全国精労協Home > 精神医療ニュース > 過去記事
|
精神医療ニュース 過去記事 精神医療ニュース 過去記事 2002年5月分
<2002年5月31日>国会の審議情報 衆議院法務委員会の審議
本日の衆議院法務委員会は、国際受刑者移送法案を質疑(採決まで)しますが、その後、「心神」の政府案と民主党案の趣旨説明が行われることになりました。
12時半ごろになると思いますが、お時間のある方は衆議院のホームページから審議中継をご覧ください。
なお、本日は趣旨説明のみで、来週の審議予定は未定です。
<2002年5月31日沖縄タイムス>
新那覇病院に精神科病棟を/連絡協が決議
県精神保健・医療・福祉連絡協議会(会長・小椋力琉大教授)は三十日、南風原町の県精神保健福祉センターで二〇〇二年度総会を開いた。同協議会が県に要望している、高度・多機能病院(仮称、新那覇病院)への精神科病棟設置について、二十床から三十床の病棟を確保するよう再度要請することを決議した。
同協議会は昨年十二月、「本島では身体と精神の疾患がともに重篤な患者は、十分な治療が受けられない」として稲嶺恵一知事あてに新那覇病院に独立した精神科病棟をつくるよう要請。県立精和病院の中山勲院長を中心に実行委員会が発足し、三万五千人余の署名を集めて県に提出した。
しかし、同協議会が主張する「最低でも二十床」の病棟の設置は予算や病床枠などから県との調整が進んでいないため、今回の決議となった。
四月から精神保健福祉業務が市町村に移管されたことから、同協議会は各市町村に精神保健福祉士を配置するよう求めていくほか、当事者や家族、市町村の担当者、一般市民を対象に心の病の連続講座を開くことにしている。
情報は→沖縄タイムス
<2002年5月31日朝日新聞>「心神喪失者法案」国会審議入り
だれもが精神の病にかかる可能性のある時代。でも、精神障害者の声を聞いてきたのだろうか。他人を傷つける重大な事件を起こした精神障害者に、裁判所が専門施設での治療を命ずる「心神喪失者処遇法案」が、国会では審議に入った。精神障害者が置かれた現状は。思いは。当事者2人に聞いた。
- 現状は、思いは? 当事者に聞く 等しく裁判を受けたい
- 厚労省社会保障審議会 障害者部会臨時委員 広田 和子
どうして私たち精神の病がある者だけを特別に扱うのか。ほかの病気と同じにして欲しい。政府案は法の下の平等に反している。
まず、手続きの入り口が問題だ。精神障害者は罪を犯しても裁かれる権利すらない。私が治療を続けて、保護を受けながら裁判を受けたい。
現行法では、裁判でなく強制入院に回すことが多い。罪を犯していないのに、刑よりも長い期間の強制入院になる可能性がある。政府案でも、裁判を受けられないことに変わりはない。また、精神障害者だけに再犯の可能性を判断する。法案づくりのきっかけになった大阪教育大学付属池田小事件も、殺人などの重大事件では初犯だったため、防げない。
精神障害者が起こした殺人事件は家族が犠牲になるものが多く、放火も自宅が多い。私自身も生きる目的を失って、自宅の床に灯油をまいたことがある。火をつけなかったのは、近隣の人とのつながりがあったから。しかし多くの精神障害者は、安心して24時間かかれる医療もなく、貧困な福祉の中、地域で孤立している現状がある。
それを変えることが先決で、このような法案が出ることには反対だ。だれもが精神の病になる可能性がある時代だから、自分だったら、という思いで考えて欲しいまず安心できる医療を
NPO大阪精神医療人権センター事務局長 山本 深雪この新法が運用されると、現場で人権侵害を招く。私は二十数年服薬していますが、国には精神障害者に対して「閉じ込めておく対象」というまなざししかないのかと思う。
再犯を問題にするなら精神障害者以外の人の再犯率が高い。なのに、精神障害者の再犯だけを当たり前のように議論するのはおかしい。
精神病院の中には治療の場とはとてもよべない、「収容の場」が今もある。20年間、保護室に入れられた人もいる。これ以上隔離施設をつくらず、世界的にも異常に多い今のベッド数を減らし、精神科医療の質の底上げすべきだ。
精神科だけ医師も看護婦も少なくていい「特例」を廃止し、一般科なみに人手と予算をつけていく施策をつくってほしい。精神障害者が地域で人として安心してくらせるサポート体制を進めて欲しい、とずっと求めてきた。
97年に私たちは、悪質な安田系3病院の実態を明らかにし、大阪府が廃院にした。この経験から府は当事者を府の審議会の委員にして「精神障害者の権利宣言」をまとめてすべての精神科病棟に張り出している。退院促進事業も進め、情報公開にも取り組んでいる。
国は新法を考える前に、せめて府並みの施策とってしかるべきだ。「再犯のおそれ」の判断 可能かどうか賛否両論
人の自由を奪うには、慎重でなければならない。でも、殺人や放火をした人が裁判にかけられず、街を歩いているとしたら。事件を起こした精神障害者にどういう仕組みを作るかは、こうした問いを投げかける。司法と医療のはざまをどう埋めるかという問題だ
いまの制度は、放火や殺人などの重大行為をしても、精神障害で責任能力がないと判断された場合、その罪は問われない。医療の側にゆだねられ、「自分や他人を傷つけるおそれがある」と2人の医師が判断されれば、強制入院となる。
問題点が指摘されている。(1)裁判の前の責任能力の有無が適切に判断されているか(2)刑に問わないことは被害者や市民の感情にそぐわないのではないか(3)入退院の判断が医師だけに責任を負わされている(4)刑よりも長期の入院を強いられたり、他の患者の妨げになるなどから早期に退院させられたりがある、などだ。
このため、法務省と厚生労働省で検討を進めた今回の政府案は、地方裁判所で裁判官1人と医師1人が協議し、専門の医療機関への入院や通院を命ずるしくみを作る。判断の基準は「再犯のおそれ」があるかどうかだ。
「おそれ」の判断が出来るか、関係者の間でも意見が分かれている。日本医師会や、民間精神病院で作る日本精神科病院協議会は、判断できるとして法案を支持。一方、「できない」とする日本精神神経学会や日本弁護士連合会などは、法案に反対だ。
民主党は裁判前の精神鑑定の水準を向上させるため「司法精神鑑定センター」を置き、現行制度を改善する対案を提出している。情報は→asahi.com
<2002年5月31日毎日新聞>
自殺の実態、情報交換 社会的視野で増加に歯止め−−県対策協が初会合 /佐賀県の自殺対策協議会(藤林武史会長)の初会合が30日、佐賀市のはがくれ荘であった。自殺を個人の問題でなく社会的な課題ととらえ、対策に乗り出す初の試み。自殺予防や遺族・遺児のケアについて、02年度から3カ年計画で取り組む。
県内の自殺率(人口10万人対比)はほぼ全国平均並みだが、男性は98年の全国8位など多い。また県内の自殺者はここ数年、年間200人を超え、増加傾向にある。
協議会は、県や県警、佐賀医大、民間相談機関、自殺遺児の支援団体などで構成。この日は、県内の自殺の実態について情報交換した。
県警によると、01年の県内の自殺者261人のうち86人が生活・経済上の問題が理由で、40〜59歳が128人を占める。生活・経済上の問題で自殺した人で、過去に精神科に受診・相談したのは1割未満▽自殺者の8割以上は同居家族がある――などが指摘された。
遺族・遺児について、第一発見者となる場合が多く、自殺を止められなかったことが心の傷になる▽自分も将来自殺するのではとの不安が大きい――などが報告された。
藤林会長は「法律相談や心のケアなどが十分知られておらず、精神的に追い詰められて相談に至らないのではないか。出来るものから、具体的な対策に取り組みたい」と話していた。今年度は3回程度開かれる予定。情報は→Yahoo! News
<2002年5月29日朝日新聞>「保安処分と異なる」 説明法相 心神喪失者法案を審議
重大な犯罪行為をしたが刑事責任能力がないとされた人に対し、裁判所が専門施設での治療を命じる心神喪失者処遇法案の趣旨説明と質議が26日衆院本会議であった。法案を巡って「社会的な色合いが濃く、入院の長期化を招く」との懸念があるのに対し、森山真弓法相「患者本人の社会復帰が最終的な目的であり、いわゆる保安処分とは異なる」と述べ、理解を求めた。
法案に反対する民主党は、対案としての現行の措置入院体制の適正化と精神医療の充実を目的とする裁判所法政案などを提出。その趣旨説明と質議もあわせて行われた。両案はいずれも法務委員会に付託された。
政府案は、「再犯のおそれ」の有無によって入通院の必要性を判断する仕組みとなっている。複数の精神科医の団体が「予測は不可能」とする声明を出している事を踏まえ、中村哲治(民主)が政府案の根拠をただしていましたが、
森山法相は「病状や治療状況などの慎重な鑑定によって予測は可能」と述べるにとどまった。
民主党は刑事責任をどうか決める起訴前の精神鑑定の不備を指摘。地域による格差が出ないよう、最高裁や最高検に「司法精神鑑定センター」を設置する事を対策に盛り込んでいる。情報は→asahi.com
民主党 「人権侵害招く」と追求
心神喪失者医療観察法案 政府案との対立必至重大事件での心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった人の処遇を定める「心神喪失者医療観察法案」の審議が衆院本会議で始まった。対案として精神保健福祉法などの改正案を提出した民主党は「政府案は精神障害者への偏見に基づき、人権侵害をまねく」と追求した。今後の審議では、政府案と民主党案の2案を軸にした対立が必至だ。
中村哲治議員(民主)が「入院や通院を決定する際、再犯のおそれを判断するとあるが、予測は不可能」と迫った。
この点は精神医療の現場からの批判も根強いが、森山真弓法相は「症状の類型や過去の病歴、治療状況から予測される将来の病状、過去の他害行為の有無や内容などを総合的に考慮すれば予測は可能」と答えた。
政府案は入院期間に上限がない。中村議員が「形を変えた保安処分ではないのか」と追求。森山法相は「入院期間は病状等に左右されるので上限を定めるのは適当でない6ヶ月ごとのチェックが入り、実質的な終身刑になったり保安処分になる事はない」と反論した。
民主党案は、精神保健福祉法や検察庁法など現行政の改正で措置入院や精神鑑定の問題点を改善し、精神医療全体を底上げを図るのが狙いだ。情報は→毎日新聞
◆隔離収容や知識不足が「危険」の見方助長
◆相互交流や情報公開が理解への第一歩犯罪との関連が判明しない段階での病歴報道に疑問も
<2002年5月12日大阪読売大阪府内版>
大阪・池田に精神障害者支援施設 倉田市長に聞く 孤立防ぐサポート必要/市民の人権意識高まった
池田市に精神障害者の地域生活支援センターが開設された。昨年六月の大教大付属池田小事件の後、精神障害者を危険視する偏見が強まる中で、市はセンターの実現を積極的に後押しした。今なぜ精神障害者の生活支援が必要なのか、まちの安全には何が大切なのか。倉田薫市長(53)に考えを聞いた。
(科学部・原昌平)
――精神障害者の暮らしについて、どんなことを考えて来られましたか。
「七年前に初めて市長選に出る際、知人の紹介で共同作業所を運営する人たちと会った。暗い所で作業をしていて指導員の身分も安定しない。何とかしなければと思い続けてきた。そういう中であんな事件が起きた。市長は何をすべきか。池田小の子どもたちや遺族のほかに、お見舞いすべきグループがもう一つある。精神障害者も事件の被害者なんだ、そう考えました」
――事件後、作業所を激励に回ったそうですね。
「作業所に通う人たちは一般の方が思うほど障害は重くない。新聞も読むし、テレビも見る。当時は容疑者に精神障害の疑いがあると報道され、たいへん肩身の狭い思いをされ、痛みを感じておられた。『ここで頑張らないとだめだよ、我々もできることはするよ』と声をかけました」
――市は、センターを運営する社会福祉法人の認可のため、基本資産のほぼ半分を出して支援しました。
「事件のあった市だからこそ応援したれよ、前例がなくても市長の政治的配慮で可能だと担当者に指示した。法人になれば国、府の補助も受けられ、センターが早くできる。安全対策の一方で、そういう施策も行政は考えるべきでしょう」
――精神障害者向け施設は住民の反対で立地が進まないケースが目立ちます。
「作業所やセンターへ通う人は、常にサポートを受けているから大丈夫なんです。むしろ通う所もなく孤立する方がいけないわけで、事件防止が目的ではないけれど、逆にそういう施設を増やす必要があるんです」
――池田で今回、スムーズに開設できた理由は。
「心配だという住民も若干いたけれど、担当者が必要性をきちんと説明し、理解を得た。十七年前に知的障害者施設をつくった時は猛烈な反対運動があり、訴訟まで起きた。市民意識、人権意識が高まったのかな。小さい市なので、障害者に接触する機会が比較的あるのかも知れません」
――安全なまちづくりの姿は具体化しましたか。
「学校に警備員を置いたり、安全パトロールカーを巡回させたりといった対策をとっているが、本当に大事なのはソフト。不安感をあおって閉ざされた学校にしてはいけない。安全パトには阪急タクシーや郵便局の車も協力してくれている。市民みんなが安全の守り手だと思うことが重要です」
――地域住民の連帯意識ということですね。
「昨年、池田が好きな人ならだれでもなれる『特別市民証』を設け、実費三百円で一生、市の施設を市民料金で利用できるようにした。ダイハツの人も池田銀行の人も、地域と接点の乏しかった付属池田小の職員や保護者にも、自分たちのまちだという気持ちを持ってもらう。それが安全を守る最大の手だてになると考えています」◇写真=
「偏見を取り払うのは行政が率先してやるべき仕事」と語る倉田薫・池田市長
<2002年5月1日大阪読売夕刊2社面>
大阪・池田市に精神障害者の新施設 支援が不幸な事件防ぐ 市が全面的に援助
昨年六月に大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件があった大阪府池田市に、精神障害者の地域生活支援センターが誕生した=写真。精神障害者向け施設は住民の反対で立地が難航するケースが各地で目立つが、池田市は「事件に無関係の精神障害者に肩身の狭い思いをさせてはいけない。逆に生活支援施設を増やすことが孤立を防ぎ、結果的に不幸な事件を防ぐことにもつながる」と全面的にバックアップした。住民の反対運動も起きていない。
社会福祉法人てしま福祉会が運営する「咲笑(さくら)」(野田美紗子施設長)。地域で暮らす精神障害者のたまり場と相談所を兼ねた施設で、同市宇保町の住宅地にある店舗兼住宅の二、三階を借り、四月一日にオープンした。登録した約四十人が思い思いの時間に通い、毎週土曜には夕食会を開催。一階には小規模授産施設がある。
地元の家族会が昨年一月から計画。池田小事件で実現が危ぶまれたが、市は、法人化に必要な基本資産一千万円の半分近くを拠出する異例の援助で早期開設を後押しした。ヘルパー資格を持つ障害者が仲間の家事援助に出向くピアヘルパー派遣事業も市の委託で始める予定だ。
利用者の中島明彦さん(43)は「病気を持つ仲間だから打ち解けて過ごせる。健康な人も、先入観なく同じ人間として接してほしい」と言う。
町会長の横山一雄さん(74)は「あの事件は特別。おとなしい人たちを差別しては福祉国家の名が泣く。町内に早く溶け込めるようにしたい」と話している。
<2002年3月18日大阪読売朝刊2社面>精神障害の苦しみ共有 米の男女6人が来日 大阪・池田で交流
精神障害者の日米交流事業が十七日、大阪府池田市の会館であり、ロサンゼルスから来た男女六人が体験や思いを日本の当事者と語り合った。同市は昨年、大教大付属池田小で起きた児童殺傷事件の地元。あいさつした倉田薫市長は「事件のもう一方の犠牲者は、社会復帰に努力する精神障害者だった。偏見をなくし、地域生活を支える努力をしたい」と強調した。十八日は地域の作業所などを訪れる。
来日したのはビル・コンプトンさん(55)ら、精神障害者自身が運営する自助組織「プロジェクト・リターン・ザ・ネクスト・ステップ」のメンバー。それぞれ分裂病やうつ病になった苦しみや自殺未遂、家族との離別、ホームレス生活など、つらい経験を振り返り、「当事者グループとの出会いが人生を回復させた」「仕事の場だけでなく、生きる価値を見いだせた」などと話した。
米国の偏見の状況についての質問には「精神障害者の犯罪率は低いのに、事件があると一般の人の場合より大きく報道される」と日本に似た悩みも。ビルさんは「偏見を減らすには、当事者が人生の物語を伝えることが大切だ」と語った。
「ネクスト・ステップ」は八十六グループ、約二千人の活動を支援。年間事業費百四十万ドル(二億円弱)の大半は行政が助成し、有給スタッフとして七十五人が働いているという。
◇写真=精神障害者の交流事業で握手を交わす日米の参加者たち(17日午後、大阪府池田市民文化会館で)
<2002年2月7日大阪読売大阪府内版>
池田市が精神障害者の会の法人化を後押し 基本資産490万円援助
偏見なくし、社会復帰助けたい/全国でも珍しい試み
池田市は、社会福祉法人を目指す精神障害者の家族会「てしま会」(同市豊島南二)に対し、法人化に必要な基本資産(一千万円)のほぼ半額にあたる四百九十万円を援助することを決めた。新年度予算に盛り込む。精神障害者団体に自治体がこうした形で予算を充てるのは全国でも珍しいという。大阪教育大付属池田小での児童殺傷事件以降、障害者施設建設に反対する動きが各地で出ているが、池田市は「行政が後押しすることで、精神障害者への偏見が少しでもなくなれば」としている。
「てしま会」は一九八六年に発足し、会員約七十人。池田市と能勢町で計三か所の共同作業所を運営しており、精神障害者三十数人が箱の組み立て作業などに携わっている。
昨年四月、社会福祉法人になるための資格要件が緩和され、従来一億円以上とされていた基本資産が一千万円まで引き下げられたことから、てしま会は二〇〇三年度の法人化を目指して準備を進めていた。
そこで、池田市は「法人化すれば地域社会にも開かれ、障害者にもよりよいサービスを提供できる。孤立化を防ぎ、社会復帰を助けることにもつながる」として昨年九月、てしま会に援助を申し入れた。
社会福祉法人になると、作業所は国の認可施設になり、補助金のほか、税制上の優遇措置を受けることができ、経営基盤の安定につながる。
会は予定より一年早い今年四月に法人を設立できる見込み。法人名を「てしま福祉会(仮称)」とし、家族のほか障害者自身や、民生委員、医師ら地域の代表にも役員に加わってもらい、運営する方針だ。
障害者の社会復帰や福祉向上のため活動している「きょうされん」(共同作業所全国連絡会)によると、群馬県で新設予定だった作業所が、付属池田小事件後、土地の所有者に賃貸契約をキャンセルされるなど、施設建設や移転が困難になるケースが数件あったという。
てしま会の高岸須美子会長は「家族が高齢化しており、作業所の運営はとても大変。資金繰りも苦しいなか、市の援助は本当にありがたい」と話す。
「きょうされん」の藤井克徳常務理事は「自治体が土地を貸すことはあるが、基本資産を援助するケースはなかった。精神障害者への誤解や無理解を解消する積極的な姿勢として評価したい」と話している。
<2002年5月30日毎日新聞>
付属池田小 心の傷に災害給付を申請昨年6月に起きた大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件で、同小は29日、事件を目撃するなどしたショックからPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの「心の傷」を負い、医療機関で治療を受けている児童について、文部科学省の外郭団体、日本体育・学校健康センターに災害共済給付金の支給を申請する方針を決めた。外傷のない精神的な被害だけを対象にした支給例はないが、同センターは「可能な限り検討する」としており、認められれば全国初のケースとなる。
同小は29日、事件当時在籍していた2〜6年生の保護者に災害共済給付金の申請案内書を配布。この中で、「精神的な疾病でも、保護者から申し出があれば随時、申請していく」と説明している。
災害共済給付金は、学校の管理下で起きた事故や事件で負傷した児童の医療費の一部を補てんする制度。同センターが学校の報告書や医師の診断を基に判断し、認められると、原則として通院などにかかる費用も含めた医療費の4割が支給される。申請期間は事件・事故の発生から2年。給付期間は初診から7年。
池田小事件では、負傷した児童13人については昨年12月に申請、既に支給が始まっている。
同センターによると、大阪府堺市の病原性大腸菌O157による集団食中毒で、下痢などの症状が出たことのショックからPTSDになったと診断され、支給が認められたケースはあるが、精神的な被害だけで支給されたケースはない。
申請人数は未定だが、同小で児童の心のケアを担当するメンタルサポートチームによると、事件の影響でPTSDの症状が表れている児童は、全校児童約690人のうち、死傷者が集中した現在の3年生を中心に10数人。これ以外に、継続的な観察が必要とされる児童が100人近くいる。
情報は→Yahoo! News
<2002年5月29日毎日新聞>
心神喪失者法案 民主「人権侵害招く」と追及重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった人の処遇を定める「心神喪失者医療観察法案」の審議が28日、衆院本会議で始まった。対案として精神保健福祉法などの改正案を提出した民主党は「政府案は精神障害者への偏見に基づき、人権侵害を招く」と追及した。今後の審議では、政府案と民主党案の2案を軸にした対立が必至だ。
中村哲治議員(民主)が「入院や通院を決定する際、再犯のおそれを判断するとあるが、予測は不可能」と迫った。この点は精神医療の現場からの批判も根強いが、森山真弓法相は「症状の類型や過去の病歴、治療状況から予測される将来の病状、過去の他害行為の有無や内容などを総合的に考慮すれば予測は可能」と答えた。
政府案は入院期間に上限がない。中村議員が「形を変えた保安処分ではないか」と追及。森山法相は「入院期間は、病状などに左右されるので上限を定めるのは適当でない。6カ月ごとのチェックが入り、実質的な終身刑になったり、保安処分になることはない」と反論した。
民主党案は、精神保健福祉法や検察庁法など現行法の改正で措置入院や精神鑑定の問題点を改善し、精神医療全体の底上げを図るのが狙いだ。
情報は→Yahoo! News
<2002年5月28日時事通信>
医療観察法案が審議入り 触法精神障害者の処遇−衆院衆院は28日午後の本会議で、殺人や放火などの重大事件を起こした精神障害者などの処遇制度を新たに定める心神喪失者医療観察法案の趣旨説明と質疑を行った。法案は昨年6月の大阪・池田小事件をきっかけにまとめられたもので、重大事件を起こした精神障害者の入退院を裁判官と精神科医が合議で決めることが柱。民主党が対案として提出した裁判所法改正案なども同時に審議入りした。
情報は→Yahoo! News
<2002年5月18日朝日新聞>
【心神喪失者法案廃案へ広く連携】 精神科医らのネット政府の心神喪失者処遇法案に反対する精神科医や弁護士、精神障害者らでつくる「『新処遇法案を廃案に』全国ネットワーク」が17日、衆院議員会館で記者会見し、近く超党派の国会議員とも連携して「市民の会」を設立し、幅広く反対運動を展開していく考えを明らかにした。
法案は、来週にも政府が衆院本会議で趣旨説明し、審議入りする見通し。
会見では、医療・法律の専門家が政府案の問題点を指摘。伊藤哲寛医師は、裁判所の命令で専門治療施設に入院させる仕組みについて「医師は治療とともに、『再犯のおそれ』の有無の判断を求められるが、両立はできない。本人の社会復帰につながる医療ができるとは思えない」と述べた。情報は→asahi.com
5月17日(金)22時54分
<観察法案>反対する精神障害者や医師が国会周辺で“人間の鎖”政府が国会に上程している「心神喪失者医療観察法案」に反対する精神障害者や医師、弁護士らが17日、国会周辺で“人間の鎖”をつくる抗議行動や市民集会を開き、廃案を訴えた。この日は法案に反対する主要団体の代表が東京・永田町の衆院第1議員会館で記者会見した後、約350人が小雨の中、国会周辺を一回りした。
<2002年5月17日読売新聞>
付属池田小児童のストレスなお深刻大阪教育大学付属池田小の児童殺傷事件で、児童の心のケアにあたるメンタルサポートチーム(代表=元村直靖・同大教授)と学校が全校児童680人に家庭訪問やアンケートを実施した結果、来月8日で発生後1年になる今も、多い日には90人が保健室に駆け込んだり、現場に居合わせた現2、3年生約20人に不眠や情緒不安定など心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が見られたりするなど、児童への影響が深刻なことがわかった。
また、約100人が腹痛や頭痛、赤ちゃん返りのほか、大きな音におびえたり、1人でいるのを怖がったりした。一見、元気でも保健室で休むようになり、帰宅後に体調を崩す児童が目立ち始めた。
避難訓練を行う毎月8日の「安全の日」には、事件を思い起こし、気分の悪くなる児童が増えるという。同チームはクラス単位で児童の死について語り合う授業「グループワーク」に取り組んだが、低学年では事件に触れようとしたただけで不安になる児童もおり、十分な成果が得られなかった。
情報は→Yahoo! News
<2002年5月16日毎日新聞>
心神喪失者法案 民主党が対案決定 政府案は「人権侵害招く」重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった人の処遇を定めた政府の「心神喪失者医療観察法案」に絡み、民主党は16日、政府案の対案を決定した。裁判所が「再犯のおそれ」に基づき入退院を命じる政府案は「重大な人権侵害を招く」と批判し、新たな入退院システムはつくらず、法改正で措置入院や簡易鑑定など現行制度の問題点を改善して、精神医療の底上げを目指す。同党が近く関連法案を提出することで、審議は政府案と民主党案を軸に進むことになった。
民主党案によると、政府案は「昨年の大阪の連続児童殺傷事件が提起した起訴前鑑定や、措置入院制度、退院後の相談体制など現行制度の問題点に何ら解決策を示していない」と指摘し、「『再犯のおそれ』という不確実な予測に基づく不定期な予防拘禁を可能にし、重大な人権侵害を招く」と批判している。
具体策としては、検察庁法などの改正で「司法精神鑑定センター」(仮定)を創設し、起訴前・起訴後の鑑定体制の充実と透明化を図り、起訴、不起訴の判断を明確にする。
措置入院制度を充実させるため、精神保健福祉法を改正し、都道府県知事の指定する医師2人による「判定委員会」を新設し、合議により入退院判定を行う。判定委員会の要請で治療状況や生活環境などを調査する「精神保健福祉調査員」制度も設ける。
さらに「精神保健福祉改善10カ年戦略」を策定し、精神医療・福祉スタッフの教育制度などを充実させ、地域支援体制を整備する。司法と精神医療の連携を図るため、関係機関の代表者を集めた「司法精神医学調査研究会」も設置する。 【精神医療取材班】
<2002年5月3日毎日新聞>
街頭署名 「心神喪失者医療観察法案」廃案求めて重大事件で心神喪失などを理由に不起訴や無罪になった場合の処遇を定める「心神喪失者医療観察法案」に反対する東京の精神障害者グループが3日、東京・銀座で廃案を求めて街頭署名を呼びかけをした。「精神障害は誰でもかかる病気なのに、法案は差別と偏見を助長し、病気の人を生きにくくするだけだ」などと訴えていた。
《お知らせ》
大阪地域精神医療を考える会総会シンポジウム
「池田小学校事件が問いかけたこと」日時:6月1日午前9時〜11時40分
会場:大阪市浪速区久保吉2 府福祉人権推進センター(ヒューマインド大阪)
=JR環状線芦原橋駅から西へ徒歩9分司会 :稲垣俊雄(稲垣診療所)
パネリスト:大阪精神障害者連絡会代表 塚本正治
大阪府立中宮病院長 立花光雄
大阪弁護士会精神保健部会 位田浩
読売新聞大阪本社科学部 原昌平内容:池田小学校事件の幼き犠牲者を追悼するとともに、この事件がその後の精神保健福祉になげかけた様々な問題を、私たちの立場で検討してみようと思います。たとえば精神障害者への差別や偏見の問題、関係者のPTSDと報道の問題、触法精神障害者への法の新設、等々。社会病理を個人の病理にすり替える、そんな仕組みも見えてくるかも知れません。
- 主催 :大阪地域精神医療を考える会(0726・93・1881)
参加費:2000円。当事者、家族、学生は1000円
(午後の分科会を含めた総会全体の参加費。年会費込み)
分科会:午後1時〜3時20分
- 精神科救急の現状と課題、
- 精神障害者ホームヘルプサービス
自立支援促進会議のその後、
- 病気のことちゃんと話そう
過去の精神医療ニュース記事 2001年 1〜 3月分 4〜5月分 6月分 7月分 8月分 9月分 10月分 11月分 12月分
精神医療ニュースのTOPへ労働情報のページへ
全国精労協ホームページへ
2002/07/10 06:02:34;51460;f6876db868v;RETR;ok;/htdocs/archive/news/backnumuber/0204.html