのころ定床260床に対して入院患者が300人を超えることもあった。
ベッド数を多くして入院を増やせば収入は増える−−日本の精神病床はずっと増え続けてきた。
西脇病院は現在229床と逆に減らした。患者の平均在院日数は181日。全国平均の約半分だ。収入も減るが、高い診療報酬を得られるよう看護基準を上げ、外来患者を増やした。
入院が長期化すると社会復帰が難しくなる。西脇さんは、入院の必要性の判断から治療、退院、社会復帰まで、医師、看護師、カウンセラー、ソーシヤルワーカーらによる一貫したチーム医療が必要だと訴える。
「『やっかいものを預かってほしい』というような要請に精神病院が安易に応えるべきではない。一方で、過去の収容主義への反省が過ぎて『入院は悪』と考えるのは間違いだ」
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ストレスケア病棟では毎週火曜日、アルコール依存症の患者や家族が語り合う夜間集会が開かれる。25年ほど前に数人の患者が始めた。やがて家族、退院した患者、地域の自助グループが加わるよらになった。
その集会で、断酒に成功しているという60代の男性がつぶやいた。「親戚の結婚式が大変かとよ。酒ば勧められるけんね。ばってん、以前酒ば飲んで入退院を繰り返しよる時は呼んでもらえんかった。それゃー、さびしかったよ」
◇
働き盛りや高齢者のうつ病、思春期の摂食障害に引きこもり、薬物・アルコール依存症…精神医療への二ーズが多様化している。かつての隔離収容主義から、地域に密着した医療に生まれ変われるだろうか。(和田公一が担当します)多すぎる精神病床
日本の精神病床は約36万床ある。人口1千人あたり2.9で、米国の0.6や英国の0.9、イタリア0.6、ドイツ、フランスともに1.3などと比べると、日本が突出して多い(いずれも経済協力開発機構の資料より)。しかも、米国が60年代から、欧州諸国も70年代になって国の政策として精神病床を削減してきたのに対し、日本は94年に戦後初めて滅少するまで民間病院を中心に増え続けてきた。社会的入院が7万人
入院思者は約33万人。うち10年以上という長期入院患者が28.9%を占める。5年から10年が14.1%。入院が長期化すれぱするほど社会復帰が難しくなる。
病状が落ち着いてもう入院の必要がなくなっているのに、生活訓練や職業訓練の施設など社会復帰のための受け皿が地域にないために退院できない人が約7万人にのぼるといわれている。厚生労働省は10年間でこ一の7万人の退院を目指すという。ご意見や「どうしました」への質問には電話番号など連絡先を明記してください。
〒104・8011朝白新聞社 科学医療部 ファックス東京03・3542・3217 大阪06・6201・0249eメールkenko@ed.asah1.com
情報は→朝日新聞
<2002年9月5日東奥日報>
弘大が統合失調症の治療法開発へ
弘前大学医学部の兼子直教授(神経精神医学講座)らが、統合失調症の治療で、採血により前もって適合する治療薬を判定する新しい個別治療法の開発に取り組んでる。文部科学省から高度先進医療開発経費約五千万円の助成がこのほど認められ今後、新潟大、山形大の協力を得て、研究を進める。兼子教授は「これまでの研究の推移から三年後には、臨床応用にまで、もっていきたい」と話している。統合失調症の患者は人口の1%弱ほどおり、ドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の機能が過度に活性化することで起きる。治療法は、ドーパミン、セロトニンなどの伝達機能を抑制するための投薬が中心で、治療薬は数多く存在するが、薬剤の効果、副作用の出現には個人差があり、投薬前の予測は不可能なのが現状だ。
兼子教授らの研究は、統合失調症の中でも大半を占める破瓜(はか)型に適用される。破瓜型は、十代後半から二十代前半に発病、感情・意欲低下が見られ、慢性的に進行する。
研究期間は三年間で、神経伝達物質を識別して受け止め、細胞の中に情報を伝える受容体の遺伝的な多型性を分析、百五十例の統合失調症患者を対象に、臨床効果を調べる。
兼子教授によると、投薬前に患者一人ひとりに適合する治療薬を選択できるようになることで、副作用を回避し、結果として、患者の治療期間、医療費の負担を減らすことができるほか、早期の治療効果の発現が期待できるようになるという。
情報は→東奥日報
<2002年9月3日熊本日日新聞社説>
社会的入院の解消 マンパワーの充実も課題
世界精神医学会(WPA)が先週横浜市で開かれ、各国の研究者など一万人が参加した。日本を含むアジアでは初めての開催。多くの国際学会が開かれる日本でWPAの開催が遅れたのは、日本が精神医療の分野で先進国とは言えない現実を抱えているからであろう。最大の問題は、統合失調症(精神分裂病から変更)の患者を中心に精神科病院への入院数が多く、入院期間も長いことだ。入院中心主義とも言われた。
日本には約三十万人の入院患者がいる。欧米諸国からは「一ケタ違うのでは」と言われる。この中の約七万人が「社会的入院」とみられている。病状は安定していても、家族や地域に受け皿がないために入院が続く人たちだ。病状にもよるが、入院が一年をすぎると社会復帰が難しくなり始める。五年にもなると、患者は病院の生活に依存する「施設病」まで抱え込み、家族も患者のいない生活に慣れてしまいがちだ。
熊本県内には約八千人の入院患者がいる。その約四割が五年以上の入院歴を持つ。初めて入院する患者の入院日数は三カ月未満が増えつつあるが、長期入院者が多いため県全体の平均入院日数は四百日にもなる。社会復帰に熱心な病院とそうでない病院の格差もあり、特定の病院に入院歴の長い患者が目立つ。
入院中心主義の原因として、家族と精神科病院だけを責めるのは間違いだ。戦後の高度成長体制の中で、核家族が増えて地域社会も崩壊し、患者を支える力が低下した。旧厚生省も精神科の医療費を抑え、「精神科特例」も設けた。例えば、医師の数は患者四十八人に一人で、一般科の三分の一の基準。これらの影響もあって社会復帰対策が遅れ、患者への偏見も解消せず、社会の中で生きる権利も侵害されてきた。
WPAの開会式の前日、厚生労働省は「社会的入院」を十年以内に解消することを柱にした精神保健福祉総合計画(仮称)の素案を社会保障審議会に示した。これを出さずにはWPAを迎えられないと判断したのではないだろうか。締め切り間際に宿題を出す行為にも似ているが、実現への期待を込めて評価したい。
それによると、(1)ショートステイやグループホームなどの在宅サービスを全市町村で早期に実施(2)保証人なしで入居できる住宅の確保(3)福祉ホームや地域生活支援センターの充実などが中心になる。地方自治体への補助金の増額なども行うようだが、現在の社会復帰施設の総定員はまだ一万人程度で、かなりの努力を要する。
熊本県は社会復帰への取り組みに熱心な地域である。官設民営の社会復帰施設「あかね荘」(熊本市)があり、周辺には二百人以上の「卒業生」が暮らすようになった。グループホームも十五カ所に増え、共同住居の運営にも積極的な病院が多い。それでも、各種の社会復帰施設は不足しており、「社会的入院」が重い現実として残らざるを得ない。
福祉施設の機能性を高めるには、利用者を側面から援助する精神保健福祉士やホームヘルパーなどの存在も重要になる。「結局はマンパワー次第です。時々顔を出すだけで共同生活を支えてあげられる人は多い」と、現場でも聞いた。施設だけではなくマンパワーの拡大充実も重要な課題になる。しかし、精神保健福祉士は国家資格化されたものの、診療報酬で点数化される部分は限られている。この結果、採用に積極的になれない病院もある。
医療費は全体に抑制傾向が続いているが、そのツケは精神科領域でも次第に大きなものになりつつある。
情報は→熊本日日新聞
<2002年9月4日朝日新聞>幸福薬 気分高揚 米では胃腸薬感覚
アタマを探る:3
恥ずかしがり屋に効く薬を開発中―そんなニュースが昨年、欧米をかけめぐった。デンマークの製薬会社が開発に取り組んでいる薬で、欧米各国の臨床試験で順調な成績を上げているというのだ。
「初対面の人に会うぐらいで、過度に不安になる人たちが想像以上に多い。そんな人にぴったり」と、開発担当者は薬の意義を強調する。
抗うつ薬で知られる「選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)」の一種だ。脳内で神経細胞から隣の神経細胞へ向けて分泌される神経伝達物質セロトニンが、分泌元の神経細胞に再吸収されるのを抑える働きがある。その結果、細胞間に残るセロトニンの量が増え、情報伝達がスムーズになる。
以前からあった「三環系抗うつ薬」も同じような働きをするが、セロトニン以外の神経伝達物質にも影響を及ぼしてしまい、口の渇きなどの副作用が強かった。これに対しSSRIは、セロトニンに的を絞っているので副作用が少なく、軽いうつの人も気軽に服用できるようになった。
SSRI開発の先駆者である米イーライリリー社の製品「プロザック」は、ベルギーで86年に認可された。現在、世界100カ国以上で4000万人が使う大ヒット薬となっている。米国ではビジネスマンが「元気が出る」「性格が積極的になる」と胃腸薬感覚で飲み、「幸福薬」ともてはやされる。
日本でも99年以降、プロザックとは別のSSRIが3種類認可されている。プロザックはまだ薬事申請の準備中で、処方薬として売り出されるのは早くても1年後。ただ、「幸福になれます」との宣伝文句でプロザックの個人輸入をする代行業者もいる。
一方、「SSRIは落ち込んだ人の心のレベルを普通の状態に戻す薬で、本質的にはハッピーにするわけではない」と東京都内にある市橋クリニック(精神科)の市橋秀夫院長。ただ、SSRIを飲んだ人たちを「まあいいか」といった気楽な考え方にさせることはあるという。
SSRIによって、性格と思われた精神活動の傾向も、実はセロトニンの多寡で左右されていることが明確になった。 こうした神経伝達物質の脳内の動態から、性格を探る研究も進みつつある。
放射線医学総合研究所の須原哲也・特別上席研究員らは、麻薬を使うと脳内に増える神経伝達物質ドーパミンが作用する脳内の受容体に注目。放射性同位元素で目印をつけた物質を使うPETという検査法で、D2受容体の分布を調べた。右側頭葉の島部という部分にあるD2受容体の数が少ない人ほど、新しいものを好む傾向があることがわかった。
以下略→アタマを探る
情報は→asahi.com
<2002年9月6日毎日新聞>米同時テロ NYの日本人学校児童らにPTSDの症状
米同時多発テロの影響で、ニューヨークの日本人学校に通う幼稚園児〜小学4年生の4割にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が見られることが、日本人学校の運営団体・ニューヨーク日本人教育審議会の調査で分かった。小学5年〜高校3年生と園児・生徒の保護者の各1割にも同様の症状が見られた。同時多発テロが日本人園児・生徒に与えた心的影響に関する調査は初めて。
NYと周辺の日本人学校、補習授業校計4校に通う園児〜高3生と保護者を対象に調査。小学5年生以上とその保護者は昨年12月にアンケートを実施し、計約900人が回答。4年生以下とその保護者は今年2月に面談調査などを行い、計約300人が応じた。回答者に遺族は含まれていない。在NY総領事館顧問で精神科医の斉藤卓弥・アルバート・アインシュタイン医科大助教授(40)がまとめ、分析した。
それによると、小学4年生以下では38.2%の児童・園児でPTSDが疑われ、事件直後は不登校や夜尿など症状も深刻だった。現在は軽減し、小学5年生以上(12.4%にPTSD症状)と同様、悪夢を見る▽いらいらする▽不安感が付きまとう、などの症状が多い。
小学5年生以上の36.2%、4年生以下の18%が知人にテロ犠牲者がおり、回答者全体の約半数の家族や知人が事件当時、現場周辺にいた。最近になって症状が悪化するケースもあり、斉藤助教授は、事件から1年に近づいたことによる「記念日反応」とみている。
日本でPTSDが注目されたのは95年の阪神大震災以降。震災8カ月後に文部省が行った調査では、震度6以上の地域では女子児童・生徒の約22%、男子児童・生徒の約15%が心のケアが必要との推計結果が出た。兵庫県の外郭団体が昨年、実施した調査でも、被害が大きかった地域では小・中学生の約4%にPTSDの症状が見られた。
斉藤助教授は「心の傷は計り知れないほど深く、継続的なサポートが不可欠」と話し、今月中旬に追跡調査を行う。
同審議会によるメンタルケアを財政支援している文部科学省国際教育課は「今後の支援継続についても前向きに検討したい」と話している。 【江田将宏、和田浩明】
【ことば】PTSD 事件や災害などによる非日常的体験から強い心的外傷を受け、それを契機に発症する障害。症状は不眠や不安感などのほか、恐怖体験がよみがえる「フラッシュバック」などがある。
情報は→Yahoo! News
<2002年9月3日朝日新聞>患者移送中の窒息死は医師のミス 業過致死罪で在宅起訴
自傷行為を防ぐためとして口にティッシュペーパーなどを詰め込まれた患者が移送中に窒息死したのは、医師に注意義務違反があったとして、千葉地検が医師を業務上過失致死罪で千葉地裁に在宅起訴していたことがわかった。
在宅起訴されたのは、東京都杉並区井草4丁目、「宝喜クリニック」の宝喜正身医師(41)=練馬区石神井町3丁目。
起訴状によると、宝喜医師は同クリニックに通院する都内の女性患者(当時31)を千葉県東金市内の病院へ入院させるため、01年1月13日午前6時半ごろ、舌をかまないようにと、患者の口の中にティッシュペーパー約10枚とタオル片を押し込んで粘着テープでふさいだ。両手と両足もビニールひもと粘着テープでしばり、毛布でくるんで用意した乗用車に仰向けに横たわらせた。
患者は搬送中に呼吸困難に陥り、病院到着後の午前10時すぎ、死亡が確認された。宝喜医師は患者を車に乗せる際に呼吸促進剤を注射したため、窒息のおそれはないとして車に同乗せず、医師としての注意義務を怠ったとされる。
情報は→asahi.com
<2002年9月2日読売新聞>精神医療オンブズ制度来月にも創設 大阪府など検討委報告
精神科病院の入院患者の人権を守る全国初のオンブズマン制度づくりを検討してきた大阪府や人権擁護団体、医療機関でつくる「府精神障害者権利擁護検討委員会」は、患者の生の声を聞いて支援策を検討したり病院に改善を求めたりする「精神保健福祉オンブズマン制度」を十月にも創設することを決め、二日、知事の諮間機関、府精神保健福祉審議会へ報告した。
制度は、ボランティアの市民や入院経験者らをオンブズマンとして登録。各病院に派遣して患者の苦情や相談を聞き取り、様々な事例を、府と「大阪精神医療人権センター」などの人権擁護団体、「大阪精神病院協会」などの医療機関の三者でつくる「府精神障害者権利擁護連絡協議会」に集約。支援策の検討のほか、問題があると判断されるケースについては行政へ調査や指導を依頼、新たな制度や事業が必要と考えられる場合は、施策提書も行う。
同審議会への報告ではほかに、抜き打ちで精神科病院の立ち入り調査が行える行政側の体制づくりや、各病院に苦情窓口や院内権利擁護委員会の設置などを求めるよう提言した。
精神障害者への虐待や劣悪な医療など、人権侵害が社会問題となった大和川病院(大阪府柏原市・廃院)の事件を受け、同審議会が一昨年、オンブズマン制度を含む適正な医療の提供を府へ意見貝申。その後も、箕面ヶ丘病院(箕面市・同)で患者への身体拘束や通信の制限など違法状態が確認されていた。
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