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文 献 紹 介
 

労 働 問 題

2001年権利白書
福田 徹

精神障害者の触法問題

『精神障害者の犯罪』を考える(参考)

山口 幸博

精神科看護

感情と看護
武井 麻子

精神科看護

看護のための精神医学

中井久夫
マスコミ報道と精神保健福祉
「少女監禁」と「バスジャック」
月崎時央

精神障害者の人権擁護

大阪精神病院事情ありのまま(第2版)
NPO大阪精神医療人権センター

パソコン

ウイルス伝染(うつ)るんです

中村正三郎 (廣済堂出版)

看護のための精神医学 中井久夫の精神病院覚書 アメニティー  中井久夫(医学書院)

付録1
精神病院についての覚え書
精神病院はどうあるのがよいか
精神病院の選定
 ほどほどによい精神病院を選ぶコツを知っていることは,入院にも,患者紹介にも,自分の就職にも,就職相談を受けるにも,重要である。
 まずいちばん重要なのは,「患者の顔」である。患者の顔色がよく,表情があり,生き生きとしているならば,その病院にはたぶんよい治療的雰囲気がある。
 顔色がコンクリート色になっており,無表情で,こちらを好奇心と猜疑心の混じった目でうかがうように見ているならば,他の条件がよくても,その病院は安心できない。
 もっともそれが30年,40年前に入院した患者にかぎられるならば,その時代の精神医療の後遺症として情状酌量の余地がある。全員に近い患者がそうであるかどうかである。
 次に,患者も看護者もおだやかな小声で話し合っているならば,たぶん,よい治療関係があると思ってよい。看護者が大声で告知し,患者が大声で会話しているならば,治療関係は粗いと考えて,さらに眺める必要がある。
 さらに,患者が訪問者に近寄ってきてなれなれしく話しかけるならば「治療的に不飽和」である,すなわち,たとえば面接間隔が大きいか,面接が形式的である可能性がある。
 医者が出迎えず,さらに訪問者に「何しにきた」という態度を示すならば,医者が忙しすぎるか,病院に十分報われていない,あるいは認められていないと思っているか,看護とのチームワークがうまくいっていない可能性がある。医者の性格や個人的な心配事の場合もあるだろうが,精神科の医者はなによりもまず,明るくなくてはならない。会うとこちらの気が滅入る医者では,治るものも治らない。あまり堅苦しいのもよくなかろうが,逆に,あまりざっくばらんで患者や訪問者に「よう」という感じでも,どうかと思う。
 また,建物の感じというものがある。あたたかみ,清潔感,キレがよい感じ,こちらを迎え入れてくれる感じがあればよい。冷たくて,どんよりして,どこか暗く,汚れていて,入るのに二の足を踏みたくなる場合は考えものである。この「感じ」は,建物の建
て方よりも,玄関まわりへの配慮と,事務室の雰囲気によるところが大きい。事務室の感じや,さらに事務の応対の感じは大切である。
 理事長室や院長室だけが飛び抜けて立派で大きく,医局や看護休憩室が狭くて内装がおざなりであれば,それは何かを物語っている。
 庭はあまりに手入れがよすぎても,荒れ果てていても,どうかと思われる。ほどほどに整っているのがよいようである。
 病院が周囲の地域に埋もれて目立たないほうがよい。
 最近のガラスの強さと飛び下り防止装置の発達は,鉄格子を無用にしつつある。鉄格子が窓になく,病棟への入り口が鉄の扉でなく,強化ガラスの扉であれば,それは新しい行き方に敏感な病院であろう。鉄格子の目立つ病院の医者が,地域の人に,いくら患者を差別するなと説いても無駄であろう。
病院の設計について
 入院患者が,その日のうちに全体の配置,廊下など内部の地理がつかめるような,単純な配置がよい。 これは火災など事故の場合に重要である。
 廊下の幅は規定(2.4m)より広いほうがよい。こうすると,椅子など,ものを置くことができる。
 廊下は夜間,フットライトだけの照明にして天井の明かりを消すようにできるのが,患者の睡眠の質の向上のためによい。窓の遮蔽も,もっと工夫があってよい。台風のためであるが,沖縄の病院には雨戸のあるところがある。
 窓は大きく,下の縁が低いほうがよい。これは,ベッドに寝ている患者のためであるが,換気のためでもある。空気中のゴミは床上30cmまでが多く,80cmで急に減る。床に接して掃きだし小窓を備えた病院があるが,とくに空気が清潔であった。
 換気は,自然換気に勝るものはない。光庭は煙突の作用をして,中庭に面する窓をとおして建物内の空気を吸い上げる。
 なお,窓にストッパーをつけて開閉幅を狭くするのはホテルでもやっていることで,縦長の隙間は通風をよくする(レイノルズ効果。隙間風の強さを思うとわかるだろう)。
 色彩は,淡いほうがよい。色彩見本でちょうどよいと思う色は,大面積に広げるとたいへん濃くなる。「色があるかなしか」を選んでちょうどである。
 床と壁の接続部分を「幅木(はばぎ)」という。ふつうは茶色であるが,濃い竹色で成功した例がある。
 色彩についてのノート。
 赤−−近接色で,ものを近くにみせる。赤い自動車は昼間は追突されにくい(夜は暗くみえるので駄目である)。刺激性が強く,脳波を乱し,心臓の拍動数を増す。赤はごく小さい箇所にアクセントとして使うだけにしたい。
 青−−鎮静色で,赤による興奮を瞬時でおさめる。ただ視線が定まらずにさまよう欠点あり,天井を高くみせるが,金の星などをつける必要がある。
 緑−−遠隔色で,ものを遠くみせる。鎮静色で,しかも視線が憩う。人間が些細な違いにもっとも敏感なのが緑色で,上品な緑と下品な緑との差が大きい。上品な緑を選ぶのに細心である必要がある。また,緑のペンキの多くは腿せやすいので,そうでないものを確かめて選ぶ。
 なお,同じ微妙な差に敏感なのには灰色がある。赤色も下品と上品の差が大きい。黄色は使いにくい。褐色やカーキ色は創造性を抑えるといわれる。床の色以外には薦められない。壁の色として,無難で長くあきないのは,かすかにピンクの混じった淡いクリーム色であろうか。あとの色は地の色としては使いにくい。なお,天井,壁,廊下の順に色を濃くする。逆の病院があったが,はなはだ落ちつかなかった。
 壁には,絵がかかっているほうがよい。ただし,目のある肖像画は避けること(見つめられていると思う人が多い)。印象派の画が無難(ルノワールの風景の暖かさ)だが,筆者の試したところではデュフィにもっとも人気があった。クレーは,メルヘン的な,明るいものならよい。患者の画や,暗い画,なにかを暗示していそうな抽象画は避けるべきである(ステンドグラスふうの色彩分割画ならいい)。寄付される画にはときに患者によくない画が混じっている。患者の目に触れないところに置く(病院に画を寄付するのは考えなおしたほうがよい)。
 最近は個室で育ち個室に住んでいる人が多いので,病室には隔離のカーテンが必要となる。カーテンは上端が20sほどの重量がかかると切れるようにするか,懸架装置が抜けるようにするとよい。カーテンの色は東の部屋は緑系統,西の部屋は明るい淡いピンクのほうがよい(朝日は輝かしく,夕日はさびしいからである)。
 病室は番号とともに植物かなにかの名をつけるほうがよい(番号は看護の都合優先である)。
 玄関は明るい総ガラスのドアで,中で働いている人がみえるほうがよい。中がどうなっているかわからない建物に入るのは,それ自体がストレスである。
 看護ステーションは,全体を居ながらにして感じとれるような場所にあるほうがよい。
 隔離室は,外にも廊下を隔てて面しているほうがよい。3本ほどのスリットを外側と内側とに設けて通風をはかると,それだけで空気がよどまず臭気もなくなる。時計とカレンダーを備えることが重要である(手が触れられない場所でよい)。壁や便所をはじめ内装はときどき修理するつもりのほうが,絶対に壊れないようにっくるよりもよく,安上がりでもある。
 隔離室は看護ステーションから雰囲気がわかる程度の距離がよい。なお,隔離室の前にシャワー,洗濯場があるとよい。
 面接室は,独立しているほうがよい(看護ステーションの隅でないほうがよし))。しかし,これも看護ステーションとつながっているほうがよい。入口は二つなければならない。窓の少なくとも1/4が植物の緑があるほうがよい。窓のない部屋を面接室に
使うのは好ましくない。使うときは,障子を入れて,その向こうにライトを点けるなどの工夫が必要である。面接の椅子は,車付きの回転椅子がよい。面接者と患者との向かい合い方が自由だからである。面接者と医者と患者の椅子は同じものがよい。回転椅子には,患者も医者も,小さな苛立ちを椅子の回転で排出してしまう便利もある。
 庭は,看護者が世話を焼かなくても荒れた感じがしない植物を使うのがよい。筆者は,オリーヴ,月桂樹を使い,クローバを植えて地中海風にした。なお,サクラがあったほうがよいのは私たちの文化にしみついているからだろう。ちなみに,クローバを植えると雑草が育ちにくい。芝は手入れがたいへんである。
 看護休憩室や医者だまりを大きく,瞥沢にとることが重要である。職員がじゅうぶん憩えるようにすることが必要である。看護婦長には個人的注意や個人的相談をおおぜいの前でしないためにも,休養のためにも,個室が必要である。医者の個室がある病院があるが,できれば望ましい(欧米ではすべて実現している)。個室でないと勉強しにくい人がある。
 看護者には,出勤時,退出時,平服になってから後は,病室を通らずに病棟に出入りする別通路が必要である。
 外見は,山小屋ふうか,とにかくなんとなく可愛らしい感じがよい。


「少女監禁」と「バスジャック」  〜マスコミ報道と精神保健福祉〜
宝島社新書 定価:本体700円+税
著者:月崎時央
ISBN :4-7966-2221-7
2001年5月10日発売
マスメディアの報道では 何ひとつ分からなかった「心の病」と事件の全貌!
「心の病」と「事件」、そしてテレビ・新聞の「報道」 ----、 なにが真実で、なにが問題だったのか?
気鋭の精神医療ジャーナリストが現場に足を運び、「実際に起きたこと」を浮き彫りにしてゆく!
著者の自己評  
 ■糾弾でもなく美談でもないもの
宝島社新書『「少女監禁」と「バスジャック」〜マスコミ報道と精神医療〜』は、取材をした多くの人々に、実名、匿名に関わらず、あらかじめその人のコメント部分の原稿を確認してもらい、訂正や削除にも応じるという基本方針を取材申し込みの時点から貫いて書いた本だ。
 このような方法をとった理由は、従来の精神保健福祉に関する報道の多くが、糾弾型か、美談か、ハウツー物というパターンにくっきりと分けられ報道されてきたことに対して私なりに違ったアプローチを意識した結果だ。私は、できるだけ中立の立場に立って、いろいろな角度からの声を並べて紹介したいと思った。
 精神医療は、心病む清らかな弱者の美談として語られる時と、精神障害者は危ない人と決めつけて語られるような場面が極端に、分かれてしまっている。
 だが、私が取材する精神医療の現実は、心病む弱者の物語と、社会防衛をも、ぎりぎりで担わされるような2つの側面を合わせ持っているように思える。
 つまり、ややダーティで、人間の生きざまの極限を垣間見るような部分と、福祉的な美談のどちらも内包するアンビバレンスこそが、精神保健福祉の特徴なのではないか。そのことを精神医療界はきちんと世間にアナウンスして来なかった。いつもどちらか一方の顔しか見せてこなかったような気がする。
 そのことが世間の誤解も招き、また精神保健福祉について書くマスコミ側の人々の意識も混乱させているのではないだろうか?
 表面的に善悪を決めるならともかく、ちょっと踏み込むと、取材は面白くまた難しい。そして精神保健の関係したニュースを単純な勧善懲悪のストーリーに納 めることは不可能な場合が多いことがわかる。踏み込めば踏み込む程、ことが複雑に入り組み、価値も混乱していることを思い知らされる。

  だから、精神保健福祉がどのようなものかを世の中に伝えるためには、従来のように、精神医療を糾弾ばかりしていても意味がない。また逆に福祉枠のなかで、頑張っている障害者や作業所を紹介するという美談だけで完結させても、問題点がするりと抜け落ちてしまう。本当にこれという方法が見つからないなと思う。しかし多くの課題を抱えた医療であることは間違いない。
 
 これらの課題ををくっきりと浮き上がらせるためには、まず精神医療について多くの情報を公開するというプロセスが必要だと私は思う。その上で、何を批判し何を課題とするのかを、市民がみんなユーザーの立場となって考えて行く必要があるのでは……と思いながら取材を続けた。
 そんな意味で色々頑張ったつもりだが、力及ばすという部分も少なくない。

LA LUNA  市民とメディアと精神保健福祉をつなぐネットワーク



感情と看護  看護する心の診断学 人とのかかわりを職業とすることの意味  「シリーズ ケアをひらく」


縦組A5版 280頁 予価(本体2,400円+税)
[著者] 武井麻子 日本赤十字看護大学教授
医学書院  TEL:03-3817-5657    FAX:03-3815-7804


労働条件の厳しさ、人手不足、交代勤務のつらさなど、誰の目にも明らかな問題以上に、看護婦を悩ませている問題があります。それが本書で見ていこうとする、看護婦自身が日々体験している感情の問題です。みずからの感情を語ることは「恥」をさらすようであり、くだらなく思えるかもしれません。けれども、それをくだらないと感じることから問題にしなければなりません。最近新聞を賑わしている医療事故や看護婦による犯罪にしても、その裏側には、軽んじられ、無視されてきた感情が、語られないままに渦まいているのではないでしょうか。……本書より


感情と看護 目次
序章 見えない看護婦
1看護の仕事
2感情労働としての看護
3看護婦のイメージ
4「共感」という神話
5身体が語る言葉
6看護における無意識のコミュニケーション
7死との出会い
8傷つく看護婦、傷つける看護婦
9看護婦という生き方
10組織のなかの看護婦
終章 看護の行方
《書評》帚木蓬生(作家,精神科医)
 精神科医になって丸23年である。患者とのつきあいをのぞくと,一番やりとりが多かったのは看護職だったと改めて気づく。
 この4半世紀で精神科医療は大きく変わった。おしなべてそれは進歩だったと言える。ところが看護の世界を眺めると,停滞はおろか退化しているのではないかという気がする。
「詰所看護婦」に成り下がった
 確かに各地に看護大学が新設され,受持ち看護制になり,看護診断や看護過程などの手順も導入された。しかし看護婦(士)が患者と接する時間は確実に減り,私の勤める病院でも,患者に尻向けて,パソコンを前に指ばかり動かして記録の作成に精を出している姿が目につく。代わりに患者の中で立ち働いているのは,看護助手や介護士,作
業療法士,臨床心理士,薬剤師である。仕事の最もおいしいところを他職種に奪われ,看護職はおしなべて詰所看護婦(士)に成り下がってしまった観がある。
 この現象が精神科だけかというとそうでもないらしい。糖尿病で総合病院の内科に入院した知人は,初日に受持ち看護婦の自己紹介を受けたきり,1週間後の退院まで看護婦から話しかけられなかったとぼやいた。看護婦不足かと思って詰所をのぞくと,そこにはうじゃうじゃたむろしていたそうである。
 私の母校の大学病院でも検温が全廃されて久しい。唯一心療内科だけに残っている。とはいえ1日1回の測定だから,まっすぐな青線が伸びているだけである。体温測定こそまたとない患者との対話の機会であり,体調観察の好機なのに,惜しいことこの上ない。
看護診断の前にやるべきこと
 最近の看護職がバイブルのようにあがめている「看護診断」の教科書を見て,仰天した。ハイリスクやペアレンティング,コーピングといった片仮名の氾濫と訳語の生硬さも噴飯ものだが,1つの疾患に診断が12や13もつく煩雑さ,それに対する治療的側面の記述の貧困さは目を覆うばかりである。例えば,抑うつの項の看護目標には,「信頼関係を築く」とか「抑うつの感情を緩和する」など,いとも簡単な言挙げがなされている。しかしこれを実行するには,どれほど深い看護技術の修練が必要か。詰所看護婦(士)では20年30年たっても身につかないことだけは確かである。
 看護診断や看護過程を導入するなら,それに見合う分,患者を看護する側の心理の深化も当然要請されなければなるまい。
看護の内と外をあますところなく描写
 武井麻子著『感情と看護』は,その空白の部分,未開拓の領域に初めて鍬を入れた待望の書である。そこでは,看護過程で生じるさまざまな心の動きは無論のこと,看護に対する当事者が抱くイメージと世間のそれとの落差,看護職の集団としての構造と軋みなど,看護の内と外があますところなく描出され,解析される。
 さらに,看護職やソーシャルワーカー,保母や調理師,大学教官など,人とのかかわりを職業としてこられた著者のさまざまな経験が縦横に織り込まれて,説得力に彩りを添える。
 私は本書で,日常何気なく使っているケアが「思いやること」「関心を示すこと」であり,ケアリングが「何かを大事に思うこと」「人が何かにつなぎとめられていること」であると,初めて教えられた。まさしくこれこそ「看護」の本質を衝く言葉である。現在ほとんどの病院が採用し,現場を席巻しているSOAP形式の記録法によって,看護婦(士)の感情が行き場を失っているという指摘も,大いにうなずける。また,看護婦(士)を自縄自縛している「受容」や「共感」の功罪については,さもありなんと思う。
死にゆくもの同士のつながりの場として
 確かに看護の場は戦場である。弾丸が頭上を飛び交い,足元は泥でぬかるむ。しかし,いずれ死にゆく身が,同じように死にゆく人々と数瞬の光り輝くつながりを持つ,支え合うかけがいのない場である。そこで働けることこそ生まれ甲斐があるというものである。
 この本は,詰所看護婦(士)に自らの土俵に立ち戻っていく勇気を与え,人を援助したいすべての人に,人間として成長していくための知恵と指針を提示してくれる。
看護婦はなぜ疲れるのか
 「巻き込まれずに共感せよ」「怒ってはいけない!」「うんざりするな!!」−−看護は肉体労働でも頭脳労働でもあるが、なにより感情労働だ。どう感じるべきかが強制され、やがて自分の気持ちさえ見えなくなってくる。隠され、貶(けな)され、ないものとされてきた《感情》をキーワードに、「看護とは何か」を縦横に論じた記念碑的論考!


『精神障害者の犯罪』を考える

副題  −精神障害者の触法問題緒論ー
出版社 鳥影社(ちょうえいしゃ)
著者  山口幸博
ISBN  4-88629−569−X
定価  \1800


2001年権利白書

 1999年7月 小渕内閣が決定した「経済社会の有るべき姿と経済新生の政策方針」は、
21世紀初頭の10年間の経済政策及び、雇用労働政の基調を定めた中期戦略。これを略称
「10年指針」という。
 結論的に、福田 徹は、「財界・保守政治勢力としての統一見解、統一戦略をそのまま鵜呑みにさせて体制的に集約した日本列島支配の基本戦略としてしっかりと見定め、働くものの総力で跳ね返す必要があるといわなくてはなりません。」と述べている。 すなわち
(1) 経済面においては、市場メカニズムの活用が最優先の原則とされ、経済的な規制や、制度は自由な活動を促すインフラとして位置付けられ、規制や制度は「原則自由への転換がなされる。これは、企業間競争を自由にすることは勿論、企業と働くものとの関係にしても労働市場における労働力売買の自由化(労使の関係の取引条件の自由化)を規制する労働基準法や雇用規制(一例、派遣労働の制限とか解雇についての制限)をしてはならないという結論に帰結する。
(2) 1999年12月から、それまで特定の業種(業務)だけに限られていた派遣労働が特定の業務、物の製造の業務を除いて、全て派遣労働が自由化され「職業安定法」についても政府の運営とされていたものが、民営紹介ビジネスの参入が見とめられたが、早くも保守連立政府は「物の製造業務」についても派遣期間一年の制限についても見直しを検討している。
(3) 2000年5月に保守連立政権は、企業がリストラ再編成を支援するため、会社分割を行い易くする商法改正を成立させ、併せて、「労働契約承継法」すなわち、従前から働いている会社と分割された先の会社とのどちらで働くかを規制する法律が成立した。会社分割にあたって、 関係労働者や労働組合に必要事項を通知する(承継法2条)。についても通知義務違反についての罰則がなく、使用者の都合で次の雇用主(会社)に変えられることになる。

(4) 行財政改革(消費税)規制緩和、そして大競争時代への対応の布石として展開されつづけている「第三次リストラ合理化」は、中高年層の大量切り捨てのみならず、1953年統計史上空前の高失業率で推移しているが、政府の「10年指針」(前述)では、2010年段階で2%成長を予定しているというのになおかつ、「雇用流動の副作用」として(失業率)3% 後半から4%台の高失業社会を予定している。
ーまとめー
政府の「10年指針」は、現状の回復是正はおろか、9年先の労働市場は、まさに暗黒労働の到来である。 私達の息子や娘が活躍するであろう時代にも想定される『悪政』は今、断っておかなければならない。
              (参考資料;2001年権利白書より)
購入方法
「2001年権利白書」を希望される方は、下記宛に申し込んでください。
東京都 文京区 後楽 2−20ー13 共同無線ビル
代表   福田 徹    TEL 03-3814-8966


大阪精神病院事情ありのまま(第2版)

NPO大阪精神医療人権センター
代表理事里見和夫

当人権センターではこのたび「大阪精神病院事情ありのまま(第2版)」を出版しました。
医療法の精神科特例が廃止されず、この特例に安住しようとする病院と何とかよりよい環境を作っていこうとする病院との間に大きな格差が歴然と生じている現在の状況の中では、患者及び家族にとっては、安心してかかれる精神病院はどこかに関する情報は、不可欠のものです。私たちは、各病院をくまなく訪問して、それに基づき、できるかぎり正確な情報を提供すべく上記第2版を出版したものです。

郵送ご希望の方は、
1500円+送料500円=2000円を次の郵便振替口座宛ご送金ください。
  00960-3-27152
  加入者名 NPO大阪精神医療人権センター

以上、よろしくお願いいたします。

精神病院の実情紹介 情報公開の試みを評価、NPOが第2版刊行/大阪

朝日新聞2001年12月1日>

 精神病院の風通しを良くしようと、NPO「大阪精神医療人権センター」は、病棟まで足を運び、個々の病院の実情を利用者の視点からリアルに紹介した「扉よ開け 大阪精神病院事情ありのまま」の第二版を刊行した。二日午後一時から中央区のアピオ大阪で記念集会を開く。
 昨年十一月に出した初版は、訪問した二十八病院の率直な印象を紹介し、全国でも例のない情報公開の試みとして評価された。今年の第二版では、二回目となる八病院を含めて四十二病院を訪問。府内六十三病院のうち、近畿大病院を除くすべてをカバーした。
 各病院では、スタッフや精神病院への入通院の経験のある人たちら四、五人が平均五・五時間をかけて、患者の話を聞きながら、療養環境や人権上の問題点をチェックした。今回、閉鎖病棟の見学を拒んだのは大阪大病院だけだった。
 同センター事務局長の山本深雪さんは「不必要な警戒感が薄らぎ、外部の目をサービス改善に役立てようという姿勢の病院が増えた。ただ、改革を進める病院と、旧態依然とした病院の格差が開いており、患者を掃除などでただ働きさせている例も目立つ」と話している。
 集会では、国の公衆衛生審議会委員である新潟県立小出病院の金子晃一医師が「精神医療はどう変わる」と題して講演する。参加費五百円。


 第二版は二百ページ、千五百円。
購入の問い合わせは同センター(06・6313・0056)へ。


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2002/07/10 05:59:37;51460;f6876db868v;RETR;ok;/htdocs/archive/books/1.html