「心身喪失者医療観察法案」 国会審議等 第156回国会参議院審議 参議院法務委員会 : 6月3日議事録(未定稿)強行採決 !!
平成十五年六月三日(火曜日)(未定稿)
午前十時開会
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十九日、江本孟紀君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君が選任されました。
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長栗本英雄君、法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長津田賛平君、法務省入国管理局長増田暢也君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(魚住裕一郎君) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○江田五月君 昨日の連合審査会で朝日委員から出されました問題について、まず、もう少し突っ込んでお伺いをしてみたいと思います。
新聞の報道があって、重大事件を起こし、精神障害があるとして、送検前の警察の捜査段階で自治体に通報され、強制入院となったケースが二〇〇一年度に少なくとも二百九十七件あることが分かったということなんですが、これについて、警察庁の方の調べ、それから厚生労働省の方の調べ、これで裏付けをしてみると、どうも数字がよく合わないと。一体どういうことになっておるのかというので、政府の説明が私、聞いておっても要領を得なかった。
実は、夜、私のホームページの活動日誌についつい書き込んでしまいまして、どう書いたかというと、精神障害者による重大事件が、検察官送致になることなく、精神保健福祉法二十四条によって知事に通報され、措置入院が取られるケースが年間三百件近くに上るとの新聞報道につき、政府の説明が要領を得ず、疑問が膨らんでいます。法案成立後も、法案の予定する対象行為なのに、警察の判断だけで措置入院になり、法案の予定する入院命令等の措置が取られないとすると、大問題です。逆に、法案成立後は検察官送致になるのだとすると、これまでの扱いの適法性が大問題になりますと。
これはそうだと思うんですね。しかし、この数字の食い違いについては、どうも政府側の説明、もうちょっと説明をさせてほしいという、そういうお気持ちもあるようなので、さて、リカバリーショットができますか、どうですか。
これは、警察庁とそれから厚生労働省と両方からそれぞれ説明をいただきます。今日、資料の配付までちょっと間に合わなかったんですが、昨日の連合審査会で資料を出しております。朝日委員から皆さんにお配りをしておりますので、その資料に基づいて御説明ください。
○政府参考人(栗本英雄君) 既に配付をさせていただいております資料の関係で御説明をさせていただきたいと思います。
私ども警察が行った調査につきましては、平成十三年度中、これは平成十三年四月一日から平成十四年の三月三十一日までの間ということで調査をさせていただいておりますが、この平成十三年度中に第二十四条に基づきます警察官通報をしたもののうち、当初、殺人、放火等の重大事件、これは御審議いただいている法案の対象行為になろうかと思いますが、このような事件の疑いがあったものを取りまとめたものでございます。
先ほど御指摘の百七十八件のうち、既に全件を送致しております傷害致死、強制わいせつ事件を含めまして、殺人、傷害、強盗等百四十件につきましては既に捜査を遂げ、検察官に送致・送付をいたしておるところでございます。
それからまた、残りの三十八件のうち二十二件につきましては、被疑者の方が長期入院中などの理由によりまして現在も継続捜査中になっておりますが、このうち殺人、強盗につきましてはできる限り早期に捜査を遂げて全件を送致する予定にしているところでございます。
残りの十六件につきましては、立件できるまでの犯罪事実の把握に至らなかったために立件しなかったものでございまして、お手元の資料には不送致として掲上をしたものでございます。その理由でございますが、被害者の方が親族などで被害届や診断書が提出されなかったなどの報告を受けているところでございます。
警察といたしましては、精神保健及び精神障害者福祉に関します法律の第二十四条に基づいて警察官通報がなされた事案につきましても、刑事事件として立件できるものにつきましては適切に送致・送付をいたしておるところでございますが、今後とも、現在審議中の法案の趣旨を踏まえまして、この種事件につきましては早期に捜査を遂げて検察官に送致・送付がなされるよう指導を徹底してまいる所存でございます。
○政府参考人(上田茂君) 精神保健福祉法第二十四条に基づき警察官通報が出される件数は年間七千から八千件に及びますが、そのうち重大な他害行為に当たり得るものは、警察庁の調査では、先ほどお話がございましたが、平成十三年度に百七十八件であり、一方、厚生労働省で調べたところでは三百三件でありました。この違いが生じる理由は、重大な他害行為を行ったとされる者の把握の仕方が異なるためではないかと考えております。
具体的に申し上げますと、警察庁が行った確認調査においては、その行為が刑罰法令に照らし殺人等重大事件に当たり得るものを取りまとめたものと聞いております。一方、厚生労働省が各自治体に対して行った確認調査では、警察官通報された事例が重大犯罪に当たる行為に該当するか否かの判断を各自治体で行ったものであるため、刑罰法令に照らせば重大な犯罪には当たらないような事案についても掲上されていたというような可能性がございます。このため、厚生労働省と警察庁の数値が異なることにつきましては、ただいま申し上げましたような合理的な理由があるというふうに私ども考えているところでございます。
○江田五月君 しかし、どうもまだよく分からないんですが、警察庁の方では、重大事件と言いましょう、全部引っくるめて。ですから、これは対象行為ということと今回の法案で言う対象行為と同じものだと思いますが、これは全部で、どうなるんですかね、百七十八件、これは二十四条通報をされたと。そのうちの送致したものは百四十捜査中、そして不送致があると。しかし、厚生労働省が各都道府県で調べると、措置通報を受けた、警察から措置通報を受けた同じ対象行為に当たる重大事件、これが三百三件あったと。今の厚生労働省の説明だと、年間七千から八千ある警察官通報事案のうち、重大事件と受けた側が判断したのが三百三あると。しかし、それは警察が重大事件だと認定した数とは食い違うのは、どういいますか、やむを得ないというかあるいは当たり前だというか、そういう説明でいいんですかね。
なお、これはちょっとお願いなんですが、ここでいただいている資料というのは、四十自治体に厚生労働省から照会をして、五月二十九日までに回答が得られたものの集計ということですが、その他の自治体についても一応照会をしてもらえますか、どうですか。これはちょっとお願いをしておきますが、いかがですか。
○政府参考人(上田茂君) この四十自治体以外のその他の自治体につきましても調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、先ほど申し上げましたように、各自治体におきまして、警察官からの通報書、保健所の調査書、措置診察時の診断書等、こういった限られた調査によりまして行ったものでございます。そういう意味では、確実性の低い情報も含まれておりますし、また先ほど申し上げましたが、その判断が自治体の判断にゆだねているということ、あるいは各自治体は犯罪性を認定する機関がないことから、必ずしも刑罰法令に照らして当てはまるものではないと思われること、こういった理由から先ほど申し上げた次第でございます。
○江田五月君 四十以外の自治体についても調査をしてくれるということで、これは委員長、後で委員会に提出していただくよう処置願えますか。
○委員長(魚住裕一郎君) 後刻、理事会において協議いたします。
○江田五月君 そこで、こういう説明があるんですよ。例えば、知事の段階で調べてみると放火というように書いてあると。放火と書いてあるよりも、何かどこどこで新聞紙丸めて火を付けたと、これは放火だというので、ここに当たるものとしてカウントを知事としてはすると。しかし、警察の方で調べてみると、放火というほどのことはない、ちょっと間違って新聞紙にライターで火が付いてしまったという程度で、これは事件性ないからというのでこの警察庁の統計には上がってこないと。そういう食い違いがあるんだとおっしゃるんですが、そういう食い違いもあるいはあるかもしれません。しかし、そうでないものも実はあるのではないか。
昨日ですね、前に衆議院の審査の際に、十二月三日、法務・厚生労働連合審査会に参考人として来ていただいた精神保健福祉士協会常任理事の大塚淳子さんから、これは皆さんのところへも行っているかと思いますが、メールが来ていまして、この方のメールはなかなか重大だと思いますよ。
ちょっと見てみますと、私の勤務病院での四年前の調査で重大犯罪該当の十八例を分析しました。重大犯罪の中でも殺人、放火、重大な傷害事件を犯した者十例のほとんどが総合失語症の被害妄想の体験に基づくものであり、被害者もほとんどが親や親族、放火被害も実家であったり、子が被害者の場合はすべてが心中企図の結果でした。十例は治療とリハビリの結果、家庭復帰が二名、地域保護環境下、社会復帰施設などに二名、何とか地域で暮らせている者二名、院内で適応している者二名、症状改善困難者二名、しかし改善困難者でもということですかね、十名中八名が回復し再犯せずに暮らしています。特別な治療があったわけではありません。手厚い医療、チーム医療、継続治療を保証すべく努力し続けたからです。しかし、民間病院でこれを現行体制で行うのはしんどいことです。なぜなら、マンパワーが不足しているからですと。
こうずっと書いてあって、つまり大塚さんがここで例として挙げられている重大事犯、これは果たして検察官通報で来たものであるかどうか、あるいは重大事犯ではあるけれども、警察の通報だけで来たものであるか、そこのところちょっと分からないんですよね。
私は、こういう殺人とか放火とか重大な傷害事件とか、確かに重大だと。確かに重大だけれども、実は家庭内のことであったり、放火といっても実家であったり、被害感情を持っている人たちがいなくて、みんなこれは自分の家族でこういうことが起きていると。外に出ると恥ずかしいというようなこともあるいはあるかもしれません。そこに偏見というのもあることもありますけれども、こうやって事件にせずに、つまり刑事事件にせずに、何とかみんなの手厚い措置で社会復帰をしたり、いろんなことが行われているケースが一杯あると思うんですよね。このことはどうです、これはどちらに聞けばいいのか、まず警察の方に聞いてみましょう。
確かに事件が起きていると、家が全焼したと。しかし、放火といえば放火、捜査をすればそれは放火ということが出てくるかもしれない。だけど、被害感情よりもむしろみんな悲しい思いを持って、この障害者を何とかみんなで助けなきゃということで、そこでそういう事件をきっかけに、みんな気持ちを新たにして、一生懸命ケアをしながら、ゆっくりゆっくりと社会に戻っていっているというようなケースが、警察の皆さんおありなことは御存じなんじゃないんですか、いかがですか。
○政府参考人(栗本英雄君) ただいまの御指摘の件については、個別具体的に把握いたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、まず警察といたしましては、警察活動を通じまして精神障害のために自傷他害のおそれがあると認められる方を発見をいたしました場合には、都道府県知事等に通報すべき義務が課されているわけでございます。この通報義務は、精神障害者の方に必要な医療を確保するためのものであると承知いたしております。
ただし、警察といたしましては、このような二十四条に基づく通報をいたしました場合でも、先ほど御説明を申し上げましたように、その方にかかわる、そこに犯罪があるというような場合には、必要な捜査活動を行った上で検察官の方に送致するというようにしておるところでございます。
もちろん、先ほども御説明いたしましたように、十三年度中でも見ていただけばお分かりになりますように、殺人につきましては二十五の通報がなされておりますが、既に二十三で、残り二名、二件についても捜査をし、捜査を遂げてやるという予定にしておりますし、傷害致死事件としても二件の通報がなされておりますが、その二件は既に送致をいたしております。
それから、私大変、若干の記憶で大変申し訳ありませんが、措置入院がなされた後で、ある程度の回復がなされて、事情聴取可能という形で精神科医の方の同席をしていただいて事情聴取をし、退院後に逮捕し送致したというようなケースも承知しております。
そのような意味におきまして、先ほども申し上げましたように、警察といたしましては、法に触れるようなそういうものがあればきちっとした形で捜査を遂げて、検察に送致すべきものだと考えているところでございます。
○江田五月君 じゃ、聞きましょう。
この警察庁でお出しいただいた資料の中で、傷害十三件、不送致というのがありますね。これはどういうケースですか。
○政府参考人(栗本英雄君) 先ほども申し上げましたように、被害者の方が親族及び知人の方でございまして、その被害程度が非常に軽傷であったということで、診断書が出されず、また被害者の方の処罰意思がないと、そういう意味で被害届も出されなかったわけでございます。
私ども警察といたしましては、この中で具体的な被害事実の特定に至らない、すなわち立件すべき犯罪事実というものの把握に至らなかったということで、立件をしなかったというケースでございます。
○江田五月君 処理をするときは、犯罪事実があるというのかないというのか、どっちかにそれは分けなきゃいけないんで、あるかないか二つに一つなんですよ。だけど、事実、社会的な生の事実というのはそうでもないんで、間のグレーのところがいろいろあるわけですよね。
今、被害届が出されなかった、被害感情を持っていないというようなケースであったって、だって、現に傷害があれば傷害罪にはなるんじゃないですか。しかし、これは傷害罪として処理をするのは社会的に妥当じゃないというので、そこをあえてこの十三件の方に入れて、そして犯罪というものはなかったという扱いをしている。
私は、常々思うんですけれども、霞が関で見ていたら見えないところがあるんですよ、世の中には一杯あるんです。実際の社会の現場で見ていると、こんな、これは犯罪の疑い非常に高いと、高いけれども、犯罪として処理をするよりも、もうこの人は、本当にこの法律で言えば心神喪失、その精神障害の大変な状態にいて家族もみんな苦しんでいる。それをあえて犯罪ということに追い込んでいってじゃなくて、いろいろと手厚い看護、医療でおずおずと、そろりそろりと社会復帰、社会生活をしているというケースはあるんですよ。
ですから、私はこの三百三と百七十八の間のところ、これをどう扱うというのは非常に重要なことになってくると思うんですよ。そこで、昨日、朝日委員はそこのところをはっきりさせなさいよ、そうでないとどういうことをやっていいか分からないじゃないですかと言っているわけですよね。
それじゃ、伺いましょう。この心神喪失者医療観察法案ができて、この法律、法案による処理がなされるようになったら、今までのそういう生の社会事実をしっかり見たときに、グレーゾーンを犯罪として扱うんじゃなくて、むしろこれは犯罪という認知はしないということで二十四条通報をしていたこのケースは減るんですか、増えるんですか、変わらないんですか。これは両方聞きましょう、警察庁と法務省。
○政府参考人(栗本英雄君) 先ほども御説明を申し上げましたように、二十四条に基づく通報を警察としていたします場合には、その事案が犯罪になるか否かという観点ではなくて、先ほど申し上げましたように、この法律の趣旨からいたしまして、その方が精神障害のために自傷他害のおそれがあると、そのような状況にある場合に警察に届け時に対する通報義務が課されているものでございます。それも、先ほども御説明をしましたように、その通報によって当該精神障害を持っておられる方が必要な医療を確保するためのものであると。したがいまして、その観点から行われる通報というのは、私どもは、今までとこれからも、この二十四条につきましては同じ形できちっとした判断をしていきたいと考えているところでございます。
○政府参考人(樋渡利秋君) 本制度ができましても、先ほど来お尋ねの二十四条通報の内容というのは変わるものではないというふうに考えております。それで、本制度では、仮に精神福祉法の二十四条により都道府県知事に通報されたものでありましても、対象となり得るのはその者が立件送致された場合に限られるということは先ほど来の御質問のとおりでございます。
御承知のとおり、刑事訴訟法二百四十六条は、司法警察員に対し、犯罪の捜査をしたときは、原則として、速やかに事件を検察官に送致しなければならないとの義務を定めておりまして、先ほど来警察庁の刑事局長が御答弁されておりますように、捜査したものは事件として立件して、捜査したものはすべて送致しているということでございまして、それはそのとおりだろうというふうに思っております。
しかし、仮に心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者が検察官に送致されないこととなりましたれば、その者からは本制度による手厚い専門的な医療を受ける機会を奪うこととなりかねません。そこで、法務省としましても、警察との間で十分に連携していくことによりまして、決してそのような事態が起こらないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○江田五月君 これ、法務大臣、お分かりですかね。ややこしい議論をしているんじゃなくて、社会に現実に起こる生の事件というのは、これは生の事件なんです。それを犯罪という方向に持っていってそして扱うのか、犯罪というよりもむしろ医療の必要という方向に持っていって扱うのか、グレーゾーンというのはずっとあるんですよ、そこに。恐らく私は、恐らくじゃない、これはある程度の確信を持って言える、自分の周りでもそういう、恐らく多くの皆さん御存じだと思います。とりわけ政治家の周辺なんというのはいろいろ社会の生の複雑な事件が一杯あるんですよ。
そういうところで起きている事件で、やっぱりこれは放火だと、確かに放火だと。もうみんな世間の人もそう思っている。だけれども、放火で扱ったって、焼けたのは実家だし、親も全然そんな被害とか何とか言ってないし、まず第一に火災保険にちゃんと入っているし、ということもあるかもしれない。それよりも、このかわいそうな子をどうしてやろうかと悩んで、放火のコースを通って検察庁からの、検察官からの二十五条通報じゃなくて、そこは抑えて抑えて二十四条で何とかというようなことをやってきた例があるわけですよね、現実に。
それをそのままにしておいて措置入院でやるのか。今ここですばらしい国立の医療の制度を作ろうというんでしょう。それがすばらしいかどうかは別です。私たちはすばらしいと必ずしも思っていない。思っていないけれども、そうおっしゃるわけでしょう。それだけの手厚い医療をやるんだったら、そういう者こそちゃんとそっちへ乗るような道を付けていかなきゃいけないと、皆さんだったら思われるんじゃないんですか。
法務大臣、どうです、そこをはっきり頭の整理ができていますか。どうですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 確かに先生がおっしゃるようなことが現実の社会にはたくさん起こってくると思います。ですから、それをどのようにするのが最も本人のために、また社会全体のためにいいかということを判断しなければならないということは多々あると思います。
しかし、その中で、この法律によって作ろうと考えておりますのは、これが精神障害者であり、かつそのために重大な他害行為を行ったというような二重のハンディキャップを持つ方、その人が健全な社会人としてできるだけ早く復帰していただきたい、そのためにどういうふうにしたらいいかということを考えているものでございまして、それ以外の、もっとおっしゃるグレーゾーンにもいろいろございますが、その中で該当しないものもたくさんあると思います、この法律に関しては。
ですから、この法律が対象とする者は先ほど来申したような方々でございまして、その方々の社会復帰をできるだけ早くしてもらうようにという仕組みでございますので、それ以外の問題については精神障害者の医療制度、あるいはその他の社会の御理解によって何らかの方法を探していくことになるのではないでしょうか。
○江田五月君 法務大臣も苦しい答弁をされたと思いますけれども、何言っているかどうもよく分からないんですが。どうぞひとつ、こういうことを考えるときには現場の声を聞いてほしい、現場を見てほしい、生の事実を見てほしい。そこからいろんな解決が出てくるんですよ。
もう本当、恐らく皆そうだと思う、ちょっとこう目をつぶってこれまでの経験をずっと顧みると、悲惨なケースというのがいろいろ皆思い浮かぶと思うんですよ。確かに犯罪といえば犯罪に違いないけれども、捜査をしてみたってどうにもならないと。やはりこれは、そこのところはあえてわきへ置いて、医療の必要、これにみんなでかかわっていこうじゃないかとやって、一生懸命社会の中で大切にしながらケアをして社会生活している人たちがいるんです。現にいるんです。そういう人たちはもう余計だ、そういう人たちはどこかへもう放り込んでおけと言うんですかと。そうじゃないんです。そういう人たちがそれでも、本当に日陰に咲く小さな可憐な花、ひなたに出したらすぐ枯れるかもしれない、しかしそういうものがちゃんと生きていける社会というのが実は多くの健常者にも住みやすい社会なんじゃないですか、だから彼らは大切なんじゃないですかと。そういう意味で、今こういう、私どもに言わせれば、こういう制度でなくて、やはり医療上の必要というところで、もっともっと医療のレベルアップ、社会的なケアの体制の構築、そういうことをしっかりやらなきゃいけない。
この法案というのは余計なことだと、むしろ逆にこういうものを作ると、そうした大切さというもの、ケアの大切さというものが失われていくんだと、こういう批判をしているわけで、私は昨日の朝日さんの問題提起はそういう形で是非とらえてほしい。ですから、現実に社会に起きていることをもっとしっかりと認識をして、特別研究班か何かを作ってしっかりと調査をして、その上で何をやったらいいのかということを考えなきゃいけないんじゃないかと。統計が食い違っている、数字がおかしい、その説明をしろとただ言っているんじゃないんですよ。そこのところは間違わないようにしていただきたい。
これはもっと追求しなきゃならぬ課題だと思いますが、時間がだんだん過ぎてきております、日精協政治連盟のことについてもう少し伺っておきますが。
今日は木村副大臣来ていただいておりますが、前回、厚生労働省が監督をする社団法人及びその関連の政治連盟の政治資金扱いのことですから厚生労働省でこれはお調べいただきたいということを申し上げましたが、なかなからちが明かないと。総務省の方に、この三月で出されている政治資金収支報告書、まだ精査中ではあろうけれども、そういう限定付きでお出しいただくように委員長にお願いをいたしましたが、これもまだらちが明かない。まだ引き続きこれは理事会で協議していただけるんでしょうね、委員長。
○委員長(魚住裕一郎君) 引き続き協議をしております。
○江田五月君 よろしく協議をお願いしたいと思うんですが。
そこで、木村副大臣の今年の三月にお出しになられた政治資金収支報告書の基になっている資料があると思うんですね。これは、木村副大臣が御自身でちゃんと報告をしたその基の資料ですから、だれにはばかることもない、天下に、白日の下にさらしても何らやましいところはないと言うならお出しいただけるんじゃないかと思いますが、今までの経過を聞きますと、どうもこれもはかばかしく進んでいないということなんですが、木村副大臣、そこはいかがなんですか。
○副大臣(木村義雄君) 江田先生の御質問にお答えをさせていただきます。
日精協と日精協以外の平成十四年の献金額については、政治資金規正法に従って適正に処理しているところでございます。法にのっとりまして、九月に公表されることになると考えているところでございます。
○江田五月君 政治資金収支報告書を出してくださいと言っていないんで。その収支報告書を出すに当たってあなたが基礎とされた資料があるでしょうと。何の資料もなしに書いたんですか、政治資金収支報告書を。そんなことはないでしょう。ちゃんとあなたの事務所でまとめられたものがあるはずなんで、それは別に九月まで待つ必要ないじゃないですか。今お出しになったらどうです。
私どもは、これは政治資金規正法上は適正に処理をされているかもしれない。これは今いろいろ形式審査をやっている最中。しかし、政治資金規正法上適正な処理であっても、これは別の観点から違法になるものもあるだろうし、あるいは違法でないとしても、どうもこういう段階でこういう金の動きがあるということはおかしいんじゃないかと。前回、平野委員は、適法にそういうお金が流れるということはおかしいんだという、そういう観点からの指摘もされているわけですが、是非これは、木村副大臣、もう晴天白日、何のやましいところもないと言うんだったらお出しいただいたらいかがですか。
○副大臣(木村義雄君) お答え申し上げます。
先ほどの一部繰り返しになりますが、日精協以外の平成十四年の献金額につきましては、政治資金規正法に従って適正に処理しているところでありますし、法にのっとり九月に公表されることになっているところであります。
なお、日精協からの平成十四年分の献金額については、現在審議中の心神喪失者医療観察法案に関する事項でございますので、この法務委員会の場でお答えをさせていただいたところでございます。
○江田五月君 日精協以外にもいろいろと、この法案審査にかかわって、あるいはまた木村厚生労働副大臣自身の厚生労働副大臣としての立場から見て適切でない、そういうケースが、なければ幸いですけれども、あるのではないかという疑いが実は客観的にはあるんで伺ったんですが、どうもお出しいただけないという、大変残念に思います。しかし、これは引き続き求めてまいりますので、いや、それはもう出さないと言うんだったら本当に、それこそ本当にこの法案の処理は九月にしましょう、そうお願いをしなきゃならぬ。是非ひとつ、ここはまた理事会で協議をいただきたいと思います。
続いて、もう時間がだんだん来ておりますので、また前回非常に簡単にとっとことっとこ聞いてしまったんですけれども、もう一度伺っておきます。
例の五月の十五日に対策本部の中間報告が発表されたと。その中間報告は、精神保健福祉の改革の基本的方向というのは入院医療中心から地域生活中心へと。入院から通院へ、通院から更に地域でのケアへということだと思いますが、これは、厚生労働副大臣、入院から地域へというこの流れはあなたは同意をされるんですか、されないんですか。
○副大臣(木村義雄君) 基本的には、江田先生がおっしゃるとおりでございまして、そういう方向でこれから進まれていくんではないかなと、私はこのように思っているような次第でございます。つまり、入院から地域への方向性が促されていくものと思っているような次第でございます。
○江田五月君 そういう方向に動いていくのではないかと。あなた自身のこの精神医療にどうかかわるかということについての確信というものはあるんですか、ないんですか。どうも今まで聞いているところでは、あなたはむしろ入院重視のような傾向ではないかという、まあ予断ですが、それが間違っていればいいんですが。チャンスを与えているんですよ、今あなたに、発言の。どうなんですか、そこのところは。
○副大臣(木村義雄君) 江田先生からチャンスを与えていただきまして、誠にありがとうございます。
基本的に、やっぱり精神保健福祉の一般対策の総合的な底上げを図る必要があると思うわけでございまして、御承知のように、我が国の精神保健福祉については、従来より、先生御指摘のように、精神病床数が多くて長期入院が大変多いということでございました。入院中心であり、地域医療、地域福祉の体制がまた不十分でございました。
つまり、受入れ体制の問題点ももちろんあるわけでございます。それから、精神病床の機能分化がまだできておりませんで、重症な患者に手厚い医療を行うなどの患者の病態に応じた医療が実施をされていないという問題点もありました。そして、御指摘の社会復帰対策等もまだまだこれからという等の問題点があったわけでございます。
これらの問題点にしっかりと対応すべく、各般の取組を総合的かつ具体的に推進していくために、昨年の十二月に厚生労働大臣を本部長といたします精神保健福祉対策を省内に設置いたしまして、省を挙げての対策を進めてきたところでございます。その結果、御指摘のとおり、五月十五日には中間報告を取りまとめたところでございまして、精神保健福祉に関する普及の啓発、精神病床機能の強化や地域ケアの充実など精神医療改革、住宅の確保、雇用の支援など地域生活の支援及びいわゆる社会的入院対策という四つの重点事項、重点施策としてこれから推進していくことというふうにさせていただいている次第でございまして、今後も、これらを踏まえまして、実施可能なものから順次実施に移したいと考えているところでございます。
また、より一層促進すべく、普及の啓発、病床の機能分化、地域ケアの在り方については、それぞれ有識者から成る検討会を開催して、早急的に具体的な検討を深め、先生の御期待にこたえてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
○江田五月君 いや、ありがとうございますが、省を挙げてというのがいろいろお好きのようですけれども。
もう一遍、確認ですが、いわゆる社会的入院七万二千人、これを十年後にゼロにする、これは木村副大臣も同じ決意でおられますか。もう長い説明いいですから。
○副大臣(木村義雄君) 十年後にゼロにすると、こういうような御指摘でございますけれども、現在の現状は、平成三年をピークに減少傾向にあるんです、減少傾向にある。それで、今後は、やっぱり地域における受入れ体制、直ちにこれ病院から、じゃ元の自宅にと、これ言ったって、それは先生も御理解いただいているようになかなか難しいものがあるわけでございます。やっぱり地域の受入れ体制というのを……(「質問に答えて」と呼ぶ者あり)いやいや、だから答えているんですよ、答え。地域の受入れ、七万二千人をしっかりと減らしていくにはどうしたらいいかということを言っているのでございまして、これに対してはやっぱり地域の受入れ体制等もしっかり進めていかなければ。
それから、急性期医療等の充実によりまして入院期間の短縮等を図ってまいりたいと、このように思っているような次第でございまして、病床数の減少を、それからそういう七万二千人の、できるだけこれが減るように、また病床数の減少等も促してまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
○江田五月君 厚生労働大臣、坂口大臣は七万二千人のこの社会的入院は十年後にはゼロにするんだと。これ現実にゼロになるかどうか分かりませんよ、それは、いろんなことがあるでしょうから。しかし、そういう決意でやるんだと言われているじゃないですか。何だかんだ、ああだこうだといろいろ言っていれば、ならないですよ、全然。そうじゃなくて、社会的入院というんですから、社会的入院というのは医療の必要上からの入院じゃないんですよ。社会的入院というのは、社会的ないろんな原因があってやむを得ず入院ということになっている。社会の体制が整ったらそれは地域で医療ができるんだという、そういう人たちだということですから、それをゼロにするというぐらいの決意はすぱっとお述べになったらどうなんですか。ああたらこうたらの話じゃないと思いますが、もう一遍、チャンスですよ。どうぞ。
○副大臣(木村義雄君) もちろん全力を挙げて努力をし、先ほど申しましたように、省を挙げて努力をする決意でございますけれども、ただ、先生の、正式にこれを十年後にしっかりと本当に数のとおりゼロにしろと、こうやるのは、やはり今言ったような受入れ体制も含めていろんなことをやっていく中から、これはできるだけそういう方向に近づくように努力をするのはそれは当然のことでございますけれども、これを確実に本当に一人もいなくゼロにしろと、こう言っても、それは今ここで私自身の責任で答弁するといってもなかなか難しいものがあるわけでございますけれども、もちろん努力は一生懸命させていただきます。
○江田五月君 まあ、どうせあなたが十年後も厚生労働副大臣ということはないでしょうが、いや、そのときにはひょっとしたら大臣かもしれませんけれどもね。
やっぱりそれはちゃんとその決意というものは国民に示して、そして必死の努力をした、まあいろんな事情があってここまでしかできなかったということがあれば、それは皆納得しますよ。だけれども、今みたいに、いや努力はしますけれどもそれはゼロになるとは限りませんとかなんとか言っていたんじゃ、それは話にならないですよ。ひとつそこはしっかりお願いをしなきゃいけない。
先日、私への説明では、五年後の中間目標を設定すると、上田部長、そういう説明ありましたよね。五年後の社会的入院は現在の半分以下になると、こう理解していいんですか、これは上田部長。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
約七万二千のいわゆる社会的入院者の退院、社会復帰を図るためには、住まいの確保、生活訓練の実施、居宅生活支援など各々のニーズに応じたサービスが提供される必要がございます。
新しい障害者プランの目標値は、こういった様々な社会的入院のニーズに十分対応することにより、約七万二千について、毎年、これはおおむねでございますが、おおむね十分の一ずつ退院を目指すという目標の下に必要サービス量を設定したものでございます。したがいまして、五年の間におおよそ半分程度の退院を見込んでいるところでございます。
○江田五月君 そうですよね。五年後には半分になると。
修正案提出者にも同じことを伺っておきますが、衆議院の方でこの地域医療、精神医療の地域での提供体制の水準、レベルアップ、こういうことを言われているわけで、したがって今の社会的入院七万二千は十年でもうゼロにするんだ、五年後には半分にするんだ、これはもう政治が全部与野党超えて力を合わせてやるんだと、そういう意気込みでああいう衆議院での審議をやられたということでよろしいんですか。
○衆議院議員(塩崎恭久君) おっしゃるとおりだと思います。
この附則の三条に書かれたことも、衆議院での議論を踏まえ、そして民主党からアンチテーゼとして出てきているものは、正にこの医療の大切さ、そしてまた福祉の大切さということを言われているわけでありまして、それを、その気持ちを含めて書いたつもりでございますので、今おっしゃったとおり、政治的にもコミットしているというふうに考えております。
○江田五月君 そうすると、一体その社会的入院ゼロ作戦をどういうふうにやっていくつもりなのか、現在の精神病院ベッド数がどのくらいあるのか、あるいは通院施設がどのくらいあるのか、それをどういうふうに増やしていくのかなどということをずっと聞いてここで確認をしておかなきゃならぬわけですが、これはまた次回に譲ることといたします。
終わります。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日です。
江田議員に続いて、私は昨日の連合審査でできなかった質問から始めていきたいと思いますが、その前に、また一言申し上げなければいけません。
委員長及び理事の皆さんにも御努力をいただいて、昨日もお願いをしましたし、今日も是非参考人として日本精神科病院協会の仙波先生においでいただくように御努力をいただきましたけれども、昨日は公務のため、今日は連絡が付かないということで御出席にならないということであります。極めて残念であります。是非、衆議院では参考人としてお出になっているんですよね。参議院の方においでにならないのは、何かよほど事情があるのかなと心配をするわけですが、是非引き続きの御努力をお願いしたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○委員長(魚住裕一郎君) 引き続き努力いたします。
○朝日俊弘君 是非お願いをしたいと思います。
さてそこで、今日の質問は、昨日、この政府原案とそれから修正されたこととを踏まえながら、この対象者の入院を判断する要件として、再び重大な犯罪を起こすおそれがあるかないかという予測の問題が引き続き要件として残っているんではないかという質問をしました。それぞれ大臣にもお答えをいただいたわけですが、いろいろと御説明はいただいたんですが、もう一つはっきりとお答えをいただきませんでした。
私は、原案では「再び対象行為を行うおそれ」と明確に書いてある。修正案ではそこのところが、同様の行為を行うことなく社会復帰するために医療を受けさせる必要というふうに表現が変わっていますけれども、しかし、にもかかわらず、再び重大な犯罪を起こすおそれがあるかないかというのが入院の判断の要件として残っているというふうに私は判断せざるを得ません。
そこで、そういうふうに判断をした上で、これは衆議院でも随分と議論になりましたが、じゃ、本当に再び犯罪を犯す、同様の行為を犯すおそれがあるのかないのか予測することができるのかどうか、再犯の予測の可能性について随分と議論がありました。
私は、精神病の状態が、将来的にある程度、再発をすることがあるかないかということを含めて、ある程度の予測はゼロではないというふうに思います。一定の蓋然性を持って、この人が病状として再発する可能性があるのかないのか、そのことは念頭に置きながら治療行為というのは行われると思います。
しかし、極めて、再犯の予測となると、再発ではないですよ、再発の予測ではない、再犯の予測、しかも同じ対象行為を行うおそれがあるかないかということになると、これは極めて困難だし不確実だし、仮にそのことが可能だとしても相当の確率で、そうではない人をそのおそれがありというふうに言ってしまう、判断してしまうことがあり得ると思います。
先日、五月の二十日、お呼びした高木参考人は、相当の確率で偽陽性が出る、要するに間違った陽性者という判断が出るのではないかということを指摘されました。この高木参考人の御指摘を踏まえながら、もしそういう、誤ってそのおそれありと判断してしまった人を強制的に特別病棟に入院させ、論理的には無期限に収容できるということが結果として起きてしまった場合、どうするのですか。その点について、まず法務大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) この制度による入院の要件については、衆議院におきまして、政府の原案から、対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため入院をさせて、この法律による医療を受けさせる必要があると認められるか否かに修正されましたが、このような要件に該当するか否かにつきましても、その者の精神障害の類型、過去の病歴、病状、治療状況、予測される将来の症状、その者の生活環境等を慎重に考慮することによりましてこれを判断することが可能であると考えられます。
また、この制度では、対象者を一定期間病院に入院させ、高度かつ専門的な学識経験を有する精神保健判定医等が鑑定や医療的観察を行うこととしている上、検察官、付添人等が意見や資料を提出し、また、保護観察所が対象者の生活環境を調査することとしているなど、広範で豊富な資料を収集することができる仕組みになっております。
そして、裁判官と精神保健審判員は、このような資料に基づきまして、それぞれが専門的知見を活用し、かつ十分に協議することによりまして、個々の対象者に応じて最も適切と判断される処遇を決定することとしておりまして、入院の要件に該当しない者に対して誤って入院の決定がなされることがないように、そのような制度といたしております。
○朝日俊弘君 一〇〇%ありませんか。
○国務大臣(森山眞弓君) 一〇〇%ないとお答えしたいところでございますが、人間の、最善を尽くしても人間のすることでありますから、もしかしたら一%ぐらい可能性がないとは言えませんが、そのような場合には、半年ごとに審判員が判断する機会がございまして、間違いをできるだけ防ぐという措置も考えられております。
○朝日俊弘君 それが一%なのか何%なのか、それはそれぞれの御意見があるでしょうが、仮に一%でもあるとすれば、そういう方たちが結果として非常に長期にわたって入院させられてしまったということがあった場合にどう考えるかという質問ですよ、私の質問は。一人でもあったらどうしますか。
なぜそんなことをお聞きするかというと、現在の措置入院でも、結果として二十年、三十年と長期入院になっている人がいるんですよ。措置は解除されたけれども引き続き病院に入院している人がいるんですよ。二十年、三十年ですよ。しかも、その数が一人や二人じゃないですよ。昨日も御質問がありましたけれども、五万とか十万とかいう数であるわけですよ。それが現在の精神病院の長期入院の実態ですよ。この新しい制度になったら、一人もそういう人がいないようにできるんですか。
もう一遍お伺いします。一人でもいたらどうしますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 一人もいないように最善の努力をいたします。
○朝日俊弘君 全然それでは納得できません。
現在の精神病院の実態なり、あるいは一方で刑務所の実態なり考えると、最善の努力をいたしますと言っても空々しい。この問題については全然納得できるお答えではなかったということで次に移ります。
そもそも、この法律に基づく強制的な医療を受けさせる措置、昨日、福島議員からは治療処分という指摘があって、それに対して特段の反論もなかったので治療処分と呼んでいいのかなと思うんですけれども、この措置は精神保健福祉法に基づく措置入院とどこがどう違うのか。
措置入院は、私の理解では県知事が行う行政処分で、したがって、もしその処分に不服があれば都道府県ごとに設置された精神医療審査会に退院要求をするとか処遇の改善要求をするとか、そういう仕組みが組み立てられています。ですから、そういう性格のものであればそういうものをちゃんと設置しなきゃいけないと思いますね。ところが、どうもこれは都道府県知事の命令入院ではない、判断は裁判所が行う、裁判官と精神保健審判員が合議で決めるけれども、裁判所が行う。一体これは司法的措置、司法的処分と言うべきものなんでしょうか、それとも措置入院と同類の行政処分の一類型なんでしょうか。
ちょっと、この法律に基づく措置、処分がどういう性格のものかいまだに理解しかねているので、御説明ください。
○政府参考人(樋渡利秋君) 本制度における審判は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し必要な医療を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにすることにより、その社会復帰を促進することを目的として行われるものでございまして、民事訴訟事件や刑事訴訟事件のような純然たる訴訟事件についての裁判とは異なるものでございます。したがって、本制度による入院又は通院の決定は、固有の意味の司法権の作用に属するものではないと考えます。
しかし、本制度における入通院の決定は裁判所の合議体により行われるものでありますので、そのような意味では、都道府県知事による入院措置のような行政処分とは異なるものでございまして、少年審判における保護処分の決定に類似するものと考えられます。
行政処分か司法処分かということになりますと、いろんな考え方があるんでございますけれども、今、先生がいみじくも御質問でお使いになられましたように、司法的処分かというようなニュアンスであれば、司法的処分ということは言えるんではないかというふうに思います。
○朝日俊弘君 非常にその性格があいまいなんですよね。従来の、きちんと裁判を受けて判決だというならそれはそれで分かる、一方、行政の方で知事が命令する、これも分かる。ところが、何か、だから司法的処分としか言いようがない。非常に分かりにくいというか、少し性格があいまいな制度だというふうに言わざるを得ないんですが。
ちょっと今のお答えでお答えいただけなかったんですが、司法的治療処分と呼んでいいですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 私たちはそのようには考えておりません。
先ほども御質問に触れられたかと思うんでありますが、不服のある場合にどうするかということについてお答えしてもよろしゅうございますでしょうか。
措置入院制度におきましては、都道府県知事によります入院措置は行政処分でございますから、これに不服がある場合、行政事件訴訟法に基づき地方裁判所に対して取消し訴訟を提起することができますが、この地方裁判所の裁判について更に不服がある場合は高等裁判所に控訴を申し立てることができるということになります。
本制度におきましては、処遇の要否、内容に関する決定を第一義的に地方裁判所の合議体が裁判により行うこととしているため、これに不服がある場合はやはり高等裁判所に抗告をすることができるとしたものでございます。
地方裁判所が行った裁判に対する不服申立てについて上級裁判所である高等裁判所で判断すること自体は、一般の刑事手続や民事手続と何ら異なるものではございません。したがって、本制度における不服申立ての方法が対象者にとって措置入院制度に比べて不利であるとは考えておりません。
なお、先生が御指摘いただきました精神保健福祉法上の精神医療審査会でございますが、その審査会が取り扱いますのは定期の報告による入院継続の審査と退院等の請求に関する審査でありますところ、本制度におきましては、入院継続の確認の申立て又は退院許可等の申立てについては地方裁判所の合議体が判断することとしておりまして、これはいずれも審査会があるのと同じ都道府県に一つずつあるところでございます。
○朝日俊弘君 高等裁判所は全国に何か所ありましたっけ。
○政府参考人(樋渡利秋君) 全国八か所でございます。
○朝日俊弘君 そうすると、精神保健福祉法に基づく措置入院制度では、一つは地方裁判所に不服申立てができる、もう一つは精神医療審査会に処遇改善要求ができるということで都道府県レベルでできることになりますが、この制度による決定を抗告する場合は高裁まで行かなきゃできないと、こういう仕組みになっていますね。制度の仕組みとしてはそういう理解でいいですね。
○政府参考人(樋渡利秋君) 抗告は高等裁判所でございますが、そもそも退院の申出とかそういうこと、精神保健福祉法に言いますところの退院の申出、そういうものは都道府県知事に行いまして、その審査を精神医療審査会が行うことになるわけでありますけれども、この本制度の場合には直ちに地方裁判所に申し立てることができるということになっておりますので、別に最初から高裁に行かなきゃならないということではないということでございます。
○朝日俊弘君 いや、ちょっとはっきりさせておきましょう。
抗告は高裁じゃなきゃ駄目なんでしょう。入退院、入院の継続の判断とかについて、いや退院させてほしいとかいう要求は地方裁判所の合議体に出すことができると、こういうことじゃないですか。抗告も地裁にできるんですか。それはおかしいですよ、それ。
○政府参考人(樋渡利秋君) いや、おっしゃるとおりでございまして、そのとおりに説明しておったつもりなんでございますが、要は、入院継続の確認の申立て又は退院許可等の申立てについては地方裁判所に申し立てるわけでございまして、それに不服があれば抗告として高等裁判所にその抗告を申し立てるということでございます。
○朝日俊弘君 だから、申し上げたかったことは、この決定そのものに不服であるという場合に高裁まで行って申し立てなきゃいけないというところについては、非常に訴える側の立場からするとやや不利な立場に置かれているなというふうに言わざるを得ません。
ちょっとついでに聞いておきます。措置入院の場合は、これ後の質問と関連するんですけれども、措置入院の場合は、入院中の処遇の改善等々については先ほど申し上げた精神医療審査会に申し立てることができるんですが、この法律に基づく指定入院医療機関における入退院に関する申立ては、地裁に今の御説明では申し立てることができるとおっしゃいましたが、入院中の処遇の改善の問題については地裁に行くんですか、どこに行くんですか。
○政府参考人(上田茂君) 本法案において、指定入院医療機関に入院している者は、厚生労働大臣に対し、当該入院している者の処遇の改善のために必要な措置を取ることを命ずることを求めることができることとされております。また、請求を受けた厚生労働大臣は、社会保障審議会に対して審査を求めることとされております。
○朝日俊弘君 ますます遠くなるんじゃないんですか。高裁だったら全国に八か所ありますよね。この入院中の処遇改善要求は厚生大臣に、国に申し立てるわけですか。そうすると、国が社会保障審議会を開いて、そこでその処遇改善について判断をすると、こういう御説明ですよね。社会保障審議会は地方の精神審議会じゃないですよね、中央の社会保障審議会のことですよね、一つですよね。すると、入院中の処遇改善要求は国に持っていかなきゃいけない、判決に対する不服は高裁に持っていく、これ変ですね。
そもそも、この法案について皆さん方は社会保障審議会に意見を求めましたか。
○政府参考人(上田茂君) 本法案につきましては、平成十四年三月二十八日の社会保障審議会障害者部会精神障害分会に報告しておりまして、その際、委員からは特に発言はございませんでした。
○朝日俊弘君 ただ単にでき上がったものを報告しただけでしょう。そうでしょう。答えてください、ただ単にでき上がったものを報告しただけでしょうって聞いているんです。
○政府参考人(上田茂君) 失礼しました。
確かに報告をいたしました。
このことにつきましては、社会保障審議会は、平成十一年に中央省庁等改革推進本部で決定されました審議会等の整理合理化に関する基本的計画に基づき、八つの審議会の機能を整理統合したものでございます。このため、多岐にわたる審議事項を効率的に審議するという観点から必要に応じて審議会の下に部会を設置することができるものとされ、このような考え方から障害者部会が設けられているところでございます。これと同様に、障害者部会では効率的な審議に資するよう二つの分会を設けておりまして、障害者部会での審議は原則として各分会において行われるところでございます。このため、社会保障審議会への報告に代えて障害者部会精神障害分会に報告したものでございます。
○朝日俊弘君 その仕組みは分かっています。
結局は、私がおかしいなと思うのは、この法律そのものについて、それなりに報告をし、あるいは意見を求め、また練り直すという作業があった上で入院中の処遇改善については社会保障審議会でちゃんと受け止めてやりましょうという話になるのが当たり前じゃないですか、ルールじゃないですか。報告だけしておいて、この法律に基づく医療を受けている場合の処遇改善要求については社会保障審議会にお願いしますと、こういう極めて何というか官僚的というか、一方的なやり方というのは審議会の皆さんからもブーイングが出ていますよ。ちゃんと協力いただけるんですかね。
さてそこで、社会保障審議会は文字どおり国に一つしかありません。ところで、これから予定されている指定入院医療機関は全国で五か所とか八か所とか十か所とか、こうおっしゃっていますね。果たしてそんなにきちんと機能するようにできるんですか。それならそれで法律の中に何で書いてないんですか。
あるいは、関係して、例えば精神保健福祉法なりあるいは厚生労働省の設置法なりにちゃんと書いてあるんですか。社会保障審議会をこんなふうに組み立て直しますとか、そういうことがあって当然じゃないですか。なぜなら、精神保健福祉法に基づく各都道府県に置かれる精神医療審査会についてはきちんと法律に書いてある。精神医療に関する専門家三名と法律に関する精神、知識、一名の四名の合議体で作るということまできちんと書いてある、精神医療審査会については。
この社会保障審議会でこの処遇改善要求について検討するというふうに今お答えになりましたけれども、じゃ、その仕組みはどうやって作るんですか。国に一つでどうやってやるんですか。うそばっかり言っているじゃないですか。
○政府参考人(上田茂君) 社会保障審議会が処遇改善の請求を審査するに当たりましては、原則として請求者と指定入院医療機関の管理者の意見を聞かなければならないとされております。これに加え、必要があると認めるときは入院中の者の同意を得て審議会が指名する精神保健指定医に診察をさせ、又は指定入院医療機関の管理者その他関係者に対して報告を求め、診療録その他の帳簿書類の提出を命じ、出頭を命じて審問することができることとされております。
また、請求者の意見聴取等に際しましては、具体的には審議会が行うこととなりますが、入院している指定入院医療機関の所在地、請求者の病状等に配慮し、必要に応じて指定入院医療機関に出向いて意見を聴取することが望ましいと考えております。
○朝日俊弘君 望ましいと考えておりますと。だから、どういう体制でやりますかということを聞いているんですよ。できないんじゃないですかと聞いているんですよ、私は。
そもそも、ちょっと聞いていてくださいよ。そもそも社会保障審議会にそういう機能は予定されていないんですよ。だから、今回新たな機能を社会保障審議会に持ってもらうことになるんですよ。とすれば、当然にその体制をどうするとかこうするとかいうことが法律の中にどこかに書いてなきゃおかしいじゃないですか。
そもそもこれは、そういう意味では、先ほど御説明があったけれども、中央省庁再編成のときの審議会の再編成、行革の流れには反することを審議会にまた求めているわけですよ。新たな仕事をやってくださいということだから。だったら、ぐっとスリム化された審議会にこういう新たな機能を持ってもらおうとすれば、今おっしゃったようなことを出向いてでもちゃんとやるとかいうことをやろうと思ったら、その体制を作らなきゃいけないじゃないですか。構成メンバーはかくかくしかじか、体制はかくかくしかじかというのがどこに書いてあるんですか。法律上、どこに書いてあるんですか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
本法案に基づく処遇改善の請求を審査することになります社会保障審議会については、厚生労働省設置法において審議会の組織、所掌事務、委員等にかかわる事項は政令で定めるものとされております。そこで、この法律の規定に基づき具体的事項は社会保障審議会令で規定をしております。
○朝日俊弘君 じゃ、改めて聞きます。
精神保健福祉法に定める精神医療審査会については、その組織構成を含めた原則が法律に明記されていますよね。入院中の処遇改善要求について精神医療審査会は主として審査をし、場合によっては改善命令を出すんですよね。それと同じような機能を担うわけですよね。
とすれば、当然、その社会保障審議会にこういうメンバー構成でこういう体制でやってくださいということはどこかで明らかにされなきゃいけないと思いますね。これから社会保障審議会に、また社会保障審議会に相談して決めるということですか。何も相談もなく法律作っておいて、この仕事を何の定めもなくやってくださいと言うんですか。それはちょっと虫がよ過ぎるんじゃないですか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
厚生労働省設置法第七条第一項第四号において、社会保障審議会は各法の規定によりその権限に属された事項を処理することとされておりまして、本法案によっても処遇改善請求の審査について社会保障審議会の必要的付議事項としております。また、複数の下部機関を設けるなど、迅速かつ適切に審査していただく体制が整備されることが望ましいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 法律の説明を聞いているんじゃないんです。
私は、もう一遍言いますよ。精神保健福祉法に定める精神医療審査会は法律の中でそれなりにきちんと書いてあるじゃないですか。それを受けて精神医療審査会が設置されているじゃないですか。それと同様の、ある意味ではもっと重要な難しい判断をしなければいけない機能を社会保障審議会に新たにしていただくとすれば、どういう考え方でどういう体制でやっていただくのか、どこかできちっと明らかにしてもらわないと、どうなるのかさっぱり分からないじゃないですか。それは法律にこれこれの事項は審議会に諮ることとすると書いてあるというのは、そんなのは理由にならないですよ。
これはもう、委員長、ちょっと厚生労働大臣にお聞きするしかないですね。官僚は説明をしても法律の説明ばっかりで、何にも分からない。
○政府参考人(上田茂君) 委員長。
○朝日俊弘君 分からないじゃないですか。今までの、もういいよ、もう。今までの答弁では。ちゃんと答弁できるの。
○政府参考人(上田茂君) 失礼いたしました。
社会保障審議会の組織、所掌事務、委員等につきましては、厚生労働省設置法第七条第二項により政令で定めることとされていることから、この法律の規定に基づき、社会保障審議会令において具体的に規定しているものでございます。
なお、指定入院医療機関における処遇の改善の請求を審査する上では、精神医療や精神障害者の人権に関する学識経験が求められることも多いと考えられるため、委員の任命に当たりましてはそのような観点にも十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 やっぱり駄目だ。今の答弁じゃ駄目です。
私が繰り返し言っているじゃないですか。現在の措置入院制度における入院の処遇改善についてさえ精神医療審査会についてこれだけの定めがありますよと、法律で。新しい法制度では、もっとそういう意味では深刻な問題を抱えた人たちが入院をする。それに対して、その処遇改善を受け付けるところは国です、大臣です、それで具体的には社会保障審議会です、そんな説明だけで、なるほどそうですかと納得できませんよ。
先ほどの説明でいえば、裁判、審判の結果に不服である場合には高等裁判所に抗告する、こうおっしゃいました。それは全国に八か所ありますと、こうですと。入院中の処遇改善は国一か所ですか。冗談じゃない。
ここはちょっと委員長にお願いしようと思ったのは、是非ここは厚生労働大臣のお答えを聞きたいと思いますので、できるだけ早い機会に連合審査を是非セットしていただきたい、こういうふうにお願いしますが、いかがですか。
○委員長(魚住裕一郎君) 後刻、理事会において協議いたします。
○朝日俊弘君 はい。
○政府参考人(上田茂君) 委員長。
○朝日俊弘君 よろしい、もう。
次に、もう少し実務的な話を聞きますから、お答えください。
さて、指定入院医療機関は、ちゃんと聞いてくださいよ、指定入院医療機関は原則として医療法及び精神保健福祉法の適用を受けるというふうに私は理解するんですが、例えば施設基準、人員配置基準及び患者の処遇に関する基準、行動の制限とか通信・面会の自由とかいうことについて、医療法及び精神保健福祉法の適用を受けるべきであると考えますが、その適用をもし除外するところがあれば、それをすべて挙げてください。
○政府参考人(上田茂君) 医療法の規定は指定入院医療機関にも適用されることになります。他方、指定入院医療機関への入院は、この法律に基づく裁判所の決定により行われるものであり、精神保健福祉法の規定は適用されません。しかしながら、患者の人権への配慮の必要性は本制度による入院患者と一般の入院患者の間で変わることはなく、本制度におきましても精神保健福祉法と同様に人権保護に関する規定を設けているところでございます。例えば九十二条の行うことのできない行動制限等、あるいは九十三条、行動制限等の基準等々でございます。
○朝日俊弘君 ちょっと今の説明でよく分からないんですが、そうすると、施設基準、人員配置基準等については医療法の適用を受ける、で、入院そのものの手続が精神保健福祉法と違うから、その部分については片方で精神保健福祉法をにらみながらこの法律の中にちゃんと書いてあると、こういうことですか。
そういう説明のように聞こえたんですが、でしたら、ちょっと口頭でざっと言われてもよく分かりませんから、ちょっと資料を作ってください。つまり、医療法と精神保健福祉法がこの指定入院医療機関においてどこがどう適用されるのか、逆にどこがどう適用されないのか、その場合にその適用されない部分については、とりわけ入院患者さんの処遇、行動の制限、通信の、面会の自由等についてはどこにどう書いてあるのか、精神保健福祉法の規定ぶりと対比した形で資料を作って提出をしてください。本当に精神保健福祉法の規定に倣って書いてあるのか少々疑わしいところがありますから、そこはきちんとした資料を作ってください。その上で改めて質問をさせていただきます。
いいですか、資料、対比表を作っていただくことについてオーケーですか。返事を下さい。
○政府参考人(上田茂君) そのように努力いたします。
○朝日俊弘君 ちょっと、それは努力ですか。
○政府参考人(上田茂君) 失礼いたしました。作ります。
○朝日俊弘君 一々引っ掛かる御答弁といったら……。
それじゃ、残された時間でちょっとやり切れるかどうか分かりませんが、いわゆる精神病質あるいは人格障害の問題について改めて法務省のお考えをお聞きしておきたいと思います。
私の理解では、少なくとも現段階で正式な診断名として精神病質という診断名を使う医者はほとんどいません。ですから、私はいわゆる精神病質というふうに表現をしています。じゃ、そういうかつて精神病質と言われた人たちを今はどう呼んでいるかというと、比較的、人格障害というふうに呼んでいる先生が多いです。
ただ、この人格障害という概念は精神病質という概念と必ずしもイコールではないんです。最近の考え方では、二元的に診断をしようという考え方がある。病的な状態についていかがかということと性格の偏りについていかがかということと二つに分けて診断をするという、そういう手法が主としてアメリカでは取り入れられています。だから、この人格障害をどういうふうに考えてこの法律の対象となるのかならないのかということが大変重要というか、一つのキーポイント、とりわけ臨床に携わっている精神科医にとっては非常に重要な関心事項なんです。
今までの御答弁では、この法律では心神喪失等の状態ですから、いわゆる精神病質あるいは人格障害については責任能力ありと判断されることが多いので本法の対象とはならないという御説明が専らでしたが、その御説明のとおりでよろしいか、もう一遍聞きます。
○政府参考人(樋渡利秋君) そういうふうに考えております。
ただ、もっとも精神病質又は人格障害と診断される場合でありましても、妄想等の精神症状が著しい場合には心神喪失又は心神耗弱と認められる場合もあると考えられまして、その場合には新たな処遇制度の対象者となり得ることとなると考えております。
○朝日俊弘君 じゃ、逆にお尋ねしますが、そもそもこの法律はいわゆる精神病質あるいは人格障害による累犯、非常に犯罪を重ねて行う傾向のある人を対象とした法律ではないんですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 違います。
○朝日俊弘君 そうすると、今の最初のお答えのように、原則としてというか、多くの場合、いわゆる精神病質あるいは人格障害と言われる人たちは当然に責任能力ありということで心神喪失状態ではないというふうに判断されることが多いであろうと、こういう理解だというふうに受け止めておきますが、さて問題は心神耗弱なんですよ。結構、心神耗弱状態という形で、ある意味では背景に、精神病質若しくは人格障害という傾向を持った人で若干の精神病的状態が加わった人がかなり心神耗弱という状態でこの法律の対象になってくる可能性はかなり高いと私は思っているんです。これは私だけではない。臨床に携わっている方々からもそういう御指摘をいただいていまして、むしろそういう人を対象としているんじゃないかという御意見さえある。
そこで、その場合、心神耗弱ですと、ちょっと確認しておきますが、裁判の判決によって刑の執行が優先される場合もあると思うんですが、どうですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) どういう場合に心神耗弱と認められるかにつきましては、個々具体的な事例において考えられる、司法において考えられることでございましょうが、心神耗弱者につきましては責任能力は完全に否定されるわけではございませんので、心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った者の中には起訴されて有罪判決を受けることとなる者もあることは御指摘のとおりでございます。その中で、執行猶予に付された者については本法案による処遇の対象者となります。しかし、実刑判決を受けた者につきましては、本法案による処遇制度の対象者としていないことから、本制度による処遇は行われず、刑の執行が行われることとなるわけでございます。刑事裁判は、確定後、速やかに執行されなければなりません。
他方、受刑者に心身の疾患があるときは刑務所において必要な医療が行われることとされております。
○朝日俊弘君 何か一番最後、刑務所において必要な医療がとさらっとおっしゃったけれども、本当にそういう体制があるのかどうか、今後の課題にしておきましょう。
それで、確認をしたいんですが、そうすると、場合によっては、すべてとは言いません、場合によっては刑の執行が優先されてしまって、本来その人がそのときに適切な医療を受けなきゃいけないのにという事例も、刑務所の方に送られてしまうということはあるということですか、そういうことですね。
○政府参考人(樋渡利秋君) 実刑判決を受けた場合は、当該刑の執行が行われ、服役することとなります。その場合でありましても、先ほども申し上げましたが、刑務所において必要に応じて精神医療が行われることとなるということでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、そういう場合には、手厚い医療と確実な社会復帰のためのこの法律の適用が受けられないと、こういうことになりますね。そのことを指摘して、終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
日精協の政治連盟から参考人出席を、私も今日求めましたけれども、残念ながら参加をいただいておりません。この法案が金で動いたのではないかという疑惑の解明に必要な木村副大臣の昨年度の政治献金の報告についても出てまいっておりません。この間、様々な関係団体からも、国民からも疑惑の声が指摘をされまして、野党の側はいろんな努力もして、資料も突き付けてまいりましたけれども、結局、出した側からももらった側からも疑惑解明についての資料が出てこないと。出せないのか、正に疑惑が的中をしているのか、こういうことだと言わざるを得ません。
この問題の徹底的な解明なしに法案の審議は終局をしないと、引き続きこの参考人の出席と資料の要求を最初に強く求めておきます。
その上で、精神保健福祉対策本部の対策について、まず質問をいたします。
この法案による新しい指定入院医療機関がいわゆる閉じ込めにならないようにするためには、地域のケアの充実が不可欠だということを繰り返し指摘をしてまいりました。厚生労働省は、受入れ条件が整えば退院可能ないわゆる社会的入院七万二千人について、十年間で社会復帰を図るということを言われました。新障害者プランの五か年目標というのが出ましたけれども、これではとてもその十年間の半分を達成できるようなものではない、関係団体からも大変目標の低さに失望の声が上がっていることも先日指摘をいたしました。しかしながら、この低い目標すら一体達成できるのかどうかと、こういう問題であります。
一昨日、六月一日付けの毎日新聞がこの問題で特集をいたしました。今年三月までの毎日新聞調査に基づきまして、四十七の都道府県と十二の政令市からの回答が掲載をされております。それによりますと、七割の自治体の精神保健福祉の担当者が、この十年間で解消するというこの目標については達成は厳しい、こういうふうに回答を寄せております。多くの自治体は予算、そして人手の不足をその理由に挙げているわけですが、こういう自治体からの反応をどのように受け止めておるのか、まずお願いをいたします。
○政府参考人(上田茂君) 我が国の精神保健、医療、福祉全般にわたる水準の向上を図り、条件が整えば退院可能なものであるとされている約七万二千人の方々の退院、社会復帰を促進することは極めて重要な課題であります。
本年五月十五日に取りまとめました精神保健福祉対策本部中間報告におきましても、いわゆる社会的入院者対策を重点施策の一つの柱として進めていくこととしております。具体的には、新障害者プランにおいては、こうした方々の退院、社会復帰を実現することを目指し、ホームヘルプサービス、グループホーム、あるいは社会復帰施設の数値等の目標を設け整備を図っていくこととしております。
ただいま御指摘ございました毎日新聞の調査に関しまして、その詳細は存じ上げませんが、いわゆる社会的入院者を十年で社会復帰させるという目標は種々困難もあろうかと思いますが、厚生労働省といたしましては、新障害者プランに基づき、省を挙げて全力で取り組んでいく所存であり、引き続き自治体の御理解、御協力を求めてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 省を挙げてというのがお好きなようでありますけれども、現実の現場である自治体がとてもできない、予算も人手も不足だということを言っているんですね。
今、理解を求めたいと言われましたけれども、それじゃ聞きますけれども、厚生労働省として、この達成のために何が必要か、自治体からの具体的な要望というのは聞いておられるんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) いわゆる社会的入院者の社会復帰を進めるためには、地域の実情を踏まえた施策を効果的に推し進める観点から、地方自治体の方々の御意見を伺うことが大変重要であるというふうに考えております。このため、全国衛生部長会議等の機会における施策に関する意見交換ですとか、あるいは社会保障審議会障害者部会精神障害分会の委員に地方公共団体の代表者を加えております。また、大阪府における退院促進支援事業等、地域において独自に行われている施策についての事情聴取、こういう取組を行ってきたところでございます。
引き続き、地方自治体の方々からの御意見を伺いながら適切な施策の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 会議で意見を聞いたということでありますが、じゃ、あの五か年目標で出されているような様々な数字、それぞれの自治体でどれぐらいが必要なのかとか、こういう積み上げの数字などは出てきているんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) それぞれの地方自治体の考え方を踏まえながら、この新障害者プランの目標を設定したところでございます。
○井上哲士君 具体的なものはないんですよね。
この毎日でも、五月の中間報告には目標達成のための年次計画さえ盛り込まれていないと、こういう指摘をしておりまして、現場である自治体との調整もせずに数だけが出ていると言わざるを私は得ないと思うんですね。
例えば、具体的に聞きますが、この退院促進支援事業というのが打ち出されました。最初の予算は全国十六か所で四千四百万円、一か所当たりの補助金が二百七十五万円にすぎません。これは自治体からは、国の補助金が少なく一部地域でしか行えないと、こういう声が上がっておりますけれども、この声にはどうこたえるでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 精神障害者退院促進支援事業は、精神科病院に入院している精神障害者のうち、症状が安定しており、受入れ条件が整えば退院可能であるものに対し、作業所等の活動の場を確保し、医療機関と協力し退院訓練を行うことによりまして、精神障害者の社会的自立を促進することを目的としまして、平成十五年度から開始したものでございます。今年度は十六か所において実施することとし、現在各県からの要望を聞いているところでございます。
今後は、先ほど申し上げました本部の中間報告に示すとおり、全国への拡充を今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 今年からスタートするということでありますが、十六か所、本当に少ないところからのスタートでありますし、先ほども紹介しましたように、これでは一部地域しか行えないという声が上がっているんですね。ですから、十年間で解消していく、こういうことは言われますけれども、実際には一つ一つの施策はとても間尺に合わないものにすぎないというのが実態だと思います。
さらに、私は精神科医療の専門家の方のお話を聞きますと、この厚生労働省の精神保健計画について、発病した患者の対策しかないんじゃないかと、それが最大の欠点だと、こういう指摘もいただきました。中間報告も同様でありまして、冒頭のところで、「精神疾患は、誰でも罹る可能性のある疾患である」とこう始まるんですが、すぐに、精神科病棟においては云々と、発病した患者の治療、処遇に入ってしまうわけですね。自分が精神障害に掛かっていると気付かない、いわゆる病識欠如と言われる方の対策がないんではないかという指摘があります。
例えば、家庭の中で我が子が精神病ではないかと疑う親が保健所に相談に行きますと、本人連れてこないと駄目だと、相談できないということで門前払いをされるという例もある。言わば発病し掛かっている患者予備軍とも言われる人を保健所が早期に見付け相談に乗るとか、そういう言わば病識欠如の人も含めた広い対策が必要ではないかと、こういう指摘がありますけれども、この点、どうでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) ただいま議員御指摘のように、地域における精神保健福祉対策の充実を進めるに当りましては、既に受診している者のみならず、新規に発症した患者についても、早期に適切な医療を受け、早期の回復を図れるようにすることが重要でございます。
このため、平成十四年度から実施しております二十四時間医療相談事業については、既に医療機関を受診している者以外にも利用できるように、窓口の電話番号等を一般住民に広く周知することを実施主体であります都道府県等に求めているところでございます。
また、ただいま議員からもお話ございましたが、保健所や精神保健福祉センターにおける精神保健福祉相談等によりまして、医療機関に受診していない者も含めた地域住民からの相談に対応しているところでございまして、今後ともこのような普及啓発、相談事業の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 対応に努めているということでありましたが、大変不十分なのが実態であります。
今もありましたけれども、この点で非常に大事なのが、二十四時間、だれでもいつでも相談できる相談体制の充実が大きな柱の一つになります。かなりのものについては、電話で相談するだけで解決をすることができる。独りで孤立をしている障害者の方などの心を落ち着けたり、随分力を発揮しておりますし、必要な場合には初期医療にさっとつなげることができる重要な施策でありますけれども、この二十四時間相談体制、一体今どの程度整備をされているでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 精神障害者が地域で安心して生活できるような支援体制を作る上で、夜間、休日にも利用ができ、また重症例だけでなく幅広いニーズに対応できる精神科救急医療システムの整備は重要な課題と認識しております。厚生労働省におきましては、平成十四年度より精神科救急情報センターにおきまして二十四時間相談事業を開始し、精神障害者及び家族等から眠れない、あるいは不安なので夜受診できるところを教えてほしい等々の救急医療相談のニーズにこたえる体制整備を図っておりまして、平成十五年四月一日現在では十七の都府県、指定都市で実施されているところでございます。
今後とも、精神障害者の地域生活を支援する観点からも、この事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 まだ十七の都府県と政令市にすぎないということでありましたが、非常にまだわずかだと思うんですね。なぜ進んでいないのか、どうこれを全国に広げるのか、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) これまで重症例を中心とした救急医療システムについては平成七年度から実施しておりまして、そして、ただいま申し上げましたこの精神科救急情報センターにおける二十四時間の相談体制、十四年度から実施したところでございます。しかしながら、こういった言わば初期救急、だれでも気軽に相談できる、そういう体制は非常に重要でございますので、現在は確かに十七か所でございますが、今後その拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 その拡充のためには何が必要でどう強化をされようとしているのか、もう一度お願いします。
○政府参考人(上田茂君) こういった事業を進めるためには、夜間、休日、そういった相談体制でございますから、人の確保ですとか、あるいは医療機関等関係機関の協力等が重要になってきておりますので、そういった観点から、都道府県へ強く働き掛けながらそういった体制をできるだけ幅広く実施できるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 少しも具体的に見えてまいりません。
もう一点聞きますけれども、行政がやる相談活動というのはやはりなかなか敷居が高いという声もあります。共同作業所の全国連絡会、きょうされんの関係者や当事者団体を始めとしたNPOなどが行う相談活動、ピアサポートなど、こういうものを大いに援助することも必要だと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) ピアサポート、ピアカウンセリングなど当事者同士の相談援助活動は、精神障害者の地域生活を支援するとともに、精神障害者の社会参加を図る上で重要なものであるというふうに認識しております。
このため、平成十五年度予算において、都道府県、指定都市が実施します障害者社会参加総合推進事業、このメニュー事業の一つとしまして新たにピアカウンセリング事業を盛り込んだところでございます。
さらに、先ほど来申し上げておりますが、精神保健対策推進本部の中間報告においてもピアサポート、クラブハウス等の当事者活動等の支援を盛り込んだところでありまして、今後ともこれらの活動に対する支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 こういう救急相談や医療を拡充を進めるという問題と、地域での働く場、生活の場の確保が不可欠であります。
障害者対策の中でも精神障害者対策への予算が非常に少な過ぎるということが指摘をされてまいりました。身体障害者三百五十一万人、知的障害者四十五万九千人に対し、精神障害者二百四万人。人数比でいいますと身体と知的を合わせた数の約五割程度でありますが、予算配分は非常に少ない。例えば授産施設で見ますと、身体障害者の授産施設は六十七か所、一万八千八百九十五人、百六十七億円、知的障害者の場合は千百八十六か所、五万八百八十一人、五百四十九億円、合わせますと七百十六億円ですが、精神障害者の授産施設の場合、二百八か所、四千九百四十一人、五十一億円。ですから、人数でいいますとほぼ五割ですが、予算でいいますと一割にも満たないという状況があります。やはり入院、閉じ込めを中心にしてきたということの結果でもあり、原因でもあると私は思います。
当事者の皆さんからも、せめて身体障害者や知的障害者並みに予算配分の充実をしてほしいと、こういう強い声がありますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 精神障害者の社会復帰を推進することは大変重要な課題と考えており、従来から住まいの確保、生活訓練の実施、居宅生活支援等の施策を推進してきたところでありますが、御指摘のように、他の障害者施策と比較しても地域生活を支える福祉施策の面でいまだ十分と言えない状況にあることは認識しております。
こういった状況を踏まえ、厚生労働省におきましては、精神保健福祉施策の計画的かつ着実な推進を図るため、省内に設置しました精神保健福祉対策本部において検討を進めてきたところでありまして、今般、精神保健福祉に関する普及啓発、病床機能の強化、地域ケア体制の整備等の精神医療改革、そして住居や雇用・相談支援機能などの地域生活支援、そしていわゆる社会的入院者対策、こういったことを柱とする中間報告をまとめたところでございます。
今後、ここで示した方向に沿いまして、直ちに着手できる事項から順次実施し、精神保健福祉の充実向上に省を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 本当に充実向上に省を挙げて取り組む状況になっているんだろうかと私は思うんですね。
精神障害者の社会復帰施設等の市町村別の設置率を見ますと、全国で設置されている市町村はもう一〇%程度しかありません。こういう現状の中で、大変大きな役割を発揮しているのが民間の共同作業所でありまして、全国で六千か所以上作られております。
障害者が地域で生活をする上でのこの共同作業所、ここが果たしている役割についてはどう認識をされているでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) ただいまお尋ねのいわゆる小規模作業所でございますが、家族会などによる自主的かつ地域に根差した取組として創意工夫を凝らした活動を展開しておりまして、障害者の自立やあるいは社会参加の促進を図る上で重要な役割を果たしていると認識しております。
○井上哲士君 私、精神病院に二十回も入退院を繰り返した女性の記事を読む機会がありました。こう言われていますね。
鉄格子にはまった閉鎖病棟で、両親と面会するときも職員の監視付き、医者の診療は週一回一分しかなく、看護婦も忙しいときは話を聞いてくれない、療養の場ではありませんでしたと、こう語っていた女性の症状が収まったのは地域の作業所に通い始めてからだと、こういう記事なんですね。入院するたびに絶望感でうつ状態になり、退院後は一か月も何もできず苦しかった、作業所の友人や指導員の励まし、家族の愛情が支えになったと語って、御本人が障害者の連絡会で同じような悩みを持つ方の電話相談に当たっていらっしゃるんですね。
ですから、このように共同作業所は働く場であると同時にケアの場でもあるし、相談の場になっている。ある意味では行政がやるべき施策もやっているわけなんですね。こういう施設が本当に地域に網の目のようにできる、それでこそ不幸な諸般の事件もなくすことができるだろうし、不幸な事件を起こした方も安心して社会に帰ることができる、こういうものだと思うんです。
ところが、この共同作業所の一か所当たりの補助金はわずか百十万円でありますが、この補助金が昨年度は三十億六千四百万円でしたが、今年、今年度初めて減額をされました。二十七億五千八百万円になりました。先ほど重要な役割を認識していると言われましたけれども、予算上は全くこれは逆行しているんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(上田茂君) 国庫補助により小規模作業所の運営を支援しているところでございますが、この補助金につきましては、民間団体への補助であるために、平成十四年八月七日に閣議了解されました「平成十五年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、ここにおきまして一割相当を削減することとされたことから、平成十五年度予算におきましては補助対象箇所数を一割削減したところでございます。
しかしながら一方では、こうした小規模作業所のより安定的な経営を確保するために小規模通所授産施設への移行を積極的に進めているところでありまして、法人格を取得して運営される小規模通所授産施設に対し、運営費につきましては一か所当たり年間一千百万円、そして整備費につきましては、施設整備費が二千四百万円、設備整備費が八百万円、この額を一か所当たりの上限としまして国庫補助を行っているところでございます。
また、十五年度予算では、この小規模通所授産施設の運営費について、三百九十七か所増の六百三十七か所、額としまして三十五億を確保したところでございます。
○井上哲士君 六百三十七か所と言われましたけれども、全国のいろんな作業所、六千か所を超えるわけですから、その一割にすぎません。
新しいそういう施策を作ったことと、だからこの共同作業所への予算を減らすということはあってはならないことだと思うんですね。元々、全国で六千か所以上あるこの共同作業所の半分の二千七百八十五か所しか補助を受けておりませんでしたが、その一割を一律にカットするという本当にひどいものです。実際は毎年、今も増え続けているんですね。ですから、新しい制度を作ったと言いますけれども、そこに移って減っているんじゃないんです。毎年毎年増え続けている。それだけ今必要とされているものを一割カットをする。大体、年間で千二百万から千三百万円の運営費が掛かりまして、この百十万の補助金というのは実に貴重なものなんですね。補助金を削除されたことによりまして、職員をパートにしたり、楽しみにしている行事を削減したり、いろんな苦労をされております。
そういう共同作業所の皆さんが補助金削減の下で苦労されている、そういう実態についてはどう把握をされていますか。
○政府参考人(上田茂君) ただいま議員の方から小規模作業所につきまして様々な御意見があることにつきましてお話しいただいたわけでございます。また、私どもも、小規模作業所につきましていろんな御意見がございます。
したがいまして、この小規模作業所への支援の在り方に関しましては、関係団体等の意見を聞きながら十分な検討が必要であるというふうに考えております。
○井上哲士君 その関係団体がこんなことでは困るということで怒りの声を上げているんですよ。
大体、出発点は小泉総理の掛け声の中で今度のこの法案の仕組みが作られました。重大な他害行為を行った精神障害を持つ人の社会復帰を言って、一方では大きなお金を掛けて手厚い医療のための施設建設は進めると。その一方で、本当に今地域で求められているこういう作業所のわずかな予算も削ると。これでは問題の解決の逆行にしか私はならないと思うんですよ。その点、いかがですか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
今後の精神保健福祉医療施策につきましては、これまで入院医療主体から地域における保健医療福祉を中心とした在り方への転換を促進することとしております。
十五年度予算におきましては、厚生労働省の全体の予算の伸びが三・八%でございますが、ホームヘルプサービス、グループホーム等、在宅福祉サービスに必要な経費として二十六億七千八百万円、これは四二・四%の増、また地域生活支援センター等の社会復帰施設の運営費に必要な経費として百七十九億二千万円、これは対前年度比一九・七%の増、また精神科救急システム整備事業としまして二十一億四千二百万円、対前年度比七・八%の増、このような形で精神障害者の地域生活を支援するためのこういった事業の充実を図るための予算を確保しているところでございますが、今後ともこのような福祉施策等の事業の必要な額の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですが。
○井上哲士君 いろんな数言われましたけれども、先ほども言いましたように、本当に全国で厳しい中で支えているこの共同作業所への補助を削っておいて、これでは本当に地域の復帰ということは、とてもできるものじゃありません。予算という点でも、自治体のいろんな裏付けという点でも、早期退院や社会復帰を図る、こういう方向が見えてこないという中で、結局、新たな入院期間が閉じ込めになるだけではないかという懸念は一層強まるばかりだと思います。
そういう点も含めまして、引き続き連合審査等も含めた徹底した審議を求めまして、質問を終わります。
○委員長(魚住裕一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
正午休憩
午後一時三十分開会
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として森元恒雄君が選任されました。
○委員長(魚住裕一郎君) 休憩前に引き続き、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○平野貞夫君 厚労省の政府参考人の方は。──恐縮ですが、質問の通告をしていないんですが、お分かりならば説明していただいて、用意がなければ次回で結構でございますから、問題として提起しておきますので。
平成十五年度の心神喪失者等医療観察法関連の予算として約三十六億円が計上されていると思いますが、この中で約三十五億円ですか、三十四億九千万円が心神喪失者等医療法案に基づく指定入院医療機関の整備という項目で付けられていると思うんですが、これは新しい施設というか病院を造るんですか。それとも、どういう予算の使い方を考えているんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) これは新しい病棟を整備するものでございます。あくまでも病棟でございます。
○平野貞夫君 そうすると、どこか国立病院の施設の中か何かにその病院とは離して、これは金額からいってあれですか、いろんな幾つかある国立病院に幾つかずつ増やすのか、まとめて造る経費なのか。
○政府参考人(上田茂君) これは、国立病院、都道府県立病院の、その病院の敷地の中の一部門として、それぞれ各病棟がございますが、そのうちの一部門としてこの病棟を整備するものでございます。
それから、今回、これまでもお話ししておりますが、今後、八百から九百床程度を整備するということで、十五年度にもこのような指定入院医療機関の整備費として三十五億計上いたしておりますし、今後、整備してまいりたいというふうに考えております。
○平野貞夫君 その病棟の造り方なんですけれども、この三十五億というのは一か所の金額ですか、ばらした金額なんですか。何か所の金額ですか。
○政府参考人(上田茂君) これは八か所でございまして、そして整備も十五年度だけでなく、やはり十六年度ですから、ですから全体の中の一部でございます。いずれにしましても、八か所の整備をこの予算の中で計上しているところでございます。
○平野貞夫君 この病棟の造り方というのが非常に大事だと思うんですが、何か構想はされていますか。
○政府参考人(上田茂君) 病棟につきましては、閉鎖病棟ではございます。そして、全室原則個室ということでございますし、それからやはり療養環境ということで幅広いスペースというようなことも配慮しております。
もちろん構造的にはそういった施設でございますが、運営につきましては、これまで来、できるだけ開放的ということで、当初の急性期の部分については行動制限というような部分がございますが、病状の改善に伴いながら、外出ですとか、あるいはもちろん面会ですとか、そういう意味でのできるだけ開放的な処遇にも心掛けながら、できるだけ早期の社会復帰を目指すことを考えております。
○平野貞夫君 お医者さんとばかりじゃなくて、やっぱりいろんな人の意見を聞いてほしいんですがね。一部の見方といいますか、によりますと、今のお話のようなものではなくて、周りに堀を掘るとか、あるいは塀を非常に高くついて隔離したり、かつてのハンセン療養所みたいな、そういうものも造られるんじゃないかという危惧もあるんですが、そういう点についてのことはございませんですね。
ちょっと確認したいんですが、そういう人権を、人権を迫害するようなそういう施設ではないということを言えますね。
○政府参考人(上田茂君) はい。人権については十分尊重しながら進めていきたいと思っておりますし、それからまた先ほど申し上げましたように、そういう患者さんの治療、そしてそういう安全ですとか、いろんなこともバランスを考えながら今後進めていきますが、これから具体的には進めていくところでございます。
○平野貞夫君 まだこの法案、成立するかどうか分からぬというところでございまして、私個人としては余り成立させたくない法案なんですが。まあ分かりました。予定している質問から入りたいと思いますが。
日精協が平成十年一月二十九日に政府、これは当時は厚生省だと思いますが、厚生省に触法精神障害者対策についての要望を行っていますが、その内容を厚労省、どういうふうに承知していますか。
○政府参考人(上田茂君) ただいま先生お尋ねの平成十年一月二十九日の日精協「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律改正に関する要望」、この要望につきましては、いわゆる触法精神障害者対策について、日本では世界の先進諸国に見られるような専門的な法制度が充実しておらず、措置入院制度での対応は限界にさらされているとして、精神保健福祉法の措置入院制度の中に触法精神障害者に対する特別な措置入院制度を設けることのほか、精神科救急医療体制の法定化や社会復帰施策の見直しなど、平成十一年に予定されていた精神保健福祉法改正に向けて様々な提案を盛り込んだものとして理解しております。
○平野貞夫君 今の説明によりますと、名前は違いますけれども、特別措置入院、そういったことに関連しては、現在のこの付託されている審議中の法案との、同じものというか、あるいはその主体を成すものだと、要するにこの法改正の要請が最近ではスタートだというふうに考えますが、これは厚生大臣になされたんですかね、要望というのは、政府には。
○政府参考人(上田茂君) 当時の「厚生大臣小泉純一郎殿」ということで、厚生大臣あての要望でございます。
○平野貞夫君 小泉厚生大臣は、直接、日精協の方にこのときに会っていますか。
○政府参考人(上田茂君) 承知しておりません。分かりません。
○平野貞夫君 小泉さんは、当時厚生大臣で、今総理大臣なんですが、平成十二年には選挙の陣中見舞い百万もらっていまして、これも厳密な理論を言うならば、厚生大臣が要望を受けるというのは請託を受けたということになると思いますが、そして小泉総理大臣の名前でこの法律は国会に出されたわけでございまして、これも法律の専門家に吟味してもらわなきゃならぬ、法的責任が生ずるかどうかという問題でございますが、少なくとも道義的な問題はこれはだれも否定できないと思います。
その指摘をしておきますが、この要望に対して政府はその後どういう対応をしましたか。
○政府参考人(上田茂君) こうした提案のうち、触法精神障害者対策については平成十一年の精神保健福祉法改正には盛り込まれませんでしたが、これは、この問題がかねてより長い歴史のある課題として司法と医療のはざまで積み残されてきた懸案であり、依然これを解決する機が熟していなかったものと理解しております。
○平野貞夫君 そこで、私の調べたところによりますと、厚生省の事務当局は適当でないということで消極的だった。そこで、日精協は九月の二十五日、日にちが間違っていたら訂正してください、触法精神障害者の処遇の在り方ということについて、かなり政府及び与党に対して文句を、文句のある声明を出していると思いますが、この内容は分かりませんか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
これは、平成十年九月二十五日に出された日精協の触法精神障害者の処遇の在り方に関する声明は、いわゆる触法精神障害者の処遇について、民間病院では限界があり、何らかの対処がなされない場合には、検察官からの通報、保護観察所の長からの通報、矯正施設の長からの通報等による患者の受入れについて協力を見合わせることもあり得るというような内容でございます。
○平野貞夫君 これは一種の政治的恐喝ですね。自分たちの言うことを通さないならば患者の受入れ拒否するぞ、その可能性あるぞという恫喝ですね。そして、その年になるか翌年になるか分かりませんが、自民党の中にプロジェクトチームができると。そして、平成十一年から日精協の政治献金が幅広く行われるようになるという動きだと思います。
そこで、日精協は、精神科のお医者さんというのは非常に立派な人と、非常に何かいわゆる俗物といいますか、そういう非常に極端ですが、私も遠縁におるものですからよく分かるんですが。さて、そこで一つ、平成十二年に掛けて総選挙、このときに大変な陣中見舞いを出すという中で、保岡議員なんかが私的勉強会を始めて、この日精協の政策要求を何か上手に政府の政策の中に入れ込もうとするというのがこの動きなんですが、そこで結構な金額の陣中見舞いをいただいた、昭和十二年六月にいただいた。保岡さんが法務大臣になり、津島さんが厚生大臣になったと。そこで、その年の暮れに保岡さんの声掛かりで津島さんと打ち合わせして法務省と厚生省の合同研究会ができるわけですが、先般の法務省の話では、次の年、十三年の一月から協議が行われたということでございますが、保岡大臣と津島厚生大臣が話し合われたということは、これは個人的に話し合ったんじゃないと思うんですよ。当然両省がかかわった上の話合いだったと思うんですが。
再度お聞きするんですが、この両大臣の間でどのような協議が行われたんですか。法務省として掌握していること、あるいは当時の厚生省として掌握されていることがあれば御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(樋渡利秋君) 御指摘のように、この検討会の開催は平成十二年十一月、当時の保岡法務大臣と津島厚生大臣との間の合意に基づくものと言えますが、重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇の在り方につきましては、それ以前から両省の担当者において検討を行っておりまして、意見交換も行っていたものというふうに聞いております。
つまり、法務、厚生、労働の各事務担当部局におきましては、平成十一年五月の精神保健福祉法の改正に際しての附帯決議を受けまして、精神障害に起因して重大な他害行為が行われることは極めて不幸な事態であって、このような精神障害者の処遇については医療と司法の両分野が互いに協力し合ってこれに対応することが重要であると考えられました。
そこで、このような者の処遇の在り方につき両部局で検討を進めることが必要であるとの共通の認識に立ち、実際に両部局の担当者間において随時意見を交換し、協議、検討を始めていました。それで、当時の保岡法務大臣におきましてもその必要性を十分認識され、議論を更に深めるためには関係者も参加する開かれた形式の合同検討会という議論の場を設定することが適当ではないかという御判断の上で、津島大臣とも相談されまして、これを踏まえて合同検討会が立ち上げられるに至ったものと承知しております。
そういう意味では、保岡法務大臣は大臣の立場で津島厚生大臣とお話しになられて、そういうものを、開かれた検討会を開くように御指示されたものというふうに理解しております。
○平野貞夫君 そこがなかなかやり方のうまいところでして、この附帯決議というのが問題なんですよ。我々ちょっと審議の中で苦しくなったらすぐ附帯決議というんですけれども、附帯決議で政府に要請して、政府がおっしゃるとおり努力しますと言えば、これは国会の要求ですから、個人の要求じゃありませんから、それは法務省も厚生省も、何といいますか、言い開きが何ぼでもできますわな。
我々は、よく附帯決議については、こういう業界関係のことについては気を付けておかないかぬわけですが、もう一人、いわゆる、長勢さんが法務副大臣にたしか十三年の一月になる。長勢さんは四月の終わりごろ辞めるわけですが、この合同検討会に長勢さんがどのようにかかわったか。長勢さんから何か指示があって、あるいは意見があったかなかったか。それから、長勢さんには事務当局はこの合同委員会のことについてどのような報告をしたか、していなかったか。そこら辺分かったら御説明ください。
○政府参考人(樋渡利秋君) 私の前任の当時の刑事局長、それから当時の審議官、課長等に聞いたところでございますが、この合同検討会につきましては、当時の長勢副大臣に対しましては、このような検討会を開催することについては御報告をしておりましたが、これに対して長勢副大臣からは特段の御質疑はなかったというふうに聞いております。
○平野貞夫君 刑事局長をやっている方が言う話ですから、それは本当だと信用しますが、しかし長勢さんはこの精神病院関係者との関係が非常に深くて、この問題に強い関心を持っていたわけですが、そこで、その平成十二年の総選挙の際にも六月に三百万という陣中見舞いをもらっておる。これは日精協の中では一番金額の多い額なんですが、当然日精協としてはいろいろ思い、思惑のある金だと思います。陣中見舞いの金の性格というのはひとつ議論のあるところですが、一応届出をされていますから、そういう意味での届けという手続での法的な問題はないと思いますが、しかし長勢さんは副大臣を辞めて十日後、すなわち五月、十日じゃありません、二十日後の五月十六日に衆議院法務委員会でこの合同検討会が議論していた話、すなわち触法精神障害者の問題についてかなりポイントとなる質問をしております。
そこで、国会のこの委員会、委員が委員会の質疑の場を使っていろいろ問題を起こす、贈収賄等を起こすケースというのは間々あるんですが、類似の問題としてこれは平成五十六年ごろだったと思いますが起こりました撚糸工連汚職事件というのがございます。衆議院の商工委員会の質疑の中で繰り広げられた問題で、一審有罪、二審ひっくり返って、たしか最高裁で元へ戻ったというケースなんですが、このときの横手衆議院議員を起訴した起訴理由を教えてくれませんか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 起訴理由といいますか、起訴した内容ということだろうと思うのでありますが、御指摘の事案の公訴事実の要旨は、被告人は昭和五十七年八月上旬ごろ、日本撚糸工業組合連合会の理事長及び専務理事から、同月六日の衆議院商工委員会において行われる通商産業の基本施策に関する調査について質疑するに当たり、同委員会委員として通商産業省幹部に対し、同連合会が行う昭和五十七年度過剰仮より機共同廃棄事業の早期実施等、同連合会のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け、その謝礼としてその前後に現金合計二百万円を収受し、もって自己の職務に関して収賄したというものであると承知しております。
○平野貞夫君 このとき事件のポイントになったのが、これは法律を作ることじゃなくて国政調査権で政府に行政措置を要求することでございましたんですが、仮より機という、いわゆる機織り機、これがもう使えなくなって政府が買上げするということなんですが、それを非常に有利に業者、業者側に有利にということを質問するわけですが、そのときに政府側が用意していた答弁は、今後検討してまいりたいという想定問答を、いろいろ言って、十分慎重に検討してまいりたいというふうに言わさせて、これがやっぱり贈収賄のいわゆる職務行為に当たっておるわけなんですよ。そういう事件なんです。
そこで、その長勢委員がこの平成十三日五月十六日の衆議院法務委員会で何を質問しているかといいますと、これは答弁したのは古田さんですな、古田政府、あ、あなた上田さんだ、失礼しました。古田政府参考人に攻めておるわけですが、これ刑事局長さんだったんですかな。
精神障害者の犯罪の問題であると。えらい事件を起こした人はどうしておったといったら、何か病院におられたんだったけれども、いつの間にか出ていって何かしておるというようなことがよく議論になって、みんな不安に思っておると。前々からいろんな意味で議論された問題だが、精神障害者の犯罪に関してどういう問題意識を持っているかという質問から始まって、状況を政府側は、仮に社会の中で、これは政府側の意見ですが、答弁ですが、仮に社会の中で生活ができるということにまで回復いたしたとしても治療の継続というのが確保されていないと、また危険が生ずるおそれもある、そういうふうな問題をどう対応すべきかということが、現在検討しなければならない問題だというふうに政府側が答えて、それで長勢さんはそれじゃ不満だというんですよね。理論は正しいんだけれども、ありていに申し上げると、理屈は合っているけれども答えが違っているというケースが多いじゃないかと。
そこで、日精協の要請のそのものなんですが、精神鑑定の実情なり、あるいは現場の検事さんの方のそういう方々に対する対応の状況なり若干改善すべき点もあるんではないかと、国民の常識に合ってないということを、というふうに怒って、そこで、それは二十日前まで副大臣やっていたから余り乱暴なことも言えぬと思いますが、何か保護観察的な司法制度の中での取組も併せてやらないと国民の不安というのは解消されないのではないか、是非早急に解決の方向を見出していただきたいと、強くこう言っておるわけなんですが。
そこで、私は、この撚糸工連よりもっとたちの悪い、このときにはある自民党の議員が仲介に立ってそういう質問させるわけなんですが、この心神喪失者のこの問題は、政府をも附帯決議で無理に巻き込んで、消極的な政府をもこのハッパを掛けながらこういうふうに立法に持ち込んでいったという極めて政、官、業界ですね、精神病病院という、業界の結構たちの悪い行為、犯罪行為じゃないかと思います。
その上に、率直に言いまして、我々一生懸命質問しているんだけれども、この問題に対するマスコミの対応というのはごく一部の新聞以外は実にクールに扱っておると、ここら辺も後ろに何かあるんじゃないかと私は危惧するんですが。
そこで、何よりも大事なのは、やはり平成十四年、昨年のこの日精協の政治連盟の金の使い方なんですよ。裏の金は分かりません。裏の金も相当予想されますが、やっぱり表の金を見れば裏の金の動きというのは推測できますので、是非やっぱり日精協からしかるべき人を、本当は証人ですよね、取りあえず参考人としてこの委員会に来てもらうこと、そしていろいろ言われている長勢さん、保岡さん、あるいは木村副大臣、そのほかのいろいろ疑惑を持たれている人たちのあかしといえばあかし、疑惑といえば疑惑をきちっとするまでこの法案は採決すべきではないと、是非ひとつ日精協政治連盟の平成十四年の収支報告と、その説明あるいはその資料でもいいですからそういうものをこの委員会に出していただく、そういうことを委員長に強く要望いたしまして質問を終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
まず、冒頭に一つだけちょっと質問をいたします。人権擁護法案におけるメディア規制と関係があるかもしれないので、出てくるかもしれませんので質問させていただきます。
五月二十九日付けで法務省入国管理局長が読売新聞東京本社編集局長あて抗議申入れ書を出しました。北元工作員、難民認定へと題する記事が、事実に反し、かつ読者に誤った印象を与える憶測記事が掲載されており、極めて遺憾である、よって、速やかに同記事の訂正と謝罪を求めるとともに、今後このような誤った記事を掲載することのないよう厳重に抗議を申し入れると。
この記事は誤っているのでしょうか。
○政府参考人(増田暢也君) ただいまお尋ねの件は、入国管理局長である私の責任で出したものでございますから私の方でお答えいたしますけれども、今般の抗議は、難民問題について報道を控えるようにというような趣旨ではなくて、あくまでも国民に対して事実に反し、誤った印象を与える記事が掲載された、そのことに対してけじめを付けた方がいいという判断で抗議を申し入れたものでございまして、表現の自由を侵害するとかそういったものとは、そういうような意思は毛頭ございません。
○福島瑞穂君 改めてお聞きしますが、この記事は誤っているのですか。
○政府参考人(増田暢也君) 委員の御質問が個別の案件で新聞報道に出ているような審査経過であるのかというようなことをお尋ねだとしますと、私どもは、個々の認定申請につきましては、申請があったかどうかも含めて、従来から、申請者やその家族の生命、身体を守らなければいけないという観点でお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。
したがいまして、ただいまのお尋ねにつきましても、その記事に出ている案件が本当に審査の対象になっているのかを含めてどうもお答えしにくいところではございますが、ただ、お尋ねですのでその限りで申しますと、少なくともその記事には、ある人物について法務大臣が近く難民認定すると、そういうことが書かれておりました。それは、近く難民認定という事実は決まってもいないことであって、そのような事実はないということでございます。
○福島瑞穂君 大臣の記者会見等の記事を見ておりますと、間違っているというふうにかっちり判断されていらっしゃるのかどうか、その点がちょっと分かりませんでしたので、メディア規制になるかどうかも含めてちょっと質問をさせていただきました。将来、この心神喪失者処遇法案は、未来はだれにも分からないというのが一つのキーワードだと思うんですが、この人が将来、この難民認定が真実になるかどうかはちょっとまだ分かりませんけれども、経緯を見守らせていただきたいと思います。
では、本題に移ります。
先日、再犯率のことで質問をいたしました。再犯率について質問するのはおかしいというふうにも思われます。つまり、再犯率が仮に高い人たちがいたとして、であるならば、なぜ隔離収容の対象になるのかというふうになりますので、再犯率そのものを問題にするのは非常に危ない、危険、問題であるとも思います。しかし、どう調べても、いわゆる精神障害者の人たちの再犯率は高くないんですね、一般の人に比べて。はっきり言うと低い。であるならば、一般の人は、一般の人たち、一般というのも変ですが、再犯率が高いから収容しますと言われれば、だれだって怒り狂うでしょう。だとすれば、再犯率が一般の人よりも低い人たちがなぜこのような法律を作られなければならないのかと思います。
手元に「精神経誌」、精神に経済の経に雑誌の誌、一九九八年百巻十一号、東京医科歯科大学の山上教授が触法精神障害者をめぐる諸問題として論文を書いていらっしゃいます、彼はこの審議会のメンバーでもありますが。
殺人、精神障害者六・八%。彼は触法精神障害者と一般犯罪者の再犯の比較を十一年間追跡調査の上していらっしゃいます。殺人、精神障害者は六・八%、一般犯罪者は二八%。放火は、精神障害者は九・四%、一般犯罪者は三四・六%。明らかに、この山上教授の追跡調査によりますと、精神障害者の人たちの、例えば放火ですと四分の一ぐらいになっておりますので、大変低いんですね。この事実をどういうふうに考えられますでしょうか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 確かに、山上教授のお調べになったところで、今、委員の御指摘になったような数字がその研究の結果として発表されていることは、これは事実でございます。
しかし、といいますか、御指摘の山上教授らの調査結果は、これは昭和五十五年に不起訴処分又は裁判において心神喪失者等と認められた者の平成三年までの十一年間の再犯率と、昭和五十五年に殺人により有罪判決を受けた一般の犯罪者の一部の者のそれとを比較したものでございますか、放火も同じでございますが、一般の犯罪者につきましては、心神喪失者等と異なり、起訴猶予との処分をされた者が全く含まれていないことなど、この両者を単純に比較することは必ずしも適当ではないと考えられます上に、この調査結果にも記載されておりますとおりに、一般の犯罪者が再び犯した犯罪は、その多くが覚せい剤取締法違反その他の比較的軽いものでありまして、凶悪犯罪の再犯に限って見れば、これは殺人を例に取っておりますが、両者の間にそれほどの差はないとの結果であったというふうに書かれております。
それやこれやあるわけでございますが、そうではありましても、要は、私どもは心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者につきまして、その精神障害が改善されないまま再びそのために同様の行為が行われることとなれば本人の社会復帰の重大な障害となりますことから、国の責任において手厚い専門的な医療を確保し、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要あると考えて本法案を提出した次第でございます。
○福島瑞穂君 例えば、一般の人で覚せい剤をやる人の方が物すごく再犯率が高い。一般の人の再犯率の方が精神障害者の、まあ統計の取り方は今るるおっしゃいましたが、この論文を隅から隅まで読んでも、精神障害者の人の方が低い。特にこの法案で問題になっている殺人、放火などはとても低いわけですね。だとすれば、そもそも立法理由、こんな法律を作る必要があるのかというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 従来からお答えいたしておりますとおりに、例えば委員が今おっしゃいましたように、再犯率が高いとか低いとかということで危険だとか危険でないとかということを考えて、その人たちを保安処分として入れよう、あるいは刑罰として刑務所に入れようということを考えているのではなしに、何度も繰り返しますように、こういうふうな、省略いたしますが、二重のハンディキャップを負った方たちにこのような同様の行為を繰り返すことなく社会に復帰していただくために治療を受けていただこうというのが本法案の趣旨でございます。
○福島瑞穂君 そんなに本人のためというのであれば、選択制にすればいいと。意に反して拘束されるのはどんな人にとっても最大の苦痛だろうというふうに思います。
次に、今日、残念ながら、日精協の方が来られないということについて非常に残念です。私もいろいろお聞きをしたかったですし、日精協の方を必ず参考人と、まあ何らかの形で質問できる機会を保証してくださるように私からもお願いいたします。また、資料が十分出ていないことについても、今後、委員会の中で出していただくように要求をしたいと思います。
その日精協のことですが、この法案には日精協の意見や要望がどの程度、どのような形で反映されているのでしょうか。それは、法案賛成という結論のみならず、基本的な考え方や制度の内容にまで影響を与えるものであるのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) お答え申し上げます。
現在、こういった対象者につきまして措置入院制度で多くが医療が行われているわけでございます。そういった中で、医療関係者がその医療あるいは退院あるいは等々につきまして大変苦労がされているわけでございます。こういったようなそういう医療の状況についての、状況からこういった今回の法案についての賛成というような声が私どもに、伺っているところでございます。
○福島瑞穂君 その点との関係で、他の精神科医や精神医療現場の意見や要望はどのような形で反映されていますか。反映させるような努力が実際になされたのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 今回のその法案につきましては、これまでも御説明申し上げておりますが、法務省との合同のそういった打合せ、あるいは自民党、与党のプロジェクト等々、その際に関係者が御出席されいろいろな御意見が出されているわけでございます。そういった幅広い御意見も伺いながら今回の、今回の法案提出に至った経過がございます。そういう中で関係者等のお話を伺っているところでございます。
○福島瑞穂君 同僚委員等の質問でも、こういう言い方良くないかもしれませんが、プロジェクトチームや様々なかかわった人たちというのは、かなりたくさんの方が政治献金を受けていると。そうしますと、日精協の意向に沿うような形でこの法案が審議されたのではないかというふうに疑惑も感じるところであります。
ところで、日精協は、七万二千人の社会的入院の解消という方針自体に反対の態度を示しているやに考えられますが、この法案の立案者はこの点をどのように評価をされますか。社会的入院の解消についての立法者の基本的な考え方をお聞かせください。
○政府参考人(上田茂君) 私ども精神保健福祉対策本部の中間報告でも、普及啓発、精神医療改革、地域生活の支援、そして受入れ条件が整えれば退院可能な七万二千の対策、こういった中間報告をまとめました。そして、この報告の内容につきましても、当然これは幅広く関係者にも我々の考えをお示ししているわけでございますが、日精協におきましてもこの七万二千の退院につきまして御理解をいただいているところでございます。
○福島瑞穂君 七万二千の、明記するかどうかについては、かつて朝日委員がこれを明記しないでほしいという日精協の申入れがあったことを上田部長との質疑の中で明らかにしていますが。
ところで、昨日の連合審査会で閉鎖病棟における開放処遇ということが問題になりました。閉鎖病棟における開放処遇というのはもう概念矛盾ではないかと。開放、開放というのは、開放刑務所がそうですが、外に出られる、外出ができる、塀がないということを通常開放というのであって、完璧に隔離の収容して、外に出られない、自由に出入りできなくてどこが開放的処遇なのかやはり私には分かりません。そこはいかがでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 昨日、ただいま先生の御質問に十分お答えできず大変失礼いたしました。改めて、御質問いただきましたので、御説明を申し上げます。
まず、一般に精神医療では、患者が重い症状にあった場合には安全を保つよう閉鎖病棟で一定の行動を制限しまして治療が行われる、行われることがございます。しかし、閉鎖病棟におきましても、病状の改善に伴って行動の制限を徐々に緩めまして、医療スタッフが同伴して閉鎖病棟から外出をさせたりグラウンドで運動やあるいは閉鎖病棟の外での作業療法等を行わせたり、最終的には単独で閉鎖病棟の外に自由に出入りし、そして外泊も行えるように段階的に開放し、処遇していくこととしております。指定入院医療機関も閉鎖病棟でありますが、ただいま申し上げましたように、一般の精神病院と同様に、病状の改善に伴って患者の行動制限を徐々に緩め、最終的には単独で病棟の外に外出をしたりあるいは外泊をしたりすることができるよう段階的に開放し、処遇していくことを考えております。
なお、指定入院医療機関においては、医師の判断で患者を外出させたり外泊、外出させたり外泊させたりすることが可能となっております。
○福島瑞穂君 この指定医療機関のイメージがまだよく分からないんですが、急性期、慢性期、それから社会復帰病棟も含めて四十床、三十床と昨日おっしゃったんですよね。とすると、その全部の中でそれを賄うことができるのですか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
ですから、それぞれの国立病院等の医療施設に三十床のこういった専門病棟ユニットを整備いたします。先ほど申し上げましたような治療を当然この病棟の中で行うと同時に、先ほどの作業療法ですとかグラウンドでのスポーツですとかレクリエーション療法ですとか、あるいは外出ですとかということで、その病棟を、病棟での生活、失礼しました、入院、療養に加えまして、今申し上げました様々な社会復帰等の治療を行うものでございます。
○福島瑞穂君 セキュリティーはどうするんでしょうか。その指定医療機関と通常のそうでない人たちというのは、交流をするんですか、隔離するんですか、塀を設けるんですか。
○政府参考人(上田茂君) 先ほども申し上げましたように、その病状、当初病状が、状態が悪い場合にはどうしても行動制限ということで治療が始まりますが、だんだん病状が改善するに従いまして先ほどの様々な治療を行います。そうしますと、そういった中で他の病棟での患者さんとの交流とか、先ほど外出などもお話しさせていただきましたが、そういう意味での、病状が改善に伴いながらまた社会復帰を目指してそういった交流が行われるものでございます。
○福島瑞穂君 間には塀を置くんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) その点についてはまだ、これから検討するものでございまして、決めているものではございません。
○福島瑞穂君 昼夜独居の処遇になるのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 指定入院医療機関は全室個室とする予定でございますが、これは刑務所のいわゆる独居房とは異なりまして、患者さんのプライバシーを最大限に尊重し、かつ快適な療養生活を送らせるために一般の病院で使われております個室と同じものでありまして、また、他の患者との接触を制限するために用いられるものではございません。
○福島瑞穂君 それでは、その個室は外からかぎは掛けないんですね。
○政府参考人(上田茂君) 先ほど申し上げましたように、病棟は閉鎖病棟でございますが、その病棟の中で各個室がございまして、それについてはかぎは掛けません。
○福島瑞穂君 あるお母さんからメールをもらいました。二十三歳の息子が統合失調症で入院歴のある母親ですと。このたびの心神喪失法案については、断じてその成立を認めるわけにはいかないということを言いたいと思いますと。息子が発症し、一年余りの入院をせざるを得なかったのは、地域に戻っても家族以外に支援する社会システムがなく、とても不安であったことがあります。ですが、入院中もできるだけ病棟から出してもらい、散歩や作業療法、外泊を重ね、投薬量を減らすことで回復が早まりました。そして、退院後、親しか支援はありませんが、スポーツセンター通いやピアノレッスンなど健常な社会への出入りでめきめき回復しております。回復を思うなら、多剤・大量投与を止める。囲い込みではなく健常者とのんびり触れ合うことです。収容による治療では本質的な回復は得られません。いかに触法精神障害者であれ、囲い込み、収容では回復は望めませんし、収容病で一生を棒に振ると確信しています。触法行為以前の治療と社会支援の貧困を抜本的に改革せねば、触法行為の起こる背景の問題を抱えたままですというのがあります。
新聞の広告も出ておりますが、私はいわゆるハンセン予防病の国家賠償請求訴訟をやった人たちや弁護士の人たち、弁護士が、社会の人々の不安を利用して作られる法律は危険です。人間を強制的に隔離して無期限に収容するこの患者隔離法案はその典型です。国は、これまで精神障害者を強制的に隔離収容し続けてきました。しかも、世界最大の規模で。精神障害者に対する法と政策の誤りを謝罪し、加えて社会に作出、助長し続けた差別と偏見を除くこと、これこそ国が今しなければならないことです。更なる患者隔離法を作ってその失態をごまかそうとするなんてとんでもない。弁護士のこれは声明です。
この予算がやっぱり変だと思うんですが、精神障害者、ごめんなさい、言い直します、ごめんなさい、予算が変だと思うんですが、この法案に見合う予算については以前質問しました。圧倒的な部分が新設の医療施設、病棟の設備費で、退院後の社会復帰のための予算は社会復帰調整官の新設を除けば微々たるものです。
昨日も派遣についてお聞きをしましたが、平成十四年に本当に少ない人数を海外に派遣しただけです。退院の困難性を増幅するだけであり、問題の解決に全くならない。むしろ、逆に予算の大部分はアフターケアの部分にこそ充当すべきではないでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
今回こういった対象者に対する医療を行うと同時に、これまでも御指摘ありますように、一般の精神医療対策、特に社会復帰対策ということが強く叫ばれておりまして、そして御指摘されておりまして、そして私ども厚生労働省で精神保健福祉対策本部を作りまして普及啓発、精神医療改革、そして生活支援、そして七万二千の社会復帰、退院と、こういう大きな柱を立てておりまして、こういった施策につきまして私ども順次取組を今後進めながら、先生御指摘の社会復帰対策等々の充実に図ってまいりたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 病院の中の社会復帰は全く役に立たないというふうに外国では言われているという文献を読みます。社会復帰というんであれば、さっきのメールにもありますが、いろんな人と触れ合って社会復帰をすべきであると。この新しく作られる施設がそうなるとはやはりとても思えません。
なかなか病院の入院している人たちの数が減らないんですが、精神障害者保健福祉施策の推進で、精神障害者社会復帰対策の推進として百八十億円が今年度二百十五億円になっています。二百十五億も使いながらなぜ社会復帰がうまくいかないんでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
私ども、これまでグループホームですとかあるいは福祉ホームですとか、社会復帰施設等々の施設を整備しながら地域の社会復帰対策に取り組んできたところでございますが、そういう意味ではまだまだ必ずしも十分ではなく、そういった各種の施設あるいはマンパワー、そういった活動に取り組まれる人たちの不足等々のような課題がございます。
したがいまして、私ども、こういった課題を解決すべく、先ほど申し上げましたような対策をこれからしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 今まで、これは朝日委員やほかの委員も質問していますが、入院が減っていないんですよね。微々、ちょっとだけ最近は減っておりますが、急カーブでどんどんどんどん増えてきた歴史があると。社会復帰がうまくいっていない状況で、この法案が社会復帰が目的だと言われても、本当にその効果があるのかというふうに思います。
例えば、さっきちょっと細かく聞きましたが、社会復帰のプログラムが必要でも、じゃ他の病院は利用できるのでしょうか。あるいは、本人が例えば裁判所における解除、更新拒絶がない段階で、例えば他の病院を利用したり地域へ出ることができるんでしょうか。
というのは、さっき外出できるとかいうふうにおっしゃいましたけれども、外泊とかを認める、それは裁判所が退院を命じなくてもその人は出ていけるのでしょうか。あるいは本人がかなり症状がよくなったので、自分は地域の病院に帰りたいというふうなことは裁判所の更新の許可が出ない段階でも解除、入院解除でもそれはできるのでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
百条で「外出等」という項目がございまして、これは医師の判断で外出することができるという内容でございます。また、本制度における通院患者につきましては、精神保健福祉法による入院が行われることを妨げないこととしております。これは百十五条でございます。
この法律による入院医療の必要がない者として、指定入院医療機関からの退院が認められ、通院医療を受ける者が精神保健福祉法に基づき地域の病院に入院することも制度上認めているところでございます。
○福島瑞穂君 通院の場合はそれを可能だと思うんですが、入院の場合はどうでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) 先ほども申し上げましたように、患者さんの退院、社会復帰に向けて外出ですとか外泊ですとか、そういうことをいわゆる社会復帰のプロセスとして進めていくわけでございます。そして、他の施設へ入院するような状況、失礼いたしました、他の施設へ入院するような状況、すなわちこの指定入院医療機関で必要でない、そういう状況になりますと言わば退院というふうな状況になるわけでございます。
ですから、先ほど申し上げましたように、社会復帰へ向けて外出、外泊をしながら退院されるわけでございますから、そういう患者さんはそういう状況、正に退院できる状況というふうな状態に至るというふうに考えております。
○福島瑞穂君 ちょっと私が危惧するのは、結局物すごく時間が掛かるだろうというふうに思うんですね。つまり、普通、分かりませんが、精神病院、入院していて少しずつ社会復帰をしていく、それで社会復帰をしながら親元に帰るなりして、いろんな人と付き合ったり、グループホームなどをやりながら少しずつ、さっきのメールじゃないけれども回復していくと。しかし、変な言い方をすれば、隔離された国立指定病院の中で完璧に社会復帰が仕上がるまで退院できないんですよね。物すごく長期に時間が掛かるんじゃないかとも思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
指定入院医療機関におきましては、スポーツあるいはレクリエーション、音楽等、こういった病棟のプログラム、社会復帰へ向けてのプログラム、あるいは各種の作業療法、また集団で行う精神療法、こういうものを通じまして、ともに同じ悩みを持つ者同士が助け合って社会復帰を遂げられるよう積極的に患者さん同士の交流を促していく予定でございます。
こういう形で社会復帰へ向け取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですが。
○福島瑞穂君 社会復帰の考え方がちょっと違うようにも思いますが、もう既に現行の保護観察官に加え、社会復帰調整官の募集を掛けていると聞きますが、この法案はたくさんの献金の問題や根本的な問題、日精協の人に対してもきちっと聞くなど、たくさん課題を残しております。
法案が通る前から通るという前提で募集を掛けて、法案が成立しなかったらどうなるのかなというふうにも思いますが、また、残りの質問については、後日、質問をいたします。
○委員長(魚住裕一郎君) 荒井君。
○荒井正吾君 私は、四案審査のための連合審査会を終了し、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案に対する質疑を終局することの動議を提出いたします。(発言する者多く、議場騒然)
○委員長(魚住裕一郎君) 荒井君の動議を議題とし、採決を行います。
本動議の賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、荒井君の動議は採決されました。(発言する者多く、議場騒然)
本案の修正につきまして、荒木君から発言を求められております。荒木君。
○荒木清寛君 私は、本案に対し修正の動議を提出いたします。
これよりその趣旨について御説明申し上げます。
その内容は、本案の……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)所要の整備を行うものであります。
以上であります。
委員各位の御賛同をお願いします。
○委員長(魚住裕一郎君) 荒井君。(発言する者多し)
○荒井正吾君 ……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)入ることの動議を提出いたします。
○委員長(魚住裕一郎君) 荒井君の動議を議題とし、採決を行います。
賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。荒井君の動議は可決されました。
本案についての採決に入ります。
荒木君の修正案につきまして採決を行います。
賛成の諸君の挙手を願います。(発言する者多く、議場騒然)
〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、荒木君の修正案は可決されました。
続いて、修正部分を除く原案の全部の採決を行います。(発言する者多く、議場騒然)
賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。(発言する者多く、議場騒然)席にお座りください。席にお座りください。席にお座りください。席にお座りください。(発言する者多く、議場騒然)静粛に願います。
よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
以上の結果、本案は多数をもって修正議決をすべきものと決定いたしました。(発言する者多し)
なお、審査請求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願います。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時三十二分散会
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